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庄川峡長崎温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
庄川峡長崎温泉
温泉情報
所在地 富山県南砺市利賀村長崎字川戸山
泉質 アルカリ性単純温泉
泉温(摂氏 25.9 °C
湧出量 約130 L/分(動力揚水)
pH 9.45
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庄川峡長崎温泉(しょうがわきょうながさきおんせん)は、富山県南砺市利賀村長崎字川戸山に所在する温泉[1]

本項では、前身となる新大牧温泉(しんおおまきおんせん)についても記述する。

歴史

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1971年長崎大橋開通時、当時全戸離村し無人となっていた北原・長崎地区であるが[2]1973年、庄川観光がこの地に大牧温泉から引湯した温泉を有するホテル(計3棟、300人収容)を誘致し、さらに温泉付き別荘分譲地を造成するなどし、さらに利賀村(当時)に対しスキー場の建設やユースホステスまたは国民宿舎の誘致、道路と橋梁の整備、診療所と駐在所の設置などを要望し、新大牧温泉と称する一大温泉村を開発する計画を発表した(スキー場は後に建設困難の為頓挫)[3]

その後、計画はトナミ商事に引き継がれ[2]、難工事の末、1975年に北原荘の上手まで7kmの引湯に成功し[4]1977年5月22日は引湯式が執り行われた[5]。しかし引湯に巨額をかけたためホテル建設は中止となり、分譲地も売れず、利賀村当局でも民宿経営者を探し回る事になった[6]

当初は『長崎温泉』という名称であったが、民宿『ながさき家』に有利になることを考慮し、『新大牧温泉』と呼ぶようになった[7]

現在の温泉は、2006年より使用されている自前の源泉を使用している。これ以降、温泉名も『庄川峡長崎温泉』と名乗るようになった[8]

温泉諸元(庄川峡長崎温泉)

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  • 泉温 - 25.9℃[1]
  • 湧出量 - 約130 L/分(動力揚水)[1]
  • pH - 9.45[1]
  • 溶存物質 - 152.3mg/kg[1]
  • 源泉の深さ - 652m[1]

大牧温泉からの引湯時代は含石膏弱食塩泉であった[7]

温泉街

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5軒の利用許可施設(北原荘、利賀乃家、民宿茂兵衛、ながさき家、古民家の宿おかべ)が存在する[1]。かつては民宿の勇山荘(1979年開業)も存在していた[9]

北原荘
1976年[10]にトナミ地方浄化センターの従業員の厚生施設として建設される。その後順次増築され[6]1978年に旅館化された[9]。30台駐車可能な駐車場が完備されている[10]
テレビアニメ『ゆるゆり♪♪』第1話の劇中で登場した温泉旅館のモデルとなっている(実物とは建物の配置が逆となっている)[11]
古民家の宿おかべ
岡部組の老夫婦が離村後に留守番として使用していた施設を、引湯時の工事作業員の宿舎を経て、1979年6月(一部資料では1978年[9]、または1983年8月[12])に湯権を取得し、『民宿岡部』を開く[6]
ながさき家
1979年に民宿『長崎屋』として開業[9]
茂兵衛
1979年に長崎で民宿として開業[9](開業時期はおかべの2か月後である[6])。
利賀乃家
1996年、北原にて開業[9]

当地区では1993年から毎年4月に長崎で口山地区温泉さくら祭りが開催されている[9]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 『富山の日帰り湯 銭湯 サウナ 温泉 100』(2024年7月11日、北日本新聞社発行)143頁。
  2. ^ a b 『富山いで湯風土記』(1989年9月1日、岡田正二著、北日本新聞社発行)365頁。
  3. ^ 『利賀村史 3 近・現代』(2004年10月31日、利賀村発行)465頁。
  4. ^ 『富山いで湯風土記』(1989年9月1日、岡田正二著、北日本新聞社発行)365 - 366頁。
  5. ^ 『利賀村史 3 近・現代』(2004年10月31日、利賀村発行)1090頁。
  6. ^ a b c d 『富山いで湯風土記』(1989年9月1日、岡田正二著、北日本新聞社発行)366頁。
  7. ^ a b 『富山いで湯風土記』(1989年9月1日、岡田正二著、北日本新聞社発行)367頁。
  8. ^ 『北日本新聞』2006年8月11日付朝刊28面『利賀・新大牧温泉 名勝「庄川峡長崎温泉」に 民宿5軒源泉掘削 美肌効果が自慢 自前の湯で再出発』より。
  9. ^ a b c d e f g 『利賀村史 3 近・現代』(2004年10月31日、利賀村発行)466頁。
  10. ^ a b 『富山お湯道楽ふるこ~す』(2003年4月7日初版、2004年4月7日増補発行、北日本新聞社)188頁。
  11. ^ 『マニアックに遊ぶティープな富山情報誌 ロカルちゃ!富山 アニメ・まんが編』(2013年7月、富山県発行)5頁『\富山のアッカリーン/ ゆるゆり♪♪ 南砺市エリア【NANTO】』より。
  12. ^ 『富山お湯道楽ふるこ~す』(2003年4月7日初版、2004年4月7日増補発行、北日本新聞社)193頁。

外部リンク

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