ラングリッサーシリーズ
ラングリッサー | |
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ジャンル | シミュレーションRPG |
開発元 | 日本コンピュータシステム(メサイヤブランド) |
発売元 | メサイヤブランド |
主な製作者 |
うるし原智志 岩垂徳行 |
1作目 |
ラングリッサー (1991年4月26日) |
最新作 |
ラングリッサーI&II (2019年4月18日) |
ジャンル | シミュレーションRPG |
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対応機種 |
メガドライブ Wii(バーチャルコンソール) |
発売元 | 日本コンピュータシステム(メサイヤブランド) |
シリーズ | ラングリッサーシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | [VC]:ダウンロード |
発売日 | [MD]:1991年4月26日 |
対象年齢 | [VC]:CERO:A(全年齢対象) |
『ラングリッサー』 (Langrisser) は、日本コンピュータシステム(NCS)がメサイヤブランドを用いて1991年4月26日に発売したメガドライブ用シミュレーションRPG。
以降、この作品を「1作目」とし、続編や世界観を変えた作品が登場、シリーズ化した。聖剣(秘剣)ラングリッサーをめぐるファンタジー作品である。
2015年7月23日には発売元が株式会社エクストリーム(以下、extreme)に変わり、メサイヤゲームスブランドを用いて最新作『ラングリッサー リインカーネーション -転生-』をニンテンドー3DS用に発売した。さらに2019年には、エクストリーム社にライセンス供与されたZlongameが手掛け、2018年から中国で配信されていた『ラングリッサー モバイル』が日本でも配信された[1][2]。本項では、この2作品以外を総覧して解説する。
概要
当初はメガドライブで発売、『III』以降は主なプラットフォームをセガサターンに移し、スーパーファミコンやプレイステーションなどにも移植される。開発は『I』-『II』がNCS、『III』-『V』がキャリアソフト(実質的なメイン開発陣はほぼ同一)。『I』-『V』のイラストはうるし原智志が描く。
NCSが本作以前にPC-88シリーズで発売したウォーシミュレーションゲーム『エルスリード』『ガイアの紋章』『ガイフレーム』(エルスリード三部作)と世界観を共有する続編的作品となっている(ガイフレームのみ遥か未来の話)。『エルスリード』はエルスリード国王にして光の魔術師のジークハルトとヴェルゼリア国王にして闇の魔導師のボーゼルの2名しか名有りキャラクターは存在しない[3]。なおマニュアル掲載のジークハルト王(五世)とボーゼル(四世)の設定は『III』に登場するジークハルト王(レイモンド)及び3名のボーゼルの設定とは全く異なり、これについて『うるし原智志イラスト集 LEGEND OF LANGRISSER』では「メガドライブの『ラングリッサー』とセガサターン用の『III』の間に位置する時代設定で、ジークハルト王とボーゼルも登場(数世代後だが)」と解説している[4]。またラングリッサーリシーズと共通の地名が存在している[5]。
シミュレーションRPGとしての完成度は高く、初めて本格的に「ユニット属性」を取り入れた戦略性の高いゲームであったが、故にゲームシステムも複雑なものとなった。数人の指揮官ユニット(レベルアップ可)に複数の傭兵ユニット(使い捨て)を配属し、指揮官にはその傭兵に対する指揮能力や指揮範囲のパラメータを持たせたという点が大きな特徴。シリーズ化以降、『III』でゲームシステムを大幅に変更しているが、「属性」による戦略は変わっていない。
「戦略性」だけでなく「色気」にも力が入っている作品であり、多くの女性指揮官が登場し、主人公とのラブロマンス・イベントも豊富である。
- 基本システム
- 敵味方で個別のターンが存在し、プレイヤーが自軍ユニット(1ユニット兵士10名で構成)に対し、個別で移動・攻撃の指示を与えていく、ファミコンウォーズなどに代表される典型的な戦術シミュレーション・ゲーム。
- ユニットはそれぞれ性能(攻撃力・防御力・移動力・攻撃射程)が異なり、「属性」で分けられている。
- 1作目のみ倒された指揮官は死亡してロストしてしまうが、PCエンジン版からは撤退扱いになり倒されても復活できるようになった。傭兵は指揮官が倒されると同時に全滅する。
- ユニット属性
- ユニットは「歩兵」「騎兵」「弓兵」「飛兵」「水兵」「僧兵」「市民」に分類され、3すくみと呼ばれるじゃんけんに似たダメージ補正を受ける仕組みになっている。実際の対決(1ユニット同士の戦闘シーン)では、「歩兵は弓兵に強く騎兵に弱い」「騎兵は歩兵に強く弓兵に弱い」「弓兵は騎兵に強く歩兵に弱い」という3点が基本だが、「飛兵は弓兵に弱い」「僧兵はスライムに強い」といった特殊な相性も存在する。
- 1作目のみ通常攻撃には射程の概念が存在しないため、隣接したユニットにしか攻撃できず、相性や地形による補正などが重要となっている。
- 『ラングリッサーII』以降は新たに「槍兵」(攻撃力と防御力が高い)が追加され、「歩兵」(複雑な地形の踏破能力に優れる)、「騎兵」(平地の機動性と攻撃力が高い)との3すくみに改められており、相性は「歩兵は槍兵に強く騎兵に弱い」「槍兵は騎兵に強く歩兵に弱い」「騎兵は歩兵に強く槍兵に弱い」に変更された。
- また、射程の概念が追加され、弓兵は長射程で一方的に攻撃できる代わりに大半のユニットに対して不利になり、有利に戦えるのは飛兵だけになった。プレイステーションなどのリメイク版でもこちらのシステムが採用されている。
- この属性のコンセプトは、現実世界の15〜17世紀のテルシオ戦術が盛んな頃の戦場をモデルにしていると思われ、初期作品では実際に「防御が硬い槍兵を並べて、後ろから弓兵やバリスタが攻撃する」というテルシオ戦術に習った編成を行うと、比較的楽にゲームが進められる。逆に、そういった戦術をまったく考慮しないと苦戦を強いられ、後半になるほど物量や力押しは通用しなくなっていく。また、機動性や防御力が高いユニットがやや有利に働くため、「歩兵」はやや不遇であった。
シリーズ作品
1991 | ラングリッサー |
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1992 | |
1993 | |
1994 | ラングリッサーII |
1995 | |
1996 | ラングリッサーIII |
1997 | ラングリッサーIV |
1998 | ラングリッサーV |
1999 | ラングリッサーミレニアム |
2000 | |
2001 | |
2002 | |
2003 | |
2004 | |
2005 | |
2006 | |
2007 | |
2008 | |
2009 | |
2010 | |
2011 | |
2012 | |
2013 | |
2014 | |
2015 | ラングリッサー リインカーネーション -転生- |
2016 | |
2017 | |
2018 | |
2019 | ラングリッサー モバイル |
- ラングリッサー(1991年4月26日、メガドライブ)
- ラングリッサー 〜光輝の末裔〜(1993年8月6日、PCエンジン、シリーズ全編を通して、唯一エンディングに歌が収録されている)
- ラングリッサー I&IIスペシャル版(1997年7月31日、PlayStation、NES 日本コンピュータシステム)
- ラングリッサーI(1998年10月2日、Win9x、発売はアンバランス)
- ラングリッサー(2003年4月16日、Windows Me/2000/Xp、MD版を再現したもの。発売はセガ)
- 2007年11月27日、MD版がWiiのバーチャルコンソールで配信開始[6]。
- 2011年2月16日、PCE版がゲームアーカイブス(PS3・PSP対応)で配信開始[7]。
- 2015年3月31日、MD版がプロジェクトEGGで配信開始[8]。
- 2016年8月16日、PCE版がプロジェクトEGGで配信開始[9]。
- 2017年3月29日、PCE版がWii Uのバーチャルコンソールで配信開始[10]。
- ラングリッサー(2022年10月27日、SEGA Genesis Mini 2、MD版をプリインストール収録。発売はセガ、開発はエムツー)[11]
- ラングリッサーII(1994年8月26日、メガドライブ)
- デア ラングリッサー(1995年6月30日、スーパーファミコン、中身は『II』をベースにシナリオ分岐、マルチエンディングを取り入れた改修版)
- デア ラングリッサーFX(1996年4月26日、PC-FX)
- ラングリッサーI&II(1997年7月31日、PlayStation、『II』の中身は『デア ラングリッサー』)
- ラングリッサードラマティックエディション(1998年2月26日、セガサターン、内容は『I&II』、『II』の中身はデアにシナリオ追加したもの)
- ラングリッサーII(1998年11月20日、Win9x、発売はアンバランス)
- ラングリッサーII(2003年4月16日、Windows Me/2000/Xp、MD版を再現したもの。発売はセガ)
- 2007年12月25日、MD版がWiiのバーチャルコンソールで配信開始。
- 2009年4月14日、SFC版がWiiのバーチャルコンソールで配信開始。
- 2009年4月22日、PS版I&IIがゲームアーカイブス(PS3・PSP対応)で配信開始[12]。
- 2014年12月16日、SFC版がプロジェクトEGGで配信開始[13]。
- 2015年8月11日 - プロジェクトEGGにてメガドライブ版が配信(『II』)[14]。
- ラングリッサーI&II(2019年4月18日(PC版:2020年3月10日)、PS4・Nintendo Switch[15]・Windows 7(Steam)[16]、キャラクターデザイン:凪良、発売:角川ゲームス、NIS America)
- ラングリッサーII(2019年9月19日、メガドライブ ミニ、MD版をプリインストール収録。発売はセガ、開発はエムツー)[17]
- ラングリッサーIII(1996年10月18日、セガサターン)
- ラングリッサーIII(1999年、PC 移植版)発売: SOFT ACTION(韓国)
- ラングリッサーIII PS2版(2005年10月27日、発売:タイトー)
- ラングリッサーIV(1997年8月1日、セガサターン)
- ラングリッサーV 〜The End of Legend〜(1998年6月18日、セガサターン)
- ラングリッサー トリビュート(1998年12月23日、セガサターン、『I』 - 『V』のセット商品、『II』の中身はドラマティックエディション)
- ラングリッサーミレニアム(1999年11月3日、ドリームキャスト、キャラクターデザイン:介錯)
- ラングリッサーミレニアムWS THE LAST CENTURY(2000年3月9日、ワンダースワン)
- ラングリッサー シュヴァルツ(開発中止、MMORPG)[19]
- ラングリッサー トライソード(2012年7月18日、ブラウザゲーム、同年12月27日サービス終了)[19]
- ラングリッサー リインカーネーション -転生-(2015年7月23日、ニンテンドー3DS、キャラクターデザイン:カイエダヒロシ)
- ラングリッサー モバイル(2019年4月2日、iOS、Android、発売:紫龍株式会社)
ストーリー
ラングリッサー1 (MD)
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
遥か伝説の時より、今に伝わる剣"ラングリッサー"。この剣を持つ者は無限の力を得るという。欲深き者どもはその剣を求め互いに殺し合い、善なる人々は剣を守るためにその命をかけ、多くの血が流されていった。しかし、"ラングリッサー"も今は秘剣として封じられ、いにしえの英雄の血を引くパルディア王家の手により、悪しき者どもから守られていた。だが皇帝ディゴスが"ラングリッサー"を狙い、パルディアに侵攻してきた[20]。
登場人物
脚注
- ^ “スマホ向けシミュレーションRPG「ラングリッサー モバイル」のサービス開始日が4月2日に決定”. 4Gamer.net. 2021年8月27日閲覧。
- ^ “紫龍に迫る”. 中国ゲーム 日本語情報サイト[ゲーム大陸]. 2021年8月27日閲覧。
- ^ 『エルスリード』をストーリー強化して同一の戦いを描いた『ガイアの紋章』にはエルスリード王国の各方面を指揮する名有りキャラクターが存在する。
- ^ 『うるし原智志イラスト集 LEGEND OF LANGRISSER』p102
- ^ 『エルスリード』でラールの地だった場所には『II』ではラール川、『エルスリード』で水の都レイテルだった場所には『II』では聖地レイテル、『エルスリード』でディレスの谷だった場所には『II』ではディレス海峡があるなど。
- ^ セガバーチャルコンソール公式サイト ラングリッサー
- ^ ゲームアーカイブス ラングリッサー 光輝の末裔
- ^ ラングリッサー for メガドライブ(プロジェクトEGG)
- ^ ラングリッサー 光輝の末裔 for PCエンジン(プロジェクトEGG)
- ^ ラングリッサー ~光輝の末裔~ - Wii Uバーチャルコンソール
- ^ “北米版「メガドラミニ2」、「SEGA Genesis Mini 2」が日本発売決定。Amazonにて予約開始【収録タイトル発表第5弾「誓いの場所」】”. GAME Watch. 株式会社インプレス (2022年8月19日). 2022年8月21日閲覧。
- ^ ゲームアーカイブス ラングリッサーI&II
- ^ デア ラングリッサー for SFC(プロジェクトEGG)
- ^ ラングリッサーII for メガドライブ(プロジェクトEGG)
- ^ “『ラングリッサーI&II』製作発表会に声優陣やうるし原智志氏が登場、原作発売当時の裏話も!”. ファミ通.com. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “『ラングリッサーI&II』日本語フル対応のSteam版発表―名作シミュレーションRPGリメイクがPCでも”. Game*Spark. 2020年9月21日閲覧。
- ^ “ラングリッサーII メガドライブミニ セガ”. メガドライブミニ. セガ. 2022年8月21日閲覧。
- ^ ゲームアーカイブス ラングリッサーIV&V FINAL EDITION
- ^ a b ポータルサイトには記載されていない。
- ^ 増刊ファミコン通信 Vol.4. 株式会社アスキー. (1991年3月8日). p. 136
関連項目
外部リンク
- ラングリッサーI&II 公式サイト
- ラングリッサーポータルサイト
- 【公式】ラングリッサ- モバイル (@Langrisser_JP) - X(旧Twitter)