宋文洲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
そう ぶんしゅう
宋 文洲
生誕 1963年6月25日(52歳)[1]
中華人民共和国の旗 中国 山東省栄成市
出身校 中国東北大学
北海道大学大学院
職業 実業家

宋文洲(そう ぶんしゅう、Song Wen-Zhou、1963年6月25日 - )は、中国出身の企業家、経営コンサルタント、経済・経営評論家。ソフトブレーン株式会社創業者。現在は同社マネージメント・アドバイザー。成人後に来日した外国人として初めて日本の証券市場(東証マザーズ)に上場を果たす。実際に日本で経営者として成功した外国人の立場で、理にかなわない日本的経営を批判することが多い。日本的経営が存在せず、世の中に良い経営と悪い経営しか存在しないというのが持論で終身雇用や残業文化には批判的。

経歴[編集]

1963年生まれ。中国山東省栄成市出身で中国国籍。1985年7月中国東北大学工学部卒業。1985年9月中国国費留学生として来日、1986年4月北海道大学大学院に入学。1990年3月北海道大学大学院工学研究科博士課程修了(資源工学専攻岩石力学講座)。1991年3月「2点法によるトンネルライニングの応力測定法に関する研究」により博士号を取得。

北海道大学大学院を修了した宋は、天安門事件を嫌いそのまま北海道に住み続けた。札幌市内の会社に就職したものの、3か月で倒産してしまう。就職した会社が倒産して職を失った為、自身が大学時代に開発した土木解析ソフトの販売を始める。この解析ソフトは、当時スーパーコンピューターを使用して行なわれていた解析作業をパソコンで出来るように改良したソフトで、ゼネコン建設コンサルタントを中心に売れた。この時に得た資金を元にして札幌市内でソフトブレーン社を設立すると共に、後に組織的営業を支援するソフトの開発とコンサルティング業務を事業化。ソフトブレーンが開発したソフトは「プロセスマネージメント」と呼ばれる管理手法に基づいて設計されている[2]

ソフトブレーンはこの営業支援ソフトで急成長を遂げ、2000年12月に東証マザーズに上場を果たし、宋は成人後に来日した外国人として上場を果たした最初の人となった。2004年6月に東証二部、2005年6月に東証一部へ市場変更した。宋は「創業者はいつまでも経営すべきではない」「経営者の流動性は必要だ」との考えを示し、一部上場を果たした後に代表権を社長に譲り取締役会長に退いた。2006年8月31日には取締役からも退き、マネージメント・アドバイザーに就任した[3]。2009年より中国北京に生活拠点を移した。2013年末現在、ソフトブレーン発行済株式の13.04%を有する筆頭株主である。

主張[編集]

  • 根性や人情に頼る古いスタイルの営業を否定し、科学的で組織的な営業に転換すべきとの主張している。2012年初頭に出版の「やっぱり変だよ日本の営業」は当時のトヨタ自動車の張富士夫会長などの著名経営者から推薦を受けた。
  • 日本的経営が存在せず、世の中に良い経営と悪い経営しか存在しないと主張。早い段階から物作りへの過剰な偏重を批判し、非製造業や非製造部門への経営改革を提唱。残業文化や終身雇用への批判も早かった。これらの主張は宋文洲の多くの著書やインタビューの中で繰り返されていたが、「ここが変だよ、日本の管理職」に多くの記述が見付かる。
  • 日本の人材流動性が低くとグローバル人材が欠如しているとの主張も多い。新卒から採用し少しずつ偉くなり社長になるシステムを漬物かめに例え、フレッシュな人材が長く入れば皆特色を失い、無難な経営者になる。このため、社内でしか通用しない経営者と管理職が増え、海外事業の際、現地の人材を確保したうえ、海外でも評価される人事制度が作れない。外国人のエリートや経営者を集めるが、活用できないことが日経企業の弱点であるとよく主張する。

発言[編集]

尖閣諸島[編集]

  • 2013年2月17日に日本テレビの番組「真相報道_バンキシャ!」にコメンテーターとしてゲスト出演した際、2日前に起きた2013年チェリャビンスク州の隕石落下を伝えるニュースの中で、「尖閣に落ちて島がなくなれば、領土問題がなくなり、日中友好に戻れる」といった趣旨の発言をし、約20分後に女性アナウンサーが「スタジオで不適切な発言がありました」と謝罪した[4]。この件について後日、自身のメルマガにおいて、「私の発言趣旨への歪曲に対して私は断固として反対し、その歪曲に基づく批判も一切拒否します。また、平和を真摯に願う話を政治化した上、謝罪の強要は言論の自由を保障する日本の法律に違反していると考えます」と反論した上で、「日本テレビさんが私の了解もなしに「不適切」と釈明した」のはクレーム対応であって、例え方が下手だったとしても発言自体は日中友好を願ったものであり、法律的、人権的に不適切なところはなかったと述べている[5]
  • 尖閣諸島問題に関して、2013年4月15日の環球時報のコラムにおいて「尖閣諸島は元々台湾に属しており、台湾が中国のものであるから尖閣も中国のものであり、よって(中国に)返還されなければならない」という論法で尖閣諸島における日本の領有権を否定する立場を明らかにしている。また、同コラムでは「中国は戦勝国として軍を派遣して、米軍と一緒に沖縄と九州を占領する資格があったので、そうしていれば小さな無人島(尖閣諸島)の問題でもつれあうことはなかった」という見解も述べている[6]

歴史認識[編集]

  • 日中戦争を美化(侵略性を否定)したり、南京事件を否定したりする日本の政治家や公人に対して、中国への入国や中国側要人との接触を禁止したり、香港やマカオも含めた金融機関の口座凍結等の金融制裁を科す、といった内容の「侵略戦争支持罪」なる法律の制定を提案している[7][8]

著書[編集]

  • やっぱり変だよ日本の営業(2002年:日経BP企画
  • 宋文洲の傍目八目 (2007年:日経BP社
  • 仕事ができる人は「負け方」がうまい(2009年:角川学芸出版
  • 「厚顔」のススメ(2009年:小学館
  • ここが変だよ 日本の管理職(2010年:祥伝社
  • 華僑流おカネと人生の管理術(2011年:朝日新聞出版
  • 「きれいごと」を言い合っても世の中は変わらない (2011年:生産性出版

メディア出演[編集]

ほか

脚注[編集]

  1. ^ ソフトブレーン株式会社 有価証券報告書(第14期 2005年1月1日〜12月31日) (PDF)
  2. ^ 宋文洲『やっぱり変だよ日本の営業』日経BP企画、2002年、ISBN 4931466656
  3. ^ 取締役の異動に関するお知らせ (PDF)
  4. ^ 「隕石、尖閣に落ちれば」 日テレ「バンキシャ!」で不適切発言 MSN産経 2013年2月17日
  5. ^ 未だに固く信じる”. 宋文洲のメルマガの「読者広場」 (2013年2月22日). 2013年2月23日閲覧。
  6. ^ 宋文洲:中国在钓鱼岛争端中的第二个胜利 环球网 2013年4月15日
  7. ^ Twitter / sohbunshu 2013年12月27日
  8. ^ 宋文洲:中国应尝试立法打击部分日本政客 环球网 2013年4月25日

外部リンク[編集]

日本語[編集]

中国語[編集]