鬱ロック

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鬱ロック(うつロック)とは、音楽ジャンルの一つである「ロック・ミュージック」と、現実に対する鬱屈した感情を表現した「欝曲」の要素を持つ曲を指す造語である[1]

主に1990年代~2000年代初頭に″鬱ロックバンド”と呼称されたアーティストが多く誕生した。ダウナーな気分に寄り添う音楽、現実をありのまま表現し寄り添いも突き放しもしない音楽、更に気分を沈める音楽を鬱ロックの中に含む場合もある。聴き手の主観により鬱ロックの定義は多種多様であるため、鬱ロックという1ジャンルにカテゴライズされることを嫌う風潮もある。

概要[編集]

音楽ジャンルとして大成した「ロック・ミュージック」は1950年代にアメリカ合衆国ブラックミュージック(黒人音楽)を起源として、主にアメリカやイギリスで広まった。1960年代の社会運動が高揚した時代と同時期にロック・ミュージックが絶頂期を迎えたことからもわかるように、ロックは社会的イデオロギーや大人に対する反骨精神を表現した青年の音楽であった。

日本のロック(通称・邦楽ロック)の歴史は、1966年のビートルズ来日をきっかけにバンドブームが到来し、ロックがメジャーとなった。

欝曲の定義は多様であり、欝々とした嘆きや無気力を淡々と綴る歌詞やリズム、暗い曲調などを指すことが多い。

鬱ロックとされる主なアーティスト
アーティスト名 活動開始
人間椅子 1987年~
黒夢 1991年~
cali≠gari 1993年~
GRAPEVINE 1993年~
Plastic Tree 1993年~
Cocco 1996年~
Syrup16g 1996年~
COCK ROACH 1996年~
ムック(MUCC) 1997年~
Dir en grey 1997年~
THE BACK HORN 1998年~
セツナブルースター 1998年~
真空メロウ 1999年~
LUNKHEAD 1999年~
SADS 1999年~
BURGER NUDS 1999年~
Climb The Mind 1999年~
me-al art 1999年~
ART-SCHOOL 2000年~
NON'SHEEP 2002年~
butter butter 2003年~
pegmap 2003年~
plenty 2004年~
THE NOVEMBERS 2005年~
無限マイナス 2005年~
死んだ僕の彼女 2005年~
真空ホロウ 2006年~
キツネの嫁入り 2006年~
きのこ帝国 2007年~
amazarashi(STAR ISSUE) 2007年~
mondaysick 2007年~
神聖かまってちゃん 2008年~
Lyu:Lyu(CIVILIAN) 2008年~
Suck a Stew Dry(THURSDAY'S YOUTH) 2010年~
イツエ 2010年~
それでも世界が続くなら 2011年~
スロウハイツと太陽 2013年~
GLOCK406 2020年~

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Kondo, Raito. “真のネクラが聴く、良い感じに鬱になれる邦ロックバンドはこれだ!”. Webデザイナーの成れの果て. 2021年11月3日閲覧。