東芝メモリ

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東芝メモリ株式会社
Toshiba Memory Corporation
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
105-8001
東京都港区芝浦1丁目1番1号
浜松町ビルディング
設立 2017年(平成29年)2月10日
業種 電気機器
法人番号 5010401129746
事業内容 半導体メモリ及び関連製品の開発・製造・販売事業及びその関連事業
代表者 代表取締役 成毛康雄
資本金 100億円
発行済株式総数 3,000株
主要株主 東芝 100%
主要部門 半導体メモリ製造
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東芝メモリ株式会社(とうしばメモリ)は、日本東京都港区に拠点を置く東芝グループの半導体メーカー。主にNAND型フラッシュメモリを製造する。

2017年平成29年)4月1日に、東芝の半導体メモリ事業を承継した[1]

世界有数の半導体メーカーであり、IHSから発表された2017年の半導体メーカー売上高ランキングでは、世界第8位の市場シェアを持つ[2]

設立の経緯[編集]

NAND型フラッシュメモリは、工学博士である舛岡富士雄が東芝に勤務していた1980年代に発明したものである。近年、東芝の半導体メモリ事業の主力製品は、このNAND型フラッシュメモリとその応用製品(ソリッドステートドライブなど)であった。半導体メモリ事業は直近の2015年(平成27年)度に、8,456億円の売上で1,100億円の営業利益を稼ぎ出し[3]、東芝の主力事業の一つとなっていた。

また、スマートフォンの大容量化、データセンターにおけるFlash SSDの普及などを背景に、将来性も申し分ない事業であった。このため、東芝は2016年(平成28年)3月の段階で、半導体メモリ事業を原子力事業と並ぶ「経営の柱」に位置付けていたが[4]、2016年(平成28年)12月、東芝グループの原子力企業ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー(ウェスティングハウス)が買収した原子力サービス会社CB&I(ストーン&ウェブスター)の資産価値が想定を大きく下回るため、東芝グループの会計において、巨額の損失額を計上しなければならない見込みであることが発覚した[5]。その結果、何の資本対策もとらない場合、東芝グループは2016年度期末決算で大幅な債務超過に陥り、東京証券取引所の二部に降格する見通しとなった。

一般に、債権者に迷惑をかけることなく債務超過を解消する方法としては、増資(新株の発行)や優良資産・事業の売却がある。しかしながら、東芝の場合、2015年(平成27年)に発覚した粉飾決算の影響で、東京証券取引所名古屋証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定されたままであったため、新株発行で増資による債務超過の解消は不可能であった。また、東芝は黒字の優良子会社「東芝メディカルシステムズ」を2016年(平成28年)にキヤノンに売却したところであり、債務超過の解消に必要な数千億円から兆円規模の売却益が期待できる事業は、半導体メモリ事業以外に残されていなかった。

このため、東芝は本体の半導体メモリ事業を分社化した上で売却し、その売却益により債務超過を解消する途を選択することを余儀なくされた[3]。わずか1年前に自らが「経営の柱」と位置付けた事業を手放さざるを得なくなったのである。東芝メモリは、東芝における上述の債務超過解消目的のために2017年(平成29年)2月10日に設立した会社である[1]

2017年(平成29年)4月1日、東芝本体の半導体メモリ事業は、吸収分割により東芝メモリが承継した[1]。新会社の発足に伴う行事は特になかった[6]。今後、東芝は3月29日締切りの入札に応じた企業の内から売却先を選定し、東芝メモリの株式を売却する予定である。

4月1日の時点で、東芝メモリの株式入札には、アメリカ合衆国Apple(アップル)GoogleAmazon.comウェスタン・デジタル中華民国鴻海精密工業大韓民国SKハイニックスなどが参加し、日本の企業が参加しなかったと報じられている[7]

8月31日、東芝は「産業革新機構ベインキャピタル日本政策投資銀行からなるコンソーシアム」、「ウェスタン・デジタル社を含む企業連合」、「鴻海精密工業を含む企業連合」の3陣営と売却交渉を継続していることを発表した[8]

9月7日、鴻海が東芝メモリの親会社である東芝に対して行った買収提案において、アメリカのアップル、キングストンテクノロジー、日本のシャープソフトバンクグループの参加が明らかになった[9]

9月28日、東芝は、ベインキャピタルを軸とする企業コンソーシアムが設立する株式会社Pangeaと、東芝メモリの全株式を2兆円で譲渡する契約を締結した。なお株式会社Pangeaは、東芝から3,505億円の再出資を受けるとともに、ベインキャピタル、HOYA、SKハイニックス、Apple(アップル)、キングストンテクノロジー、シーゲイト・テクノロジーDell Technologies Capitalからも直接・間接に資金調達を行う。株式会社Pangeaは日系企業が出資比率の過半を占める予定。なお東芝の再出資により発生が見込まれる議決権については、産業革新機構及び日本政策投資銀行に指図権を付与する予定[10]

関係会社[編集]

  • 東芝メモリシステムズ株式会社 (TMES)
  • 東芝メモリ岩手株式会社
  • 東芝メモリアドバンスドパッケージ株式会社 (TMEC)
  • 海外: Toshiba Memory America, Inc. (TMA)
  • Toshiba Memory Europe GMBH (TME)
  • Toshiba Memory Asia, Ltd. (TMAL)
  • Toshiba Electronics(China) Co., Ltd. (TELS)
  • Toshiba Memory Singapore Pte. Ltd. (TMSP)
  • Toshiba Memory Semiconductor Taiwan Corporation (TMET)
  • Toshiba Memory Taiwan Corporation (TMTC)
  • Toshiba Memory Korea Corporation (TMKC)

主な製品[編集]

フラッシュメモリ[編集]

東芝は、舛岡富士雄を中心にフラッシュメモリの開発を進め、1980年 NOR型フラッシュメモリを、1986年 NAND型フラッシュメモリを発明した。

DRAMでのサムスン電子を始めとする、外国企業への技術流出の反省から、NAND型フラッシュメモリ開発では、サンディスクと共同で三重県四日市市の「四日市工場」で生産し、日本での製造を徹底して、秘密主義と集中投資の方針を貫き[11]2006年から2008年までの2年間、世界シェア2位の確保していた[12]iPod nanoなど、フラッシュメモリ型オーディオプレーヤーやSDメモリーカードなどにフラッシュメモリを提供していた。

四日市工場[編集]

四日市工場はウェスタン・デジタル傘下のサンディスクと共同で投資を行ったメモリ事業の一大拠点であり、東芝とサンディスクのNAND型フラッシュメモリの全量を三重県四日市市で生産している[13]。所在地(三重県四日市市山之一色町800番地[14])は、四日市市中心部(近鉄四日市駅)から車で30分程度、東名阪自動車道四日市東ICから車で5分の場所である[15]

2016年12月時点で、敷地面積は約61.0ヘクタール、従業員数は6,200人であり[16](物流関係を含めると1万人以上[6])、世界でも有数規模の半導体メモリ製造工場である。

四日市工場は1992年(平成4年)1月に発足し、翌年から本格稼働を始めた[17]。当初の生産品目はDRAMであったが、1999年(平成11年)にNAND型フラッシュメモリの生産を開始する一方、2001年(平成13年)に汎用DRAMの生産を終了した[17]。以降2017年(平成29年)に至るまで、主力製品は一貫してNAND型フラッシュメモリである[17]

1993年(平成5年)に「第1製造棟」が本格稼働してDRAMの生産を始めて以来、工場は拡張を繰り返してきた[14]。1996年(平成8年)には「第2製造棟」の稼働が開始した[14]インターネット・バブル崩壊後、四日市工場は停滞期を経験したが、主力製品がNAND型フラッシュメモリに移行した後は、需要の急拡大に合わせて、工場の拡張が急速に進められた。

2005年(平成17年)には「第3製造棟」が稼動開始、2007年(平成19年)には「第4製造棟」が稼働開始、2011年(平成23年)には「第5製造棟(第1期)」が稼働開始、そして2014年(平成26年)には「第5製造棟(第2期)」が稼働開始した[14][16]。2016年(平成28年)には、「第2製造棟」を取り壊して建設していた「新・第2製造棟」が竣工し、量産を開始した[18][19]

2017年(平成29年)現在、「第6製造棟」と「開発センター」が建設中である[20]

新規拠点の整備へ[編集]

2017年(平成29年)9月6日、東芝は四日市工場に続く新たな拠点を岩手県北上市に定めると発表[21]し、新工場建設の準備が開始された。北上市にはシステムLSIを製造する東芝の半導体生産子会社(ジャパンセミコンダクター)があり、その近くに建設する[22]

北上市へのNAND型フラッシュメモリ製造工場の建設は、2008年(平成20年)に四日市工場への第5製造棟建設とともにいったん表明していた[23]が、リーマンショック後の景気低迷などを理由として凍結されていた[24]

もともと、世界で先駆けてNAND型フラッシュメモリを開発し、製品化した東芝が、1992年(平成4年)に初めて量産を開始したのは岩手東芝エレクトロニクス(現・ジャパンセミコンダクター岩手事業所)においてであり[25]、約四半世紀の時を経て、NAND型フラッシュメモリの量産拠点が岩手に戻ってくることとなった。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 当社メモリ事業の会社分割に係る吸収分割契約の締結について(東芝、2017年2月24日)
  2. ^ With its Highest Growth Rate in 14 Years, the Global Semiconductor Industry Topped $429 Billion in 2017, IHS Markit Says | Business Wire
  3. ^ a b 当社メモリ事業の会社分割による分社化の方針の決定について(東芝、2017年1月27日)
  4. ^ 東芝「2本柱」戦略、1年もたず 原発見直し表明(日本経済新聞 速報、2017年1月27日)
  5. ^ CB&Iの米国子会社の買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について(東芝、2016年12月27日)
  6. ^ a b 分社化で発足の東芝メモリ 社員が初出勤(NHK News Web、2017年4月3日)
  7. ^ グーグル・アマゾン入札、争奪戦に…東芝半導体(Yomiuri Online、2017年4月1日)
  8. ^ 東芝メモリ株式会社への外部資本導入に関する状況について(東芝、2017年8月31日)
  9. ^ 鴻海の東芝メモリ買収案、ソフトバンク、米アップルなど6社連合(ブルームバーグ、2017年9月7日)
  10. ^ 東芝メモリ株式会社の株式譲渡契約締結に関するお知らせ(東芝、2017年9月28日)
  11. ^ 東芝が大規模投資でサムスンに迫る・NAND型フラッシュ08年予測、iPhoneの大増産がカギ ビジネス-データで読むIT市場:IT-PLUS”. 2009年12月4日閲覧。
  12. ^ INVENTOR OF FLASH MEMORY ~実績が示す信頼の東芝フラッシュメモリ~ 東芝 Pocket Media”. 2009年12月4日閲覧。
  13. ^ NAND型フラッシュメモリ(東芝、2017年4月3日閲覧)
  14. ^ a b c d 工場概要
  15. ^ 当工場へのアクセス
  16. ^ a b 四日市工場のご説明(東芝、2016年12月7日)
  17. ^ a b c 四日市工場20年の歩み
  18. ^ 東芝四日市工場の新・第2製造棟の竣工について(東芝、2016年7月15日)
  19. ^ 世界最大の半導体フラッシュメモリ工場 情報化社会を支えるジャパンテクノロジー(東芝、2016年7月13日)
  20. ^ 四日市工場の第6製造棟および開発センターの起工について(東芝、2017年2月9日)
  21. ^ 東芝メモリ株式会社の新規拠点決定について (PDF)”. 東芝 (2017年9月6日). 2017年10月14日閲覧。
  22. ^ “北上に半導体新工場” (PDF). 岩手日報. (2017年9月6日). http://www.iwate-np.co.jp/PDF/2017/toshiba170906.pdf 2017年10月14日閲覧。 
  23. ^ 半導体新製造棟の建設について”. 東芝 (2008年2月19日). 2017年10月14日閲覧。
  24. ^ “<東芝>岩手・北上に半導体新工場 18年着工、WDの譲歩も狙う”. 河北新報. (2017年9月7日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201709/20170907_32021.html 2017年10月14日閲覧。 
  25. ^ 世界初のNAND型フラッシュメモリー”. 東芝未来科学館. 2017年10月14日閲覧。

外部リンク[編集]