湯包

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湯包
開封「第一楼」の湯包
繁体字 湯包
簡体字 汤包
発音記号
標準中国語
漢語拼音tāngbao
粤語
粤拼tong1 baau1

湯包(タンバオ)は中華料理小吃の一種[1]灌湯包(ガンタンパオ)の省略形[2][3]

皮の中に餡と共にスープが入っていることが特徴として挙げられる[1]

南京市では「名物」とされ、提供する店が多数ある[1]

概要[編集]

一口サイズのスープ入り肉まん包子)である[4]

開封が発祥とされる[4]

開封の灌湯包子、上海南翔小籠包などが有名[4]

食べ方[編集]

ストローの刺さった湯包

南京では湯包を食べるときの手順は以下のように説明され、これを節をつけて歌うようにして説明することもある[1]

  1. 軽軽移 そっと蒸籠からレンゲに移す
  2. 慢慢提 ゆっくり持ち上げる
  3. 先開窓 まず皮を少し開ける
  4. 後喝湯 スープを飲む

スープはやや脂っこいので、さっぱりするためにショウガを加えたのタレで食べられることもある[4]

上海では、大きめの湯包にスープを飲むためのストローが刺さっていることもある[3][5]

小籠包との違い[編集]

閉じ口を下にした湯包(右)

類似した料理に小籠包がある。

南京で湯包が説明される際には小籠包との違いを「皮の閉じ口を上にすると小籠包、下にすると湯包」などと語られることも多いが、閉じ口を上にした湯包も存在するため、実際に明確な分別の定義はない[1]

用語としては「小籠包」は「小さな蒸し籠(小籠)で蒸した」の意であり、「湯包」は「皮の中に湯(スープ)を含んだ」の意である[6]

大籠包[編集]

チャイナテーマパークの横浜大世界神奈川県)では、2009年頃、「ストロー付き湯包」が名物メニューとして販売されており、2019年より直径約10cmと通常の小籠包の約3倍の大きさの湯包を「大籠包」として販売している[7][8]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 小籠包とは別物?南京名物の湯包(タンバオ)に舌鼓!東長崎「金陵一絶 王氏湯包」”. "80C" (2020年3月10日). 2022年11月17日閲覧。
  2. ^ 周達生『東アジアの食文化探検』三省堂、1991年、209頁。ISBN 9784385431628 
  3. ^ a b 小籠包専門店「南翔饅頭店」特大“飲む小籠包”ストローで味わう上海蟹みそ&海鮮のスープ”. Fashion Press (2018年). 2022年11月18日閲覧。
  4. ^ a b c d 『W16 世界の中華料理図鑑』地球の歩き方、2022年、145頁。ISBN 9784059201083 
  5. ^ 近兼拓史「「南翔饅頭店」で激ウマ小籠包に舌鼓」『80時間世界一周 格安航空乗りまくり悶絶ルポ』扶桑社〈扶桑社新書〉、2012年。ISBN 978-4594065584 
  6. ^ 『るるぶ台北'17』JTBパブリッシング、2016年、28頁。ISBN 9784533112720 
  7. ^ ストローで肉汁を吸う限定メニュー「大籠包」が自慢! 11/30(土)食べ歩き中華「開華楼」2号店が横浜大世界にOPEN』(プレスリリース)オークラインターナショナル横浜大世界、2019年11月22日https://www.atpress.ne.jp/news/1992072022年11月17日閲覧 
  8. ^ 伊達彩香 (2020年10月20日). “中華街の新名物!? 小籠包がでっかくなった「大籠包」は肉汁をストローでゴクゴク飲める!”. ロケットニュース24. 2022年11月17日閲覧。

関連項目[編集]


外部リンク[編集]