ヴァラー級フリゲート

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ヴァラー級フリゲート
SAN frigates SAS Isandlwana (F-146) and SAS Amatola (F-145) (8102950713).jpg
艦級概観
艦種 フリゲート
原設計 ドイツの旗 ドイツ
運用者  南アフリカ海軍
就役期間 2006年 - 就役中
前級 プレジデント級(イギリス製12M型)
次級 最新
性能諸元
排水量 満載: 3,590トン
全長 121.0 m
全幅 16.34 m
吃水 4.40 m
機関 CODAG-WARP方式
MTU 16V1163 TB93ディーゼルエンジン (7,940 bhp) 2基
LM2500ガスタービンエンジン (26,824 shp) 1基
可変ピッチ・プロペラ 2軸
ウォータージェット推進 1軸
速力 28ノット
航続距離 7,000海里 (15kt巡航時)
行動日数 28日
乗員 115名
兵装 76mmコンパット砲 1基
デネルDPG 35mm連装機銃 1基
90口径20mm単装機銃 2基
ウムコント短SAMVLS (8セル) 2基
エグゾセMM40 ブロックII SSM 四連装発射筒 2基
連装短魚雷発射管 2基
艦載機 リンクス300哨戒ヘリコプター 1機
C4I TAVITAC-NT戦術情報処理装置
レーダー MRR-3D NG 3次元 1基
スカウト 対水上捜索用 1基
RTS-6400 射撃指揮用 2基
ソナー キングクリップ 船底装備式 1基

ヴァラー級フリゲート英語: Valour class frigate)は、南アフリカ共和国海軍のフリゲートの艦級[1][2]

設計[編集]

艤装前の「スピオエンコプ」

本級は、ドイツブローム・ウント・フォス社によるMEKO A-200型フリゲートの設計を採用しており、MEKO A-200 SAN型と称される。船型は長船首楼型で、レーダー反射断面積(RCS)の低減に配慮したXフレームと称される設計が採用されている。また煙突を廃し、排気は冷却のうえで艦尾より行われていることから、赤外線シグネチュアも低減されているほか、バルバス・バウの付与により水中放射雑音の低減も図られており、全スペクトラムでのステルス性の向上が志向されている[1][3]。ただし2010年8月には、ネームシップにおいて、センサーの誤作動によって排気系より海水の侵入を許し、機関部の損傷事故が生じた[2]

主機方式は特徴的で、CODAG-WARP(WAter jet and Refined Propellers)と称される方式を採用している[2]。これは、巡航時には左右のディーゼルエンジンによってスクリュープロペラを駆動し、高速発揮時には、これに加えて中央のガスタービンエンジンによるウォータージェット推進を使用するという方式である。スクリュープロペラは可変ピッチ・プロペラであるが、負荷に応じて、エンジンの回転数と翼角の双方を自動制御しており、特にリファインド・プロペラと称される[3]

電源としては、MTUフリードリヒスハーフェンディーゼルエンジンを原動機とする発電機(出力550キロワット)が4セット搭載された[2]

装備[編集]

主な電装品はタレス・グループ製が採用され、戦術情報処理装置TAVITAC-NTとされている。主センサーとしてはCバンド3次元レーダーであるMRR-3D NGが搭載されており、アンテナは前檣に配されている。またソナーも同社製のキングクリップであり、こちらは艦首直後のハル・ドームに収容されて搭載された[2]

個艦防空ミサイルとしては、同国のデネル・エアロスペース・システムズ社製ウムコントを搭載した。発射機としては、艦橋直前に8セルのVLSを4基配置している。また火器管制レーダーとしては、やはり同国のローテック社製のRTS-6400を艦橋構造物上と後部上部構造物上に1基ずつ配している。艦対艦ミサイルは、エグゾセMM40 ブロックIIを4連装発射筒2基に収容して、艦橋構造物直後の中部甲板に搭載した[1][2]

艦砲としては、オート・メラーラ社製76mmコンパット砲を搭載したが、これは退役艦からの流用である。また後部上部構造物の後端部にデネルDPG 35mm連装機銃も搭載された[1][2]

ハンガーは、アトラス オリックス英語版アエロスパシアル ピューマの南アフリカ版発展型)なら1機、より小型のアグスタウェストランド リンクスなら2機収容できる[2]。搭載定数はリンクス1機である[1]

同型艦一覧[編集]

1999年12月3日、4隻およびオプション1隻の建造契約が締結された。ブローム・ウント・フォス社ハンブルク造船所でF145とF147、ホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船社キール造船所でF146とF148の計4隻が建造され、2006年から2007年にかけて就役した[1][2]

# 艦名 起工 進水 就役
F145 アマトラ
SAS Amatola
2001年8月 2002年6月 2006年2月
F146 イサンドルワナ
SAS Isandlwana
2001年10月 2002年12月 2006年7月
F147 スピオエンコプ
SAS Spioenkop
2002年2月 2003年8月 2007年2月
F148 メンディ
SAS Mendi
2002年6月 2003年10月 2007年3月

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f Stephen Saunders, ed (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. p. 735. ISBN 978-0710628886. 
  2. ^ a b c d e f g h i Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 665-666. ISBN 978-1591149545. 
  3. ^ a b 東郷行紀「アルジェリア向けMEKO A-200型を見る」、『世界の艦船』第842号、海人社、2016年8月、 7-11頁。

外部リンク[編集]