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* 問61~問80:[[戦略|ストラテジ系]](全体計画立案・業務改善・契約タイプ・経営戦略・[[パレート分析|ABC分析]]・利益や費用の計算・関係法規など)
* 問61~問80:[[戦略|ストラテジ系]](全体計画立案・業務改善・契約タイプ・経営戦略・[[パレート分析|ABC分析]]・利益や費用の計算・関係法規など)


出題形式は、午前問題がテクノロジ系やマネジメント系が中心であった出題が、ストラテジ系が20問出題されるようになった。2008年秋以前でもストラテジ系の問題は出題されてはいたものの、出題数自体は少なかった。また、近年は過去問題の流用が多く見られるので、過去問題の演習は午前問題対策に有効である
出題形式は、午前問題がテクノロジ系やマネジメント系が中心であった出題が、ストラテジ系が20問出題されるようになった。2008年秋以前でもストラテジ系の問題は出題されてはいたものの、出題数自体は少なかった。


====午後問題====
====午後問題====

2010年5月20日 (木) 11:13時点における版

基本情報技術者試験
英名 Fundamental Information Technology Engineer Examition
略称 FE
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 情報
試験形式 筆記
認定団体 独立行政法人情報処理推進機構情報処理技術者試験センター及び経済産業省
認定開始年月日 2001年(平成13年)
公式サイト http://www.jitec.jp/index.html
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
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基本情報技術者試験(きほんじょうほうぎじゅつしゃしけん、Fundamental Information Technology Engineer Examination、略語FE)は、独立行政法人情報処理推進機構 情報処理技術者試験センターが、情報処理技術者試験の一区分として行う経済産業大臣(旧通商産業大臣)認定の国家試験である。2009年(平成21年)春期試験より、2007年(平成19年)12月に発表された新試験制度のスキルレベル2(スキルレベルは1~4が設定されている)に相当。2001年度以前の試験名が第二種情報処理技術者であったことから二種という略称を用いる人もいる。

概要

『高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な能力を身につけた者』を対象者像としている。この試験は、「コンピュータ科学基礎・コンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース技術・セキュリティと標準化・情報化と経営」など多岐にわたる。また、コンピュータ言語プログラミングに関する問題が出されることから、主にプログラマ向けの能力認定試験として、情報産業界では古くから重要視される。

2009年度以降は、従来の開発側(プログラマ等)だけでなく、これまでシスアドで対象としていた利用側にも対応した試験となっている。そのため、プログラミングの問題に加え、初級システムアドミニストレータ試験で登場していた表計算ソフトの問題が選択可能となった。

試験・資格の位置付け

試験の概要

2008年度以前の試験

午前試験はIRT(項目応答理論)、午後は配点(各大問につき1~2割程度の配点)をある計算式に導出して採点されていた。午前・午後とも最低200点~最高800点の5点刻みで評価され、その両方が600点以上であれば合格となっていた。

合格発表は、試験日から約1ヶ月経過した後(平成18年度秋~平成20年秋試験までは約3週間後)に行われる。平成18年度春試験から、解答例を試験の翌日の正午頃に公表することになっていた。平成18年度秋試験では出題趣旨も公開されるようになった。

午前

情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題される。試験時間150分で80問・四者択一をマークシート方式により全問解答しなければならない。

午前問題では、以前出題された試験問題が流用されることがあるため、過去問題を参考書などで演習すればまったく解けないことはない。ただ、近年重要な問題として挙げられるようになった著作権や、セキュリティに関して、新しい話題から出題されることもあれば、これまでまったくなかった新しい分野からの出題もまれに見られる。また、上級の試験から問題を持ち出してくることもある。

午前問題では、コンピュータサイエンスに関する内容だけでなく、経営に関する内容も出題される。

午後

より高度な知識を問う問題、擬似言語と言われる簡略化されたコンピュータ言語を用いた応用問題と、4つのコンピュータ言語から1つを選択して解答するプログラミングの問題が各2問出題される。試験時間は150分。

  • 必須問題(全問回答)
    • IT共通知識体系:情報技術全般からの応用的知識を問う。毎回必ず1~2問出題されていた。
    • データベース:データベースの運用やSQLなどの知識が問われる。
    • コンピュータネットワーク:IPアドレスの付与、稼働率、暗号化方式に関する知識が問われる。
    • セキュリティ:暗号化、ウイルス対策、攻撃手法などの知識が問われる。
    • 擬似言語:アルゴリズムの知識を問う。擬似言語で使用する構文はC言語と似た部分が多い。毎回必ず1~2問出題されていた。
    • プログラム設計:与えられた仕様に基づいた、業務での知識やスキルが問われる。毎年必ず1問出題されていた。

以上の分野から5問出題され、多肢選択式(マークシート)で全問回答しなければならない。

  • 選択問題(各種プログラム言語問題)
C言語COBOLJavaCASL IIから一つないし二つの言語に関しての知識を問う。各言語2問ずつ、計8問出題され、うち2問を選択して回答する。なお、Javaは平成13年秋期試験から追加されたものである。かつてはFORTRANもあったが、選択者減少により廃止された。選択問題は問6~9・問10~13に分かれており、問6~9の中から1問、問10~13の中から1問をそれぞれ選択する。複数選択した場合は、若い番号の問題が採点対象となる。たとえば、問6~9の中から問7と問8の両方を解答した場合、問7が採点対象となる。なお、マークシートにある言語選択の欄を塗りつぶしていない場合は当該問題を回答しても採点されないため注意が必要である。

2009年度からの試験

平成21年度春期以降施行される新試験から初級システムアドミニストレータ試験の一部を吸収した形で、出題範囲や出題形式に変更が加えられた(名称の変更はなし)。試験日は、ITパスポート試験応用情報技術者試験などと同日の4月第3日曜(春期試験)と10月第3日曜(秋期試験)の2回行われ、大学や専門学校校舎で他の情報処理試験と同じ会場で行われる。

午前と午後に分かれており、それぞれ多岐選択式で解答する。午前、午後ともに素点形式で採点され、その両方とも合格基準である「60点以上」で合格となる。

全般

  • 試験時間は午前・午後ともに150分。情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題される。試験時間150分で80問・四者択一をマークシート方式により全問解答しなければならない。基本的に出題範囲は2008年度までのものと大差はないが、初級システムアドミニストレータ試験の内容であった問題が出題されるようになった。
  • また、出題形式と採点方式が大きく変更された。採点方式は、純粋に正解率が60%以上で合格となり、配点が正解率によって変更されることはなくなった。ただし、午後問題の1問ごとの配点は解答例公開時、合格発表時にかかわらず一切公開されないため、午後問題の正解率が60%前後の場合は合格発表まで合否が完全に確定できない。(情報処理の関連企業が公開する「予想配点」を用いれば大体で予測することは可能である)

午前問題

  • 問1~問50:テクノロジ系(コンピュータ科学基礎・ハードウェア・稼働率・ソフトウェア・論理回路・データベース(SQL、正規化)・ネットワーク・セキュリティ・設計)
  • 問51~問60:マネジメント系(DFD・開発規模、工数など)
  • 問61~問80:ストラテジ系(全体計画立案・業務改善・契約タイプ・経営戦略・ABC分析・利益や費用の計算・関係法規など)

出題形式は、午前問題がテクノロジ系やマネジメント系が中心であった出題が、ストラテジ系が20問出題されるようになった。2008年秋以前でもストラテジ系の問題は出題されてはいたものの、出題数自体は少なかった。

午後問題

  • 問1~問7:ハードウェア、ソフトウェア、データベース、情報セキュリティ、ネットワーク、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、経営・関連法規などの7問から5問を選択。
  • 問8:擬似言語と言われる簡略化されたコンピュータ言語を用いた応用問題(必須解答)。
  • 問9~問13:C言語COBOLJavaアセンブラ表計算のうち1問を選択する。いずれも(表計算の問題も含め)論理的思考力を要求される。

午後問題は上記の通り、問1~問7から5問を選択、問9~問13のうち1問を選択、問8のみ必須となり、擬似言語問題とコンピュータ言語問題の出題はそれぞれ1問のみとなった。また、問13に表計算の問題が出てきたことによりコンピュータ言語問題を選択しなくてもよくなった。ただし、問8の擬似言語問題は必須なので、引き続きアルゴリズムに関しての対策は必要である。なお、過去の表計算の問題が簡単すぎるという批判を受けたのか、平成22年度春の表計算の問題では難易度が上げられ、1問8択や、選択肢だけで2ページも使うなど、他の言語と同じぐらいの難易度となった。

備考

  • 本試験は情報工学に関連するエンジニアの実務においてベースとなる。システム開発会社ではこの試験に合格することが技術者の必要最低限の資格として重要視されることがあり、入社3年程度以内に取得することを推奨される(取得できないようでは、むしろ問題視されることもある)。その上で、応用情報技術者試験など、上位の試験合格を目指すキャリアパスになっている。
  • 受験者の年齢層は10代半ばから50歳代と幅広い。近年では、60代や70代など高齢者の受験も僅かながら増加している。受験者のボリュームゾーンは、19~21歳(主に情報系の大学生、専門学校生)と、22~25歳(主にシステム開発会社の新入社員)にある。
  • 自衛隊技術陸(海・空)曹の任用資格及び予備自衛官補(技能公募)の受験資格である「国家免許資格等」には、本試験の合格者が含まれる(任用(採用)階級はいずれも3曹)。

外部リンク