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1993年1月13日にパリにおいて署名がなされ、1997年4月29日に発効した<ref name="mofa"/>。実効的な検証制度を有することも特徴であり<ref name="mofa"/>、条約の発効とともに、その第8条に基づき、[[オランダ]]の[[デン・ハーグ|ハーグ]]に査察実施機関の[[化学兵器禁止機関]](OPCW)が設置された。 |
1993年1月13日にパリにおいて署名がなされ、1997年4月29日に発効した<ref name="mofa"/>。実効的な検証制度を有することも特徴であり<ref name="mofa"/>、条約の発効とともに、その第8条に基づき、[[オランダ]]の[[デン・ハーグ|ハーグ]]に査察実施機関の[[化学兵器禁止機関]](OPCW)が設置された。 |
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==締約国== |
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* 日本は、[[1993年]]1月13日に署名し、[[1995年]]4月の国会承認後 1995年9月15日に批准した<ref name="mofa"/>。対応する国内法規として、[[化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律]]が1995年より施行、うち申告等手続等は条約発効後の1997年に施行されている<ref>{{Cite web|url=https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/cwc/domestic_outline.html |title=化学兵器禁止法に基づく規制の概要 |author= |date= |work= |publisher=経済産業省 |accessdate=2019-06-22 }}</ref>。 |
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[[戦争]]時における化学兵器の使用禁止は、すでに1925年の[[ジュネーヴ議定書 (1925年)|ジュネーヴ議定書]]で謳われているが、開発・生産・貯蔵といった行為は禁止項目ではなく、そのために化学兵器の開発や生産が[[アメリカ合衆国|米国]]や[[ソビエト連邦|ソ連]]、[[大日本帝国|日本]]などによって行われていた。とくに[[第二次世界大戦]]後は、米ソの[[冷戦]]の激化にともない、大量の化学兵器が両国によって開発・生産・貯蔵される状態が続いた。 |
[[戦争]]時における化学兵器の使用禁止は、すでに1925年の[[ジュネーヴ議定書 (1925年)|ジュネーヴ議定書]]で謳われているが、開発・生産・貯蔵といった行為は禁止項目ではなく、そのために化学兵器の開発や生産が[[アメリカ合衆国|米国]]や[[ソビエト連邦|ソ連]]、[[大日本帝国|日本]]などによって行われていた。とくに[[第二次世界大戦]]後は、米ソの[[冷戦]]の激化にともない、大量の化学兵器が両国によって開発・生産・貯蔵される状態が続いた。 |
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化学兵器かどうかの判断は、化学兵器禁止条約の表または上記に記載されているかどうかには必ずしも拠らない。日本は「赤剤(ジフェニルシアノアルシン、ジフェニルクロロアルシン)」および「緑剤(クロロアセトフェノン)」を、遺棄化学兵器として取り扱っている<ref>[http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/168/0005/16811020005003a.html 第168回国会 外務委員会 第3号 政府答弁]</ref>。 |
化学兵器かどうかの判断は、化学兵器禁止条約の表または上記に記載されているかどうかには必ずしも拠らない。日本は「赤剤(ジフェニルシアノアルシン、ジフェニルクロロアルシン)」および「緑剤(クロロアセトフェノン)」を、遺棄化学兵器として取り扱っている<ref>[http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/168/0005/16811020005003a.html 第168回国会 外務委員会 第3号 政府答弁]</ref>。 |
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* 日本は、[[1993年]]1月13日に署名し、[[1995年]]4月の国会承認後 1995年9月15日に批准した<ref name="mofa"/>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2019年6月22日 (土) 03:53時点における版
化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約 | |||
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通称・略称 | 化学兵器禁止条約 | ||
起草 | 1992年9月3日 | ||
署名 | 1993年1月13日 | ||
署名場所 | パリ | ||
発効 | 1997年4月29日 | ||
寄託者 | 国際連合事務総長 | ||
言語 | アラビア語、中国語、英語、フランス話、ロシア語、スペイン語 | ||
主な内容 | 化学兵器の開発、生産、保有などを包括的に禁止し、化学兵器を一定期間内(原則として10年以内)に全廃することを定める。 | ||
条文リンク | 化学兵器の開発,生産,貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約 - 外務省 |
化学兵器禁止条約(かがくへいききんしじょうやく、Chemical Weapons Convention、CWC)は、1993年に署名され、1997年に発効した多国間条約である。正式名称は化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約。
概要
化学兵器の開発・生産・貯蔵・使用を全面的に禁止するとともに、すでに存在する化学兵器および化学兵器生産施設を条約発効ののち原則として10年以内にすべて廃棄すること、一定の設備を持つ化学産業施設に対する検証措置をおこなうこと等を定めている[1]。また、1925年1月1日以降に他国領域内に同意なく遺棄した化学兵器についても廃棄処理を行うこととされており、遺棄国に処分に必要な費用や技術の提供を義務付けている。
1993年1月13日にパリにおいて署名がなされ、1997年4月29日に発効した[1]。実効的な検証制度を有することも特徴であり[1]、条約の発効とともに、その第8条に基づき、オランダのハーグに査察実施機関の化学兵器禁止機関(OPCW)が設置された。
締約国
- 2015年10月現在の締約国数は192カ国で、イスラエル(署名国)、北朝鮮、エジプト及び南スーダンが未締結である[1]。
- 日本は、1993年1月13日に署名し、1995年4月の国会承認後 1995年9月15日に批准した[1]。対応する国内法規として、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律が1995年より施行、うち申告等手続等は条約発効後の1997年に施行されている[2]。
例外
化学兵器禁止条約第2条9項の規定により、以下の目的については例外が認められている。
- 工業、農業、研究、医療又は製薬の目的その他の平和的目的
- 防護目的、すなわち毒性化学物質及び化学兵器に対する防護に直接関係する目的
- 化学兵器の使用に関連せず、かつ化学物質の毒性を戦争の方法として利用するものではない軍事的目的
- 国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的
警察などが暴徒鎮圧に催涙ガスを使用しても条約違反にならないのは、この条項の「国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的」による物である。そのため、解釈によっては国内のテロリストなどに対して、化学兵器を使用することは違法行為ではない。
歴史
戦争時における化学兵器の使用禁止は、すでに1925年のジュネーヴ議定書で謳われているが、開発・生産・貯蔵といった行為は禁止項目ではなく、そのために化学兵器の開発や生産が米国やソ連、日本などによって行われていた。とくに第二次世界大戦後は、米ソの冷戦の激化にともない、大量の化学兵器が両国によって開発・生産・貯蔵される状態が続いた。
国際社会はBC兵器を問題視し、規制議論が行われ、1966年の国際連合総会において、「化学兵器及び細菌兵器の使用を非難する決議」が採択され[3]、生物兵器については、1975年には生物兵器禁止条約が発効したが、化学兵器については遅れていた[3]。
イラン・イラク戦争や湾岸戦争における化学兵器の使用あるいは使用の疑惑といった状況を背景にして、化学兵器の使用だけではなく、開発から生産、貯蔵までをも禁止するべきだとの国際世論が高まり、化学兵器禁止条約の署名に到った。
化学兵器禁止法規制物質一覧
毒性物質 | 原料物質 | |
---|---|---|
特定物質 | (1) O-アルキル=アルキルホスホノフルオリダート(O-アルキルのアルキル基がシクロアルキル基であるものを含み、O-アルキルのアルキル基の炭素数が10以下であり、かつ、アルキルホスホノフルオリダートのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。) | 1) アルキルホスホニルジフルオリド(アルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。) |
(2) O-アルキル=N・N-ジアルキル=ホスホルアミドシアニデート(O-アルキルのアルキル基がシクロアルキル基であるものを含み、O-アルキルのアルキル基の炭素数が10以下であり、かつ、N・N-ジアルキルのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。) | (2) O-アルキル=O-2-ジアルキルアミノエチル=アルキルホスホニット(O-アルキルのアルキル基がシクロアルキル基であるものを含み、O-アルキルのアルキル基の炭素数が10以下であり、かつ、O-2-ジアルキルアミノエチル及びアルキルホスホニットのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)並びにそのアルキル化塩類及びプロトン化塩類 | |
(3) O-アルキル=S-2-ジアルキルアミノエチル=アルキルホスホノチオラート(O-アルキルのアルキル基がシクロアルキル基であるものを含み、O-アルキルのアルキル基の炭素数が10以下であり、かつ、S-2-ジアルキルアミノエチル及びアルキルホスホノチオラートのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)並びにそのアルキル化塩類及びプロトン化塩類 | (3) O-2-ジアルキルアミノエチル=ヒドロゲン=アルキルホスホニット(O-2-ジアルキルアミノエチル及びアルキルホスホニットのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)並びにそのアルキル化塩類及びプロトン化塩類 | |
(4) S-2-ジアルキルアミノエチル=ヒドロゲン=アルキルホスホノチオラート(S-2-ジアルキルアミノエチル及びアルキルホスホノチオラートのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)並びにそのアルキル化塩類及びプロトン化塩類 | (4) O-イソプロピル=メチルホスホノクロリダート(別名クロロサリン) | |
(5) O-ピナコリル=メチルホスホノクロリデート(別名クロロソマン) | ||
(5) 2-クロロエチルクロロメチルスルフィド | ||
(6) ビス(2-クロロエチル)スルフィド(別名マスタードガス) | ||
(7) ビス(2-クロロエチルチオ)メタン | ||
(8) 1・2-ビス(2-クロロエチルチオ)エタン(別名セスキマスタード) | ||
(9) 1・3-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-プロパン | ||
(10) 1・4-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-ブタン | ||
(11) 1・5-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-ペンタン | ||
(12) ビス(2-クロロエチルチオメチル)エーテル | ||
(13) ビス(2-クロロエチルチオエチル)エーテル(別名O-マスタード) | ||
(14) 2-クロロビニルジクロロアルシン(別名ルイサイト1) | ||
(15) ビス(2-クロロビニル)クロロアルシン(別名ルイサイト2) | ||
(16) トリス(2-クロロビニル)アルシン(別名ルイサイト3) | ||
(17) ビス(2-クロロエチル)エチルアミン(別名HN1) | ||
(18) ビス(2-クロロエチル)メチルアミン(別名HN2) | ||
(19) トリス(2-クロロエチル)アミン(別名HN3) | ||
(20) サキシトキシン | ||
(21) リシン | ||
第1種指定物質 | (1) O・O'-ジエチル=S-[2-ジエチルアミノ)エチル]=ホスホロチオラート(別名アミトン、VGガス)並びにそのアルキル化塩類及びプロトン化塩類 | (1) 炭素数が3以下である1のアルキル基との結合以外に炭素原子との結合のないりん原子を含む化合物であって、次に掲げるもの以外のもの。 イ 1の項の第3欄(1)から(4)まで及び第4欄に掲げる物質 |
(2) 1・1・3・3・3-ペンタフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1-プロペン(別名PFIB) |
2) N・N-ジアルキルホスホルアミジク=ジハリド(アルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。) | |
(3) 3-キヌクリジニル=ペンジラート(別名BZ) | (3) ジアルキル=N・N-ジアルキルホスホルアミデート(ジアルキル及びN・N-ジアルキルホスホルアミデートのアルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。) | |
(4) 三塩化ヒ素 | ||
(5) 2・2-ジフェニル-2-ヒドロキシ酢酸 | ||
(6) キヌクリジン-3-オール | ||
(7) N・N-ジアルキルアミノエチル-2-クロリド(アルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)及びそのプロトン化塩類 | ||
(8) N・N-ジアルキルアミノエタン-2-オール(アルキル基の炭素数が3以下であるものに限り、N・N-ジメチルアミノエタノール及びN・N-ジエチルアミノエタノールを除く。)及びそのプロトン化塩類 | ||
(9) N・N-ジアルキルアミノエタン-2-チオール(アルキル基の炭素数が3以下であるものに限る。)及びそのプロトン化塩類 | ||
(10) ビス(2-ヒドロキシエチル)スルフィド(別名チオジグリコール) | ||
(11) 3,3-ジメチルブタン-2-オール(別名ピナコリルアルコール) | ||
第2種指定物質 | (1) 二塩化カルボニル(別名ホスゲン) | (1) 塩化ホスホリル |
(2) 塩化シアン | (2) 三塩化リン | |
(3) シアン化水素 | (3) 五塩化リン | |
(4) トリクロロニトロメタン(別名クロロビクリン) | (4) 亜リン酸トリメチル | |
(5) 亜リン酸トリエチル | ||
(6) 亜リン酸ジメチル | ||
(7) 亜リン酸ジエチル | ||
(8) 一塩化硫黄 | ||
(9) 二塩化硫黄 | ||
(10) 塩化チオニル | ||
(11) エチルジエタノールアミン | ||
(12) メチルジエタノールアミン | ||
(13) トリエタノールアミン |
化学兵器かどうかの判断は、化学兵器禁止条約の表または上記に記載されているかどうかには必ずしも拠らない。日本は「赤剤(ジフェニルシアノアルシン、ジフェニルクロロアルシン)」および「緑剤(クロロアセトフェノン)」を、遺棄化学兵器として取り扱っている[5]。
脚注
- ^ a b c d e 化学兵器禁止条約(CWC)の概要 外務省
- ^ “化学兵器禁止法に基づく規制の概要”. 経済産業省. 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b 日本の軍縮・不拡散外交(第六版) 第三部 生物・化学兵器,外務省,平成25年
- ^ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行令 改正:平成一一年一〇月一四日
- ^ 第168回国会 外務委員会 第3号 政府答弁
関連項目
- あへん法
- 覚せい剤取締法
- 大麻取締法
- 麻薬及び向精神薬取締法
- 毒物及び劇物取締法
- 化学物質排出把握管理促進法
- 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律
- 条約締約国のリスト(英語版)
- 規制が議論されている兵器
外部リンク
- 化学兵器禁止条約(CWC)の概要(日本国外務省)
- 化学兵器禁止条約(CWC)締約国・署名国一覧(日本国外務省)