群馬県道33号渋川松井田線

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主要地方道
群馬県道33号標識
群馬県道33号 渋川松井田線
主要地方道 渋川松井田線
制定年 1966年 群馬県認定[1]
起点 渋川市渋川【北緯36度29分46.4秒 東経139度0分47.2秒 / 北緯36.496222度 東経139.013111度 / 36.496222; 139.013111 (県道33号起点)
主な
経由都市
高崎市
終点 安中市松井田町松井田【北緯36度18分31.7秒 東経138度49分2.2秒 / 北緯36.308806度 東経138.817278度 / 36.308806; 138.817278 (県道33号終点)
接続する
主な道路
記法
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

群馬県道33号渋川松井田線(ぐんまけんどう33ごう しぶかわまついだせん)は、群馬県渋川市渋川から同県安中市松井田町松井田に至る県道主要地方道)である。

概要[編集]

渋川市の中心部から、伊香保温泉榛名山山頂地区、高崎市倉渕町、地蔵峠を経由し、安中市松井田地区内では国道18号の旧道を通って国道18号に至る道路で、上毛三山パノラマ街道の一部を構成する。

特に、伊香保温泉や、榛名山山頂地区の榛名湖榛名神社などにとっては、関越自動車道渋川伊香保インターチェンジと直結するルートになり、後者については高崎市の中心市街地や高崎駅と直結するルートにもなっているため、重要な道路の1つである。

高崎市榛名湖町の渋川市境から榛名湖までの区間(伊香保温泉→榛名湖方面の片側車線のみ)に、榛名湖メロディラインとして音楽が流れる舗装が施されている[2]

また、渋川の市街地付近から伊香保を経由し榛名湖付近までの区間は旧日本道路公団管理の有料道路伊香保榛名道路であった。まず、1958年昭和33年)6月21日に渋川市から伊香保町(当時)までの区間(伊香保区間)が伊香保道路として供用し[3]1962年(昭和37年)10月26日に榛名山までの区間(榛名区間)が供用する際に改称された[4]1981年(昭和56年)9月1日に無料開放された。

なお、1956年(昭和31年)まで運行していた東武伊香保線は、新町五差路交差点から国土交通省前交差点の区間は本路線上を走っており、そこから伊香保まではほぼ並走していた。

路線データ[編集]

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

歴史[編集]

かつて、安中市松井田町松井田(松井田交差点) - 松井田町新堀の約3.4 km区間は、一級国道18号線(国道18号)に指定されていた区間である[注釈 5]

  • 1959年昭和34年)9月18日:群馬県より現・道路法に基づき、前々身路線にあたる県道権田松井田線群馬郡倉渕村大字権田 - 碓氷郡松井田町、整理番号153)として路線認定される[7]
  • 1966年(昭和41年)2月8日:前身となる県道渋川榛名線権田松井田線を廃止し[9]渋川松井田線(整理番号32)を認定[1]
    • 当初の認定区間は、渋川市下之町2404(四ツ角交差点、現:渋川市渋川)から碓氷郡松井田町大字新堀1174-1(西松井田駅前交差点)までの約37.8 kmであり、県道高崎榛名中之条線(現:国道406号)との重用区間が3500 mとされていた[10]
  • 1993年(平成5年)5月11日建設省から、県道渋川松井田線が渋川松井田線として主要地方道に指定される[11]

路線状況[編集]

※各区間の車線数については、Mapionの地図における記述を元にしている。

起点は国道17号国道353号と接続する下郷交差点である。そこから国土交通省前交差点の間は、2車線で渋川市の市街地を抜ける。伊香保温泉から榛名山頂までは曲線が続く山道だが、一貫して2車線が確保されている。

山頂から榛名湖畔の群馬県道28号高崎東吾妻線との分岐点までは、カーブも少なく2車線が確保された道路である。

県道高崎東吾妻線と分岐すると、再び山道に入る。ここから天神峠を越えて高崎市榛名山町字一本木平に至る区間は、県道安中榛名湖線との重複区間で、カーブは多いが多くの部分で2車線が確保されており、高崎・安中方面からは唯一の大型車が通れる道路になっている。

高崎市榛名山町字一本木平から倉渕郵便局前交差点までは、県道一本木平小井戸安中線との重複区間である。ここから先は主に1車線で、ときどき2車線が確保された区間が現れる程度となり、急曲線の続く山道となる。

倉渕郵便局前交差点(高崎市倉渕町三ノ倉)から東善寺前(倉渕町権田)までの3500mの区間は、国道406号との重複区間である。ここで国道406号と分かれると、また1車線の道路となり、まもなく川田橋で烏川を渡る。その後、倉渕町水沼までは、国道406号との重複区間の対岸を戻るように進行する。この区間は、県道一本木平小井戸安中線を通って水沼橋で烏川を渡り、市道で水沼地域に入る経路の方がはるかに距離が短い。

高崎市倉渕町水沼から安中市松井田町間は多くが1車線であるが、ところどころ2車線化されている区間もあり、特に九十九川の沿線は大部分が2車線化されている。唯一のトンネルである天神山トンネルを越え、国道18号松井田バイパスと立体交差でくぐると、西松井田駅前交差点(安中市松井田町新堀)に至る。

西松井田駅前交差点からは進路を東に変え、安中市松井田町の市街地を通る。この区間は国道18号の旧道に当たる区間であり、一貫して2車線が確保されている。終点は松井田バイパスの起点である松井田交差点である。

通称[編集]

伊香保榛名道路
伊香保温泉から榛名山の榛名神社に向かって延びていく約15 km区間の道路の通称で、かつては有料道路だったところでもある[12]。麓の伊香保温泉から山頂まではヘアピンカーブが連続する峠道で、山頂部では視界が開けたロングストレートのある道路になる[12]しげの秀一のマンガ作品『頭文字D』の主要な舞台にもなったことでも知られる。

重複区間[編集]

道路施設[編集]

  • 天神山トンネル(安中市松井田町新井 - 同市松井田町新堀)

地理[編集]

渋川市街地から伊香保温泉までは急坂が続くが、曲線は少ない。

伊香保温泉から上毛三山のひとつ榛名山山頂までヘアピンカーブが続く森の中のワインディングロード、渋川市と高崎市の境界であるヤセオネ峠を通って、榛名山の内輪山に入った榛名富士山頂付近は、開けた見通しのよい直線がある[15]。直線の先に榛名湖があり、冬はワカサギ釣りが楽しめ、夏は湖周辺にいろいろな花が咲く見どころとなっており[15]、この辺りは標高約1100mほどの高所となる。かつて、伊香保から榛名山頂までは、1966年(昭和41年)に廃止された伊香保ケーブル鉄道が道路と並走していた。

高崎市倉渕町水沼からは、急曲線の続く細い山道となり、地蔵峠を越えると安中市松井田町に入り、碓氷川支流の増田川、九十九川に沿って高度を下げる。

通過する自治体[編集]

交差する道路[編集]

沿線にある施設など[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 昭和41年の路線認定当初での表記では、渋川市下之町2404番地先とあり、現在の起点よりも西へ約1 kmのところである[5]
  2. ^ 昭和41年の路線認定当初での表記では、碓氷郡松井田町大字新堀1174番の1地先とあり、現在の西松井田駅前交差点を終点としていた[5]
  3. ^ 昭和41年群馬県告示第63号に基づく表記。2006年の周辺自治体との合併により、現在は渋川市。
  4. ^ a b 昭和41年群馬県告示第63号に基づく表記。倉淵村は、1996年に倉渕村に改称。2006年に周辺自治体への編入合併により、現在は高崎市
  5. ^ 昭和34年の県道松井田停車場線の道路の供用開始に関する告示の中で確認することができる[6]

出典[編集]

  1. ^ a b 昭和41年群馬県告示第63号 県道の路線認定(群馬県報第4280号、1966年2月8日、p. 4、群馬県立図書館所蔵)
  2. ^ 群馬県 榛名湖メロディラインが完成しましたより
  3. ^ 日本道路公団 1986, p. 835.
  4. ^ 日本道路公団 1986, p. 840.
  5. ^ a b 昭和41年群馬県告示第64号 道路区域の決定(群馬県報 第4280号、1966年2月8日、pp. 4–5、群馬県立図書館所蔵)
  6. ^ 昭和34年群馬県告示第326号 県道の供用開始に関する告示(群馬県報 号外、1959年9月18日、p. 31、群馬県立図書館所蔵)
  7. ^ 昭和34年群馬県告示第324号 県道路線認定に関する告示(群馬県報 号外、1959年9月18日、pp. 1–15、群馬県立図書館所蔵)
  8. ^ 昭和34年群馬県告示第325号 県道路線廃止に関する告示(群馬県報 号外、1959年9月18日、pp. 15–24、群馬県立図書館所蔵)
  9. ^ 昭和41年群馬県告示第66号 県道の路線廃止(群馬県報第4280号、1966年2月8日発行、pp. 6–7、群馬県立図書館所蔵)
  10. ^ a b 昭和41年群馬県告示第64号 道路の区域決定(群馬県報第4280号、1966年2月8日発行、pp. 4–5、群馬県立図書館所蔵)
  11. ^ s:道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 - 平成五年五月十一日建設省告示第千二百七十号、建設省
  12. ^ a b 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 64.
  13. ^ 昭和47年群馬県告示第164号(群馬県報第4910号、1972年3月31日発行)による
  14. ^ かつてはこの重複区間内の県道標識等では番号の若い県道28号ではなく、当県道になっていた。
  15. ^ a b 須藤英一 2013, pp. 64–65.

参考文献[編集]

  • 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著、松井謙介 編『絶景ドライブ100選[新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日。ISBN 978-4-05-610907-8 
  • 日本道路公団『日本道路公団三十年史』1986年。 
  • 須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年。ISBN 978-4-278-04113-2 

関連項目[編集]