百年シリーズ

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百年シリーズ』(ひゃくねんシリーズ)は、森博嗣の推理小説シリーズである。1作目の『女王の百年密室』と2作目の『迷宮百年の睡魔』がスズキユカ作画で漫画化され、また、NHK-FM放送の『青春アドベンチャー』でラジオドラマ化された。

概要[編集]

西暦2113年。発電システムの革新により都市国家のような形態の国が点在する世界。サエバ・ミチルとロイディは、閉鎖化の進んだ地域へと取材へ出かけ、その度に不可解な事件に巻き込まれる。

森博嗣の作品としては珍しく、具体的な日付が劇中で提示されたり、SF的なガジェットや設定が登場する。

主な登場人物[編集]

サエバ・ミチル
エンジニアリング・ライター兼ジャーナリスト。ロイディと共に不可解な事件に遭遇する。
ロイディ
ミチルの所有するウォーカロン。普段は丁寧語だが、ミチルに対してはくだけた口調で話しかけている。
旧式のため走る事が出来なかったり、階段の昇降に手間取ったりと、運動性能はあまり良くない。
補助的な発電装置を搭載しているため、長期間充電が出来なくてもスタンバイ状態を維持することが出来る。
クジ・アキラ
ミチルの恋人。ある事件に巻き込まれ、作中ではすでに故人となっている。

設定[編集]

ウォーカロン
自律型のヒューマノイド。名前は「ウォーク・アローン(Walk Alone)」が由来であるような台詞が登場する。人間と遜色ない会話が可能で、見分けが付かないこともあるという。またプログラムの設定次第では酩酊状態にも出来る。
ロイディの動力源はバッテリーだが「高炉」と呼ばれる動力源も存在するようである。
作者オリジナルの用語ではあるが、書籍として出版されたブログや土屋賢二との共著などでは、この用語を説明無しに使っている。
ミチルのゴーグル
ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ。銃器の照準を表示することもできる。
正式名称は「ビジュアル・ブースター」で、それを略した「ヴィーブ」という言い方もあるようだが、一度しか出ていない。
衣服
エアバッグを内蔵しているなど、安全面にも注意が払われている。
銃器
上位機種には、自動照準や目標の記録、反動抑制などの電子制御が施されている。
国家
国際関係などの詳細は不明だが、小規模な都市国家が珍しくないようである。また発電所を併設することで、ほぼ鎖国状態の国家も存在する。
エナジィ
エネルギーのこと。作中では主に電力の意味として使うことが多い。詳細は語られていないが、電力の供給を受けることが、供給先に所属する事と同意義のようである。
文化
現実の世界とさほど違いはないが、ミチルの文化圏では性別個人情報に含まれるため、男女を問うことは好ましくないようである。またスピーカーで音を鳴らすのは既に古い方式になっている。
言語
登場人物は主に英語で会話している。また若干の方言も存在する。

各巻あらすじ[編集]

女王の百年密室
何日も食料を口にすることができず、水で空腹を満たしていたが、自動車の燃料も心許なくなり、原野を彷徨っていたミチルとロイディは、不思議な老人に導かれ、森の中に不自然に聳え立つ宮殿へと辿り着く。中へ通され、なんとか難を凌ぐ事が出来た二人は、住人から驚くべき事実を聞かされる。
周囲を高い壁で囲まれたそこは、外界から完全に隔離されて人の出入りが全くない上、エネルギーや食料などをすべて内部で賄っているという孤立した小都市だった。
そして、二人が都市を訪れたその翌晩、都市を統べる女王の息子であるジュラ王子が何者かに殺害されてしまう。だが、人々が話す現場の状況はあまりにも奇妙であった。ミチルは独自に犯人探しを始めるが、調査を進めるうちに、理想郷とも言えるこの都市の社会システム、その深部に足を踏み入れていく事になる。
ミチルの脳裏を度々過ぎる凄惨な光景。物語は、やがてミチルの閉ざされた過去とリンクし、そのベールを解き明かしていく。
迷宮百年の睡魔
赤目姫の潮解

書籍情報[編集]

関連項目[編集]