坊ガツル
坊ガツル(ぼうガツル)は、大分県竹田市にある標高約1,200mの高さに広がる盆地・湿原。九重連山の主峰久住山と大船山等に囲まれており、阿蘇くじゅう国立公園に含まれる。坊がつる、坊ヶつる、坊ガツル、坊がツル、坊ヶツルなどとも表記する。名称の「坊」とは寺院(久住山信仰の中核である法華院。現在の法華院温泉)、「ツル」は「水流」で川のある平らな土地の意で、つまり法華院近辺の湿地帯といった意味の地名である。
タデ原湿原とともに、中間湿原として国内最大級の面積を有する湿原であり、「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」としてラムサール条約の登録湿地となっている[1]。
坊ガツルは人によって環境が保たれている。古くは牧草地であったため、毎年春に野焼きが行われていた。そのため、大きな樹木が育たず、高山植物が保たれていた。現在でも高山植物のために野焼きが実施されている。
坊ガツルは、芹洋子がNHKの『みんなのうた』で歌った「坊がつる讃歌」でも全国的に知られている。この歌は、もともとは広島高等師範学校(現:広島大学)山岳部の部歌であったが、九州の山岳愛好家の間で歌われるようになったものである。湿原の南端には、法華院温泉がある。
坊ガツル湿原の概要[編集]
- 位置:北緯33度6分、東経131度15分
- 面積:53ha
- 標高:1,230 - 1,270m
- 湿地のタイプ:中間湿原
- ラムサール条約の登録年月日:2005年11月8日
- 所在地:大分県竹田市
脚注[編集]
- ^ “Kuju Bogatsuru and Tadewara-shitsugen | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2005年11月8日). 2023年4月10日閲覧。