山田深夜

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山田 深夜(やまだ しんや、1961年 - )は、日本小説家福島県須賀川市生まれ。神奈川県横須賀市在住。ライダーであり、愛車はホンダ・ワルキューレ(最新の著書のプロフィール欄に記述あり)[独自研究?]

来歴[編集]

日本大学東北高等学校を卒業後、京浜急行電鉄で職員として約20年勤務する。ブルースハーピストとしてライブ活動(ホーナーのコンテストで入賞歴も有り、作詞作曲もこなした)を行いつつ、文筆活動を始める。原稿はプリントアウトしたものをホチキス留めにし、駅前などで手売りしていた。それに注目した地元タウン誌から原稿依頼があり、兼業作家となる。

1995年阪神淡路大震災被災地にてボランティアリーダーを務める。ライダーであることからオートバイツーリング雑誌「アウトライダー」誌やバイク雑誌「ミスターバイクBG」に原稿を書き始める。

1999年、物書きに専念するため、京浜急行電鉄を退社した。エッセイ集『キャベツのはらわた』をアートジャングル社より自費出版する。

2004年、「ミスターバイクBG」の連載が打ち切られる。それまで書き溜めた原稿の束を持ち、在京の大手出版社に持ち込むも、ほぼ門前払いという対応をされた。その後、札幌の寿郎社から、本を作らせて欲しいとメールが届き、寿郎社社長兼編集長の土肥寿郎が横須賀を訪ね、出版が決まる。 そうして2005年の春、街と人をテーマにした『横須賀Dブルース』と、旅と人をテーマにした『千マイルブルース』が寿郎社より発刊された。

同年8月、寿郎社の主催で北海道札幌市にある八剣山果樹園にて、『山田深夜ミーティングin札幌』という発刊記念イベントが開かれた。

2006年角川書店発行の文芸誌「野性時代」にて『電車屋赤城』連載開始。同作品は、筆者の私鉄勤務経験を基にしたエンターテインメント小説であり、様々な要素の詰まった良質な大衆文芸作品として第29回吉川英治文学新人賞にノミネートされた。


補足

「電車屋赤城」の発売は2007年5月。

第29回吉川英治文学新人賞の発表は2008年4月。下記の評言のように選考会では評価が高かった[独自研究?]

宮部みゆき「今回の選考の台風の目となったのが『電車屋赤城』です。」

大沢在昌「候補作中、最も好感を抱いた作品だった。」

[1]

2008年2月20日、講談社より「ひとたびバイクに」を刊行。

2008年6月10日、「千マイルブルース」が幻冬舎文庫として刊行。

徳間書店の文芸誌「問題小説」2008年12月号にて短編「リターンズ」を発表。

2009年、「リターンズ」が日本推理作家協会賞短編部門にノミネートされる。

2009年11月、徳間書店「問題小説」にて「ロンツーは終わらない」の連載を開始。

2011年2月28日、徳間書店より「ロンツーは終わらない」を刊行。青森から東京まで旅をするロードノベルだが、3月11日の東日本大震災にて、舞台にした多くの場所が被災、または立ち入り禁止区域となる。

双葉社の文芸誌「小説推理」2011年5月号より、「横須賀ブロークンアロー」の連載が始まる。

2013年7月、「ロンツーは終わらない」を徳間文庫にて文庫化。巻末の「文庫化にあたり」で、東日本大震災にて須賀川市の実家が全壊したことを明かす。

2017年5月、双葉文庫より「横須賀ブロークンアロー」を刊行。「横須賀ブロークンアロー」は、双葉社の文芸誌「小説推理」にて62回にわたって連載されたエンターテインメント小説。「6回くらいの連載かと思ったら60回以上になり、 350枚のはずが3500枚以上になってしまうのは、 この時予想もしていない」と自身の旧ホームページにあるように、連載期間は5年以上になり、総枚数は3500枚以上となった。原稿用紙でのこの枚数は、単行本でいうと10冊分にあたる。それを上下巻の2冊にまとめ、さらに文庫として刊行。

2018年5月、「ひとたびバイクに ツーリングを愛する者たちへ 」を双葉文庫より刊行。講談社刊の「ひとたびバイクに」に、未収録の7編を文庫化に際し追加収録。

2019年9月、「風になる日」を双葉社より刊行。各社文芸誌に発表していた短編に書き下ろしを加えた短編集。日本推理作家協会賞短編部門にノミネートされた「リターンズ」も収録されている。

2020年3月、双葉社のWeb文芸マガジン「COLORFUL」にて「空の轍と大地の雲と」の連載を開始。

2020年5月、「ロンツーは終わらない」を双葉文庫より刊行。徳間文庫の「ロンツーは終わらない」に、取材時の著者自身の撮影と思われる画像を追加。

2021年1月、「空の轍と大地の雲と」を書籍化し双葉社にて刊行。

「空の轍と大地の雲と」は、東日本大震災で災害派遣に行けずに除隊した元自衛官の成長を描く長編青春小説。殉職した戦闘機乗りの伯父のオートバイ(ウルエ号)に跨り、北海道を旅するロードノベル。派手さのない物語だが、オートバイでの旅を続けてきた作者だけあり、旅の描写や旅人の描き方などが秀逸。また自身が被災者であることからか、あの震災を忘れてはいけないとのメッセージも伝わってくる。自衛隊についても丹念に調べてある。

人物[編集]

ブルースハーププレイヤーでもあり、ヨコハマ寿町フリーコンサート1992に出演。

F.I.H.JAPANハーモニカコンテスト1994のブルース部門にて奨励賞を受賞。

ミュージシャンでもあった時代は、アフロヘアにサングラスと口髭。黒いスーツに赤い靴下、先のとがった靴を愛用。BIGLOBEのホームページ「あんときゃ夜走り朝帰り」は、2019年から更新されていない。移転したらしいg.o.a.tのブログも、2022年のg.o.a.tのサービス終了とともに消滅。2023年1月現在、ブログもSNSもやっていない模様。[独自研究?]

創作落語も手がける[2]

2023年12月、facebookとnoteを始める。

著作[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]