SCP Foundation

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SCP Foundation
SCP Foundation (emblem).svg
URL scp-wiki.net
日本語版:ja.scp-wiki.net
非公式日本語訳wiki:scpjapan.wiki.fc2.com(閉鎖)
使用言語 英語[注釈 1]
スローガン 確保、収容、保護(日本語版)
アレクサ
ランキング
positive decrease 39,639 (May 2015)[2]
登録 必要[注釈 2]
設立日 July 19th, 2008[3]
現状 活動中
ライセンス
CC Attribution / Share-Alike 3.0

SCP Foundationとは、「SCP」と呼称される自然法則に反した物品・場所・存在を取り扱う架空の組織「SCP財団」について記述する共同創作サイトである。それぞれが特定のSCPを封じ込める方法を示す"封じ込め特別手順"からなる多くの著作がSCP FoundationのWiki形式のウェブサイトに存在している。このウェブサイトには、手続文書の形式をとった創作のほかにも、「財団やSCPが登場するエピソード」も掲載されており、これらはSCP財団のある世界を描いた短編集(Foundation Tales)となっている[4]

サイト内の創作物は、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0(CC BY-SA)ライセンスにより公開されており[5]、これは各国語版のサイトについても同様である。

概要[ソースを編集]

作品世界における「財団」[注釈 3]は、自然法則に反した異常な存在・場所・物体・現象(これらはそれぞれの「特殊な収容方法(Special Containment Procedures)」のファイル番号で呼称される)の保護・研究を世界各国の政府より委任された秘密組織である[6]。SCPオブジェクトは、もし収容せず放置すれば人間や、少なくともその現実認識や正常な感覚に脅威を与えかねないとされる[6]

集団パニックや予想される混乱を避け、人類の文明を正常に機能させるためSCPの存在は秘密となっている。 SCPが発見された場合、財団はエージェントを展開し、それらの収集および財団の施設への運搬を、それ自体の運搬が不可能な場合は発見された地点ごと行う。 一部のSCPは、財団の研究者らによる研究が成されている。 財団が所持する刑務所の死刑囚(Dクラス職員と呼称される)は特に危険なSCPとの接触を行うための使い捨て要員として利用される[6]

財団は保護下にあるすべてのSCPの特殊な収容方法についての文書の管理も行っている。 SCPに関するこれらの文書には、それらを安全な状態に留めるための手段が記述されている[6]。2016年時点で、財団には2,000を超えるSCPの収容手続きが存在し、そして新しいものも頻繁に追加されている[4]

SCPオブジェクト[ソースを編集]

SCPオブジェクトは自然法則に反した異常な存在・場所・物体・現象の総称である。これらのオブジェクトは、研究の優先順位や予算の編成等を考慮した以下のオブジェクトクラスが割り当てられている。

  • Safe:現時点において安全かつ確実に収容できるか、対象をわざと活性化させない限り異常な現象は発生しないというものがこのクラスに割り当てられる。異常な現象が発生しても財団職員と全人類に影響はないという意味ではない。
  • Euclid:性質が不明であるか予測ができない場合に割り当てられるクラス。性質が判明するか再分類が行われるまで一時的に割り振られることもある。
  • Keter:財団職員および全人類に危険をもたらす存在で、収容時に複雑な手順を要するか現時点で財団による収容ができない場合に割り振られる。SCP財団はこれらのオブジェクトも収容できるようにすることを目標としているが、最後の手段として破壊されることもある。
  • Neutralized:何らかの事情によって非活性化したオブジェクトに割り振られるサブクラス。再活性化に備え、このクラスに分類されたオブジェクトに関する資料は残される。
  • Explained:現時点で主流の科学によって説明できるほどに解明されたものや、虚偽やミスだと判明したもの、収容不可能なほど公に流布されたものなどに割り振られるクラス。
  • Thaumiel:Keter並の危険度を持つオブジェクトを収容したり影響を無効化するために割り当てられるサブクラスで、財団の最高機密でもある。

一例[ソースを編集]

  • SCP-131「アイポッド」(The "Eye Pods" )
分類:Safe
中央に目玉が付いた、涙の形をした2体の生物だが、食事や排せつの必要はない。また、人懐っこく、他者に危害を及ぼすことはない。
  • SCP-173「彫刻 - オリジナル」(The Sculpture - The Original )
分類:Euclid
誰かに見つめられると動かないが、相手が目を離すと高速で移動して襲い掛かる、彫刻のようなSCP。
このSCPの解説写真として、彫刻家である加藤泉が2004年に制作した彫刻作品「無題 2004」の写真が用いられた[7][8][9]。その後、彫刻の原作者である加藤は自らの作品の画像をもとにしたストーリーについて、彫刻の作者名を示し二次創作物であることを明記し、原作品のコンセプトと無関係であることを理解したうえで、非商用での利用に限り、非積極的な容認 (reluctantly permit) の意向を示している[10]
ドクター・フー』に登場するエイリアン「嘆きの天使」と性質が似通っていると指摘されることがあるが、いずれかが模倣であるということはない。
  • SCP-1548 「きらいきらい星」( The Hateful Star)
分類:Keter
地球に向けて敵対的なメッセージをモールス信号にして送り続ける光学パルサー

日本支部における一例[ソースを編集]

  • SCP-040-JP「ねこですよろしくおねがいします」
分類:Safe
古い小屋の中の井戸。のぞき込んだ者は「ねこがいる」という概念に固執し、周囲に伝え伝染させようとする。
  • SCP-973-JP「エターナル・ダークホース」
分類:Euclid
日本各地の様々な大会に「暗星 豪」名義で参加する黒鹿毛の馬。好成績を残すこともあるが多くの場合ミスによる失格などで下位に甘んじる。
専門の隠蔽部隊であるう-8("尻拭い")及びう-9("しわ寄せ")が後処理を行っている。
新人執筆者コンテストSCP-JP部門最優秀新人賞受賞。
  • SCP-161-JP 「伊れない病」
分類:Keter
「伊る」という動作及び概念を認識できなくなる精神疾患。財団では「眠る」「食べる」「佐う」などでも同様の疾患が発生することを警戒している。[注釈 4]

制作者たちのコミュニティ[ソースを編集]

SCP財団の設定について、正典(カノン)となるものは存在しない。手続文書や短編集のそれぞれは、創作者たちが財団の大まかな設定を共有したうえで、それぞれ独立したストーリーのもとに書かれている[4]。それぞれの創作物のジャンルは、サイエンスフィクション、アーバンファンタジー、ホラーなどであり[11]都市伝説を取り込んだものや終末ものメタフィクションなど様々な趣向のものも含まれる。短編集はそれぞれの手続文書に対する二次創作的なものであり、さらにFanFiction.netなど外部の二次創作サイトにはSCP財団が登場する無数の二次創作小説や他作品とのクロスオーバー小説もアップされている。

SCP財団が登場する創作物の起源は、英語圏の大型匿名掲示板・4chanの /x/ (超常現象板)にある[4]2007年に投稿されたクリーピーパスタ(creepypasta, 都市伝説コピペ風短編)の「SCP-173」(上述の「彫刻 - オリジナル」)をきっかけに、同様の「封じ込め特別手続文書」を模した短編が多数投稿されるようになった[4]。その過程でSCP財団の設定が創造・共有されてゆき、そのまとめサイトが2008年にポーランドのWikiホスティングサイト、Wikidotに移り[4]、以後は手続文書や短編は直接Wikiページとして投稿されるようになった。

自分の書いた手続文書や短編をWikidotに投稿するには、まず申込フォームを通じた申請を行わないと投稿資格が与えられない[4]。申請して資格が与えられたらどんな内容のものでも投稿できるが、クオリティを一定以上に保つための仕組み作りが考えられており、読者投票で否定的評価の多かったものは速やかに削除される[4][12]。サイト内にあるフォーラムでは、ユーザー同士が各作品に対する感想や建設的批評を交わしている。また時折、テーマを定めた創作コンテストも開催されている。

Wikiサイトのほかにも、RedditにはSCP財団の創作物に関するフォーラム(サブレディット)がある。SCP財団についての創作を投稿している人々の中にはプロの創作関係者もおり、例として脚本家のマックス・ランディスがいる[13]

注釈[ソースを編集]

  1. ^ 中国語、韓国語、日本語、タイ語、スペイン語、ポーランド語、フランス語、ドイツ語、イタリア語のSCP Foundation wikis が公式のものとは別に存在している。[1]
  2. ^ 作品の投稿は登録制だが、閲覧は非登録ユーザでも可能
  3. ^ 「SCP財団」という呼称は作品世界内では存在しないとされる。
  4. ^ 「伊る」「佐う」は本記事にのみ存在する架空の単語

関連項目[ソースを編集]

出典[ソースを編集]

  1. ^ scp-wiki.net Site Overview”. Alexa Internet. 2015年5月13日閲覧。
  2. ^ History Of The Universe: Part One”. 2015年2月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Meet the secret foundation that contains the world's paranormal artifacts” (2014年1月9日). 2015年2月6日閲覧。
  4. ^ Licensing Guide”. 2015年5月27日閲覧。
  5. ^ a b c d About The SCP Foundation”. 2015年2月13日閲覧。
  6. ^ Untitled 2004”. 加藤泉公式サイト. 2016年3月3日閲覧。
  7. ^ 加藤泉”. 高橋コレクション. 2016年3月3日閲覧。
  8. ^ 加藤泉 展「裸の人」”. SCAI THE BATHHOUSE. 2016年3月3日閲覧。
  9. ^ SCP-173 / Discussion”. SCP Foundation. 2016年6月5日閲覧。
  10. ^ SCP-087: Escaleras a lo desconocido”. 2015年3月26日閲覧。 "Esta es una comunidad de usuarios y de fanáticos del sci-fi y el terror..." (translation: "This is a community of users and of sci-fi and horror fans...")
  11. ^ The 10 Scariest Urban Legends on the Internet to Bring a Shiver to Your Spine This Halloween”. 2015年2月6日閲覧。
  12. ^ MY #SCP! If you like it, please upvote! http://www.scp-wiki.net/scp-2137, by Max Landis, on Twitter; posted 9 September 2014; retrieved 17 July 2015

外部リンク[ソースを編集]