谷津干潟

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谷津干潟
Yatsu-Higata.jpg
谷津干潟南側2003年2月1日撮影)
所在地 日本の旗 日本 千葉県習志野市谷津3丁目・秋津5丁目の一部
位置
面積 0.4 km2
湖沼型 干潟
Project.svg プロジェクト 地形
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谷津干潟(やつひがた)は、千葉県習志野市にある干潟。国指定谷津鳥獣保護区ラムサール条約登録地、日本の重要湿地500指定地に含まれる。

概要[編集]

周囲は埋立と都市化が進み、干潟上には高架橋が架かる。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。1989年撮影の2枚を合成作成。

東京湾岸の干潟は、そのほとんどが1960年代から1970年代にかけて埋立地として整備され、工業地住宅地として開発し都市化が進んだが、習志野市谷津地先の干潟は利根川放水路計画により旧大蔵省の所有であったために埋め立てを免れ、埋立地の中に2本の水路(高瀬川・谷津川)で海とつながる池の様に残された。その後、埋め立ての計画は持ち上がったが、東京湾に飛来するシギ類、チドリ類、カモ類といった渡り鳥の希少な生息地になっていることが指摘され、また保護活動家による重要性の宣伝活動や清掃活動によってその重要性が広く市民の間でも認知されたため、1988年(昭和63年)に国指定谷津鳥獣保護区(集団渡来地)に指定され(面積41ヘクタール、うち特別保護地区40ヘクタール)、さらに1993年(平成5年)6月10日ラムサール条約登録地に登録された。習志野市では、毎年6月10日を「谷津干潟の日」としている。これらの歴史的経緯から、谷津干潟はほぼ長方形という不自然な形状である。さらに干潟の四方は宅地化・都市化が進んでおり、干潟の上には高架橋が建てられJR京葉線東関東自動車道国道357号が通っている。

北側には谷津バラ園(旧:谷津遊園バラ園)、南側には谷津干潟自然観察センターおよび谷津干潟公園が整備されている。

生物[編集]

谷津干潟に住み着いているセイタカシギ(2006年10月4日撮影)

サギ類・カモ類・カモメ類などの水鳥が一年を通して見られ、年間を通じて60-80の種類、少ない時でも10-20種類の鳥が飛来する。また、シギチドリ類が飛来する場所として全国的に有名でセイタカシギが定着するなど貴重な環境である。これらの水鳥の餌となるチゴガニなどの甲殻類が生息するほか、エイなどの魚類も生息し、アユなど回遊魚の稚魚が生育する場にもなっていると考えられている。

埋め立て後も非常に多くの渡り鳥が渡来していたが、ラムサール条約登録にあたり大規模な工事が行われ、その後の調査では大幅な激減が確認された。文一総合出版より刊行されている『谷津干潟を楽しむ干潟の鳥ウォッチング』によれば1976年に1500羽を数えたシロチドリ1996年(平成8年)では150羽ほど、サギ類など他の鳥類についても数十分の一へと渡来数は減少した。 干潟周辺に存在していたマムシなど蛇が生息する野原や池、干潟内の観察小屋周辺にあった蟹の生息地などは、造成工事によって近代的な自然観察センターや野鳥観察者用の駐車場が建設されたことにより消滅した。小さな干潟において貴重な餌場が消失した事の影響は大きく、東京湾全体でも渡来数は約半分ほどに減少しているなか、谷津干潟においては数十分の一と大幅な減少が目立っている。

環境[編集]

水質汚濁が原因と思われるアオサの異常発生が問題になっている。アオサの枯死が原因で酸素濃度が低下、干潟の泥に酸素が非常に少なくなり、アサリヤドカリゴカイなどが死滅しているのが発見された。これにより、渡り鳥のエサになるゴカイなどが減っているため、渡り鳥にも影響が心配されている[1]。また、水質汚濁をもたらす以前に、多くの人手によって毎年除去が繰り返し行われる。

保護活動家と呼ばれる森田三郎が、新聞配達のかたわら、1974年昭和49年)からゴミ拾いを始め、埋立て中止・保護へとなったことが1993年(平成5年)週刊少年マガジンに「埋もれた楽園 -谷津干潟・ゴミと闘った20年-」(作画・三枝義浩)として、漫画化されたほか、2009年平成21年)2月1日エチカの鏡〜ココロにキクTV〜」や、同年12月8日たったひとりの反乱 ヘドロの干潟をよみがえらせろ」で放送された。森田はその後、個人タクシー運転手を本業として、習志野市議会議員になり、千葉県議会議員を2期(1999年-2007年)勤めているが、ゴミ拾いは現在も続けている[2]

谷津干潟自然観察センター[編集]

谷津干潟自然観察センター

干潟や公園の身近な自然に親しみ、学ぶことのできる施設として谷津干潟自然観察センターが設けられ、習志野市の委託により指定管理者が運営している。

干潟の保全や渡来鳥類の観察・記録、来場者への案内(レンジャー)、望遠鏡の貸出、保全活動に携わるボランティア等の活動拠点になっている。周囲約3.5kmにわたって観察路が設けられ、淡水池や谷津干潟公園も併設されており、オナガなど陸上の野鳥が生活する場にもなっている。谷津干潟公園は習志野緑地、秋津総合運動公園(習志野市秋津サッカー場)と連続している。

館内には観察スペース、図書・飲食・特別展示・レンジャー・キッズコーナー、カフェ、売店などがあり、建物内に限り入場料が必要である[3]

アクセス[編集]

周辺[編集]

谷津干潟の西側は船橋市との境界になっており、南船橋駅船橋競馬場駅など船橋市の駅にも近い。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]