獅子頭 (料理)

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獅子頭 ブラウンソース掛け 青梗菜添え

獅子頭(シーズートウ)は上海料理の1つであり、定番料理とされる。大きな肉団子である[1][2]。日本語読みで「ししとう」とも呼ばれる[3]

概要[編集]

ネギショウガなどを練りこんだ挽き肉を、こぶし大の肉団子にした料理である[3]

もともと江南地方で作られていた伝統料理(淮揚料理)であり、名前の由来は「獅子の頭ぐらいに大きい」こととされる[1][3]

料理の例[編集]

紅焼獅子頭
清燉獅子頭(チンドゥン シーズトウ)[3]
獅子頭を土鍋に入れ、弱火で長時間加熱してつくる料理。獅子頭の食べ方としてはポピュラーなものである。
清燉蟹粉獅子頭(チンドゥン シェフェン シーズトウ)[3]
上海蟹を練りこんだ獅子頭を用いる清燉獅子頭。揚州の名物料理。
紅焼獅子頭
獅子頭の醤油煮込み。

歴史[編集]

の第2代皇帝(在位:604年 - 618年煬帝として知られる)が揚州を巡幸したとき、揚州の四大景勝地である萬松山、金錢墩、象牙林、葵花崗を気に入り、それぞれの景勝地をテーマとした料理を作らせた[3]。それが、松鼠桂魚中国語版、金銭蝦餅、象牙鶏、葵花献肉の4つであるが、この中の葵花献肉が獅子頭の原型になったとされる[3]。なお、葵花献肉は「ヒマワリ肉団子」の意味である[3]

その後、の時代になり、料理人の韋巨元がある宴席で葵花献肉などを振る舞ったところ、一同が絶賛し、葵花献肉は、ヒマワリから獅子に格上げされ、獅子頭と呼ばれるようになったとされる[3]

文化の中の獅子頭[編集]

『獅子頭(シーズトォ)』[3]
楊逸の長編小説。朝日新聞夕刊に連載されていた。
獅子頭作りの腕前が評価され、日本の料理店にスカウトされ、妻子を残し日本へとやってきた中国人料理人を描く。

出典[編集]

  1. ^ a b 獅子頭(シーズートウ)”. ユウキ食品. 2024年4月2日閲覧。
  2. ^ キシダ. “獅子頭(シーズートウ)”. クラシル. 2024年4月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 獅子頭”. 80C. 中華料理百科 (2012年6月19日). 2024年4月2日閲覧。