ポプリ
ポプリ(フランス語: pot-pourri)は、花や葉・香草(ハーブ)、香辛料(スパイス)、木の実、果物の皮や苔、精油またはポプリオイルなどの香料を混ぜあわせて容器に入れ熟成させて作る室内香のひとつ。語源はフランス語で「ごった煮料理」を意味したpot pourri(直訳=「腐った鍋」)で、多様な材料を混ぜてつぼに入れて作ったことに由来する。
日本には、カナダのL・M・モンゴメリ作の小説『赤毛のアン』シリーズの『アンの友達』の中で、村岡花子が「雑香」と訳したことで紹介されたとされる[1]。
主流なポプリには次の2種類がある。
- ドライポプリ
- すべての材料を乾燥させて作る。英国風のポプリ。
- モイストポプリ
- 生乾きの材料に塩(または粗塩)を加え保存処理をして作る。フランス風のポプリ。モイストポプリは古代エジプト時代から作られていたという説もある[誰によって?]。
ポプリの主な材料
花や実
- バラ、ラベンダー、キク、モクセイ、クローバーなど乾いても香りの残る花。
- ミモザ[要曖昧さ回避]、カーネーション、タンポポ、アネモネ、パンジー、シクラメン、リンドウなど彩りに使う花。
- 花の綿毛、ドングリなどの木の実。
ハーブや葉
果物の皮
香辛料
木
根
樹脂
オイル
一般的なポプリの材料の調合割合
ポプリの仲間
- ポマンダー
- 本来、ポプリよりも強い香料、ムスク(ジャコウジカから採った香料)やアンバーグリス(クジラからとった香料)、シベット(ジャコウネコからとった香料)などを練り合わせ、金や象牙の容器に入れたもの。古代ギリシャの頃から似たものが存在しており、お守りや魔よけとして使われていた。
- フルーツポマンダー
- 丸ごとのオレンジやリンゴの全体にクローブを刺し、乾燥させたもの。16世紀頃からあった。
- サシェ
- 主にラベンダーやその他のハーブ、シダーウッドなどを細かく砕き、布袋に詰めたもの。日本の匂い袋に似たもの。
脚注
- ^ 熊井明子「花子・アン・シェイクスピア」村岡恵理監修『KAWADE夢ムック 文藝別冊 総特集 村岡花子』河出書房新社、2014年。ISBN 978-4-309-97824-6
参考文献
- 熊井明子 『だれでもできる熊井明子のポプリ教室』 誠文堂新光社