コンテンツにスキップ

ロアリングライオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロアリングライオン
2018年ブリーダーズカップ・クラシック出走時
(2018年11月3日)
欧字表記 Roaring Lion
品種 サラブレッド
性別
毛色 芦毛
生誕 2015年3月11日
死没 2019年8月23日(4歳没)
Kitten's Joy
Vinnet
母の父 ストリートセンス
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Ranjan Racing Inc.
馬主 Qatar Racing Limited
調教師 John Gosdenイギリスの旗イギリス
競走成績
生涯成績 13戦8勝
勝ち鞍
GI エクリプスステークス 2018年
GI インターナショナルステークス 2018年
GI アイリッシュチャンピオンステークス 2018年
GI クイーンエリザベス2世ステークス 2018年
テンプレートを表示

ロアリングライオン: Roaring Lion)は、イギリス競走馬種牡馬。主な勝ち鞍に2018年エクリプスステークスインターナショナルステークスアイリッシュチャンピオンステークスクイーンエリザベス2世ステークスがある。

戦績

[編集]

デビュー前

[編集]

2015年3月15日にアメリカ合衆国で誕生。2016年キーンランド・セプテンバー・セールでカタールレーシング代理人[1]のデビッド・レッドバースによって16万ドルで落札され[2]イギリスに渡る。

2歳(2017年)

[編集]

8月18日ニューマーケット競馬場のノービスステークスでデビューし1着。2戦目で後続に6馬身差をつけて圧勝すると、重賞初挑戦となったロイヤルロッジステークスでは2着馬にクビ差ながらも重賞初制覇を果たす。10月28日のレーシングポストトロフィーではサクソンウォリアーとの叩き合いの末2着に敗れる[3]

3歳(2018年)

[編集]

4月19日のクレイヴンステークスで始動したがマサーから9馬身差の3着に終わる。陣営は2000ギニーを回避してダンテステークスを使う計画をしていたが、その後2000ギニーに出走することになった[4]。2000ギニーではサクソンウォリアーの5着に敗れたが、中1週で挑んだダンテステークスはミルデンバーガーに4馬身半差をつけ圧勝した[5]。6月2日のダービーステークスではマサーの3着となるが、続くエクリプスステークスでは中団後方から脚を伸ばすと好位から抜け出したサクソンウォリアーを外から差し切ってG1初制覇を果たした[6]。8月22日のインターナショナルステークスは中団待機から直線で抜け出すとポエッツワードに3馬身1/4差をつけてG1レース2連勝となった[7]

9月15日アイリッシュチャンピオンステークスではエクリプスSと同様、先に抜け出したサクソンウォリアーをゴール前でクビ差交わして欧州の主要中距離GI3連勝を達成した[8]。次戦には10月20日の英チャンピオンステークスを予定していたが、周回コースの馬場状態が悪化していたため、マイル戦のクイーンエリザベス2世ステークスに出走。久々のマイル戦ながら、中団追走から鋭く脚を伸ばすと、最後はアイキャンフライにクビ差つけてGI4連勝となった[9]

陣営は次走にダート最高峰のブリーダーズカップ・クラシックを選択。欧州の主要GIを4連勝中ながら芝向きのキトゥンズジョイ産駒ということもあって14頭立ての9番人気にとどまった。レースでは中団の内を追走していたが中盤で早々と手応えが無くなり失速し、大差の最下位(14着)に沈んだ[10]。同レースを最後に現役を引退[11]

ブリーダーズカップ終了後、欧州の主要GI4連勝の活躍が評価され、2018年カルティエ賞年度代表馬に選出された[12]

競走成績

[編集]

以下の内容は、Racing Post[13]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2017.08.18 ニューマーケット ノービスS 芝8f 1着 H.ベントレー 1馬身3/4 (Abandon Ship)
0000.09.08 ケンプトンパーク ノービスS AW8f 1着 O.マーフィー 6馬身 (Compliance)
0000.09.30 ニューマーケット ロイヤルロッジS G2 芝8f 1着 O.マーフィー クビ (Nelson)
0000.10.28 ドンカスター レーシングポストトロフィー G1 芝8f 2着 O.マーフィー クビ Saxon Warrior
2018.04.19 ニューマーケット クレイヴンS G3 芝9f 3着 O.マーフィー 9馬身3/4 Masar
0000.05.05 ニューマーケット 英2000ギニー G1 芝8f 5着 O.マーフィー 2馬身1/2 Saxon Warrior
0000.05.17 ヨーク ダンテS G2 芝10.5f 1着 O.マーフィー 4馬身1/2 (Mildenberger)
0000.06.02 エプソム 英ダービー G1 芝12f 3着 O.マーフィー 2馬身 Masar
0000.07.07 サンダウン エクリプスS G1 芝10f 1着 O.マーフィー クビ (Saxon Warrior)
0000.08.22 ヨーク 英国際S G1 芝10.5f 1着 O.マーフィー 3馬身1/4 Poet's Word
0000.09.15 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝10f 1着 O.マーフィー クビ (Saxon Warrior)
0000.10.20 アスコット クイーンエリザベス2世S G1 芝8f 1着 O.マーフィー クビ (I Can Fly)
0000.11.03 チャーチルダウンズ BCクラシック G1 10f 14着 O.マーフィー 61馬身 Accelerate

種牡馬時代

[編集]

2019年からイギリスのトゥウィーンヒルズスタッド(Tweenhills Stud)で種牡馬入りした。初年度の種付け料は4万ポンドに設定された[11]。同年7月27日、シャトル先のニュージーランドで重度の疝痛を発症。1週間に2度の緊急手術が行われる程の危機的状況に陥ったが、ケンブリッジ馬病院(Cambridge Equine Hospital)で24時間体制での治療が続けられた結果一命を取り留め、8月8日に無事退院を果たした[14]。しかし8月23日、再度の症状の悪化により、安楽死の対応が取られた[15]。これにより1世代の産駒を残すのみとなったが、ドバイマイル(Dubai Mile)がクリテリウムドサンクルーを制し、種牡馬としてのG1初制覇を果たした[16]

日本では2023年8月6日新潟競馬4Rをデッドリーが勝利して国内初勝利を挙げた[17]

血統表

[編集]
ロアリングライオン血統 (血統表の出典)
父系 サドラーズウェルズ系

Kitten's Joy
2001 栗毛
父の父
El Prado
1989 芦毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Lady Capulet Sir Ivor
Cap and Bells
父の母
Kitten's First
1991 鹿毛
Lear Fan Roberto
Wac
That's My Hon L'Enjoleur
One Lane

Vionnet
2009 芦毛
*ストリートセンス
Street Sense
2004 鹿毛
Street Cry Machiavellian
Helen Street
Bedazzle Dixieland Band
Majestic Legend
母の母
Cambiocorsa
2002 芦毛
Avenue of Flags Seattle Slew
Beautiful Glass
Ultrafleet Afleet
Social Conduct
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×5 Mr.Prospector 5×5


脚注

[編集]
  1. ^ 日本産馬ウォーリングステイツが独GIIIを制覇. UMA-JiN(2017年5月2日付). 2018年8月24日閲覧
  2. ^ Keeneland Sale Graduates Win Major Stakes In U.S., England and France on Saturday. Keeneland(2 October, 2017). 2018年8月24日閲覧
  3. ^ ディープ産駒サクソンウォリアー&オブライエン師、レーシングポストTで歴史的G1制覇JRA-VAN、2017年10月29日公開 2018年8月23日閲覧
  4. ^ ロアリングライオン、マイル路線卒業で仏ダービーに目標変更JRA-VAN、2018年4月24日公開 2018年8月23日閲覧
  5. ^ 英ダービー前哨戦、ダンテSはロアリングライオン圧勝JRA-VAN、2018年5月18日公開 2018年8月24日閲覧
  6. ^ 【英・エクリプスS】ロアリングライオンがG1初勝利! 連闘サクソンウォリアーわずか及ばず2着netkeiba.com、2018年7月7日公開 2018年8月24日閲覧
  7. ^ 【英インターナショナルS】3歳ロアリングライオンが欧州中距離頂上決戦制す!サクソンウォリアー4着/海外競馬レース結果netkeiba.com、2018年8月22日公開 2018年8月24日閲覧
  8. ^ 【愛チャンピオンS】ロアリングライオンがゴール前差し切りV!ディープ産駒サクソンウォリアーわずか及ばず2着/海外競馬レース結果. netkeiba.com(2018年9月16日付). 2018年9月16日閲覧
  9. ^ 【英・クイーンエリザベス2世S】ロアリングライオンが貫禄のV G1・4連勝!/海外競馬レース結果netkeiba.com、2018年10月21日公開 2018年10月23日閲覧
  10. ^ CHURCHILL DOWNS - November 3, 2018 - Race 11. Equibase. 2018年11月4日閲覧
  11. ^ a b Roaring Lion's Introductory Stud Fee Set at £40,000”. bloodhorse.com (2018年11月15日). 2018年11月17日閲覧。
  12. ^ 18年欧州年度代表馬はロアリングライオン エネイブルは最優秀古馬を受賞. サンケイスポーツ(2018年11月14日付). 2018年11月14日閲覧
  13. ^ Roaring Lion Race Record & Form”. Racing Post. 2019年2月21日閲覧。
  14. ^ Peter Scargill (2019年8月9日). “Roaring Lion out of hospital and on road to recovery after emergency surgery”. Racing Post. 2019年8月9日閲覧。
  15. ^ 欧州年度代表馬ロアリングライオン疝痛再発で安楽死”. 日刊スポーツ (2019年8月24日). 2019年8月24日閲覧。
  16. ^ Late Roaring Lion first European sire with first runners in 2022 to claim Group 1 success”. International Thoroughbred (2022年10月22日). 2022年10月22日閲覧。
  17. ^ 欧州G1・4勝のロアリングライオン産駒が日本初V 6日・新潟4Rをデッドリーが制す | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年8月7日閲覧。

外部リンク

[編集]