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「'''シットコム'''({{En|sitcom}})」の語源 |
テレビドラマやラジオドラマのジャンルである「'''シットコム'''({{En|sitcom}})」の語源にもなっている。「シットコム」を単に「シチュエーション・コメディ」の略語として同一視されることもあるが<ref name=映画.com>{{cite web |url=https://eiga.com/extra/mirai/11/ |title=コラム:ご存知ですか?海外ドラマ用語辞典 - 第11回 |website=映画.com |author=小西未来 |date=2021-02-25 |accessdate=2021-06-01}}</ref><ref name=シネマカフェ>{{cite web |url=https://www.cinemacafe.net/article/2021/01/15/70912.html |title=1話30分以内で気軽に笑えてためになる!? おすすめシットコム |website=シネマカフェ |author=Reiko Uehara |date=2021-01-15 |accessdate=2021-06-01}}</ref>、{{要出典範囲|厳密には「シットコム」と「シチュエーション・コメディ」の概念は完全には一致せず、シチュエーション・コメディのうち|date=2021-06-01}}以下の要素を持つ物語を「シットコム」と呼ぶ<ref name=映画.com /><ref name=シネマカフェ />。 |
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一般的に「'''シットコム'''」という呼称を用いる場合、狭義においては概ね以下の要素を持つラジオもしくはテレビ番組を指す<ref name=映画.com /><ref name=シネマカフェ />。 |
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# 主要な舞台が固定。 |
# 主要な舞台が固定。 |
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# 主要な登場人物はほぼ一定。( |
# 主要な登場人物はほぼ一定。(わずかなメンバー変化、ゲストの登場はある) |
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# 連続ドラマだが、基本的に1話だけで内容が完結している。 |
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スタジオに組まれたセットを舞台に複数のカメラで撮影され、一般の観客を入れて観客の笑い声を一緒に収録する技法([[録音笑い|ラフトラック]])も多く用いられるが、これらはシットコムの必要条件には含まれない<ref name=映画.com />。3.については |
スタジオに組まれたセットを舞台に複数のカメラで撮影され、一般の観客を入れて観客の笑い声を一緒に収録する技法([[録音笑い|ラフトラック]])も多く用いられるが、これらはシットコムの必要条件には含まれない<ref name=映画.com />。なお、3.については『{{仮リンク|ソープ (テレビドラマ)|en|Soap (TV series)|label=ソープ}}』(1977年)以降にストーリーが繋がるシットコムが少しずつ増えてきている。 |
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シットコム形式のコメディは[[イギリス]]において[[ラジオドラマ]]の一ジャンルとして普及していたが、[[アメリカ合衆国]]で1951年から放送された『[[アイ・ラブ・ルーシー]]』が基礎となり[[テレビドラマ]]として盛んに作られるようになる<ref name=映画.com />。1960年代に『[[奥さまは魔女 (テレビドラマ)|奥さまは魔女]]』などの国民的な人気を得たシットコムが制作され、1980年代以降に『[[フルハウス (1987年のテレビドラマ)|フルハウス]]』や『[[フレンズ (1994年のテレビドラマ)|フレンズ]]』などで全盛期を迎えた<ref name=映画.com />。 |
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シットコムは現在では世界各国で作られているが、特にアメリカにおいてはテレビドラマの一大ジャンルとなっている。アメリカでは9月から翌年5月までの期間に新作を放送する慣例があり、この期間を1つの単位として「[[シーズン (テレビ)|シーズン]]」と呼ばれる。視聴率を中心に考慮して3か月ごとに継続の可否、また翌年以降のシーズンが制作されるかが決定されるため、明確な「最終回」が制作された作品は少ない。また、アメリカのテレビ局ではコメディ番組を集中編成することが主流となっており、たとえば[[1990年代]]から[[2000年代]]の[[NBC]]では視聴者が一番多い木曜日の夜にシットコム4作品を編成し、キャッチコピーとして「観るべし」を掲げていた。 |
シットコムは現在では世界各国で作られているが、特にアメリカにおいてはテレビドラマの一大ジャンルとなっている。アメリカでは9月から翌年5月までの期間に新作を放送する慣例があり、この期間を1つの単位として「[[シーズン (テレビ)|シーズン]]」と呼ばれる。視聴率を中心に考慮して3か月ごとに継続の可否、また翌年以降のシーズンが制作されるかが決定されるため、明確な「最終回」が制作された作品は少ない。また、アメリカのテレビ局ではコメディ番組を集中編成することが主流となっており、たとえば[[1990年代]]から[[2000年代]]の[[NBC]]では視聴者が一番多い木曜日の夜にシットコム4作品を編成し、キャッチコピーとして「観るべし」を掲げていた。 |
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== 日本のシットコム == |
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日本においては内容によって「[[ホームドラマ]]」や「[[学園ドラマ]]」などとも呼ばれる。 |
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日本のテレビ創生期の番組については資料が少なく、どの作品が最初のシットコム作品であったのか断定することは難しいが、最初期の物としてよく知られた作品には[[澤田隆治]]が演出した『[[ダイラケのびっくり捕物帖]]』(1957年 - 1960年)が存在しており、少なくともこの頃には既にシットコムスタイルの番組が日本で存在していたことがうかがえる。さらに[[ラジオドラマ]]を含めるなら『[[お父さんはお人好し]]』(1954年 - 1965年)など、「シットコム」と呼べる作品はもっと古くから存在する。 |
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特に著名な作品としては『[[頓馬天狗]]』(1959年 - 1960年)、『[[番頭はんと丁稚どん]]』(1959年 - 1961年)、『[[てなもんや三度笠]]』(1962年 - 1963年)などが挙げられ、日本では関西で特に人気があるスタイルだった。しかし、全国的にはスタジオ収録のドラマが主流になったことや、関西制作の番組が全国放送されることが少なくなったため、1970年代中期には一般的には廃れてしまった。関西ではこの流れをくむ[[日曜笑劇場]]が1975年4月から2013年3月まで放送されていた。 |
特に著名な作品としては『[[頓馬天狗]]』(1959年 - 1960年)、『[[番頭はんと丁稚どん]]』(1959年 - 1961年)、『[[てなもんや三度笠]]』(1962年 - 1963年)などが挙げられ、日本では関西で特に人気があるスタイルだった。しかし、全国的にはスタジオ収録のドラマが主流になったことや、関西制作の番組が全国放送されることが少なくなったため、1970年代中期には一般的には廃れてしまった。関西ではこの流れをくむ[[日曜笑劇場]]が1975年4月から2013年3月まで放送されていた。 |
2021年6月2日 (水) 00:20時点における版
シチュエーション・コメディ(英: situation comedy)はコメディのジャンルのひとつ。登場人物の置かれる状況(シチュエーション)によって観客や視聴者を笑わせるコメディ。
テレビドラマやラジオドラマのジャンルである「シットコム(sitcom)」の語源にもなっている。「シットコム」を単に「シチュエーション・コメディ」の略語として同一視されることもあるが[1][2]、厳密には「シットコム」と「シチュエーション・コメディ」の概念は完全には一致せず、シチュエーション・コメディのうち[要出典]以下の要素を持つ物語を「シットコム」と呼ぶ[1][2]。
- 主要な舞台が固定。
- 主要な登場人物はほぼ一定。(わずかなメンバー変化、ゲストの登場はある)
- 連続ドラマだが、基本的に1話だけで内容が完結している。
スタジオに組まれたセットを舞台に複数のカメラで撮影され、一般の観客を入れて観客の笑い声を一緒に収録する技法(ラフトラック)も多く用いられるが、これらはシットコムの必要条件には含まれない[1]。なお、3.については『ソープ』(1977年)以降にストーリーが繋がるシットコムが少しずつ増えてきている。
シットコムの歴史
シットコム形式のコメディはイギリスにおいてラジオドラマの一ジャンルとして普及していたが、アメリカ合衆国で1951年から放送された『アイ・ラブ・ルーシー』が基礎となりテレビドラマとして盛んに作られるようになる[1]。1960年代に『奥さまは魔女』などの国民的な人気を得たシットコムが制作され、1980年代以降に『フルハウス』や『フレンズ』などで全盛期を迎えた[1]。
シットコムは現在では世界各国で作られているが、特にアメリカにおいてはテレビドラマの一大ジャンルとなっている。アメリカでは9月から翌年5月までの期間に新作を放送する慣例があり、この期間を1つの単位として「シーズン」と呼ばれる。視聴率を中心に考慮して3か月ごとに継続の可否、また翌年以降のシーズンが制作されるかが決定されるため、明確な「最終回」が制作された作品は少ない。また、アメリカのテレビ局ではコメディ番組を集中編成することが主流となっており、たとえば1990年代から2000年代のNBCでは視聴者が一番多い木曜日の夜にシットコム4作品を編成し、キャッチコピーとして「観るべし」を掲げていた。
2000年代以降にはドキュメンタリー番組を模したモキュメンタリーと呼ばれるスタイルが人気となる[1]。この形式ではそれまで主流であった複数カメラやラフトラックが廃止されるなど舞台劇の要素が取り除かれ、通常の劇映画に似たスタイルへの変化が見られる[1]。
1989年に放送開始したテレビアニメ『ザ・シンプソンズ』もシットコムの設定を踏襲しており、『サウスパーク』(1997年)や『リック・アンド・モーティ』(2013年)など後のアニメ作品にも引き継がれている[1]。
日本のシットコム
日本においては内容によって「ホームドラマ」や「学園ドラマ」などとも呼ばれる。
日本のテレビ創生期の番組については資料が少なく、どの作品が最初のシットコム作品であったのか断定することは難しいが、最初期の物としてよく知られた作品には澤田隆治が演出した『ダイラケのびっくり捕物帖』(1957年 - 1960年)が存在しており、少なくともこの頃には既にシットコムスタイルの番組が日本で存在していたことがうかがえる。さらにラジオドラマを含めるなら『お父さんはお人好し』(1954年 - 1965年)など、「シットコム」と呼べる作品はもっと古くから存在する。
特に著名な作品としては『頓馬天狗』(1959年 - 1960年)、『番頭はんと丁稚どん』(1959年 - 1961年)、『てなもんや三度笠』(1962年 - 1963年)などが挙げられ、日本では関西で特に人気があるスタイルだった。しかし、全国的にはスタジオ収録のドラマが主流になったことや、関西制作の番組が全国放送されることが少なくなったため、1970年代中期には一般的には廃れてしまった。関西ではこの流れをくむ日曜笑劇場が1975年4月から2013年3月まで放送されていた。
三谷幸喜が活動初期に脚本を担当した『やっぱり猫が好き』(1988年)、『子供、ほしいね』(1990年)などもシットコムとして紹介されることがある[3]。三谷が脚本・演出を担当した『HR』(2002年 - 2003年)は「日本初の本格的シットコム」との謳い文句で放送されたが[3]、これには小林信彦が週刊文春の連載コラム『本音を申せば』2003年1月16日号で「日本初の本格的シットコムは1960年代に放映された『スチャラカ社員』である」と物言いをつけ、その回ではさらに「当時ハリウッドの演出家が偶然この番組のカット割りを見て、日本にもシットコムのようなものがあるのかと驚いた」というエピソードを紹介した[4]。なお、三谷自身は「スタジオに観客を入れて収録する」という撮影方法もシットコムの重要な定義だとしており、大型ホールでの公開収録形式の『てなもんや三度笠』や、観客の笑い声が入らない『アリー my Love』やスタッフの笑い声である『やっぱり猫が好き』はシットコムではないとしている[5]。
また『ドラえもん』や『ちびまる子ちゃん』などは、『ザ・シンプソンズ』のようなシットコム形式のアニメであると指摘されている[1]。
番組名 | 放送期間 | 放送局など | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|
スチャラカ社員 | 1961年4月2日 - 1967年4月30日 | TBS系列 | [4] | |
やっぱり猫が好き | 1988年10月11日 - 1991年9月21日 | フジテレビ | [3] | |
子供、ほしいね | 1990年4月10日 - 1991年3月28日 | フジテレビ | ||
HR | 2002年10月9日 - 2003年3月26日 | フジテレビ | [3] | |
epoch TV square(第1期) | 2003年4月 - 6月 | BS日テレ | ||
加藤家へいらっしゃい! 〜名古屋嬢っ〜 | 2004年10月6日 - 12月22日 | 名古屋テレビ | ||
本番で〜す! | 2007年4月14日 - 2009年}3月28日 | テレビ東京 | ||
ママさんバレーでつかまえて | 2009年10月11日 - 12月28日 | NHK | ||
主演 さまぁ〜ず 〜設定 美容室〜 | 2010年8月12日 - 10月28日 | 日本テレビ | ||
刑事定年 | 2010年10月27日 - 12月29日 | BS朝日 | ||
ウレロ☆シリーズ | 2011年10月8日 - 2016年4月2日 | テレビ東京・Zeppブルーシアター六本木 | ||
四月一日さん家の | 2019年4月20日 - 7月6日 | テレビ東京 | ||
誰かが、見ている | 2020年9月18日(一挙配信) | Amazonプライム・ビデオ | [3] | |
でっけぇ風呂場で待ってます | 2021年1月26日 - 4月6日 | 日本テレビ | [6] |
脚注
- ^ a b c d e f g h i 小西未来 (2021年2月25日). “コラム:ご存知ですか?海外ドラマ用語辞典 - 第11回”. 映画.com. 2021年6月1日閲覧。
- ^ a b Reiko Uehara (2021年1月15日). “1話30分以内で気軽に笑えてためになる!? おすすめシットコム”. シネマカフェ. 2021年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e “「三谷幸喜×香取慎吾」対談 志村けんさん枠を次に担うのはこの人”. CREA (2020年9月30日). 2021年6月1日閲覧。
- ^ a b 小林『花と爆弾 - 人生は五十一から』参照
- ^ ドラマ『HR』DVD4巻収録 特典映像「三谷幸喜の野望と無謀」より
- ^ “キャストスタッフ|でっけぇ風呂場で待ってます”. 日本テレビ. 2021年6月1日閲覧。