エジプト十字架の謎

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エジプト十字架の謎
The Egyptian Cross Mystery
著者 エラリー・クイーン
発行日 1932年
ジャンル 推理小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
形態 著作物
前作 ギリシア棺の謎
次作 アメリカ銃の謎
コード

ISBN 978-0-451-08663-1

OCLC 7263819
ウィキポータル 文学
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エジプト十字架の謎』(エジプトじゅうじかのなぞ、The Egyptian Cross Mystery )は、アメリカの推理作家エラリー・クイーンの長編推理小説で、国名シリーズの第5作。1932年に刊行。

あらすじ[編集]

ウエスト・ヴァージニアの片田舎でクリスマスの朝、T字路のT字型の道標に、首を切られT字型に吊るされた死体が発見された。ドアには、Tの血文字があった。

エラリー・クイーンは、T字型がエジプト十字架やタウ十字架 (Cross of Tau) の形であることを説明し、裸体主義者の預言者に疑いの目を向けるが、決定的な証拠が得られないまま事件は迷宮入りになる。

半年後、ロングアイランドにて第2の殺人、第3の殺人が発生する。被害者は同じく首を切られT字型に吊るされていたが、依然として犯人の正体はつかめない。

しかし、再び場所をウエスト・ヴァージニアに移して発生した第4の殺人において、現場に残された手がかりから、エラリーは遂に犯人の正体を見破る。そして、車や飛行機を駆使した追跡劇の末、シカゴで犯人を追い詰める。

提示される謎[編集]

  • 犯人当て(決め手となる犯人指摘の手がかり)

作品の評価[編集]

日本語訳書[編集]

  • 宝石』1953年10月号 に「エジプト十字架の秘密」(平井喬=訳)を500枚長篇完訳一挙掲載。
出版年 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1934年7月23日 エヂプト十字架の秘密 日本公論社 伴大矩 序文 江戸川乱歩 431 著者名「エレリイ・クヰーン」表記
1956年4月30日 エジプト十字架の秘密 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ258 青田勝 田中潤司 343
1958年 エジプト十字架の謎 東京創元社 エラリー・クイーン作品集 第5巻 井上勇 359
1958年 エジプト十字架の秘密 新潮社 新潮文庫 田中西二郎 468 増田幸右
1959年10月2日 エジプト十字架の謎 東京創元社 創元推理文庫104-9 井上勇 中島河太郎 473 4-488-10409-6
1959年10月2日 エジプト十字架事件 角川書店 角川文庫 石川年 416 石岡瑛子ほか
1962年 世界推理小説大系 第19 クイーン 東都書房 世界推理小説大系 鮎川信夫 解説=中島河太郎 374 [日本語訳 1]
1972年8月 世界ミステリ全集 3 エラリイ・クイーン 早川書房 世界ミステリ全集 青田勝 エラリイ・クイーンについて座談会 835 [日本語訳 2]
1978年4月1日 エジプト十字架の秘密 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫HM 2-16 青田勝 ヴァン・ダインとエラリイ・クイーン 440 978-4-150-70116-4 北園克衛
2009年1月9日 エジプト十字架の謎 東京創元社 創元推理文庫104-9 新版 井上勇 中島河太郎 503 978-4-488-10434-4 辰巳四郎
2013年9月25日 エジプト十字架の秘密 角川書店 角川文庫 ク19-9 越前敏弥、佐藤桂 解説 国名シリーズの"センター"! 飯城勇三 555 978-4-041-00794-1 カバーイラスト:竹中、
カバーデザイン:大竹尚貴
2016年7月21日 エジプト十字架の謎【新訳版】 東京創元社 創元推理文庫104-40 中村有希 一九三二年の奇跡 山口雅也 504 978-448-810440-5 カバーイラスト:Ryoojing、
カバーデザイン:内海由

児童書

出版年 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1964年 エジプト十字架の秘密・十四のピストルのなぞ あかね書房 少年少女世界推理文学全集 8 亀山龍樹 215 画:横尾忠則
1973年8月1日 エジプト十字架の秘密 あかね書房 推理・探偵傑作シリーズ 7 亀山龍樹 責任編集:白木茂ほか2名 229 画:横山まさみちと横山プロダクション
1973年 エジプト十字架の謎 秋田書店 ジュニア版・世界の名作推理全集 10 藤原宰太郎 監修: 中島河太郎 196 画:斎藤寿夫 ほか

注釈(日本語訳)[編集]

  1. ^ 平井呈一=訳の「Yの悲劇」、鮎川信夫=訳の「エジプト十字架の秘密」を収録。
  2. ^ 青田勝=訳の「エジプト十字架の秘密」、「災厄の町」、「最後の女」を収録。

脚注[編集]

  1. ^ 『エラリー・クイーン Perfect Guide』(株式会社ぶんか社、2004年)に掲載。
  2. ^ 同ランキングでは、本作品より上位に1位『ギリシア棺の謎』、2位『Xの悲劇』が挙げられている。
  3. ^ 『エジプト十字架の秘密』(1958年初版 新潮文庫)訳注ほか。