吉岡徳仁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
吉岡徳仁 (Tokujin Yoshioka)
吉岡徳仁.jpg
吉岡徳仁
生誕 (1967-01-20) 1967年1月20日(50歳)
国籍 JPN
公式サイト http://www.tokujin.com

吉岡 徳仁(よしおか とくじん、1967年1月20日)は、日本のデザイナーである。

デザインや建築、アートなどの領域で活動し、人間の感覚を超越する、自然をテーマにした作品は、世界で高く評価されている。

国際的なアワードを多数受賞し、作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やポンピドゥーセンター、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)など、世界の主要美術館に永久所蔵されている。[1]

アメリカNewsweek誌による「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれている。[2]

人物・略歴[編集]

1967年佐賀県生まれ。

幼少時代からレオナルド・ダ・ヴインチの影響を受け、油絵などの絵画を学び、科学に興味をもつ。

1986年に桑沢デザイン研究所を卒業後、倉俣史朗と三宅一生のもとでデザインを学ぶ。

2000年、吉岡徳仁デザイン事務所を設立。

デザインや建築、現代美術の領域において活動し、自然をテーマにした作品は、国際的に高く評価されている。

「Tornado」/Design Miami/2007

人間のあらゆる感覚を、光、音、香りなどの非物質的な要素で形象化することにより、形という概念を超える、独自の表現を生み出している。

光を透過するあらゆる素材により、自然が生み出す壮大なエネルギーを表現した作品は、見る者の体験や記憶とリンクし完成される。

その人間の感覚を超越する作品は、日本独自の自然観を映し出し、エネルギーやオーラを知覚する、日本文化の根源が追求されている。


Issey Miyakeをはじめ、Cartier、Swarovski、Louis Vuitton、Hermès、ToyotaやLexusなど、グローバル企業のデザインを多く手がけており、イタリアで開催されるミラノサローネ(Salone del Mobile Milano)[3]では、イタリアの家具ブランドKartell、Moroso、Glas Italia、Driadeなどと新作を発表している。

世界で最も活躍するデザイナーに与えられる、Design Miami・Designer of the Yearや、Elle Deco International Design Awards・Designer of the Year、Milano Design Awardなどの国際的なアワードを受賞している。

代表作品[編集]

「Water Block - ガラスのベンチ」/2002
「Water Block - ガラスのベンチ」/オルセー美術館/2011(2002)

自然構造の椅子 2001年〜

紙の椅子「Honey-pop」(2001)は、平面から立体へと変化する椅子。わずか1センチに積層させた120枚の薄紙を広げることでハニカム(蜂の巣)構造となり、人が座ることで形状が固定され完成する。[4] 「PANE chair」(2006)は、植物の繊維構造のように、1ミリの細い繊維が絡みあうことで構造を生み出している。制作プロセスは、繊維の塊を紙管に入れ、まるでパンを焼くように釜に入れ、熱をかけることで、椅子の形状が記憶される。[5] 自然結晶の椅子「Venus – Natural crystal chair」(2008)は、水槽の中で自然結晶を成長させることで結晶構造を生み出し、椅子へと変化させる作品。

ガラスプロジェクト 2002年〜

ガラスのベンチ「Water Block」(2002)、「Transparent Japanese House」(2002)、雨に消える椅子「Chair that disappears in the rain」(2002)、「Waterfall」 (2005-2006)、「ガラスの茶室 – 光庵」(2015)、「Water Block - KATANA」(2017)などの作品を発表している。ガラスのベンチ「Water Block」は、2011年よりパリのオルセー美術館に展示されている。[6]

オルセー美術館 2011年〜

パリのオルセー美術館において、印象派ギャラリーのリニューアルプロジェクトに参加。マネやドガ、モネ、セザンヌ、ルノワールに代表される印象派の絵画とともに、ガラスのベンチ「Water Block」10作品が常設展示されている。印象派が描いた光と調和し、歴史と現代の新しい対話が始まる空間を創出している。

クリスタライズドプロジェクト 2008年〜

自然結晶の椅子「Venus – Natural crystal chair」(2008)は、水槽の中で自然結晶を成長させることで結晶構造を生み出し、椅子へと変化させる作品。一つの楽曲が一つの絵画となる作品、「Swan Lake - 結晶の絵画」、「Destiny - 運命」、「Moonlight - 月光」などの作品は、結晶の成長過程において音楽を聴かせ、音の振動によって結晶の形状を変化させることにより完成する。「Rose - 薔薇の彫刻」は、薔薇の色素を結晶化させた彫刻であり、生命のエネルギーを表現している。[7]

「虹の教会 - Rainbow Church」 2010年・2013年

500個ものクリスタルプリズムから生み出された建築「虹の教会 - Rainbow Church」は、光を知覚する人間の感覚に着目し、見る者が光を体感することにより完成する作品。光そのものが表現されており、プリズムから放たれる分光が空間全体に映し出されることで、虹色に満たされる建築である。[8]

「ガラスの茶室 - 光庵」 2011年・2015年

2011年、第54回 ヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展にて「ガラスの茶室 - 光庵」を建築プロジェクトとして発表し、2015年に京都の天台宗青蓮院門跡境内、将軍塚青龍殿の大舞台に設置された。[9] 将軍塚青龍殿には、日本三大不動の一つに数えられる国宝 青不動明王が奉納されており、標高220メートルの大舞台からは京都市街を一望することができる。この場所は、延暦13年(794年)に桓武天皇が訪れ、京都盆地を見おろしながら京都こそが都にふさわしいと確信し、それをきっかけに都の建設に着手したという日本の文化を象徴する京の都の始まりとなった場所とも言われている。[10]

「Snow」/森美術館/2010(1997)

代表作

2000年 Tokujin Yoshioka Design

2000年 Tofu/Yamagiwa

2001年 Honey-pop – 紙の椅子

2001年 THINK ZONE/森ビル

2002年 Water Block – ガラスのベンチ

2002年 Transparent Japanese House − 透明な日本民家

2002年〜2003年 Chair that disappears in the rain – 雨に消える椅子

2004年 Souffle/Maison Hermès

「Rainbow Church – 虹の教会」/東京都現代美術館/2013(2010)

2005年〜2007年 MEDIASKIN/au design project KDDI

2006年 The Gate - Tokujin Yoshioka x Lexus L-finesse

2006年 Waterfall

2006年 PANE chair

2007年 Tornado/Design Miami

2007年 Rainbow chair

2007年 Tear Drop/Yamagiwaa

2006年〜2008年 Swarovski Ginza旗艦店

2007年〜2008年 VENUS – Natural crystal chair – 自然結晶の椅子

2007年〜2008年 Crystallized Painting – 結晶の絵画/Moonlight/Destiny/Unfinished

2008年 Eternal/Swarovski Crystal Palace

2010年・1997年 Snow

2009年 Moon Fragment/Cartier

2009年 Lake of Shimmer/Basel World/Swarovski

2010年 X-RAY/KDDI iida

2010年 Stellar/Swarovski Crystal Palace

2010年・2013年 Rainbow Church – 虹の教会

2011年 ガラスの茶室 - 光庵/第54回ヴェネツィア・ヴィエンナーレ国際美術展

Glasstress 2011

2011年 パリのオルセー美術館・印象派ギャラリー・リニューアルプロジェクト

2013年 Crystallized Painting – Swan Lake - 結晶の絵画、Spider's Thread – 蜘蛛の糸、Rose – 薔薇の彫刻

2013年 Wings of Sparkle/Basel World/Swarovski

2014年 Cartier Time Art - Mechanic of Passion/Power Station of Art

2011年〜2015年 ガラスの茶室 – 光庵/京都将軍塚青龍殿

2017年 Spectrum

2017年 Water Block – KATANA

2017年 S.F chair

主な展覧会[編集]

「ガラスの茶室 − 光庵」/2011 (2015)

1998年〜2000年 ISSEY MIYAKE Making Things/カルティエ財団現代美術財団、Ace Gallery NY、東京都現代美術館

2002年 Tokujin Yoshioka Honey-pop、MDS/G

2005年〜2006年 Tokujin Yoshioka x Lexus L-finesse/Museum of Permanente

2005年 Stardust/Swarovski Crystal Palace/Milano Design Week

2007年 Tornado/Design Miami/Designer of the year 2007

2007年 Tokujin x Moroso/Milano Design Week

2009年 Story of … Memories of Cartier Creations/東京国立博物館表慶館

2008年 Second Nature展/21_21 DESIGN SIGHT

2010年 Sensing Nature ネイチャー・センス展/森美術館

2010年 The Invisibles Snowflake/Kartell Gallery

「ガラスの茶室 − 光庵」/京都将軍塚青龍殿/2015 (2011)

2011年 TWILIGHT – Tokujin Yoshioka/Moroso/Milano Design Week

2011年 Tokujin Yoshioka:Waterfall/Sharman Contemporary Art Foundation

2011年 ガラスの茶室 − 光庵/第54回ヴェネツィア・ヴィエンナーレ国際美術展 Glasstress 2011

2011年〜2012年・2014年 Cartier Time Art/Bellerive Museum、Artscience Museum、Power Station of Art

2012年 TOKUJIN YOSHIOKA 2012 CREATOR OF THE YEAR/Maison & Objet

2013年 TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize/東京都現代美術館

2014年 第14回ヴェネツィア・ヴィエンナーレ国際建築展 2014

2015年 Make Yourself Comfortable/Chatsworth House

2015年 吉岡徳仁展 – Tornado/佐賀県立美術館

2015年 ガラスの茶室 – 光庵/京都将軍塚青龍殿

2017年 TOKUJIN YOSHIOKA_SPECTRUM/資生堂ギャラリー

2017年 TOKUJIN YOSHIOKA x LG : S.F_Senses of the Future/Milano Design Week

世界の美術館による永久所蔵[編集]

「Honey-pop」/2001

ニューヨーク近代美術館(MoMA)(アメリカ)

ポンピドゥー・センター(フランス)

オルセー美術館(フランス)

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)(イギリス)

クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館(アメリカ)

ヴィトラ・デザインミュージアム(ドイツ)

シカゴ美術館(アメリカ)

サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)

「PANE chair」/ 2006

セントルイス美術館(アメリカ)

モントリオール美術館(カナダ)

東京都現代美術館(日本)

イスラエル美術館(イスラエル)

サムスン美術館リウム(韓国)

佐賀県立美術館(日本)

主な受賞歴[編集]

1997年 JCD Design Award大賞(日本)

2000年 I.D. Annual Design Review(アメリカ)

2001年 I.D. Annual Design Review(アメリカ)、A&W Award The Coming Designer for the Future(ドイツ)

2002年 2001年度毎日デザイン賞(日本)

2005年 Talents du Luxe(フランス)

2007年 第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞(芸術振興部門)(日本)

2007年 グッドデザイン賞金賞(日本)

2007年 Design Miami/Designer of the Year 2007(アメリカ)

2008年 Wallpaper Design Awards 2008/Best furniture designer(イギリス)

2008年 DFA Design for Asia Awards/Grand Awards 2008(香港)

2009年 Elle Deco International Design Awards/Designer of the Year 2009(イタリア)

2010年 The 100 Most Creative People in Business 2010(アメリカ)

2010年 TOKYO Design & Art ENVIRONMENTAL AWARDS/Artist of the Year(日本)

2011年 A&W Architektur & Wohnen/Designer of the Year 2011(ドイツ)

2012年 Maison & Objet/Creator of the Year 2012(フランス)

2016年 Elle Deco International Design Awards(EDIDA) 2016(イタリア)

2017年 Milano Design Award 2017 最高賞(イタリア)

書籍/作品集[編集]

2001年「Tokujin Design」(ギャップ出版、日本)

2006年「Tokujin Yoshioka Design」英語版/日本語版(ファイドン、イギリス)

2008年「Second Nature セカンド・ネイチャー」(求龍堂、日本)

2009年「みえないかたち」(エスクァイア マガジン ジャパン、日本)

2010年「ネイチャー・センス SENSING NATURE」(平凡社、日本)

2010年「TOKUJIN YOSHIOKA」(リッツォーリ、アメリカ)

2013年「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」(青幻舎、日本)

TV出演[編集]

『プロフェッショナル 仕事の流儀』第53回(2007年6月5日放送)NHK

『情熱大陸』(2010年6月20日放送)毎日放送

『日曜美術館』「ネイチャー・センス展」(2010年9月26日放送)NHK

『極上美の饗宴』(2012年3月5日放送)NHK

『SWITCH インタビュー達人達』(2014年3月8日放送)NHK

『日曜美術館』「ガラスの茶室 – 光庵」(2015年6月28日放送)NHK

『日曜美術館』「吉岡徳仁 スペクトル」(2017年2月17日放送)NHK

脚注[編集]

外部リンク[編集]