「VLS」の版間の差分
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[[File:US Navy 020125-N-0000X-001 SM-3 Launch from CG 70.jpg|thumb|300px|right|[[ミサイル巡洋艦]]「[[レイク・エリー (ミサイル巡洋艦)|レイク・エリー]]」から垂直発射される[[RIM-161スタンダード・ミサイル3|SM-3弾道弾迎撃ミサイル]]。ミサイル後方に見える壁状の炎は、セル内から側面に逃がされた排気が吹き上がったもの。]] |
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[[File:A Crane lifts an Evolved Sea Sparrow Missile (ESSM) aboard the guided missile destroyer USS McCampbell.jpg|thumb|250px|right|Mk 41の垂直発射セルへの[[ESSM]]装填]] |
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'''VLS'''(Vertical Launching System、ヴァーティカル ローンチング システム)は、[[潜水艦]]を含む[[軍艦|艦艇]]に使用される[[ミサイル]]発射システム。[[日本語]]では'''垂直発射システム'''または'''垂直発射装置'''と訳される。 |
'''VLS'''(Vertical Launching System、ヴァーティカル ローンチング システム)は、[[潜水艦]]を含む[[軍艦|艦艇]]に使用される[[ミサイル]]発射システム。[[日本語]]では'''垂直発射システム'''または'''垂直発射装置'''と訳される。 |
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発射装置にはある程度の斜角度が付いている場合もあり、狭義の「垂直」ではない機種もある。 |
発射装置にはある程度の斜角度が付いている場合もあり、狭義の「垂直」ではない機種もある。 |
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== ミサイルの発射方法 == |
== ミサイルの発射方法 == |
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[[File:VLS MK41 Missile Launch.gif|thumb|right|Mark 41 VLSからのホットローンチの模式図]] |
[[File:VLS MK41 Missile Launch.gif|thumb|250px|right|Mark 41 VLSからのホットローンチの模式図]] |
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セル内でミサイルに点火して発射する方式を''ホットローンチ、''ミサイルとは別の[[ガス発生器]]で生成されたガスの圧力で射出し空中でミサイルに点火する方式を''コールドローンチと呼ぶ。''コールドローンチはロケットエンジンの排気と比較して''相対的に''冷たい事を意味するだけで、発射時に生じる温度の高低では区別しない。 |
セル内でミサイルに点火して発射する方式を''ホットローンチ、''ミサイルとは別の[[ガス発生器]]で生成されたガスの圧力で射出し空中でミサイルに点火する方式を''コールドローンチと呼ぶ。''コールドローンチはロケットエンジンの排気と比較して''相対的に''冷たい事を意味するだけで、発射時に生じる温度の高低では区別しない。 |
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[[File:US Navy 090825-N-1522S-020 A Tactical Tomahawk Cruise Missile launches from the forward missile deck aboard the guided-missile destroyer USS Farragut (DDG 99) during a training exercise.jpg|thumb| |
[[File:US Navy 090825-N-1522S-020 A Tactical Tomahawk Cruise Missile launches from the forward missile deck aboard the guided-missile destroyer USS Farragut (DDG 99) during a training exercise.jpg|thumb|250px|right|アメリカ海軍の Mark 41のトマホークのホットローンチ式発射|代替文=]] |
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ホットローンチ式はミサイルが自分のエンジンでセル外部へ出て行くため、ガス発生器など付属装置が不要になる。部品点数が少ないため信頼性が高く小型軽量で、開発と製造にかかる費用も少ない。これは小型のミサイルを多数搭載する設計に有利となる。欠点として、ミサイルや排気装置が誤作動を起こした場合、発射管を焼損する危険がある。 |
ホットローンチ式はミサイルが自分のエンジンでセル外部へ出て行くため、ガス発生器など付属装置が不要になる。部品点数が少ないため信頼性が高く小型軽量で、開発と製造にかかる費用も少ない。これは小型のミサイルを多数搭載する設計に有利となる。欠点として、ミサイルや排気装置が誤作動を起こした場合、発射管を焼損する危険がある。 |
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== 各国のVLS == |
== 各国のVLS == |
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: [[スタンダードミサイル|SM-1/2]]/[[RIM-161スタンダード・ミサイル3|3]]/[[RIM-174スタンダードERAM|6]]、[[RUM-139 VLA|垂直発射型アスロック]]、[[トマホーク (ミサイル)|トマホーク]]、[[ESSM]](発展型[[シースパロー (ミサイル)|シースパローミサイル]])など、さまざまな用途のミサイルを発射できる。1基8セルで構成され、1基、2基、4基、8基つなげて配置される。初期に生産されたものは、3セルを装填用クレーンスペースとして割り当てていた(8基の場合は61セル、4基の場合は29セル)。 |
: [[スタンダードミサイル|SM-1/2]]/[[RIM-161スタンダード・ミサイル3|3]]/[[RIM-174スタンダードERAM|6]]、[[RUM-139 VLA|垂直発射型アスロック]]、[[トマホーク (ミサイル)|トマホーク]]、[[ESSM]](発展型[[シースパロー (ミサイル)|シースパローミサイル]])など、さまざまな用途のミサイルを発射できる。1基8セルで構成され、1基、2基、4基、8基つなげて配置される。初期に生産されたものは、3セルを装填用クレーンスペースとして割り当てていた(8基の場合は61セル、4基の場合は29セル)。 |
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; Mk 57 |
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: 新型VLSでPVLS(Peripheral Vertical Launch System)と呼ばれる。Mk 41同様様々な用途のミサイルを発射する事が可能。[[ズムウォルト級ミサイル駆逐艦]]に搭載されている。 |
: 新型VLSでPVLS(Peripheral Vertical Launch System)と呼ばれる。Mk 41同様様々な用途のミサイルを発射する事が可能。[[ズムウォルト級ミサイル駆逐艦]]に搭載されている。 |
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[[File:USS_Santa Fe (SSN-763) VLS doors open.jpg|thumb|250px|right|ロサンゼルス級搭載のMk 45、開口された状態]] |
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; Mk 45 |
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: [[潜水艦]]搭載型VLSで[[ロサンゼルス級原子力潜水艦|ロサンゼルス級]]「[[プロビデンス (原子力潜水艦)|プロビデンス]]」以降の艦と[[バージニア級原子力潜水艦|バージニア級]]の前部に搭載されている。 |
: [[潜水艦]]搭載型VLSで[[ロサンゼルス級原子力潜水艦|ロサンゼルス級]]「[[プロビデンス (原子力潜水艦)|プロビデンス]]」以降の艦と[[バージニア級原子力潜水艦|バージニア級]]の前部に搭載されている。 |
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: A-43、A-50、A-70の三種あり、数字が大きくなるほど搭載可能なミサイルは長くなる。A-43、A-50は[[アスター (ミサイル)|アスター]][[艦対空ミサイル|SAM]]用、A-70は対地巡航ミサイル[[SCALP-EG/ストーム・シャドウ|SCALP Naval]]用。コールドローンチ方式を採用している。 |
: A-43、A-50、A-70の三種あり、数字が大きくなるほど搭載可能なミサイルは長くなる。A-43、A-50は[[アスター (ミサイル)|アスター]][[艦対空ミサイル|SAM]]用、A-70は対地巡航ミサイル[[SCALP-EG/ストーム・シャドウ|SCALP Naval]]用。コールドローンチ方式を採用している。 |
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; [[シーウルフ (ミサイル)|シーウルフ]]用VLS(GWS26) |
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: [[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]。箱型[[ランチャー]]で運用されていたミサイルにブースターを追加したものをVLS型とし、専用のVLSより運用されている。VLSは円筒形の1本1本独立した発射機を組み合わせ、8本で1基を構成している。 |
: [[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]。箱型[[ランチャー]]で運用されていたミサイルにブースターを追加したものをVLS型とし、専用のVLSより運用されている。VLSは円筒形の1本1本独立した発射機を組み合わせ、8本で1基を構成している。 |
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[[File:BarakShooting.jpg|thumb|250px|[[サール4.5型ミサイル艇]]搭載のVLSから発射されるバラク-I]] |
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; [[バラク (ミサイル)|バラク]]用VLS |
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: 個艦防空ミサイル用バラク-Iは、当初よりVLSでの運用を前提に開発された。1基8セルで構成される。 |
: 個艦防空ミサイル用バラク-Iは、当初よりVLSでの運用を前提に開発された。1基8セルで構成される。 |
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[[File:SA-N-6 Launchers on Marshal Ustinov crop.jpg|thumb|250px|right|[[スラヴァ級ミサイル巡洋艦#055 マールシャル・ウスチーノフ|マールシャル・ウスチーノフ]]の[[S-300 (ミサイル)|S-300F]]発射機]] |
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[[File:International Maritime Defence Show 2011 (377-9).jpg|thumb|250px|right|3S-14U]] |
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: [[艦対空ミサイル#艦隊防空ミサイル|艦隊防空ミサイル]]システム。8発1セット回転式のVLSで、コールドローンチ方式を採用している。[[NATOコードネーム]]ではSA-N-6 グラムブル(Grumble)と呼ばれた。 |
: [[艦対空ミサイル#艦隊防空ミサイル|艦隊防空ミサイル]]システム。8発1セット回転式のVLSで、コールドローンチ方式を採用している。[[NATOコードネーム]]ではSA-N-6 グラムブル(Grumble)と呼ばれた。 |
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: [[HQ-9 (ミサイル)|HQ-9]]艦隊防空ミサイル用。054A型フリゲート(江凱-II型)搭載のHHQ-16中距離艦対空ミサイル用を拡大したような外形。HHQ-9以外にも、艦対艦ミサイルや対潜ミサイル、対地巡航ミサイルの運用にも対応した汎用型となっている。 |
: [[HQ-9 (ミサイル)|HQ-9]]艦隊防空ミサイル用。054A型フリゲート(江凱-II型)搭載のHHQ-16中距離艦対空ミサイル用を拡大したような外形。HHQ-9以外にも、艦対艦ミサイルや対潜ミサイル、対地巡航ミサイルの運用にも対応した汎用型となっている。 |
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[[File:Umkhonto 4.jpg|thumb|250px|right|[[ヴァラー級フリゲート]]の専用VLSから発射されるウムコント]] |
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: 個艦防空ミサイル。搭載するミサイルには[[赤外線]]誘導のウムコント-IRとレーダー誘導のウムコント-Rの2バージョンがある。8セルで1セットを構成する。 |
: 個艦防空ミサイル。搭載するミサイルには[[赤外線]]誘導のウムコント-IRとレーダー誘導のウムコント-Rの2バージョンがある。8セルで1セットを構成する。 |
2020年6月3日 (水) 06:14時点における版
VLS(Vertical Launching System、ヴァーティカル ローンチング システム)は、潜水艦を含む艦艇に使用されるミサイル発射システム。日本語では垂直発射システムまたは垂直発射装置と訳される。 発射装置にはある程度の斜角度が付いている場合もあり、狭義の「垂直」ではない機種もある。
概要
保管容器と発射筒を兼ねる「セル」と呼ばれる複数のケースで構成される。ミサイルは弾頭を上にした保管状態から直接、垂直方向にむけて発射され、空中で向きを変えて目標に向かう。
弾薬庫と1基の発射機で構成されるミサイル発射装置で発生する、再装填や、発射機を目標へ旋回させる時間を削減する目的で開発された。
ミサイルの発射方法
セル内でミサイルに点火して発射する方式をホットローンチ、ミサイルとは別のガス発生器で生成されたガスの圧力で射出し空中でミサイルに点火する方式をコールドローンチと呼ぶ。コールドローンチはロケットエンジンの排気と比較して相対的に冷たい事を意味するだけで、発射時に生じる温度の高低では区別しない。
ホットローンチ式はミサイルが自分のエンジンでセル外部へ出て行くため、ガス発生器など付属装置が不要になる。部品点数が少ないため信頼性が高く小型軽量で、開発と製造にかかる費用も少ない。これは小型のミサイルを多数搭載する設計に有利となる。欠点として、ミサイルや排気装置が誤作動を起こした場合、発射管を焼損する危険がある。
コールドローンチ式はミサイルが誤作動を起こした場合の被害を抑える事ができる。一定以上の大型ミサイルは、ブースターを艦船の甲板上で安全に点火するのは困難なので、ミサイルが大型化するほどコールドローンチ式の安全性の恩恵が増える。
アメリカ製の水上艦のVLSは、ミサイルのセルを格子状に配置してセル毎に区切ったホットローンチ式であり、VLSの脇に長方形の排気口が設けられている(画像参照)。 フランス、イタリアとイギリスはPAAMSシステム内で類似のホットローンチ式Sylverシステムを使用する。 ロシアは格子型のほか、1基の発射装置で複数のミサイルを発射するリボルバー型を使用する。陸上発射や水上発射で安全性を重視する場合はトールミサイルシステムのようなコールドローンチ式を使用し、近代的なICBMとSLBMの大半はコールドローンチ式である。 中華人民共和国では蘭州級駆逐艦が円形発射管によるコールドローンチ式を使用し、江凱II型(054A型)フリゲートでは1セルに1発を装填するホットローンチ式を使用している。
運用
- 装填
- ミサイルは細長い箱状や筒状のケースに格納した状態で、発射機内部へクレーンを使って垂直に装填される。
- 発射
- ミサイル発射時には上部の蓋が開き、弾体は上方に向けて発射される。
- 飛翔
- 垂直に発射されたミサイルは、誘導に従って空中で目標の方向へ向きを変えて飛翔する。
特徴
利点
- 搭載するミサイルと同数の発射筒を備えることになり、従来の発射装置では最速でも4秒に1発程度とされる連射速度を、1秒に1発程度に短縮できるほか、個々の発射筒が独立しているため、1基が機械的に故障しても他に影響が出にくい。ソ連(ロシア)には、ミサイルを回転式拳銃の弾倉のような回転式ドラムに装填し、1つの発射口を共有する形態のVLSも存在する。比較的直径の小さいESSMのように、1つのケースに複数収納できるミサイルもある。発射機本体の汎用性が高く、新たなミサイルが開発されても継続的に使用できる。
- ケースごとに異なった種類のミサイルの装填が可能なものもあり、対空・対地・対艦・対潜・対弾道弾・巡航の各種ミサイルを1隻の艦船に混載することで、柔軟な運用が可能になる。
- 従来の発射機が露天甲板上に露出していたのに比べて、メンテナンスを含めた耐候性に優れる。また、甲板上に露出する部位が減るため、レーダー反射面積が低下し、ステルス性向上につながる。重心も低下するため、船体の安定性を崩しにくい。
欠点
- セルの数を減らしてもあまり値段が下がらず、小型艦にとっては費用面での負担が大きい。
- 空中でミサイルの姿勢を変更するため、近距離に飛来した物体への迎撃には向かないとされる。
- 発射口が真上を向いたVLSの場合、コールドローンチ後の点火失敗や、発射直後のエンジン故障でミサイルが推力を失うと、発射機本体に落下してくる危険性がある。
各国のVLS
- Mk 41
- SM-1/2/3/6、垂直発射型アスロック、トマホーク、ESSM(発展型シースパローミサイル)など、さまざまな用途のミサイルを発射できる。1基8セルで構成され、1基、2基、4基、8基つなげて配置される。初期に生産されたものは、3セルを装填用クレーンスペースとして割り当てていた(8基の場合は61セル、4基の場合は29セル)。
- 詳細は「Mk 41 (ミサイル発射機)」を参照
- Mk 48
- シースパロー艦対空ミサイル用。ESSMも搭載可能。
- 詳細は「Mk 48 (ミサイル発射機)」を参照
- Mk 57
- 新型VLSでPVLS(Peripheral Vertical Launch System)と呼ばれる。Mk 41同様様々な用途のミサイルを発射する事が可能。ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に搭載されている。
- Mk 45
- 潜水艦搭載型VLSでロサンゼルス級「プロビデンス」以降の艦とバージニア級の前部に搭載されている。
- 巡航ミサイル潜水艦に改装されたオハイオ級には、24基の潜水艦発射弾道ミサイル発射筒のうち最大22基に、1基につき7基のトマホーク用VLSが搭載されている。
- SYLVER
- A-43、A-50、A-70の三種あり、数字が大きくなるほど搭載可能なミサイルは長くなる。A-43、A-50はアスターSAM用、A-70は対地巡航ミサイルSCALP Naval用。コールドローンチ方式を採用している。
- 詳細は「シルヴァー (ミサイル発射機)」を参照
- シーウルフ用VLS(GWS26)
- 個艦防空ミサイル。箱型ランチャーで運用されていたミサイルにブースターを追加したものをVLS型とし、専用のVLSより運用されている。VLSは円筒形の1本1本独立した発射機を組み合わせ、8本で1基を構成している。
- バラク用VLS
- 個艦防空ミサイル用バラク-Iは、当初よりVLSでの運用を前提に開発された。1基8セルで構成される。
- 艦隊防空用ミサイルとして開発されたバラク-8も専用のVLSかMk 41(予定)により運用される。
- B-203/B-204(S-300F フォールト用)
- 艦隊防空ミサイルシステム。8発1セット回転式のVLSで、コールドローンチ方式を採用している。NATOコードネームではSA-N-6 グラムブル(Grumble)と呼ばれた。
- B-203A (S-300FM フォールトM用)
- 艦隊防空ミサイルシステム。B-204を48N6の搭載に対応させたシステム。NATOコードネームではSA-N-20 ガーゴイル(Gargoyle)と呼ばれた。
- 3S95(3K95 キンジャール用)
- 個艦防空ミサイルシステム。発射方式はS-300Fと同様。NATOコードネームではSA-N-9 ゴーントリト(Gauntlet)と呼ばれた。このミサイルシステムの派生元となった陸上型9K330 トールシステムも、装軌車両から垂直にミサイルを発射する。
- 3S90E.1(3K37 ヨーシュ用)
- 艦隊防空ミサイルシステム。従来のロシア製VLSとは異なり箱型の発射機で1基12セルから構成される。当初、アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートに3基36セル搭載予定とされていたが実現せず。アドミラル・グリゴロヴィチ級フリゲート用に採用、3基36セル搭載。
- SM-233(P-700 グラニート用)
- 重長距離対艦ミサイル。NATOコードネームではSS-N-19 シップレック(Shipwreck)と呼ばれた。
- 3S14 UKSK(P-800 オーニクス及び、クラブ用)
- 従来、専用の垂直発射機を必要としていたオーニクス系列とクラブ系列双方のミサイルを搭載可能。3K37 ヨーシュ用と同様箱型の外観で、1基8セルから構成される。インド海軍向けタルワー級フリゲート、シヴァリク級フリゲートに搭載されており、ロシア本国においてもアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートやステレグシュチイ級フリゲートに搭載されている。
- 3S97.2K(3K96 リドゥート用)
- 複数種の異なる対空ミサイルを搭載可能で、長距離から近距離まで対応できる。建造中のアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートに、3S90E.1に替えて搭載予定。
- 詳細は「3K96 リドゥート」を参照
- 3R-14V(P-800 オーニクス及び、クラブ用)
- 3S14の潜水艦用VLS。ヤーセン型原子力潜水艦が3連装発射機8基を搭載。
- 蘭州級駆逐艦のVLS
- HQ-9艦隊防空ミサイル用。6セルで1基を構成し、それぞれのセルに円形の蓋がある。コールドローンチ方式を採用。
- 江凱II型フリゲートのVLS
- HQ-16艦隊防空ミサイル用。1基8セル4基から構成され、それぞれのセルに蓋がある。外形はMk 41に酷似している。
- GJB 5860-2006型(052D型駆逐艦用)
- HQ-9艦隊防空ミサイル用。054A型フリゲート(江凱-II型)搭載のHHQ-16中距離艦対空ミサイル用を拡大したような外形。HHQ-9以外にも、艦対艦ミサイルや対潜ミサイル、対地巡航ミサイルの運用にも対応した汎用型となっている。
- ブラモス用VLS
- ロシアと共同開発された対艦ミサイル用。1基8セルから構成される。一部ラージプート級駆逐艦へ改装により搭載されたほか、今後新造艦への搭載が予定されている。
関連項目
- Mk 41 - Mk 48 - シルヴァー
- 潜水艦発射弾道ミサイル - 一般に「ミサイル発射筒」と呼ばれるランチャーは、後に現れたVLSの一種であり、先行技術でもある
外部リンク
- Mk 41 VLS - Federation of American Scientists
- MK 41 Vertical Launching System (VLS) - GlobalSecurity.org
- Mk-48 Vertical Launching System (VLS) - Seaforces-online Naval Information