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ボルネオヤマネコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボルネオヤマネコ
ボルネオヤマネコ
ボルネオヤマネコ Catopuma badia
保全状況評価[1][2][3]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
亜目 : ネコ型亜目 Feliformia
: ネコ科 Felidae
亜科 : ネコ亜科 Felinae
: (ネコ族 Felini)
: アジアゴールデンキャット属 Catopuma
: ボルネオヤマネコ C. badia
学名
Catopuma badia (Gray, 1874)[3][4]
シノニム

Felis badia Gray, 1874[3]
Pardofelis badia[3]

和名
ボルネオヤマネコ[5][6]
英名
Bay cat
Bornean red cat
[5][6]

ボルネオヤマネコCatopuma badia)は、食肉類ネコ科Catopuma属に分類される食肉類。

分布

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インドネシアマレーシアボルネオ島[5][6][3]

模式産地はサラワク州(マレーシア)[4]

形態

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体長50 - 67センチメートル[6]。尾長32 - 40センチメートル[6]体重3 - 4キログラム[6]。頸部の体毛は逆向きに生える[6]。毛衣は赤褐色で、腹面は淡色[6]。頭部には3本の縞模様が入る[5]。胸部や腹面、四肢には不明瞭な斑点が入る[6]。尾の毛衣は先端寄りでは白くなり[5]、黒い斑紋が入る[6]

耳介外側の毛衣は黒いが、白い斑紋(虎耳状斑)が入らない[5]

分類

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ヒョウ亜科(もしくはヒョウ族)

マーブルキャットPardofelis marmota

ボルネオヤマネコ Pardofelis badia

アジアゴールデンキャット
Pardofelis temmincki

ネコ亜科(もしくはネコ族)の他属

Johnson et al.,(2006)よりX染色体・Y染色体・ミトコンドリアDNAの遺伝子より推定した系統樹より抜粋[7]

1855 - 1992年までの間に9匹しか捕獲例がない[6]

本種のみでBadiofelis属を構成する説もあった[4]。ネコ科内では初期に分岐した系統として、Pardofelis属に含める説もあった[3][7]。一方でPardofelis属のマーブルキャットのように頭骨の形状や長い尾・柔軟性のある四肢の関節など樹上棲に特化した形態とは異なることから、本種とアジアゴールデンキャットCatopuma属を構成する説もある[3]

生態

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標高900メートル周辺にある森林やその林縁にある岩場に生息する[6]。標高1,800メートルで不確実な発見例がある[3][6]

食性は動物食で、小型哺乳類や鳥類などを食べる[5]

人間との関係

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森林伐採による生息地の破壊などにより生息数は減少している[3][6]。1977年にネコ科単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]。インドネシアとマレーシアでは法的に保護の対象とされている[3][6]

参考文献

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  1. ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed[リンク切れ] 21/5/2017)
  2. ^ a b UNEP (2017). Catopuma badia. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 21/5/2017)
  3. ^ a b c d e f g h i j Hearn, A., Brodie, J., Cheyne, S., Loken, B., Ross, J. & Wilting, A. 2016. Catopuma badia. (errata version published in 2017) The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T4037A112910221. Downloaded on 21 May 2017.
  4. ^ a b c W. Christopher Wozencraft, "Catopuma badia," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Page 534.
  5. ^ a b c d e f g 成島悦雄 「ボルネオヤマネコ」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、159頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小原秀雄 「ボルネオヤマネコ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、130頁。
  7. ^ a b Warren E. Johnson, Eduardo Eizirik, Jill Pecon-Slattery, William J. Murphy, Agostinho Antunes, Emma Teeling, Stephen J. O'Brien, "The Late Miocene Radiation of Modern Felidae: A Genetic Assessment," Science, Volume 311, No. 5757, 2006, Pages 73-77.

関連項目

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