闇のイージス

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闇のイージス AEGIS IN THE DARK
ジャンル ハードボイルド護り屋アクション
漫画
原作・原案など 七月鏡一
作画 藤原芳秀
出版社 小学館
掲載誌 週刊ヤングサンデー
レーベル YSコミックス
発表期間 2000年 - 2006年
巻数 全26巻
話数 全264話 + Extraエピソード2話
その他 本編の他に、
単行本書き下ろしエピソードと
外伝エピソードが1話ずつ有り。
テンプレート - ノート
暁のイージス AEGIS IN THE DAWN
ジャンル ハードボイルド・護り屋アクション
漫画
原作・原案など 七月鏡一
作画 藤原芳秀
出版社 小学館
掲載誌 週刊ヤングサンデー〜
スピリッツ増刊 YSスペシャル
レーベル YSコミックス
発表期間 2007年 - 2009年
巻数 全6巻
話数 全48話
その他 闇のイージスの
第2部・完結編である。
テンプレート - ノート

闇のイージス』(やみのイージス)は、七月鏡一原作・藤原芳秀作画による日本漫画作品。

概要[ソースを編集]

闇のイージス AEGIS IN THE DARK』(やみのイージス イージス イン ザ ダーク)は、『週刊ヤングサンデー』(小学館)2000年48号から2006年34号まで連載された。単行本は全26巻。

その後、『暁のイージス AEGIS IN THE DAWN』(あかつきのイージス イージス イン ザ ドーン)とタイトルを変更し、週刊ヤングサンデー2007年42号から2008年35号まで連載。掲載誌の休刊に伴ってYSスペシャルに移籍し、VOL.1からVOL.5まで連載された。単行本は全6巻。

ストーリーは、裏社会のボディーガード「護り屋」楯雁人が、数々の依頼に応じて依頼人を護衛する話と、護り屋となるきっかけとなった事件を引き起こしたテロリスト「蝶」と対決する話を軸に展開される。『闇のイージス』劇中では7年の時間が経過しており、『暁のイージス』は更にその1年後の物語となっている。

本作と同じく七月鏡一・藤原芳秀が手掛けた『ジーザス』の後日談でもあり、『ジーザス』のストーリーとの直接的な関連性はないが、主人公ジーザスら一部キャラクターが劇中に登場している。また、本作の後日談・続編である『JESUS 砂塵航路』は、たかしげ宙原作『死がふたりを分かつまで』(ヤングガンガン連載)とのクロスオーバー作品としてストーリーが展開され、『暁のイージス』最終回においてそのことが示唆されている描写がある。

護り屋のルール[ソースを編集]

雁人への依頼には以下のルールが存在する。

①必ず交渉代理人であるアナ・リドルを通じて依頼すること。雁人への直接の依頼は不可。

 例外が甲斐からの依頼。

②本名を名乗ること。偽名や匿名での依頼は不可。

③アナの出す「なぞなぞ」に答えること。

 アナが依頼を受けられないと判断した場合はなぞなぞ自体答えのないものになり自動的に無効化する。

④依頼内容を可能な限り正確に伝えること。依頼内容に虚偽の事実が含まれている場合は不可。

 情報屋であるアナは把握しているが本人がその事実を知らない場合は問題ない。

⑤依頼人は殺しに荷担せず殺さないこと。依頼人が殺人に関わった場合、即座に契約破棄となる。

 依頼人が過去になんらかの殺人を犯していても契約期間内でない場合は問題ない。

登場人物[ソースを編集]

メインキャラクター[ソースを編集]

楯 雁人(たて かりと)
本作の主人公。闇社会で「イージスの楯」と呼ばれ、依頼を受ければ犯罪者でも守り抜く凄腕の「護り屋」。過去の事件で右腕を失っているため、特注の筋電義手を装着している。「殺しをせず、殺しに荷担しない」ことを信条とする。
夏場でもケブラー入りの防弾コートを纏っている。基本的に武器類は用いず、鋼鉄の義手と中国武術、戦闘に関連する様々な知識を用いて依頼人を護衛、状況に応じて敵を制圧する。中国武術の技量は極めて高く、相手の殺気を読み取ることで銃弾の軌道を察知し、義手を盾にして弾丸を防ぐ。
親兄弟や親類のいない天涯孤独の身で、高校時代は非行に走っていたが、恩師・加納の説得で立ち直り、高校卒業後は警察官となり、機動隊配属になった。そして同僚だった甲斐晴美と出会って結婚、一人息子・雅人を授かり、また義兄・彰一の抜擢によりSATの隊員となるなど、公私ともに充実した生活を送っていた。しかし「蝶」によるSAT狩りの標的となって背中に紋章を刻まれ、晴美を殺害され、雅人に仕掛けられた爆弾の解除に失敗し雅人と自身の右腕を失った。その時のトラウマにより、炎を目の当たりにすると右腕に激しい幻肢痛が走る。
その後、一時は生ける屍となっていたものの、「蝶」に復讐する力を求めて世界中を放浪。シチリア島でルッソ・アルラッキから護り屋としての心得と中国武術を学び、後継者としてアイギス(イージス)の通り名を引き継ぎ、アナとジョバンニと共に「セイレーン」を開き、その後再会した彰一とは進む道こそ違うえど、蝶への復讐は同じという目的で共闘しつつ、陽子のような警察内の理解者、ゼロやジーザスという殺し屋との対立と共闘、助手となったちひろといった人々に関わっていく中で生きる意味を見いだしていく。
SAT狩りにおいて殉職したことになっており、戸籍上は死亡している。(このためなんらかの容疑で逮捕されてもすぐ釈放される)加えて家族を失い闇の世界に身を投じたことなどから、自らを「死者」と称している。数々の拷問に耐え抜く並外れた精神力、どのような悪人でも依頼があれば分け隔てなく護衛する高い職業意識を持つ一方、「蝶」に対する復讐心もまた極めて強く、「護り屋」としての自身と「復讐者」としての自身の板挟みに常に葛藤しているが、「蝶」が仕掛けた背中に傷を負った者が世界に破壊と混沌をもたらすからくりと真相を知り、それに抗い、「蝶」の望む事とは逆の道を選ぶことこそ「蝶」への最大の復讐になると悟った。そして、最終決戦時にジーザスが入手した「蝶」の過去の資料をベン達から受け取り、「蝶」への憎しみを捨てられない一方で、家族を喪った代わりにかけがえのない貴重な仲間と戦友を得た自分と違い、信者達に崇め奉られながらも、孤独になっていった「蝶」への複雑な思いを覗かせている。
独身だった機動隊員時代は、正義感は強かったものの融通が利かず協調性のない性格だった。SAT時代は近接格闘と爆弾解体で優れた成績を残し、特に爆弾の解体技術は護り屋となって以降もしばしば活用されている。警察官としての最終階級は、殉職による2階級特進で警部
依頼を受け容れた際には「俺はお前の盾になろう」と護衛対象に告げ、その敵対者及びグループから明確な悪意や殺意を感じとった時に「お前達と敵対する!」と宣戦布告し、依頼者や自身に向けられた銃弾を義手で防御、もしくは相手の攻撃を防いだ際「お前の牙は届かない!」、更に戦闘不能にした場合には「お前の牙は叩き折った!」と告げる。
義手が無い場合には、左腕だけで戦うが、その際に銃弾から身を守る場合には、左拳付近に鎖を多く巻き付けて防御と攻撃の両方に用いる。
雁人の義手
藍空医科大学沢渡研究室にて製作された筋電義手。開発コンセプトは「マグナム弾にも耐える強度を持ち、精密動作可能な義手」で作中でも定期的に新型の義手に換装していた。基本的に雁人専用である為固有名はなく、ナンバリングされているくらいだが例外として「クロムウェル」と「ミネルヴァ」がある。
アナ・リドル
雁人の交渉代理人。黒衣黒髪の少女。護り屋に仕事を依頼する時は前述のルールを守る必要がある。闇社会で「セイレーン魔女」と呼ばれる凄腕の情報屋でありハッカー。子供ながら大人が舌を巻くほどの高い知性と理性を備えている。自分の周囲の小姓達がそんな自分を恐れている事を感じたり、自分に近付いて関わってきた者達が皆死んでしまう事に心に深い傷を抱え、「魔女」だと自称して周囲に誰も寄らせなかった。雁人にも逢った当初は心を開かず、なぞなぞにかこつけて飛びナイフなどを放って追い払おうとしていたが、はじめて自分に正面から接してくれた人物だった事で受け容れた。
本名アナ・キタガミ・マドニア。コーサ・ノストラの大幹部ミケーレ・マドニアの孫娘で、母アメーリアと日本人医師キタガミが駆け落ちしアメリカ合衆国で誕生した。ミケーレらが出資した研究機関「ゲイザー」が、不妊治療と称した極秘実験によって人為的に作り出した超天才児で、貴重な成功例として組織に狙われ、ミケーレに保護されていた。その時にイージスの異名を引き継いだばかりの雁人の護衛対象となり、以来仕事上のパートナーとして雁人を支えている。
雁人に好意を抱いており、ちひろや陽子をはじめとした雁人に近づいてかつ、好感を持つ女性に対してしばしば嫉妬しているが、その女性の力量と人格を評価しても、相手を遠回しで素直に褒めないツンデレの一面もある。一方で、雁人が自分を今は亡き雅人の代わりとして見ているのではないかという恐れを抱いているが、そうした事で自分が雁人の負担にならないように心に秘めており、互いにその事を理解して気遣い合っている。ゲイザーを告発しようとして行方不明になった父の消息と、何者かに狙撃され亡くなった母が今際の際に残したなぞなぞの答えを、今なお追い求めている。
雁人が甲斐の消息を追って『マーキュリー刑務所』に潜入調査に当たる間もちひろと共に「護り屋」ビジネスを続け、『暁のイージス』で帰還した雁人に「ミネルヴァ」を渡す。その後、「蝶」が自分を人質にして雁人を追い詰める事態を想定し、宿敵であるゲイザーにこれまでの調査結果を引き渡した見返りに欧州からゼロを呼び寄せる。自身の身が蝶の手に落ちた場合、ゼロに自分を殺うように依頼していたが、ゼロはこの依頼は雁人がアナの奪還に失敗した場合の「保険」と考えて積極的に依頼を果たそうとはしていない。雁人との死闘後、「かつて救えなかった我が子を救う」という激情に駆られて雁人に協力した「蝶」に爆破装置を解除される。
JESUS 砂塵航路』でも登場。雁人と共に尚世界に残る蝶の亡霊相手に戦っている事が描かれ。その縁で『死がふたりを分かつまで』では土方護のパートナーで、似たような境遇にある遠山遙とは友人関係になった。
甲斐 彰一(かい しょういち)
警視庁公安部所属の警察官。カウンターテロの専門家。東京大学卒のキャリアで、階級は警視正。雁人の妻だった晴美の実兄で、雁人の無二の親友・戦友。滅多に感情を表に出さずその態度は冷酷とも見えるが、現場指揮官としての人望は厚い。一方でその出世の早さと、警察内の組織犯罪にも一切妥協を見せないで取り組む姿勢を快く思わない人間も少なからず存在する。
「SAT狩り」で妹の晴海と甥の雅人を喪い。自暴自棄から立ち直った雁人が裏社会に身を投じた後、「表と裏それぞれの世界から蝶を追跡する」「互いの生命を顧みず、どちらかが倒れたらその屍を踏み越えて前に進む」という約束を雁人と交わした。表の世界の最大の支援者として護り屋のバックアップを行っているが、互いの命を顧みない約束のため過酷な仕事を依頼することも少なからずあり、また雁人も甲斐を護衛する依頼は基本的に拒否している。
少年時代に自らの命と引き替えに自分を守った巡査に憧れ、警察官となった。雁人と出会った当初は、下の階級だった雁人の態度が反抗的だったことと妹との交際関係のために険悪な仲だったが、強盗事件に巻き込まれて共闘した後から、次第に互いを認め合うようになる。
末期ガンに犯されながらも執念で「蝶」を追う。だが、『マーキュリー刑務所』への潜入捜査中に消息を絶ち、その後、核爆弾の人質にされるも、雁人に救出される。やがて蝶の痕跡を辿るため南米に向かった雁人と別れて星美に連れられ日本に帰国した後、火山から「蝶」の素性と彼が雁人に固執する理由を聞き、日本に帰国した雁人をSAT部隊に命じて狙撃させる。蝶の目的と彼の犯行計画を推理した上で、核爆弾の身代金10億円の引き渡し役に志願。そうした自らの命を省みない姿勢を部下の星美から叱責され、彼女から想いを告白される。「蝶」を殺せない雁人にかわり自身の命と引き替えに「蝶」を倒そうとするが、アンガスの狙撃で失敗に終わり、雁人に救われた後に蝶との決着を雁人らに託した。
蝶(バタフライ)
国際指名手配中のテロリスト。ペルシャ語で蝶を意味する「ファラージャ」とも呼ばれる。一流の破壊工作員であると同時に、闇の世界で「テロリストメイカー」と呼ばれカリスマ視されているテロリスト教官で、「完璧ならざる世界の破壊」と称して世界中でテロを引き起こしている。自身が求めるテロリストとしての素養を持つ人間の背中に、その証として焼けたナイフで大きな十文字の傷を刻んで「紋章」とし、テロリストもしくは自分に対する復讐者に仕立て上げる。
紋章を刻まれながらその思惑通りに動かない雁人に興味を抱き、様々な形で間接的に雁人と接触。自ら軍勢を率いて海ほたるパーキングエリアを占拠し、雁人だけでなくSATやジーザス、ゼロ達と激しい戦いを繰り広げ、最後は雁人と手錠で繋がれ東京湾に沈み死亡したと見られていた。しかし手錠につながれた右腕を自ら切り落として生き延びる。だが2039部隊の戦友で自らの崇拝者でもあった「蠍」ことフランク・ルーデルの裏切りで米軍の極秘収容施設(ブラックサイト)「アビス」に収監され、一年以上続いた過酷な拷問から狂死しかけるが、皮肉にもアビス最下層に収監された雁人を助けたミスバーフという男がかつて自分自身が語った言葉で皆を奮い立たせたことで覚醒。アビス内部での反乱を扇動して表舞台へと返り咲き、二発の核で世界を大混乱に陥れる。
元々は日系アメリカ人の一般市民だったが、マーキュリー刑務所に収監され秘密囚人部隊の一員としてベトナム戦争に参加。しかし、終戦協定締結による極秘任務中止により機密保持のため抹殺されそうになるが唯一人生き残るが、口封じの爆撃に遭った際に炎上して崩れた教会の十字架を背部に受けて押し潰された際にトレードマークの十字の傷が付いてしまい、密かにアメリカに帰国するが妻子を人質に取られる。だが、娘アビーに仕掛けられた爆弾を見て逃げ出し、世界に絶望して全てを捨て去る。その後アメリカ国内にて2039部隊に殺されることを望み遭遇したが、逆に部隊に加えられ「蟻(アント)」の名を授かる。2039部隊加入後は各隊員がそれぞれ得意とする破壊工作を全て学んでいき、ある作戦でリーダーの「蝶」裏切りを察知して打ち倒した後、「"世界"の名」と「"蝶"の名」を奪ったことで今日の「蝶」となった。
だが、家族を助けようとして逃げなかった雁人とは反対に、見殺しにした事がトラウマとなり、それ故、同じ境遇を味合わせた雁人が、自分の望む事とは反対の道を歩んだ事で、雁人に羨望と憎悪の二つの感情を抱き、それを混ぜ合わせた執着心を向け続けている。最終章で原子力空母ジョージ・ワシントン」を東京湾上で占領し、アナに核爆弾を巻き付け、クロムウェルで雁人と一騎打ちをするが、雁人がミネルヴァの隠し機能を発動させた末に敗れ去り、その際に致命傷を負い、最期は自らの命を持ってアナの起爆装置を解除し、その時に自身が望んだ「完璧な世界」を夢見つつこと切れた。

Tea room セイレーン[ソースを編集]

護り屋への依頼の窓口となる喫茶店。

名前の由来は、アナが自分を「魔女(セイレーン)」と呼称していた事から。

来島 ちひろ(くるしま ちひろ)
天使事件に絡んで雁人の助手となった凛々しい顔立ちのショートカット美少女。初登場時は高校生で、野坂亜紀の実姉
無実の罪を着せられ破滅させられた母に、亜紀と共に復讐心を植え付けられて育ち、母の死後は姉妹は引き離され、それぞれの親戚の元で育っていたが、ある日「天使」からかかってきた一本の電話がきっかけとなって暗殺者としての訓練を受け、暗殺者としての才能を開花させた。しかし亜紀と違い復讐の実行には賛同しておらず、雁人に協力する形で亜紀を止め、そのことがきっかけで亜紀に命を狙われるようになる。その後護り屋となるべくアシスタントとして雁人に弟子入りし、幾度もの失敗と苦難を乗り越えて最終的には雁人から信頼を置かれるようになり、やがて亜紀とも和解した。
本来は明るい性格をしているが、自らに厳しい一面もあり、仕事中は滅多に感情を表に出さない。一方、「護り屋」としての自身と、訓練によって目覚めた「暗殺者」としての自分の間に揺れる場面も少なからず見られる。雁人を「先生」と呼び、父や兄のように慕う。
相手の気配や接近を察知する能力にも長けており、護り屋の仕事を遂行する時は、雁人と同じく防弾コートを纏い、右腕に弾丸を防ぐ頑丈な防具を装着。基本的に武器は用いず格闘術のみで対処するが、追い詰められた時はスペツナズナイフを用いて戦う。助手になった当初は殺傷力を抑えたベレッタを使用していた。
一時はアナに嫉妬され一方的に嫌われていたが、ある事件を通じて信頼され、雁人不在時にはその護衛を任されるようになった。雁人の為にアナと一緒にプレゼントを買ったり、夕飯を用意したりもしている。『暁のイージス』では、「蝶」を追って渡米した雁人に代わって護り屋の依頼をこなし、自らに課した10の依頼を成功させる目標を達成したことで、アナと共に再び雁人の元へ向かった。
最終章では雁人と共に戦う事は出来ず、雁人の戦いを傍観しつつ、帰還を待ち続けた。
ジョバンニ・ロッシーニ
セイレーンの店員。カウンターで仕事をしている男性。アナの祖父ドン・マドニアに命を救われたことがあり、その縁でアナに仕えている。雁人の不在時はアナのボディガードを務める。銃火器の扱いに慣れており、射撃の腕前も良い。アナの窮地を察知して、ちひろに密かに追跡と護衛を頼む事もあった。

雁人の家族[ソースを編集]

楯 晴美(たて はるみ)
雁人の亡き妻で、旧名甲斐晴美でかつ甲斐彰一の妹。元婦人警官で、兄や夫のように正義感と義務感に溢れていた情熱的な女性だった。強盗に拉致された事件の際に雁人と出逢い、雁人の活躍と互いの協力によって無事に事件が解決したことにより、つきあい始めるようになる。当初は雁人に良い感情を抱いていなかった兄からも交際は反対されていたが、家族の制止を振り切って愛し合い、やがて結婚し、2人の愛の結晶である雅人が産まれる。
しかし、「蝶」のSAT狩りの標的にされ、雁人が爆弾処理に失敗した時、雅人と共に死亡。この為に元々甲斐家から雁人との交際に反対だった事や、SATに属していた事で事件に巻き込まれた事での恨みから、雁人は今でも彰一以外の甲斐家の人々からは受け容れられず、疎まれている。
生前の彼女の造った料理で雁人が最も好物だったのはシチューで、アナとちひろが雁人へ心を込めて造ったシチューの味を、雁人は「晴美の味だ」と評した。 
楯 雅人(たて まさと)
今は亡き雁人と晴美の息子で、父雁人の愛情を一身に受けて育った事で、父親を愛し、溢れる信頼と尊敬を抱いていた。
家庭環境に恵まれなかった雁人にとって、晴美と雅人は初めて家族と呼べる存在であり、生きる大きな支えとなったが、「蝶」のSAT狩りに巻き込まれ、病院のベッドに爆弾を抱いたまま固定され、爆弾処理に当たった雁人の努力も空しく、母と共に爆死し、僅か5歳の生涯を閉じる。
その際に失った右腕以上に、息子と愛妻の死が雁人の一生の傷となったものの、それが雁人を護り屋という新たな人生に向かわせることとなり、死しても尚、母と共に雁人に生きる力を与え続けている。

協力者[ソースを編集]

沢渡 啓之(さわたり けいすけ)
藍空医科大学の医師。大学内にある自らの研究室で次世代型筋電義手の開発・研究を行っており、雁人に「本物の腕と同様に動き、なおかつマグナム弾の直撃に耐える義手」の製作の見返りとして、多額の研究資金と義手のデータを提供されている。
義手の研究を通して医師として多くの人間を救うことを望み、雁人に対しても「『生者』に戻る日が来ること」を心から願っている。一方、雁人の復讐心を慮った機能を義手に組み込み、それが結果として雁人の葛藤と世界の混乱に拍車をかけてしまったこともある[1]。医者という職業柄、相手の心理を読み取るのも上手で、雁人の心に秘めた苦悩や、雁人を心配するアナとちひろの心中も理解している。
“天使”
神秘的な雰囲気を漂わせる美しき女性。その容姿とは裏腹に人々を滅びへと追いやる魔性の女。その本名や素性は一切が謎で、唯一つわかっていることは「ハウザー症」患者であること。人の嘘を見抜く才能があり、自らは人々の嘘による苦痛を強いられている。藍空医大で研究目的を含めた治療を受けていたが、担当医の相良清彦により研究ごと藤堂義明に売り渡された。自らを籠の鳥として愛玩する藤堂の手を逃れた後、多くの人々に悪の種子を植え付けて狂わせる。しかし、ちひろたち姉妹には“希望”を見出しており、その窮地にあっては自ら藤堂の元に舞い戻ると同時に、雁人に救いを求めた。
再び藤堂の元を離れた後、聖セイレム学園に音楽教師・「霧野真由」[2]として赴任していた。自分の研究データを利用したある組織の所行を暴くため、巧みに雁人を誘導した。その後は、宿命を逃れる術を求めて放浪の旅に出ている。
他の主要な登場人物たちが『暁のイージス』に登場する中、彼女は一切登場しない。
レイチェル・雨宮・ハンター(レイチェル・あまみや・ハンター)
テロ対策を専門に請け負い全米で業界3位の実績を持つ民間警備会社「HSE(ハンター・セキュリティー・エンタープライズ)」の最高経営責任者。20歳にしてオックスフォード大で経営学の学位を取った才女。誇り高く聡明で責任感が強い。反面、駆け引きに長け、高圧的で人を見下した態度も見せる。依頼人を装って雁人の力量を測りヘッドハンティングしようとしたため怒りを買うが、「蝶」の情報を餌にして協力を取り付ける。白人の父と日本人の母を持つ日系人。
彼女の20歳の誕生日に発生したアメリカ同時多発テロで両親を失い自らも負傷し、鳩尾には事件の傷跡が大きく残る。両親を奪ったテロリストたちを激しく憎み、父の遺産である株式を受け継いで経営者となり、「HSE」を対テロ組織とした。「十字架」を背中にもつムハンマド・サイードのテロ計画を雁人と共に阻止する中で考えに変化が生じ、サイードが残した、彼が最も大切にしていたラピスラズリを預ることになる。
『暁のイージス』では「蝶」を追う雁人に協力するが、銃撃を受けて瀕死となった雁人を目の前で拉致される。さる国の施設に捕らえられた雁人を救出すべく、下記のアーネスト・ロイドやウリエル達と共同戦線を張り、雁人救出の依頼を果たしたジーザスから「蝶」の過去を記した資料を渡され、それはウリエルを通じて「蝶」との最終決戦に挑む雁人を助ける為に日本へ向かうマーキュリー刑務所の元囚人達に託される事となる。
なお同作者作品の『BUGS LAND』後半にも出ているが、本作との明確な繋がりは不明。
アーネスト・ロイド
FBI特別捜査官。白髪の目立ち始めた年配の黒人で「テロ・ハンター」として恐れられる。同時多発テロを未然に防げなかったショックで酒に溺れるようになるが、後輩からの叱咤で「9.11」と名乗るテロリストを巡る事件を担当し「蝶」の暗躍を知る。イラク出身の少女ライラを巡ってアメリカの掲げる正義に疑問を抱くようになり、その後「蝶」を追って来日し雁人と邂逅し、雁人が「蝶」の意図したテロリストにはならないことを確信する。
ベトナム戦争では通信兵として従軍した過去を持つ。また、横須賀に配属されていたこともあり、日本語も話せる。
『暁のイージス』ではレイチェル、ウリエルと共に「蝶」を追っている。レイチェルに対してはブラックサイトに拉致された雁人を救出するために、「伝説」と呼ばれたある人物を雇うことを薦める。最終章では、アメリカの一都市が壊滅する危機に際し、自らテロリストの説得に当たる。
ロザ・アルベニス
『暁のイージス』に登場。メキシコとアメリカ合衆国南部の国境地帯に根を張り、合衆国への密入国斡旋や麻薬密輸などを生業にする組織「メサ・コヨーテ」を率いるスペイン貴族の末裔の一族の娘。ラテン系の色香が漂う情熱的な性格の美女で、自分達こそ国境地帯を治める者と、組織の長の一族としてのプライドを強く持っている。
「蝶」の正体を求めてメキシコにやって来た雁人と「メサ・コヨーテ」が関わる事件の中で出会う。はじめは一族に屈辱を与えた雁人を付け狙っていたが、雁人がイレーネ・サルドーニから依頼された護衛対象と共に合衆国へ逃れようとするのを、カザロスと共に狙うものの、カザロスの騙し討ちに遭ったところを雁人に救われ、更に雁人を本当の男がどうかの判別をするため、アルパイン・クライミング(岩登り)を挑むも、アクシデントや雁人に助けられた事から敗北を認める。
それから雁人に惹かれていき、レオンと共に国境を越えようとする雁人を手助けし、オルガの攻撃から逃れた後に、雁人に「生者に戻ったら、私を抱きに来るのよ」と愛の宣告と約束をしている。
ウリエル
ロザと同じく『暁のイージス』で登場。「蝶」の過去を探るべくメキシコを旅する雁人に、常に電話越しからコンタクトを取り続ける人物。ユダヤ系の白人男性でその正体は、エシュロンで情報分析をするCIAの分析官。雁人に有益な情報をもたらすものの、雁人を自分の勢力の手脚に使おうとしていた。
それを雁人に見抜かれてしまい、情報を小出しにして雁人を誘導する姿勢が怒りを買いコンタクトを断ち切られそうになると、ある人物の護衛依頼を雁人に懇願して顔を割ってしまう。
そうした体験の後、雁人に一個人としての協力を惜しまなくなり、彼の危機に際しては、「耳」であることをやめてレイチェル、ロイドと共に自ら踏み込んで手助けするようになり、ベン・シスコらマーキュリー刑務所の元囚人達に依頼(正体は知らせていない)して、雁人のバックアップをしている。
ミケーレ・マドニア
コーザ・ノストラの大幹部。アナの母方の祖父。アナを可愛がり、ボディーガードを長く務めていたルッソやその弟子の雁人に親愛の情を示す一方、組織内で対立する勢力が臓器売買組織に加担していることに激しい嫌悪感を抱いている。
第二次世界大戦後のアメリカで生き残るために組織が「ゲイザー」の出資者となり、やがてゲイザーがミケーレの娘アメーリアを使ってアナを人工的な天才児として産み出させ、更に娘がゲイザーに殺されたことを激しく悔やんでいた。ゲイザーにまつわる内紛が終息した後、自分ではアナを守りきれないと悟り、護り屋として日本に戻る雁人にアナを託した。
ルッソ・アルラッキ
雁人の師匠で、「アイギス」の異名で知られた護り屋。ミケーレ・マドニアのボディーガードだったが、ある人物の護衛に失敗し、刺客全員をその手にかけてしまったことから引退し、素性を隠してシチリア島の一介の料理人として生活を送っていた。
「蝶」への復讐のための力を望む雁人に地下墓地の試練を課し、地下墓地から生きて帰って来た雁人に護り屋としての心得と中国武術を授けた。その後、ミケーレの依頼で雁人と共にアナを護衛していた時にミケーレをかばって銃弾に倒れ、その生涯を閉じた。自らが用い雁人に授けた武術の門派や技の名前は、師の意向で教えられていないためルッソ自身も知らない。
苦難に直面して弱気になった雁人の心の中にも現れ、死して尚叱咤激励するような形で、晴美や雅人と共に雁人を奮起させている。

殺し屋[ソースを編集]

ジーザス/藤沢 真吾(ふじさわ しんご)
ジーザス』の主人公。裏社会で伝説の存在となっている殺し屋。追い詰められた相手が「ジーザス!」と叫ぶと、「それが俺の名だ、地獄に落ちても忘れるな」と返しとどめを刺す。
日本において秘密組織「24」を壊滅させた後、中東の小国・カダス共和国に渡って革命を成功させ、その後は教師としてカダスの子供たちに勉強を教えていた。しかし8人の教え子が臓器売買ブローカーによって誘拐されてしまい、行方を追って世界中を飛び回り関連組織を壊滅させ続け、その過程で再び日本に足を踏み入れた。
ゼロを戦慄させるほどの実力を持ち、日本においては教え子を探す過程で幾度となく雁人と対決・共闘。「天使」による一連の事件が解決した後は、亜紀を助手・弟子としている。
傭兵部隊「砂漠の兎(デザート・ラビッツ)」の唯一の生き残りで、部隊が壊滅し捕虜となった時に「蝶」によって紋章を刻まれた。部隊を全滅させた張本人の1人であることから「蝶」への復讐に執念を燃やしているが、一方で教師として教え子を護るという使命感も強く、雁人と同じく復讐と護ることとの間で揺れている。
正体を隠すため「教師」を隠れ蓑にする際には前作同様に藤沢 真吾を詐称している。最終章でアビスから雁人を救出した後、フランク・ルーデルが遺した「蝶」への資料をレイチェルに提供し、そして雁人らと共に蝶が占領した空母に乗り込むが、不本意ながらもセラを連れて空母の原子炉の暴走を抑えるために冷却作業に廻って、「蝶」との決着を雁人に譲った。
ゼロ
新宿にあるバー「雁の巣」を根城とする殺し屋。長身と無精ひげが特徴的な外見をしており、帽子、コート、丸眼鏡のサングラスを常に身に着けている。拳銃やナイフを始めとする様々な殺人術を、無痛症体質を生かした人間離れした戦い方の下で用い、雁人やジーザスと互角の実力を持つ。標的を殺害する時は、「灰は灰に、塵は塵に、土は土に」という聖書から引用した言葉を呟く。
10代で両親を殺され天涯孤独の身となった後、東西分裂時代のドイツでルドルフ・カウフマンに弟子入りし、暗殺者としての訓練を受けた。その時期に、ルドルフの娘マリアをかばって頭部に銃弾を受けたことによって、痛覚だけでなく温度覚や味覚も失った。
仕事を巡るトラブルで何度となく雁人と対決、殺人をタブーとする雁人の信条に反発し激しくライバル視しており、「殺しでないと問題は解決しない」、「護り屋のやり方は生温くて甘い」と嘯く時もあるが、いわゆる殺人鬼と呼ばれるような類の人物ではなく、手当たり次第の殺人はせず、幾度もの戦いを経て雁人と互いに理解し合い、関係は改善しないものの共闘する場面が多くなり、アルベルト・ヘスとの戦いの後、無痛症の治療のためにマリアと共に日本を旅立っていったが、『暁のイージス』最終章にてアナからの依頼にのためゲイザーの力を借りて日本へ戻り、雁人やジーザスらと共に戦う。
かつてゲイザーに追い詰められたルドルフからマリアの抹殺を命じられ、マリアを護るためにルドルフを殺害した。マリアからは密かに思いを寄せられているが、敢えて気づかぬ振りをしている。
橿原 七瀬(かしはら ななせ)
BAR「雁の巣(ネスト・オブ・ギース)」のオーナーで女性バーテンダー。父・十蔵から店と情報屋としてのネットワークを受け継ぎ、ゼロに対して依頼を斡旋している。時折、窮地に陥ったゼロを救うために護り屋に仕事を依頼している。
野坂 亜紀(のさか あき)
来島ちひろの実妹で、ショートの姉とは対照的に巻き髪のロングヘアー。「天使」との出会いをきっかけに訓練を受けて暗殺者となった。ちひろと同じく母から復讐心を植え付けられ、ちひろと生き別れになった後、養父の陵辱を受けて育ったことなどから、人間性に欠落している部分があり殺人に対する抵抗感がない。戦闘スキルではちひろよりも上で、模擬戦闘の近接格闘以外では全勝していたという。
母の悲願であった復讐を雁人とちひろに止められ、それをきっかけにちひろの命を狙っていたが、様々な戦いを経て和解した。「人間狩り」の後、人としての尊厳や何かを護ろうとする心を取り戻し、カダスの生徒を救いに来ていたジーザスに拾われ弟子・助手として行動を共にするようになった。二度と人を殺さない、殺さなければならなくなった時はジーザスが代わりに背負うという約束をジーザスと交わしている。
ジーザスの元にいる為、ちひろと会うことは基本的に出来ず、ちひろもまたそれを自覚している為に姉妹が共に暮らすことは無いが、聖(セント)セイレム学園でのT・P・C関連の事件では、姉妹ならではの息の合った共闘も見せる。努力型の姉に対し、天才型の妹のようで、ジーザスからの戦闘スキルを、護り屋修行していた姉よりも短期間で習得しただけでなく、学力もスポーツもトップの才能を発揮したが、やややんちゃで皮肉屋の面も散見させるようになった。
姉と同じく、最終章ではジーザスから決戦場へ同行する事は許されず、ちひろと共に師達の戦いを見守りつつ帰還を待った。


日本警察[ソースを編集]

守渡 陽子(もりと ようこ)
警視庁南新宿署生活安全課に所属する女性刑事。階級は巡査部長。男勝りで正義感が強く、警察官としての職務に強い誇りを持っている。捜査手法は強引で荒っぽく、時に自身への婦女暴行や公務執行妨害といった冤罪を被せて相手を逮捕・拘束する一方、市民を守るために命を懸けることも厭わず、階級や恫喝にも屈さない。言動も殆ど男のような口調で、ヘビースモーカーでもある。
時として犯罪者からの依頼も受ける雁人を最低の人間と目の敵にしていたが、やがて雁人が裏社会に身を置きながらなお「警察官としての誇り」を持ち続けていることに気付き、更に雁人唯一の親友である彰一にも当初は雁人のような人物を庇い、利用するエリートとして嫌っていたものの、「蝶」への復讐を互いに誓い合っている姿を見て、雁人と互いに信頼関係を築いた。雁人からは「最も信頼できる警察官」と言われており、自身も雁人に対して好意を示している。女の直感でアナからは雁人を巡るライバルの一人として嫌われているが、ちひろとはある事件で共闘したことが縁で仲が良い。
『暁のイージス』において「蝶」から雁人を動かせる人物と見込まれ、捕虜にされるが、「蝶」の最後の攻撃が開始される前にサイードとアスランと共に「蝶」の元から離脱。彼女なりに雁人を理解し、護り屋を選んだ事をサイードとアスランに告げて、二人を「蝶」に離反させるきっかけも造っている。
米内 星美(よない ほしみ)
甲斐彰一の側近の女性刑事で、階級は警部補。性格・風貌ともに清楚な美人だが、自らも相当の捜査力・行動力を持ち、マーキュリー刑務所に潜入捜査に入った彰一を追って雁人の後に渡米した。
雁人と共に「蝶」を追う余り自らを顧みない彰一を密かに心配し、最終章で愛の告白もしている。
火山 律子(ひやま りつこ)
警視庁公安部外事第3課(国際テロ専門部署)を統率する理事官。小柄な中年の女性で、階級は警視。甲斐彰一よりも下の階級だが、国家の中枢にも顔が利き、対テロ対策においては上司となっている。
警視内閣情報調査室にも顔が利き、テロ犯罪に対しては手段を選ばない姿勢で臨むため、「魔女の婆さん」の異名を持つ。雁人に対しては護り屋になった経緯と真実を全て知りながらも蝶(バタフライ)に付けられた背中の十字の傷を理由に「テロリストになりうる素質を持つ人間の中でも、最も危険な存在」と見なし、甲斐の度重なる説得に全く耳を貸さないほど敵視していたが、海ほたるでの「蝶の軍隊」との戦闘で雁人の護り屋に徹する行動と甲斐の幾度もの説得を受け入れ、雁人の逮捕を撤回する(但し、雁人に対する認識は終幕まで全く変わっておらず、テロリストを殲滅するためならば警察内外を問わず雁人や、彼に関わる人物を陥れることも辞さないほどである[3]。)
「東京戦争編」では彰一を警視庁公安部に新設された対テロ特捜課のチーフに招聘し、自身は「蝶」が楯に固執する理由を知った上で、内閣総理大臣・花沢の命に従い「蝶」と雁人を追い詰める作戦を展開するも、結局どれも失敗に終わり、最後の手段をして非公式に雁人やジーザス達を「蝶」が占領した空母へ送り込む作戦を実施する。
「 国の治安や平穏を守り、テロを根絶する為には悪魔とだって契約する」とまで豪語する信念を持ち、その為には敢えて嫌われ者になる事も辞さない覚悟を持って組織を率いているが、そうした一方で雁人をはじめとした公安では無い人々のテロの阻止と活躍を見せられただけではなく、そうした信念で組織を引っ張ることは出来ても、逆にそれ故に対テロ戦争には勝てないジレンマを解消出来ない悩みも内に抱えてはいる。
葛原(くずはら)
警視庁南新宿署生活安全課の係長で、守渡陽子の上司。階級は警部。陽子の姿勢や護り屋としての雁人に対して理解を示している。その外見や、飄々とした口調とは裏腹に警察官としての職務に熱心で、事件や関係者への対応を巡ってしばしば上層部と対立するように、信義を決して曲げない度胸と覚悟も持っている。
警察関係の人物としては、陽子と組んでいた事もあって比較的登場機会が多かったが、『暁のイージス』では「天使」と同じく出番が無い。
秋坂 高次 (あきさか こうじ)
鞘塚市警察刑事課長で、ジャガーノートに誘拐された大企業家庭の親族となる盲目の少女由美の対策本部の中心となる。当初は雁人に悪人でも守護するという噂から、あまり良い印象を抱いていなかったが、その力量と雁人の過去を知った事に加え、人質救出に全力を傾ける姿勢と実力を認め、協力的となり、一時視界を奪われた雁人の援護に来たちひろとも共同で誘拐犯達を追い詰めていく。

「紋章」の戦士[ソースを編集]

セラ
12、3歳位の少女だが、背中にはやはり十字傷が刻まれている。元々は人身売買により金持ちに売られそうになった所を「蝶」によって救われた過去を持つ。以来、「蝶」を全面的に信頼して「パパ」と呼び、自らの意思で「蝶」に最も近い立場に身を置いている。中性的な容姿の可憐な性格で、一人称は「僕」である。
「蝶」所有の古びた船をねぐらとしていることもあり、後述のアスラン・カディロフを救助し「蝶」の戦士に引き入れた。アメリカ南部の砂漠で楯と甲斐の前に「蝶」達と共に現れ、雁人に「蝶」の宣戦布告のメッセージを伝える。
しかし、東京湾上での最終決戦でサイードの身を挺した行為によって「蝶」への呪縛が解け、瀕死のサイードからジーザスに託される事となる。
ムハンマド・サイード
「砂漠の虎」の異名を持つ歴戦のイラク人傭兵。屈強な肉体を誇り、小口径の銃弾なら皮一枚しか通さず、筋肉を隆起させることで弾丸を体外へ弾き飛ばすほど。また、銃火器の他によく鍛えられたアラブ風のサーベルを操り、その膂力によるサーベル捌きは雁人の義手をも破壊したほどである。かつてはCIAに雇われ、イラク戦争で米軍の攻撃ポイントの誘導と連絡によって米側の勝利に貢献していたものの、運命の悪戯により戦場で実の息子をその手で殺してしまった事から世界に絶望を抱くようになる。
その後「蝶」と出会い十字傷を刻まれる。過酷な運命と「蝶」との出会いによって生じた己の中の抑えきれない衝動から、風船爆弾によるウイルス散布計画「フゴー」を画策。それを阻止せんとする雁人との死闘の末に敗北し、テロリストを憎むレイチェルからも「死ぬ事は許さない」と説得されるものの、断崖から転落するが生存、己の暴走に区切りを付けたかに見えた。しかしその際に左目を失明して眼帯をかけたものの、アメリカで小型核爆弾を回収するため、「蝶」と共に雁人の前に再び姿を現す。
「東京戦争編」では「蝶」に従い行動し、「完璧ならざる世界に対する復讐」を「蝶」に託す考えに変化はないが、彼自身は雁人を倒そうとは考えておらず、せめて、セラだけは助けたいという思いを抱いており、その思いは少年少女を放っておけないジーザスに託される。そして「蝶」の暴走による犠牲が仲間達にまで及ぶのを悟ってアスランと共に「蝶」に離反し、東京を核爆発から守る戦いで雁人の側に付き、戦士として死を選んだ。
アスラン・カディロフ
チェチェン共和国出身のスナイパー。長身で銀の長髪に紅い瞳を持つ女性と見紛うばかりの美男子だが、吹雪の中、肉眼の視力のみで数百メートルの狙撃を必中させる超人的な腕前を持つ。ロシアへの抵抗運動に参加し、北オセチア駐留のロシア兵を毎週木曜日に殺害していたことから、「木曜日の悪魔」の異名で恐れられていた。
少年時代、分離独立を図ろうとした祖国がロシア軍の弾圧を受けた際、爆撃により幼馴染の少女アイーシャを目の前で殺される(それが木曜日の出来事だった)。アイーシャの亡霊[4]に取り憑かれ、復讐鬼と化した。自らを「亡霊に取り憑かれ、死者に支配された人間」と称し、雁人も同じだと言い放つ。
突如として来日したカディロフは、渋谷新宿にて無差別狙撃殺人を繰り広げ、守渡にも重傷を負わせる。アイーシャの双子の姉・マリーカの依頼を受けた楯はカディロフを止めるべく行動するが、ロシア政府と密約を結びスワロフら元スペツナズの入国と行動の自由を認めた日本警察に妨害される。カディロフと仲間の復讐に逸るスワロフらの破壊活動により、東京はカディロフが望んだとおりの戦場と化す。有明国際展示場での死闘の際、雁人の言葉に心を打たれカディロフは暴走を止めるも、その直後にマリーカがスワロフの凶弾に倒れてしまう。カディロフはマリーカの亡骸を抱えて冬の海に消えるが、奇跡的に生存し「紋章の戦士」の船に救助された。そして、「蝶」の「完璧な世界を取り戻す」という言葉を聞き「紋章」の戦士となる。アメリカにおいて小型核爆弾を回収するため、「蝶」やサイードと共に雁人の前に再び姿を現した。
名前のモデルは、ロシア連邦チェチェン共和国の政治家アスラン・マスハドフアフマド・カディロフであると考えられる。ガンダム某キャラとは無関係とのこと。[5]
『暁のイージス』では「東京戦争編」において「蝶」と共に再び日本に現れ雁人と対決するが、その中で「蝶」のことを「自分や楯と同じ亡霊を背負った人間」であると雁人に告げる。同じスナイパーという人種にあたるアンガスとは雁人を巡って対立し、サイード同様に次第に「蝶」の姿勢とやり方に疑問を抱きはじめ、かつて自分が狙撃し、一時は殺しかけた陽子からの檄と説得や、自ら雁人の為にゼロに自分を殺すよう依頼したアナの決意によって、「蝶」と敵対して死ぬ道を選ぶ。
オルガ
メキシコから幾度も雁人を襲撃し、「蝶」の過去を知る人物達を消してゆく謎の少女。見た目は10代の白人の美少女で、首筋に傷跡を残しライダースーツに身を包んでいる。重火器も巧みに操るが、ジャンビーヤに似た宴曲ナイフの二刀流による格闘術を最も得意とし、その身のこなしは銃弾や、ベンのパンチまで軽々と躱すほど。
その正体は「蟷螂」ことアルフレッド・クインの養女であり、素晴らしい声の持ち主で人の心を震わせる歌唱力を持つ少女だった。しかし不慮の事故により声を失った結果、自殺未遂を繰り返すようになり、彼女の悲しみと絶望に目を付けたルーデルに誘拐され「蝶」と出会ったことがきっかけで「蝶の十字架」を持つ戦士となってしまう。
ルーテルの命令でイレーネを殺害し、カザルスをはじめとした警官達や、メサ・コヨーテの者達まで惨殺していき、標的である雁人を苦しめる幻肢痛を起こさせるよう手榴弾などの火焔を用いた攻撃を併用して追い詰めたが、自分を殺さずに守るよう「蝶」の呪縛から解かれるよう雁人に依頼し、彼を庇った養父アルフレッドを誤殺してしまう。そして燃えるセットスタジオからも脱出した後、ルーテルに瀕死の重傷を負わせた後、「蝶」の軍団の一員として暴れ回り、尚も雁人を追って日本でも襲うが、ちひろとの女同士の対決の末に叩き伏せられ敗北。
ちひろはオルガが自分と同種の人間であり、自身の中の暗殺者の本質に葛藤しながら向き合っている自分と違い、オルガが自らの意志でそれを解放したと見抜き感じ取っていた。そして負けを悟ったオルガはちひろに自分の命を絶つ様懇願するが、既に1人の護り屋となっていたちひろはオルガを殺さなかった。
アンガス
「紋章」の戦士の1人で、初老のスナイパー。同業者のアスランを「若造」と呼ぶ。5歳の頃にライフルで両親を殺害して以降、雁人ですら感知出来ないほど、微塵の殺気も発生させず狙撃を行う。
「蝶」を狂信的に崇拝しており、「蝶」について行くことは共に死することも厭わないことであると主張する。ゆえに彼自身が「蝶」にとって危険な存在と認識した者に対しては「蝶」の指示を無視してでも独断で行動することが多く、雁人が「蝶」に死をもたらす存在であることを認めていない。そのため、「完璧ならざる世界に対する復讐」を「蝶」に託している点は共通しているもののサイードやアスランとは意見の相違が度々見られ、雁人への憎しみが次第に無くさせた筈の殺気を出させる皮肉な結果となり、最終巻では離反したアスランによって差し違える形で死亡する。
レビア
「紋章」の戦士の1人で、アジア風の長身の美女。接近戦に長けており、ナイフやシミター等を武器にして戦う。
アンガス同様に最後まで「蝶」への心酔と呪縛が解けず、雁人達と戦うが、最終戦争編でサイードに相討ちに近い形で敗れ、道連れに空母乗員を皆殺しにした毒ガスボンベを開いて自決するも、雁人達を殺すには至らなかった。

マーキュリー刑務所[ソースを編集]

アルフレッド・ブラガ
マーキュリー刑務所所長。小太りで眼鏡をかけた白人男性。所内を腐敗させて麻薬などを蔓延させ、私腹を肥やしている。ムライの陰謀に加担させられているが、その背景は何ひとつ知らされておらず、ムライに対して反感を抱いている。後にムライに殺害された。
ベルグマン
マーキュリー刑務所の主任看守。腐敗している看守の中で数少ない清廉潔白な人物で、囚人には厳しくしかし公正に接し、時には身を呈して囚人を保護する。同僚から疎まれている様子もある。彰一の身を案じて火山によって密かに派遣された星美に家族の窮地を救われ、刑務所内の彰一と雁人をアシストする役割を持つ。
マロリー
ブラガとベルグマンの部下の白人だが、麻薬常習者の腐敗看守で、ブラガの命令で刑務所内の麻薬を蔓延させ、雁人をはじめとした囚人達から金銭を巻き上げようとしている他、ブラガの命令で、目障りな存在でもあったベルグマンを家族もろとも殺害しようとしたが、駆け付けた星美に射殺される。
ロペス
囚人の1人。受刑者の中では最も古株の老人で、刑務所内のことに詳しい知恵袋的存在。食事に出されたリンゴを集めて酒を作っている。趣味はペーパークラフト。人生のほぼ全てを刑務所で送ってきたため、一般社会に適応できなくなってしまっている。
雁人に対して様々な形で助言を行っていたが、所長に釈放を盾に脅迫されて殺し屋となり、雁人の暗殺を目論んだ。それを雁人に許され、その後彰一を救う時間を稼ぐため単身ムライの軍勢に立ち向かい、仲間達に見守られながら息を引き取った。
ベン・シスコ
黒人囚人グループのリーダー。プロボクシング・ヘビー級の世界ランカーだったが、ギャラを横領したマネージャーと浮気していた妻を殴り殺して収監された。粗暴な男だが信義に厚い。黒人グループのリーダーとしての面子にかけて雁人とボクシングで決闘、左腕一本で自分に勝利し、戦いの後で自分のことを信じて正体を明かした雁人と「ブラザー」として兄弟分の契りを結び、マーキュリー内で様々なバックアップを行った。
刑務所の暴動事件終了後、『暁のイージス』でも一緒に雁人に協力したマイク、ホセと共にウリエルから託された「蝶」の資料を手に日本を訪れ、恩返しの意味も込めて「蝶」との最終決戦に挑む雁人のサポートをした。
マイク
雁人に関わる囚人の1人。性同一性障害が原因のいじめに耐えきれなくなり、殺人を犯して収監された。白人の美少年で、男娼としてマーキュリー内で売春を行い、所長の愛人にもなっている。雁人を籠絡しようとした所長に雁人の夜伽を行うよう命じられたが、雁人がマイクがよこされてきた背景と内心の傷を理解し、手を出さずにいたわってくれたことに惚れ込んで協力者となり、刑務所での戦いの後にベン達と共に日本に助っ人としてやってきた。ちひろに嫉妬している。
ホセ
同じく雁人に関わった囚人の1人。中年のメキシカン。雁人の隣の房になったことから、何かと世話を焼いている。若い頃から問題を起こしては刑務所と一般社会を行き来し、その気の弱さから「ビビリのホセ」と名乗っているが、仲間を救うためならば命を懸けることも厭わず、雁人が陰謀に巻き込まれていると知った後も友人として協力している。
クラウディオ・サルド
イタリア系の老齢の囚人。コーザ・ノストラで武闘派と言われた幹部で、ミケーレ・マドニアの義兄弟でもある。ベンと雁人の戦いから雁人が「アイギス」の後継者であることに気付き、マイクの護衛を依頼した。マイクの姿と、マフィアである自分に反発して家を飛び出し命を落とした息子とを重ねて見ている。マルコという囚人が常に付き従っている。
ジョナサン・ムライ
囚人の1人で、スキンヘッドに髭を生やした日系人の元軍人。過去にムライとトラブルを起こした人間は例外なく変死を遂げているため、囚人内で孤立している。またブラガ所長に対しても対等以上に振舞っている。
かつて軍の命令を受けてアフガニスタンに潜入、部族をまとめ上げることで戦争を終わらせようとしていたが、軍の意向を受けて派遣された「蝶」に計画を潰されて紋章を刻まれ、マーキュリー刑務所に収監された。「蝶」への復讐のため所内で核兵器を開発、調査に来た甲斐を監禁するなどして秘密裏に3発の核爆弾を完成させたが、側近に裏切られて致命傷を受けた上に2発を「蝶」に奪われ、雁人からの救助を断って「蝶」に利用されたけじめを付ける為に残りの一発で自爆しネバダ州に果てた。

2039部隊[ソースを編集]

1960年代にアメリカ合衆国国防総省が秘密裏に創設した特殊部隊。数々の破壊工作や情報操作を行い、ジョン・F・ケネディらを暗殺したとも言われている。2039という部隊名は、ケネディの暗殺事件の情報が公開されるとされる年にちなんで付けられたものという。部隊の生き残りの背中には、「蝶」によって刻まれた十字の紋章がある。

ジョナサン・ブレナン
2039部隊隊長。コードネームは「蝶(バタフライ)」。グリーンベレーの元大尉で、国内での任務の途中に拾い上げた男に対して「蟻(アント)」のコードネームを与え、様々な技術を叩き込んだ。後に部隊を捨て石にして自分だけ生き延びようとしたところを「蟻」に殺害され、「蝶」のコードネームを奪われると共に稀代のテロリストを誕生させる直接のきっかけを作ってしまった。
イレーネ・サルドーニ
「毒蜘蛛(タランチュラ)」のコードネームを持つ、近接戦闘のスペシャリスト。部隊が壊滅した後メキシコの裏社会の顔役となり、年老いてからは修道女として町の人々の尊敬を集めている。元「蝶」のジョナサンを現「蝶」こと「蟻」が殺した後、「蟻」に畏怖を抱いて抵抗出来ぬまま、その指揮下に入ったが、その経緯で「蝶」を生み出してしまったことを後悔を常に引きずり続けていた。そうした自分の若き日の過ちを繰り返させない為に、過激思想の若者や人物達を更生させる役割を担っていた。
雁人に対し「蟷螂」を紹介するのと引き換えにレオンを護衛し父親に引き合わせることを依頼、その後自分を殺しにやってきたオルガに立ち向かったものの、オルガに致命傷を負わされ、ロロに看取られ、クインに連絡するよう言い残して息を引き取った。
アルフレッド・クイン
2039部隊の狙撃手。コードネームは「蟷螂(マンティス)」だが、名前とは裏腹に小柄でずんぐりとしたスキンヘッドの風貌。部隊壊滅後、長年に渡りハリウッドに住む者たちを守り続け、ハリウッドにおいては名士として慕われている。
「毒蜘蛛」の紹介で訪れた雁人に対し、「蝶」が誕生した経緯を語って聞かせ、新たな「蝶」となった「蟻」への言いしれぬ恐怖と畏敬のままにその指揮下に入って殺戮を繰り返したものの、イレーネ同様に「蝶」を生み出した事への恐怖と禍根を抱いたままに過ごしてきた。
声を失い行方不明となっていた養女オルガの護衛を依頼、その直後雁人からイレーネを殺したのがオルガだと聞き、雁人を庇ってオルガに殺されるも、彼女を「蝶」からの呪縛を解くよう雁人に懇願。更に「蝶」が自分の意志に従わない雁人に執着する理由を見抜き、それこそが「蝶」に勝てるものかもしれないと思いつつ生涯を閉じた。
フランク・ルーデル
情報工作の専門家。コードネームは「蠍(スコルピオ)」。やや軽薄な感じの白人の美男子と言った風貌だったが、年老いた後は顔の半分が焼けただれ引きつった傷痕が残っている。部隊壊滅後、アメリカ政界や国防関係に強い影響力を持つ闇のフィクサーとなった。HSEの大株主でもある。
「蝶」を誕生させたことを後悔している「毒蜘蛛」や「蟷螂」と違って、「蟻」が「蝶」となってから一貫してその信奉者であり、「蝶」の最大の支援者となった。自分に対して何ら意識を向けず雁人に執心し続ける「蝶」に対して激しく嫉妬し、「蝶」をアビスへと収監。その後アビスを制圧し脱獄した「蝶」の逆襲に遭って瀕死の重傷を負い、入院先の病院で「蝶」の過去に関する資料と引き換えに「蝶」の殺害をジーザスに依頼、それを拒絶したジーザスに対し、無理矢理自分を殺させるようしむけて最期を遂げる。
なお、アビスに雁人を収監した際、義手の”クロムウェル”を剥ぎ取ったが、それは刑務所を占拠した「蝶」へと流れて、「蝶」の武器となってしまう。
カシアス・マシスン
「甲虫(ビートル)」のコードネームを持つ、爆破工作の専門家。アフロヘアの黒人青年。作戦行動中に負傷したところを「蟻」こと現「蝶」に救出されるが、元「蝶」ことジョナサンに殺害されてしまう。しかしそれが現「蝶」を生み出す引きがねの一つとなった。

その他登場人物[ソースを編集]

橿原 十蔵(かしはら じゅうぞう)
「オールドギース」の異名で知られる日本最高の情報屋。ジーザスが「24」を倒した後、「雁の巣」を娘の七瀬に任せ、世界を放浪していた。旅の途中でシチリア島に赴き、戦友ルッソ・アルラッキと共に、雁人が護り屋としての試練を乗り越えたのを見届けた。その後、アルベルト・ヘスの脅迫により窮地に陥ったゼロを救い、旧友だったカウフマンの教え子のネットワークに呼び掛けてゼロとマリアを匿った。『ジーザス』から引き続き登場し、『砂塵航路』と『死が二人を分かつまで』にも続いて出演。
マリア・カウフマン
東京の、「租界」と呼ばれる外国人居留地で診療所を開いている外科医。20歳前後の若く美しいドイツ人女性だが、その天才的な治療の腕と、患者に対する真摯な姿勢から、「租界」の住人から女神のように慕われている。
ゼロの師匠ルドルフ・カウフマンの娘だが、実はアナと同じく「ゲイザー」の実験によって誕生した、人工的な天才児である。ゼロに対しては恋愛感情を持ちながらも、自分のせいで「無痛症」になったことに対して負い目を感じており、またゼロからルドルフの死に関する衝撃的な事実を告げられ、お互い決別していた。
しかしルドルフの弟子の1人が起こした事件の中で真相を知りゼロと和解、彼の「無痛症」を治療するため共に欧州に渡る。
ライラ
元FBIのアーネスト・ロイドが、NYの「グラウンド・ゼロ」跡で出会った中東系移民の少女。何らかの事情で口がきけないが、彼女との触れあいでロイドは精神的に再起する。しかし彼女の背中にもまた「蝶」の十字架があり、ロイドは彼女の目的と過去を知った上で彼女を救おうとしたが、その死を見届ける結果となる。その後ロイドは彼女の形見であるブローチを預かり、警官でありながらライラと同じく「蝶」と出会い、闇の世界で生きる雁人を見極めようとする。
マーティン・リガーディア
FBI捜査官で、「テロ・ハンター」ことアーネスト・ロイドの後輩。新米時代からロイドの下につき、現在では捜査チームを指揮するチーフだが、「9・11」と名乗るテロリストの捜査のために既に退職していたロイドを頼った際、かつての覇気を失い失意の日々を送るロイドの姿を見ることになる。
『暁のイージス』にも登場。米国内での「蝶」のテロにチームを率い対処にあたるものの、不測の事態に苦慮している所にロイドが現れ、テロリスト説得に成功した。
ビースト
「黙示録の獣」を名乗るテロリスト。本名:セルゲイ・葛城・オルソリッチ(セルゲイ・かつらぎ・オルソリッチ)。日系ユーゴスラビア人で元軍人かつ神父。ボスニア紛争で自分たちの教会が誤爆され、避難していた子供たちが殺された事が政治的理由で握りつぶされ、そんな世界に絶望し、元軍人だった経験を活かして爆弾魔となり、天使に影響される。天使の事を「嘘をつかない裏表の無い存在」と評している。
警視庁内に天使思想を広め、人の身体に巻き付け、無理矢理引き剥がしたり、走っていないと爆発してしまう爆弾で天使に関わった刑事達を殺害していったが、雁人を信じてその爆弾を敢えて身体に巻いて走ったちひろと、妹フィーを引き連れて現れた雁人との連携と信頼の前に敗れ去る。
フィー・葛城・オルソリッチ (ふぃー かつらぎ おるそっち)
ビーストことセルゲイの妹で、凶行に走る兄を止めようとゼロに兄を殺すよう依頼していた。しかし、雁人によって兄が天使の呪縛から解かれるのを見届ける。
ジャガーノート
日本国内に誘拐をビジネスとして定着させるべく暗躍するプロの誘拐犯。民族風の奇妙な仮面で素顔を隠しており、誘拐計画の企画立案を行う知能犯。だが、組織が未成熟であるため陣頭指揮をとる。事件に関わった雁人に興味を抱く。
痩せ型の男で高い戦闘技術を有しているわけではないが、先天性の特殊な皮膚疾患のため指紋・掌紋がまったく無いだけでなく、医者から二十歳まで生きられたらよいとまで云われ、余命少ない自分と冷たい世間に絶望し、生きた証を立てようと犯罪に手を染めた。
二度目の対決の時、「人質の安全は守る」という哲学は堅持し、誘拐事件に絡んだ暴力団本部の情報を横流ししていた警部によって射殺される。
カルロス・エスコバル
南米コロンビアに本拠を置く麻薬カルテル“蛇(セルピエンテ)”のアジア圏担当幹部。元FARCの闘士で80年代は実行部隊として活動していたが、組織の方針変更と共に疎外され、兄のロベルトと共にアジア圏に追いやられた。
ロベルトの仇をゼロとみて、ゼロを七瀬や、護り依頼を受けた雁人もろとも追い回し、遂にはマリアを人質に取って自爆しようとしたものの、マリアに手をかける前にゼロに殺される。
間宮 里佳子 (まみや りかこ) 
間宮屋敷に住む老婦人で、自分の娘を護衛して欲しい依頼を雁人に与えるが、その娘とは自動人形(オートマタ)であり、人形によって人生を狂わされた事によって、殺し屋を呼んで自分を殺したいという願望と、人形である娘を守りたいという双極性の分裂症を患っていた。
劉 伊健(リウ・イーキン)
最古にして最大の中国系秘密結社「竜門幇(ドラゴン・ゲート)」の当主。十代の若者でありながら、何十年も闇の世界に君臨してきた者の風格を漂わせる。自らも優れた暗殺者(狙手)だが、昼間は普通の高校生として新星高校に通い、日本語にも堪能であり、見た目はごく普通の高校生で狙手や組織の当主である雰囲気はまったく無く、また一般的な住居に2人の使用人の少女と共に暮らしており、その生活に幸福を感じている。級友とも仲良く中でも野々宮亜紀とは親友でもある。しかし幼少期からの訓練によるマインド・コントロールで、夜は自らの意志をも離れて組織のために活動する非情の暗殺者となる。また組織内で対立する異母兄弟達に日本人の母親を人質にとられており、当主の座を狙う兄の策略で高校の同級生の少女、野々宮亜紀の暗殺を命じらる。伊健は通学時の格好のまま突如セイレーンを訪れ楯やアナを驚かせ、雁人に“自分から”その野々宮を護る依頼をして雁人と戦った後、雁人と共に護り切る。その後、伊健は「自らの意志で竜門幇を支配する《真の竜》になること」を決意し、クリスマスの夜に野々宮に雑踏の中でぶつかった振りをして別れの印としてプレゼントを忍ばせた。
その後、「伊藤 健介」として藍東学園の養護教員となる。そちらでの活躍については『JESUS 砂塵航路』を参照。
加納 俊作(かのう しゅんさく)
高校教師で雁人の恩師。天涯孤独の孤児という境遇が原因で荒んでいた雁人を、命懸けの説得で更生させた。定年退職後、自らの教え子である眉村の護衛を雁人に依頼する。かつて自分自身が原因でかつて5歳の息子を死なせてしまったことがあり、そのため家庭の事情で非行に走っている教え子を見過ごすことができない。
その正体は竜門幇に敵対するグループに属し、かつて中国一の殺し屋だった「修羅王」と呼ばれた男で、現在も殺しの腕は鈍ってはいないが、それ故に苦悩を未だに抱え、教え子雁人もまたそれを漠然と理解している。
ルドルフ・カウフマン
ゼロの師匠。ドイツで五指に入る心臓外科医だが、工作員養成教官という裏の顔を持つ。またゲイザーのメンバーもあり、人工的に天才児を生み出す実験に関わっていた。実験の結果天才児として生まれたマリアを娘として引き取り、一流の外科医へと育て上げたが、実験の証拠であるマリアを消せという指令が下り、反逆されるのを覚悟でゼロにマリアの殺害を命じ、ゼロに殺害された。
カウフマンに育てられた工作員は「カウフマンの教え子」と呼ばれ非常に結束が固く、たとえ敵対する組織に属していても教え子同士は殺し合わないという不文律がある。その掟を破った裏切り者には、「宝島」になぞらえた絶縁状として黒い円盤(ブラックサークル)を送りつけられ、世界中にいる教え子達から命を狙われることになる。
マックス・オブライエン
『闇のイージス』の番外編『JESUS:兎の檻』に登場。かつてジーザスが「J・バウマン」と名乗っていた頃に所属していた、西側の傭兵部隊『砂漠の兎』の曹長。『砂漠の兎』は、北アフリカのカダス共和国において、アマルガム・ハジム将軍による独裁政権を倒すことに成功するが、その後ハジム政権の残党を掃討する名目の作戦“オペレーション・ジーザス”によって鉱山跡に誘い込まれ、『砂漠の兎』は精製マスタードガスの殲滅攻撃を受ける。マックスはただ1人ガスの猛威を逃れた「J」の前で事切れるが、その時点では生存しており、その後西側大国のバックアップによって生きながらえたハジム政権の収容所で「J」と対面し、「J」が「ジーザス」となる最後のきっかけを与えることになる。
藤堂 義明 (とうどう よしあき)
元関東軍将校で、藤堂ケミカル社長であり、戦後はベトナム戦争で米軍に薬物を売り渡して財を成した日本政治の暗部の一部だった老人。
「天使」に心を奪われ、自ら「天使」への愛を証明する為に脚を切り落としたが、薬物による日本裏社会支配の為に少女達を拉致し、薬漬けで洗脳して兵士に改造したり、暴行を働いた後に「狩り」と称し、少女達を敷地内で追い詰めて射殺するハンティングを関係者達に勧めていたが、「天使」と雁人の怒りに触れ、更に亜紀の逆襲と、腹心の裏切りによって死亡する。
水原 真紀 (みずはら まき)
極左ゲリラ組織”セクト”の代表で、右頬に大きな傷を持つ女闘士。様々な国家への非合法活動での妨害を主としており、雁人に護衛を依頼するが、テロリスト集団という見解と、それに手を貸すことは出来ない事から依頼を断られるが、弟が「蝶」によって命を奪われた事と、海ほたる内での人々を守る活動を起こしたことで雁人を支援する立場に変わる。
ミオドコーパ(「蝶」の軍隊)
「蝶」の手足となって働く兵士達。「紋章」の戦士とは違い、全員が背中に十字架を持っているわけではない。同じ装備で規律正しく編成され、部隊単位で行動することが多く、「蝶」に心酔している者達である。その一部を除く全員が、各国の軍や警察の特殊部隊出身という精鋭ぞろいである。リーダー格のオコーナーに率いられて「海ほたる」を占拠し、多くの一般人を人質に取る。日本警察が素性を特定できたのは25人だが、本来の総数は不明。劇中の「海ほたる」の戦いにおいて、オコーナー以下殆どの隊員は、雁人、ジーザス、ゼロ、SAT(特殊急襲部隊)との交戦で戦死したと思われるが、ミオドコーパ側の生き残りも多く、おそらくその後新たに人数を増やした模様。『暁のイージス』でも多くのミオドコーパが組織されていた。以下では、『闇のイージス』で作中で顔と名前が判明した「ミオドコーパ」のメンバーについて述べる。
ランス・カーマイン
「海ほたる」の戦いの前哨戦で、雁人とホテルのレストランの中で対決する。後に判明したところでは元米軍特殊部隊デルタフォースの隊員で、見かけからは想像もつかないが実は女性だったらしい。
オコーナー
上述した通り「ミオドコーパ」の司令官で、「海ほたる」の戦いにおける「蝶」の副官のような立場にあった。
レイブン姉妹
レイブンは、10代前半の少女でありながら白兵戦では「ミオドコーパ」の中で最高の腕を持つとされる。また、その姉妹である同年代の2人の少女も同等の腕前を持つと思われている。覆面を取った姿は、それぞれ黒髪の短髪、ブロンドの長髪と短髪だが、そのうちの誰がレイブンに相当するかは明言されていない。彼女達は「蝶」に拾われ、その「愛情」の代償に「蝶」の命令には絶対的に服従し、その連携プレイで雁人に迫る。
フォアマン
元ニューヨーク市警のSWAT隊員という経歴で、レイチェル・天宮・ハンターのHSE社に入社するが、その正体は「海ほたる」の戦いにおける「ミオドコーパ」の生き残りであり、ある護衛依頼を共同で実行中に雁人を奇襲するも制圧される。フォアマンは「蝶」の日本での作戦を阻止した雁人の暗殺を狙い、ムハンマド・サイードの「フゴー計画」を支援していた。警察に拘留されたフォアマンは、サイードから指示されていた通り計画の全容を自白する。
土器手 かほる (どきて かほる)
外資本が入った女子高等学校である聖セイレム学園の不良生徒。カウンセラーを騙った日向によって薬漬けにされ、心身共に衰弱し、学園内外で常に情緒不安定な様を見せ、当初は彼女を気遣っていた亜紀にも敵意を見せていたが、亜紀の身体を張った説得によって薬の呪縛が解かれ、元の状態に戻る。
日向 芳美(ひゅうがよしみ)
日米同盟の陰で暗躍する軍需産業にも影響を与え、アナを生み出したゲイザーとも関わりがある違法ドラッグ製造会社”ウェイトリー・ファーマー”の女医で、薬物を使って人々を洗脳して苦しませ、更には殺し合わせて自分の研究成果として喜ぶ外道医師。
スクールカウンセラーを装って、聖セイレム学園を実験場にした洗脳計画を進めていたが、調査に出た雁人とちひろに加え、ジーザスと亜紀にまで介入され、精神薬の大量噴出によって雁人とジーザスをダウンさせて捕らえるが、ちひろと亜紀の逆襲に敗れ、毒ガス缶を開いて4人を道連れにしようとするも、ジーザスに名前を呼ぶ前に射殺される。
樋口 宏明 (ひぐち ひろあき)
44歳で元海上自衛隊のサブマリナー(潜水艦乗員)だったが、潜水艦乗りという職業上、家を空ける事が多く、主人が居ない淋しさを紛らわそうとした妻が麻薬に手を出した後に娘と共に自殺した事がトラウマとなり、退官後に妻に薬を売った暴力団を惨殺し、「蝶」に触発されて犯行現場に「蝶」のペイントを施していた。
しかし、街中で出逢ったアナに亡き娘「ひな」の面影を見て誘拐し、彼女と過ごす中で最後の良心を取り戻し、アナを捕獲にきたゲイザーの一団を道連れに彼女を守る為自爆する。その最期はアナの心にやるせない思いと深い哀しみを残した。
マリーカ・カザロヴァ
アスラン・カディロフの幼馴染みで、チェチェン出身。幼年期は双子の妹アイーシャと共にアスランと過ごしていたが、爆撃で妹を失い、自身も肌に消えない傷を負った。そして世界への憎悪とアイーシャの幻聴に振り回されるアスランを止める為に雁人に護り依頼をしたが、警察と元スペツナズの妨害も関わって、雁人とちひろの護衛も空しく、アスランの目を覚まさせたものの、スワロフの銃弾に倒れて死亡。そして厳冬の東京湾にアスランは彼女の遺体と共に飛び込んで姿をくらまして、「蝶」に拾われる。
スワロフ
ロシアの警備会社「ヴァローナ」のメンバーで、元・スペツナズ隊員であり、仲間達を射殺したアスランを抹殺する為に部下達ともに来日した。
東京を半ば戦場にしても構わない思考を持っており、アスランに様々な罠を仕掛けただけではなく、同じようにマリーカも殺すためにマリーカの依頼を受けたセイレーンをも襲撃するが、アスランと雁人の両方の怒りを買う事になり、マリーカを射殺するものの、アスランによって部下全員と共に殺される。
蒼ざめた馬(ペイルライダー)
元SAT隊員:進藤一樹(しんどう かずき)。「海ほたる」の戦いでの経験から警察を辞職、「蝶」を殺さなかった雁人に刺激され、SATで得たスキルを使い私的な「犯罪者狩り」を繰り返したが、家庭崩壊で家から弾かれた少女には心を開き、その少女を守りつつ、自身の過ちを償う意味で少女を雁人に託し、狙撃されて散る。
その最期に少女を保護したかつての上司が、「テロリストになったのか?」と雁人に問いただしたのに対し、雁人は「だが最後は警官に戻った」と応えた。
室伏 (むろふし)
甲斐彰一がアメリカに出向している間に、警視庁公安の警視となった人物。雁人を犯罪者と同類と見なし、彰一が居ない事をいい事にペイルライダー事件の犯人と関わりがあると言いがかりを付けて痛めつけるが、返り討ちに遭う。
モデルは名字でいうまでもなく、元ハンマー投げの選手から。
畑野 正彦 (はたの まさひこ)
大手IT企業元社長だったが、政府次期首相候補の致命的なものとなるスキャンダルデータを握った為に、支持していたその政治家の雇った暴力団と殺し屋に狙われる身となり、護り依頼をしたが、雁人ではなく、ちひろが護り役を買って出た事で、ちひろを小娘と舐めきって護りのルールを聞かず、逆にちひろだけではなく、自身の身も危うくしてしまうが、ちひろによって救出され、これによってちひろを漸く認めて礼を述べた。
帰国して早々にこの一件を落着させ、弟子が試練を乗り越えたのを見た雁人は、ちひろを一人前の護り屋として認める。
津野 一蔵 (つの いちぞう)
政府要人の支援暴力団が畑野拉致と口封じの為に中国から呼び寄せた殺し屋。ゼロと違い完全な殺人鬼でかつ、獲物の手応えを感じると、戦って追い詰めた末に殺す事を最大の快楽にしている。
目にも止まらない早さで繰り出す切れ味抜群のナイフで相手を切り裂き、相手を殺すまで執拗に追跡を止めない殺人マシーンの異名を持ち、当初はイージスの噂を聞いて雁人を狙っていたが、雁人に代行していたちひろを新たな獲物として付け狙い、実力差が有り過ぎる事で当初は相手にならなかったが、ちひろが3段階に仕掛けた捨て身の変わり身トラップによる決死の一撃で敗退。
天音 あやね (あまね あやね)
新興宗教団体“真天教”の現教祖で、前教祖敏明の死後に後を継いだ「あやね様」と呼ばれる僅か10歳の少女。様々な予言を的中させる事で、崇め奉られているが、実際は教団の実権は須田に握られている傀儡で、須田による自作自演の予言をさせられていた。
性格はやや我が侭だが、真天教教祖にされているのを由とは思っておらず、本当は姉みやびと共に抜け出したがっているものの、須田に従わざるを得なかったが、雁人の説得により、教祖を辞め、姉と共に真天教解散を抜け出すと決意し、尚も自分を利用しようとする須田に「お前は自分の爆弾で死ぬ!」と吐き捨てて、それは雁人によって現実のものとなる。
天音 みやび (あまね みやび)
真天教の巫女で、あやねの姉。教団での地位はあやねに次ぐが、同じように須田に脅されて、やらされている。
あやねと共に本心では教団を抜けたいと思い続けて雁人に助けを求めるが、雁人に「逃げるだけでは駄目だ。」と諭されて、須田の妨害にめげずに立ち向かい、妹と共に教団を抜けて普通の生活を始めた。
須田 光昭 (すだ みつあき)
真天教の広報コンサルタントで、元広告代理店プロデューサー。自身のプロモートによって真天教の規模を拡大させ、教祖あやねの予言が的中するように、様々な自作自演の事故やテロを巻き起こしていた。
実は「蝶」の影響を受けて心酔していた人物で、真天教を利用して、「蝶」に注目されて、「蝶」を崇める教団にしようと手段を選ばない方法を駆使してきたが、雁人によってあやねを奪い返され、その際に乗っていた車が大破して動けなくなり、因果応報でみやびもろとも殺そうとした青年の吉沢に爆弾を返されて爆死した。

暁のイージスでのその他の人物[ソースを編集]

レオナルド・アルベニス
アルベニス家の現当主の大富豪で、ロザの父親で、ロザの兄であり、息子ジョアンの傍若無人な振る舞いに手を焼いていた。
息子を殺した犯人としてガルシアから呼び出され、ミゲールの墓の前で土下座させられる屈辱を甘んじて受けて、ロザと雁人との対決の幕を引いた。
ガルシア
雁人がメキシコで最初に護衛対象とした老人。アルベニス家の長男ジョアンに孫のミゲールを殺され、その復讐の為にジョアン殺害犯になりすまし(ジョアンは、自分を弄んだ女性に既に殺されていた)、レオナルドを呼び出し、孫の墓の前に詫びるよう強制した。
レオン・ベルトラン
メキシコ政府の要人暗殺現場を偶然目撃し、その証拠となるPDAを所持していたため命を狙われることとなり、イレーネ・サルドーニの元に匿われていた少年。当初は心を閉ざし護衛を引き受けた雁人に対しても反抗的だったが、自分を守るために戦う雁人達と行動を共にすることで、自分が置かれている境遇に立ち向かう姿勢になっていく。
ロロ
かつてイレーネに救われた事がある黒人の若者。イレーネを慕っており、彼女に近付く怪しげな者を排除する為に過激な行動を執る事がある。
イレーネがオルガに殺害された後、彼女の遺言の「2039の封印が解かれる」というメッセージを匿名でクインと、雁人に伝えるようにした。
ヤーゴ
ロロと同じく、イレーネを慕う大柄なラテン系人種。ロロ以上に過激な手を使って、イレーネに近付く者を排除しようとするが、イレーネを狙うオルガに殺されてしまう。
オルランド・カザルス
メキシコ警察の警部だが、マフィアや政界と繋がってのし上がろうとしている悪徳警官。
背後で暗躍するルーデルの意図で雁人とレオン、そしてロザをイレーネもろともまとめて始末しようとするが、オルガの餌食になってしまう。
ホセ・イグレシア
メキシコ警察警部補で、カザルスの同僚の闇社会と繋がっている腐敗警官で、レオンとメキシコを脱出しようとする雁人をトレーラーで轢き殺そうとするが、返り討ちにされる。
マヌエル
ロザの忠実な部下の筋骨隆々な大男。ロザのボディガード的存在で、カザルス達の襲撃から彼女を身体を張って守るが、蜂の巣にされて弁慶の立ち往生の如き最期を遂げる。
ペペ・ガブリエラ
サパティスタ出身の初老の肥満男。政府軍に追い詰められて玉砕しようとした時、イレーネに止められて匿われ、それ以来イレーネを命の恩人として心酔するようになるが、カザルス達の脅しに屈し、一時は安泰のためにイレーネの手引きで訪れた雁人とレオンを警察に売り渡そうとするものの、エビータの説得を受けてイレーネへの恩返しも兼ねてカザルス達から雁人達を庇って自決する。
エビータ・ガブリエラ
ペペの妻で同じくサパスティタの調達班出身。ペペと同じくイレーネへの感謝と尊敬の気持ちが強く、一度はカザルスに雁人達を渡しかけたペペに、今こそ自分達を救ってくれたイレーネへの恩返しをする時と説得する。
ジョナサン・カーライル
ロサンゼルス市警の現場指揮官。「蝶」を騙った雁人と、雁人をレオンもろとも抹殺しようとするCIAグループに呼び出される。
CIAを疎ましく思っていた事に加え、人質解放交渉に応じた際に雁人の目的と正体を知り、最終的に協力する形となって、ロドリゴとオルブライトの悪行を暴くことになる。
ロドリゴ
メキシコの有力議員と繋がりがあるCIAの一員で、メキシコの政治への人為介入に手を染め、その悪行に気づいたペレス議員を暗殺した黒幕。
真相を握った雁人とレオンを狙うが、雁人の策に嵌まり、絶望して命を絶とうとするものの、雁人に「罪から逃げて死ぬ事は許さん」と強要される。
オルブライト
ロドリゴと同じくCIA支局員で、メキシコの政治家の人為介入に関わる、レオンの父を軟禁していた。
ペレス暗殺と、人為介入が記されたレオンが持つPDA端末を狙っていたが、雁人の作戦でロドリゴと共に破滅する。
山崎 巧 (やまざき たくみ)
「蝶」に影響された日本のテログループ「赤い蝶」に属していた若者で、テログループの資金源を握ったデータを手にテロリストリーダーの女だった恵美と共に逃走し、護り屋以来をしていたが、雁人不在の為にちひろが依頼を承っていたが、ちひろを信頼出来ずに、本当はテロリスト資金源を狙っていた恵美の色香に惑わされ、危うい目に遭うものの、ちひろに救出された。
ちひろが雁人が居ない間、依頼者を10人護るというを自らに課した課題の最後の1人だった。
キンバリー・ランス
ポニーテールの白人少女で、ジェーンの経営する店のウェイトレス。
幼少の頃、銃撃事件を目撃し、その犯人がマフィアの重要人物だった事を証言台に立って告げた為に今までの生活が出来なくなり、名前を「キム」と変えて、かつての経歴をFBIから抹消されて過ごしてきた。
実はウリエルの娘であり、彼女を守ろうとウリエルは雁人に依頼し、無事目的は果たされたが、その為にウリエルは雁人に正体を知られることとなる。
ジェーン
「ジェーンのカフェ」というレストランの女主人。キンバリーを保護し、一見すると肝っ玉風の面を見せていたが、真の目的はキンバリーの賞金が最高額に上がった事を見計らって、彼女を殺そうとしていた。
牧野 新司 (まきの しんじ)
アナの通う中学の同級生で、3年A組(この時、アナは隣のB組)の男子生徒。
将来への不安を抱いている中で「蝶」に影響され、爆弾作りに興味を持ってアナに近付くが、アナにそうした行為の虚しさを諭され、真鍋に殺されそうになったところをアナに救われ、その事がきっかけで爆弾作りから足を洗う。
真鍋 俊也 (まなべ しゅんや)
警視庁からマル被指定を受けた29歳の元デザイン会社社員。
重度の化学物質過敏症だが、自己中心的な性格でもあり、それ故に「蝶」に感化され、会社を解雇された事を逆恨みして社長を手製爆弾で殺害し、牧野まで狙うものの、アナによって阻止される。
ノーマン・ミューラー
元HSE社員で、無人ロボットによる攻撃部隊”カトラス”の開発主任。
天才的なプログラマーだったが、自分の設計したものへの異常な自信に加え、機械の殺傷効率や標的抹殺を最優先する開発姿勢をレイチェルに危険視されて主任を降ろされ、遂にはHSEを解雇されたが、その逆恨みでカトラスのプログラムを奪い取り、雁人とレイチェルを襲うが、雁人によって完璧な計算を狂わされた上に、逆上して「施設内の全ての人間の抹殺」というプログラムを打ち込んだ事で、自業自得ともいえる最期を遂げる。 
サドル・アマルガム・ハジム
かつてのカダス共和国の独裁者、アマルガム・ハジム将軍の子。ハジム将軍が倒れ、民主化したはずの後も混乱が続くカダスにおける様々な勢力の1つ「ハジム派」のリーダーとして、若年ながら擁立されている。しかし、ハジム派の主義に照らし合わせると致命的な弱点(正体は女性で、父の政治体制では受け容れられない)を持っており、それをジーザスに知られ、正体を隠す意味とテロの連鎖を止めるためにジーザスに協力する。
アマルガム・ハジム将軍
冷戦時代、様々な氏族や派閥が争う歴史を辿ったカダス共和国を、大国の後ろ盾をもって力で制しようとした独裁者。当初ソ連の援助を受け恐怖政治を行っていたが、西側の傭兵部隊「砂漠の兎」の活躍によって、一度はカダスから追放される。しかし今度は西側大国の支援を受け、「砂漠の兎」を排除した上で再びカダスの独裁者に返り咲く。
そして90年代半ば再び起こった革命戦争の際、ハジムは1人の傭兵に討ち取られる。ハジム将軍の人物像は、ただ大国に擦り寄り権力に座っていたというものではなく、国全体を思うがゆえにあえて大国の支援でもって力の政治を行っていた。自分を討とうとする傭兵に対し「大義をもつ“戦士”(フェダイーン)にしか、自分を討つことを許さない」と言い放ち、その傭兵の戦後のカダスに対する理念を聞き、その大義を認めた上で“戦士”として一対一の決闘を行った結果破れ、長年にわたったハジムの独裁政権は終焉した。
ミスバーフ
CIAがカダス領内にもつ“ブラックサイト”「深淵(アビス)」の囚人。
「蝶」の言葉を受け、その影響に感化されてはいるが、「どんな絶望の中にも希望はある!」と演説した後に射殺されるものの、それは雁人を含む囚人達全てに感動に打ち震える影響を与えたが、雁人はその体験と、「蝶」の過去を知った後に、「蝶」との最終決戦に望んでいく。
アフマド
「深淵」の囚人の1人で中東系ドイツ人。ルーデルの画策で「アビス」に収容された楯の隣の監房におり、楯に「アビス」の実態や、自分が休暇旅行中に訳も分からずにテロ容疑をかけられ連行され、妻もそのとばっちりで殺されたことなどを話す。
最終章で「蝶」の駒の一つとして自爆を強要されるが、雁人の説得によって思いとどまり、これによって雁人は「蝶」との因縁の全てにケリを付ける決意をする。
花沢 和夫(はなざわ かずお)
『暁のイージス』終盤より登場する内閣総理大臣。1970年代に防衛庁官僚として米国に出向しており、「蝶」誕生の重大な秘密を握る人物でもある。最終章「東京戦争編」において、「完璧な世界を取り戻す」最後の戦いを進める「蝶」に対し花沢は、「蝶」誕生のきっかけとなった過去の秘密を共有する米国との合同で、雁人をも“生贄”にした「蝶」を追い詰める作戦を進めるよう、火山に指示を下すが、どれも失敗に終わる。

脚注[ソースを編集]

  1. ^ 戦闘兵器級義手・クロムウェルが「蝶」の手に渡り、使用されてしまった。
  2. ^ 後に五十鈴家に入り込んだ際には「雨宮真由」を名乗っているが、偽名を名乗ることも自らの「嘘」によって彼女を苦しめる。
  3. ^ この行動姿勢により、当時の楯の依頼人であり、「紋章」の戦士になったアスラン・カディロフの幼馴染でもあるマリーカが命を落とし、捜査を通して雁人に協力していた守渡陽子が瀕死の重傷を負い一時は生命の危機に陥る結果を招いた。また、雁人を庇うために火山に銃を向け命令違反を犯した甲斐彰一には懲罰の意味を込めてマーキュリーへの潜入捜査を命じ、これもまた生命の危機を招き、それ故に雁人やその関係者の身を案じるアナやちひろだけではなく、ジョバンニからでさえ常に不信と警戒の視線に加え、銃を向けられる程憎まれている。
  4. ^ カディロフ自身の作り出した幻覚と思われていたが、スワロフも目撃した。
  5. ^ YSコミックス「闇のイージス」21巻あとがき を参照。