守口大根

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1.漬ける前の大根
2.扶桑町の2か所に設置されている守口大根シンボルタワーの画像提供をお願いします。2011年1月
モリグチダイコン
分類クロンキスト体系
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: フウチョウソウ目 Capparales
: アブラナ科 Brassicaceae
: ダイコン属 Raphanus
: ダイコン R. sativus
品種 : モリグチダイコン
学名
Raphanus sativus L. var. longipinnatus L.H.Bailey
和名
守口大根
英名
Moriguchi Daikon

守口大根(もりぐちだいこん)は、ダイコンの品種のひとつである。飛騨・美濃伝統野菜に認定されており、2007年にはなにわの伝統野菜に認定された[1]

特徴[編集]

通常の大根より細長く、直径は2-3cm、長さは約120cmに達し、長いものは180cm以上になる[2]。2013年には愛知県丹羽郡扶桑町の農家が育てた191.7cmの守口大根が「世界最長の大根」としてギネス世界記録に認定された[3]。一般の大根に比べて身が締まって固いため、漬物に適している[4]。味は辛いとされる。守口大根は栽培効率が悪く、栽培できる土壌が限られる。収穫にはごぼう収穫にも用いられるルートディガーと呼ばれる機械を使用し、土を振動させて上方に引っ張る[4]

歴史[編集]

大阪の守口大根[編集]

16世紀頃には、摂津国大阪天満宮付近、長柄、橋寺、守口などで長大根が栽培されていた[1]。この大根は宮前大根と呼ばれていたが、河内国守口(現在の大阪府守口市)の特産であった糟漬の原料であったことから、守口大根と呼ばれるようになった[5]。その後も大阪や守口など淀川沿岸で生産されていたが、第二次世界大戦後は都市化の進行にともなって農地が減少し、大阪府内での生産は途絶えた[1]。名称の由来となった守口市では、2000年代になって大阪府での栽培復活に向けた取り組みが行われている[1]

愛知・岐阜の守口大根[編集]

江戸時代には中国から長大根が伝わり、大名に献上されていた[2]。17世紀には岐阜でホソリ大根や美濃干大根と呼ばれる長大根が生産されており、主に切り干し大根に使用されていた。この長大根はやがて守口漬に使用されるようになり、守口大根という名称に変わっていった[4]。戦後には愛知県にも導入された。

現在では愛知県丹羽郡扶桑町が全国の総生産の60%以上を占めており[3]、市場に流通する守口大根は扶桑町と岐阜県岐阜市の2地域のみで生産されている[4]。この地域は水はけが良いことや、木曽川に面した地域の地質が砂状で柔らかく、粒子の細かい適度に砂の混ざった土壌であることから、地下へ細く長く伸びる当品種の生産に適しているとされる。生産者と漬物業者との契約によって栽培量が決められているため、一般の商店に生の守口大根が並ぶことはない[4]

利用[編集]

主な利用方法として、名古屋名物として知られる守口漬が挙げられる。これは守口大根を酒粕で漬け込んだ漬物奈良漬に近いもの)である。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 守口大根守口市
  2. ^ a b 守口大根扶桑町
  3. ^ a b 世界最長とギネス認定 191・7センチの守口大根スポニチ、2013年11月23日
  4. ^ a b c d e 守口大根愛知県漬物協会
  5. ^ 梅室 (2005)、pp.23-24.

参考文献[編集]

  • 梅室英夫 「日本を代表する地大根基本品種と在来大根」『考える大根:大根読本』 東京農業大学、NPO法人「良い食材を伝える会」監修、東京農業大学出版会、2005年、4-35頁。ISBN 4-88694-168-0
  • 田中章吾 『守口漬ものがたり 創業者たちの横顔』 中日新聞社、2002年

関連項目[編集]