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運輸保安庁の設立は、大規模な組織を短期間で整備することに成功した代表的なケースであると指摘されている。これは、[[第一次世界大戦]]時に[[アメリカ軍]]が多くの新兵の訓練に成功して以来のことである。運輸保安庁は、設立後2002年2月から12月までの間に、170万人の就職希望の応募者があり、うち5万5千人を採用した。
運輸保安庁の設立は、大規模な組織を短期間で整備することに成功した代表的なケースであると指摘されている。これは、[[第一次世界大戦]]時に[[アメリカ軍]]が多くの新兵の訓練に成功して以来のことである。運輸保安庁は、設立後2002年2月から12月までの間に、170万人の就職希望の応募者があり、うち5万5千人を採用した。


現在、運輸保安庁は州政府と共に、高速道路や鉄道、バス、パイプライン、港などの公共交通システムの監督業務に従事しているが、その主任務が航空の安全保障にあることに変わりはない。運輸保安庁は、全米の450以上の空港で、旅客と荷物の審査について責任を負っている。しかし、民間の企業による旅客や荷物の審査は、運輸保安庁が設立された以後も続けられている。運輸保安庁の設立により、連邦政府は空港の選抜審査を廃止した。
現在、運輸保安庁は州政府と共に、高速道路や鉄道、バス、パイプライン、港などの公共交通システムの監督業務に従事しているが、その主任務が航空の安全保障にあることに変わりはない。運輸保安庁は、全米の450以上の空港で、[[空港警備]]における旅客と荷物の審査について責任を負っている。しかし、民間の企業による旅客や荷物の審査は、運輸保安庁が設立された以後も続けられている。運輸保安庁の設立により、連邦政府は空港の選抜審査を廃止した。


また、民間の企業に対しては、審査を運輸保安庁が策定するスクリーニング・パートナシップ・プログラム(SPP)の下で行うように義務付けた。現在も、民間企業に旅客や荷物などの保安審査を委託している空港には、[[サンフランシスコ国際空港]]、[[カンザスシティ国際空港]]、グレイター・ロチェスター国際空港、チェペロ地域空港、キーウェスト国際空港、チェールズ・M・シュルツ‐ソノマ群空港、ジャクソン・ホール空港などの主要空港がある。
また、民間の企業に対しては、審査を運輸保安庁が策定するスクリーニング・パートナシップ・プログラム(SPP)の下で行うように義務付けた。現在も、民間企業に旅客や荷物などの保安審査を委託している空港には、[[サンフランシスコ国際空港]]、[[カンザスシティ国際空港]]、グレイター・ロチェスター国際空港、チェペロ地域空港、キーウェスト国際空港、チェールズ・M・シュルツ‐ソノマ群空港、ジャクソン・ホール空港などの主要空港がある。

2017年3月21日 (火) 17:34時点における版

アメリカ合衆国運輸保安庁
Transportation Security Administration (TSA)
アメリカ合衆国運輸保安庁紋章
組織の概要
設立年月日2001年11月19日
継承前組織
本部所在地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国バージニア州アーリントン郡ペンタゴン
人員5万5600人
年間予算75.5億ドル(2015)
行政官
上位組織アメリカ合衆国国土安全保障省
ウェブサイトwww.tsa.gov

アメリカ合衆国運輸保安庁アメリカ英語: Transportation Security Administration, TSA)とは、アメリカ国土安全保障省の外局であり、アメリカ合衆国における公共交通機関の安全性を保つことを任務としている。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロに際して編成された。アメリカ合衆国運輸省連邦航空局民間航空保安室を、発展的に改組し編成された組織であるため、当初は運輸省の管轄とされていたが、2003年3月9日に国土安全保障省に移管された。

設立

運輸保安庁の根拠法である航空運輸安全法は、ドン・ヤング下院議員とアーネスト・ホーリング上院議員の主導により第107回議会を通過し、ジョージ・W・ブッシュ大統領の下に送付された。ブッシュ大統領は法案に署名したため、2001年11月19日に施行され、アメリカ合衆国運輸省運輸保安庁が設立された。その後、2003年3月9日に国土安全保障省へ移管された。

組織

  • 運輸保安庁長官
    • 次長
    • 首席危機管理監
    • 参謀長
    • 審議官
      • 調達部
      • 市民権・自由・オンブズマン・旅行部
      • 法務部
      • 財務部
      • 人材部
      • IT部
      • 監察部
      • 情報分析部
      • 航空保安部
      • 政策部
      • 職業責任部
      • 安全保障部
      • 安全管理部
      • 安全政策・産業契約部
      • 戦略通信・公共安全部
      • 開発研究部

歴史と組織

運輸保安庁は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受けて設立された。初代長官であるジョン・マガウは、2001年12月10日にブッシュ大統領により指名を受け、翌年1月に上院の承認を得た。

このとき、ノーマン・ミネタ運輸長官などの運輸省幹部は、民間の単体の航空会社や、航空会社のグループが独自に運輸保安業務を実施するより、アメリカ合衆国連邦政府が単一的に運輸保安業務を実施した方が効果的であると主張した。こうして設立された運輸保安庁は、特に空港における安全保障や航空機のハイジャック防止など、アメリカの輸送手段を保護するための政策を策定し、実施することを主な任務としている。

運輸保安庁の設立は、大規模な組織を短期間で整備することに成功した代表的なケースであると指摘されている。これは、第一次世界大戦時にアメリカ軍が多くの新兵の訓練に成功して以来のことである。運輸保安庁は、設立後2002年2月から12月までの間に、170万人の就職希望の応募者があり、うち5万5千人を採用した。

現在、運輸保安庁は州政府と共に、高速道路や鉄道、バス、パイプライン、港などの公共交通システムの監督業務に従事しているが、その主任務が航空の安全保障にあることに変わりはない。運輸保安庁は、全米の450以上の空港で、空港警備における旅客と荷物の審査について責任を負っている。しかし、民間の企業による旅客や荷物の審査は、運輸保安庁が設立された以後も続けられている。運輸保安庁の設立により、連邦政府は空港の選抜審査を廃止した。

また、民間の企業に対しては、審査を運輸保安庁が策定するスクリーニング・パートナシップ・プログラム(SPP)の下で行うように義務付けた。現在も、民間企業に旅客や荷物などの保安審査を委託している空港には、サンフランシスコ国際空港カンザスシティ国際空港、グレイター・ロチェスター国際空港、チェペロ地域空港、キーウェスト国際空港、チェールズ・M・シュルツ‐ソノマ群空港、ジャクソン・ホール空港などの主要空港がある。

関連項目

外部リンク