ボディーガード
ボディーガード(英: bodyguard)は、政府首脳、国賓、会社役員、著名人等、要人の身辺の安全を確保し、誘拐、暗殺などの脅威から守る人(およびその職業)の総称。
概要
多くの場合、政府首脳や王族・皇族などの重要な公人は、警察や治安部隊による数人〜数十人の警護官によって護衛されている。重要度の低い、もしくは襲撃の危険の少ない公人の場合は、運転手や秘書を兼ねたボディーガードを1人だけつけていることや、自費で民間のボディーガード(警備員)を雇っていることもある。公的な組織に所属している場合、「クロース・プロテクション・オフィサー[1](近接保護官)」などと呼ばれる場合もある。
ボディーガード達は、護衛対象を様々な攻撃や、災害・事故・病気などから護ることを職務としている。そのため、プロのボディーガードたちは通常、職務上必要とされる格闘や武器の操法、応急手当などの能力を備えている。
日本では、民間のボディーガード(SP)は、警備業について定めた警備業法第二条一項四号の警備業務の一つとして規定されており、そのため警備業界では四号業務と呼ばれている。彼らの身分はあくまでも民間人(警備員)であって、現行犯でない逮捕や身体捜検といった一切の法的特権を有しない。また、警護の方法にも警備業法により様々な制約がある。例えば、装備できる武器は、都道府県公安委員会の認可を受けた特殊警棒やフラッシュライト、防刃ベスト、刺又等、非殺傷性の防犯用品に限定されている。
警備会社や私立探偵が行うボディーガードは、護身術や警戒監視能力等の各種技能と無線機や隠しカメラ等の装備を駆使して顧客に対する暴行や脅迫を抑止し、顧客の生命と財産を防護する。実際に襲撃があった場合は、顧客の保護を第一義として、民間人にも許されている現行犯と緊急避難の法的根拠をもって加害者の制圧に努め、その身柄を確保して警察に引き渡す。なお、警備業法の定めにより、犯人の身柄確保に手錠を使用することは許されない。万一顧客が受傷した場合には、応急救護処置を行いつつ医療機関に移送することとなる。日本の警備会社では、ボディガードが有する技能を活かした副業として、医療機関の警備や、精神疾患を有する患者の外出や移送時の付き添い業務も請け負う。
芸能界や経済界における著名人の中には、万一の事態に備えてボディーガードを雇っている者もいる。今日、ボディーガードに対する需要は極めて高く、身辺警護専門の警備会社が数多く存在するほか、興信所の私立探偵も調査会社として培ってきた技能を活かしてボディーガードや四号警備を仕事の一つにしている。
ボディーガード(身辺警護・要人警護)の国内教育訓練機関としては、世界最大の国際ボディーガード組織IBA(International Bodyguard Association=国際ボディーガード協会;本部アイルランド)の日本支部が2007年に設立された他、2010年には別団体として国内に本拠地を置く日本ボディーガード協会も設立された。更に2020年にはアジアボディーガード協会が設立される。
ボディーガードを主題とした作品
- ボディガード牙 - 原作:梶原一騎・作画:中城健による劇画、および千葉真一主演による1973年の日本映画。
- ザ・ボディガード - 1974年のテレビドラマで、主演は千葉真一。
- ボディガード - 1992年のケビン・コスナー主演のアメリカ合衆国の映画。
- マイ・ボディガード - 落ちぶれたボディーガードと護衛対象の少女の心の触れ合いを描いた映画。
- 用心棒 - 日本古来のボディーガードを扱った映画。
- マルタイの女 - 1997年の伊丹十三監督の映画。『ミンボーの女』公開後の、伊丹へ対する山口組系後藤組構成員による襲撃事件で、自身が「マルタイ」(護衛対象者)になった経験がヒントになっている。
- 火曜サスペンス劇場・身辺警護シリーズ
- ボディーガード - 1997年の長渕剛主演のテレビドラマ。
- 傷だらけの女 - 1999年の高島礼子主演のテレビドラマ。
- 4号警備 - 2017年の窪田正孝主演のテレビドラマ。
- BG〜身辺警護人〜 - 2018年と2020年の木村拓哉主演のテレビドラマ。
- 闇のイージス - 自身を「護り屋」と呼称し、「イージスの盾」と呼ばれる義手で音速の銃弾を弾く。
- 暁の護衛
- トランスポーター2
- クロース:孤独のボディーガード
- フルメタル・パニック!
- 東京警備指令 ザ・ガードマン
- 守護神・ボディーガード 進藤輝