ヤマネコ

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ヤマネコ
アムールヤマネコ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
亜目 : ネコ亜目 Feliformia
: ネコ科 Felidae
亜科-亜種

ネコ亜科 Felinae

ヤマネコ(山猫)は、ネコ目(食肉目)ネコ科に属する哺乳類のグループである。

細かく見れば、この語の示す対象には分類階層の異なる複数のグループが含まれる。すなわち、「ヤマネコ/山猫」という語には以下の3つの意味がある。[要出典]

  1. 対馬に棲息するベンガルヤマネコの亜種・ツシマヤマネコの別名。
  2. (野生化したイエネコを除く)野生の小型ネコ科動物の総称。
  3. 野猫(野生化したイエネコ)の別称。

広義のヤマネコ(野生の小型ネコ類)

広義の「ヤマネコ」は、野生のネコ科動物のうち、小型のもの全般を指す(分類群についてはネコ科を参照)。この中には、ボルネオヤマネコのように「〜ヤマネコ」という形の標準和名をもつものも、スナドリネコのように標準和名では特にヤマネコと呼ばれないものも含まれる。大型ネコ類(現生ではライオントラヒョウジャガーチーター)はこれに含まれない。また、イエネコ(いわゆるネコ)は後述するように、としてはヨーロッパヤマネコに含まれるが、本来人間の生活圏で暮らす家畜種であるため、慣用的には「ヤマネコ」と呼ばれることはない。

この意味でのヤマネコ類の中で最大のものはピューマであるが、広義の「ヤマネコ」はあくまで便宜的な呼称であり、アメリカライオンとも呼ばれるピューマをヤマネコの仲間に含めるかどうか、また大型ネコと小型ネコの中間に位置し、ピューマよりも小柄なユキヒョウウンピョウをどう位置づけるかは人により意見の分かれる。これら中間的なものを除けばネコ類のうち、現生種ではイエネコを除くネコ亜科 Felinaeのすべての動物と、ヒョウ類の近縁種とされることがあるマーブルドキャットがヤマネコ類というグループを構成していると言っていい。

日本のヤマネコ

日本本土には2種類のヤマネコが分布している。国内に生息する(広義の)ヤマネコ類は対馬ツシマヤマネコ西表島イリオモテヤマネコの2つのみである。かつては、一般に「山猫」と言えば後述するように野猫を指す場合が多かったが、それを除けばツシマヤマネコのことであった。「ヤマネコ」がツシマヤマネコの和名として用いられることもあった。

ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの分類的な位置づけには諸説があるが、最近は南〜東南アジアに分布するベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis(または Felis bengalensis)の亜種として位置づけられることが多い。

イエネコを除けば、日本本土にはヤマネコ類の動物は生息しない。

「野猫」と「山猫」

野生化したイエネコである「野猫(ノネコ)」は、広義であっても「ヤマネコ」には含められない。ただし、日本では対馬と西表島を除く大部分の地域にはヤマネコが生息しないこともあって、伝統的に、山野に住むイエネコ、すなわち野猫が、「山猫(やまねこ)」とも呼ばれてきた。近世までの文献に当たるときは、特に注意を要する。

なお、英語の"wildcat"や中国語の"野猫"は主にヤマネコを指し、野生化したイエネコはそれぞれ"stray cat"や"野生猫"と表現される。また、中国語の"山猫"はオオヤマネコ属のみを指す。

その他

関連項目

脚注

  1. ^ 今井卯木 『川柳江戸砂子』 西濃印刷會社岐阜出版部、1912年1月。2016年5月15日閲覧。
  2. ^ 宮武外骨変態知識』 半狂堂、1924年。2016年5月15日閲覧。
  3. ^ 山猫スト”. goo国語辞書. 小学館デジタル大辞泉. 2017年8月7日閲覧。

参考文献

外部リンク