冨田裕樹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
冨田 裕樹
とみた ひろき
生年月日 (1976-08-04) 1976年8月4日(44歳)
出身校 立命館大学経営学部
京都大学公共政策大学院
前職 広告代理店社長
足立康史衆議院議員公設第一秘書
不動産業[1]
現職 池田市長
所属政党大阪維新の会→)
無所属
公式サイト 冨田ひろきオフィシャルウェブサイト

Flag of Ikeda, Osaka.svg 第22代池田市長
当選回数 1回
在任期間 2019年4月23日[2] - 現職

当選回数 1回
在任期間 2015年4月 - 2019年4月
テンプレートを表示

冨田 裕樹(とみた ひろき、1976年8月4日 - )は、日本政治家大阪府池田市長(1期)。元大阪維新の会顧問、元池田市議会議員(1期)。

来歴[編集]

関西大倉高等学校から立命館大学経営学部に進学[3]。高校時代からアメリカンフットボールを始め、大学でも立命館大学パンサーズに所属し、椎間板ヘルニアの負傷からリハビリで復帰した経験を持つ[3]

大学卒業後は広告代理店、次いで重度障がい者自立支援事業所の運営にあたる[3]大阪維新の会による「維新政治塾」に一期生として参加後、足立康史公設第一秘書を経て、2015年池田市議会議員に当選[3]。この間、京都大学公共政策大学院で政治学・国際関係学を学び、2016年3月に修了した[3]

2019年4月の池田市長選挙に大阪維新の会の公認で立候補する[4][5]。市長選挙では報酬の30%カットや事業見直しを公約に掲げた[5]。対立候補(前市長倉田薫の子息)に対する「世襲」批判票も取り込み、5000票近い差を付けて当選した[4]

不祥事[編集]

市長就任後、私物の自転車型トレーニング器具やストレッチ器具などを市庁舎内の市長控室に持ち込んで使用していたほか、2020年9月には自宅にあった簡易サウナを事務所スタッフらとともに市長室付近の女子トイレに搬入し使用していた事を同年10月にデイリー新潮が報じた[6]。冨田はその後記者会見を行い、「ヘルニアなどで腰などを痛めており、リハビリなどのためだった」と釈明したうえで「公私混同と思われる行動だった」と謝罪、器具などの使用にかかった光熱費を算出し返金する意向を示した[7][8]

11月17日に冨田はサウナの利用に使った電気使用料690円を13日付で市に返金したと発表した[9]。さらに同月19日には冨田が退勤後東大阪市内にある妻の実家に帰るなど、私的に利用したタクシーチケット代約16万円も電気代と合わせて返金していたことが明らかとなり、冨田は「通勤に準ずるものと理解していたが、公私混同というところを見つめ直した」と釈明した[10]

議会側は「一連の報道を受け、看過できない」として維新会派を除く全会派が百条委員会(百条委)の設置案を共同提出し、11月26日の市議会臨時会で維新系4人と議長を除く17人の賛成で可決された[11]。同日、「一身上の都合」を理由に大阪維新の会を離党した[12]

2021年1月13日に百条委が開かれ、この中で秘書課長は7月中旬ごろに冨田から指示を受け同課宛てに送られてきたベッドを組み立てたことを明らかにし、「本意ではなかったが、そうせざるを得なかった」と述べた。また、百条委は不適切な庁舎利用問題のほかに市職員に対するパワーハラスメント疑惑などについても調査を進めており、渡辺千芳委員長は市職員800人に対して行われた情報提供を求めるアンケートの結果、「パワハラの実態が浮き彫りになった」と指摘した[13]。2月24日に開かれた百条委では、新型コロナウイルス感染症に関わる緊急の用件で担当職員が市長室を訪ねた際、控室として利用されている女子トイレから大音量の音楽が流れており、職員がノックをすると『今大事なことをしているので15分待って』と言われたことなどが明らかとなり、冨田はこれに対し「サウナで体調管理していたと思う。イメージトレーニングをして今後の市政などについて考えていた」と述べ、業務に支障はなかったとの認識を示した[14]。パワハラについては冨田は百条委で否定していたが、3月下旬にはAERA dot.が「恫喝」「叱責」が疑われる録音データを入手。冨田はこのデータの内容についても「心当たりありません」と回答した[15]

また、3月12日の百条委では、冨田がサウナ問題の情報を流したのは秘書課職員であると主張し、副市長に対し聞き取りを指示するなど市長主導で“犯人捜し”が行われていたことが明らかとなった。情報を流したと疑われた職員は、問題が発覚した10月の下旬に冨田の後援会長と副市長の間で、会話の口外を禁止する「秘密保持契約」を交わしていた。この際に職員は後援会長から「情報提供者であることを認めたら将来を約束する」「警察が動いたらもとの生活には戻れない」などと言われ、恐怖を感じ契約に署名したことを明かした[16][17]。3月25日の百条委では市長専用の市駐車場定期券を支援者らが使用できるようにしていたことや、2020年夏に市内で発生した新型コロナウイルスのクラスターに関連して、議会で当時の所在を問われた際、実際には九州を訪れていたにも関わらず、「淡路島に家族と帰省していた」と虚偽の答弁を行っていたことも明らかとなり、委員からは「市長としての資質に著しく欠ける」「進退を明らかにすべきだ」などと厳しい指摘が相次いだ[18][19]

3月29日の市議会では、市議5人から提案された冨田に対する不信任決議案が賛成少数で否決された。提案議員は市長のサウナ設置やパワハラ疑惑などを挙げ「市長が自ら辞職しない以上、市議会が市長を解任するために一刻も早く辞職を求めるべきだ」などと提案理由を説明した。一方、反対した議員らからは「報告書案が出た後、議会の総意をもってはかるべきだ」などの意見が目立った[20]。4月12日の百条委で「不信任決議が相当」とする報告書案が全会一致で可決された[21]。報告書案では、冨田がサウナの設置理由として腰痛のためと主張していた事ついて、具体的な通院履歴も治療実態も示されてないことや、冨田が2020年9~10月の間、市役所に17日間寝泊まりしていたこと、職員に対し「お前のその態度は何や、民間やったらクビや」などと怒鳴ったり、自身の使用済みの濡れたタオルなどを洗濯させたりしたことが記された。また、市長専用の市駐車場定期券を支援者に使わせていた件では、計46回・金額に換算して6万円以上利用されており、報告書案は「公職選挙法で禁じられている寄付行為、利益供与にあたる可能性もある」と指摘した[22]

4月26日、冨田は「けじめと責任を取る」として辞職する意向を表明。辞職時期については高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種に一定の目処が立ち次第と述べ明言を避けた。また、不信任案可決を回避したい考えを示し、可決された場合は市議会を解散し、自らも辞職して市長選に立候補する「ダブル選挙」に持ち込む可能性が高いと述べた[23][24]。冨田は会見で、辞職の理由はあくまで「騒動の責任をとるため」とし、パワハラ疑惑などの議会の指摘については認めない姿勢を示したほか、「池田社会の停滞を招く『闇』との闘い」と書かれたフリップまで用意し、自身は池田市の闇と戦ってきたなどと主張した[25]

市議会は27日の臨時市議会で不信任決議案を再度提出したが、維新と公明党が反対に回り、賛成は可決に必要な17人に届かず、15人に留まり否決された。一方、冨田が百条委で後援会長の「秘密保持契約」の経緯や、駐車場定期券の取り扱いについて虚偽の陳述をしたとして地方自治法違反容疑で大阪地検に刑事告発する議案は可決された[26][27]。公明党は同日午前の市議会では「高齢者のワクチン接種を理由付けに利用するなど、卑劣極まりない発言であります。時間稼ぎしているとしか考えられません。なぜ、このような見苦しい言い逃れに終始するのか」[28]「公人としての自覚があるなら、即刻辞職していただきたい」(荒木真澄市議)など厳しく市長を追及していたが、一転して反対に回った理由について「不信任決議案が可決されれば、間違いなく無謀な選挙をするのではないか。コロナ禍では市民のことを考えないといけない」と説明[29]。また、冨田が「政府は7月末をめどに高齢者のワクチン接種を済ませたいとしている」と答弁したことから、辞職時期に関する「言質を取れた」と判断した[30]

脚注[編集]

  1. ^ “’19統一地方選:市長選立候補者 /大阪”. 毎日新聞. (2019年4月20日). https://mainichi.jp/articles/20190420/ddl/k27/010/472000c 2020年10月23日閲覧。 
  2. ^ 各選挙の任期満了池田市
  3. ^ a b c d e 冨田ひろきオフィシャルウェブサイト
  4. ^ a b “抜き打ち「世襲」裏目 池田市長選”. 朝日新聞. (2019年4月23日). https://www.asahi.com/articles/CMTW1904232800001.html 2019年5月1日閲覧。 
  5. ^ a b “大阪・池田市長の“世襲”に「待った」 足立議員が強調する大阪W選との違い”. 東京スポーツ. (2019年4月4日). https://www.tokyo-sports.co.jp/social/1334937/ 2019年5月1日閲覧。 
  6. ^ “家庭用サウナ持ち込み市長“電気代690円”を返還”. 毎日放送. (2020年11月17日). https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201117/GE00035779.shtml 2020年11月19日閲覧。 
  7. ^ “大阪府池田市長が役所内にサウナ持ち込み使用 「体調管理のため」 運動器具も”. 毎日新聞. (2020年10月23日). https://mainichi.jp/articles/20201023/k00/00m/040/274000c 2020年10月23日閲覧。 
  8. ^ “市庁舎にサウナ設置で謝罪 池田市長「持病リハビリ」”. 日本経済新聞. (2020年10月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65405540T21C20A0AC8000/ 2020年10月23日閲覧。 
  9. ^ “役所にサウナ持ち込んだ大阪府池田市長 返還した電気代は690円”. 毎日新聞. (2020年11月17日). https://mainichi.jp/articles/20201117/k00/00m/040/126000c 2020年11月19日閲覧。 
  10. ^ “サウナ使用分の電気代返還した大阪府池田市長、タクシー代16万円も返還”. 毎日新聞. (2020年11月19日). https://mainichi.jp/articles/20201119/k00/00m/040/317000c 2020年11月19日閲覧。 
  11. ^ “池田市長サウナ設置問題で百条委設置 市議会”. 朝日新聞. (2020年11月27日). https://www.asahi.com/articles/ASNCV72DNNCTPPTB004.html 2020年11月27日閲覧。 
  12. ^ “市役所内にサウナ設置の市長、「一身上の都合」で大阪維新の会離党”. 読売新聞. (2020年11月30日). https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201130-OYT1T50103/ 
  13. ^ “池田市長サウナ問題 秘書課長「ベッド組み立てた」”. 産経新聞. (2021年1月13日). https://www.sankei.com/west/news/210113/wst2101130015-n1.html 2021年1月18日閲覧。 
  14. ^ “市長「サウナで市政イメトレ」大阪・池田市議会百条委で証人尋問”. 毎日新聞. (2021年2月24日). https://mainichi.jp/articles/20210224/k00/00m/040/195000c 2021年2月25日閲覧。 
  15. ^ サウナ市長の音声データ入手! パワハラ疑惑も噴出「黙れ」「顔出せ」と恫喝(2/2)”. AERA.dot (2021年3月24日). 2021年3月24日閲覧。
  16. ^ “大阪府池田市長サウナ問題 後援会長らによる「秘密保持契約」も”. 産経新聞. (2021年3月11日). https://www.sankei.com/affairs/news/210311/afr2103110041-n1.html 2021年3月25日閲覧。 
  17. ^ “サウナ問題で池田市長側が「犯人捜し」主導 職員「恐怖感じた」”. 毎日新聞. (2021年3月12日). https://mainichi.jp/articles/20210312/k00/00m/040/272000c 2021年3月25日閲覧。 
  18. ^ “池田市長サウナ問題 百条委「資質にかける」と指摘”. 産経新聞. (2021年3月25日). https://www.sankei.com/affairs/news/210325/afr2103250018-n1.html 2021年3月25日閲覧。 
  19. ^ “池田市長サウナ問題 「不適切」「自ら辞職を」 百条委で委員が意見”. 毎日新聞. (2021年3月25日). https://mainichi.jp/articles/20210325/k00/00m/040/353000c 2021年3月25日閲覧。 
  20. ^ “サウナ問題の池田市長不信任決議案否決 「百条委報告待って判断」”. 毎日新聞. (2021年3月29日). https://mainichi.jp/articles/20210329/k00/00m/040/329000c 2021年3月29日閲覧。 
  21. ^ “サウナ持ち込んだ大阪・池田市長「不信任、告発が相当」”. 毎日新聞. (2021年4月12日). https://www.asahi.com/amp/articles/ASP4D3VPCP48PPTB001.html 2021年4月25日閲覧。 
  22. ^ “サウナ持ち込みの大阪・池田市長が辞職表明「心よりおわび」”. 毎日新聞. (2021年4月26日). https://mainichi.jp/articles/20210426/k00/00m/040/152000c 2021年4月29日閲覧。 
  23. ^ “サウナ問題で池田市長が辞意 「高齢者の接種終えたら」”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2021年4月26日). https://www.asahi.com/articles/ASP4V3FSMP4VPPTB001.html 2021年4月26日閲覧。 
  24. ^ 辞任表明も「ワクチン接種終わるまで」と居座るサウナ市長へ迫る包囲網(全2ページ)”. AERA.dot (2021年4月27日). 2021年4月27日閲覧。
  25. ^ 辞意を表明も“まだ辞めない” サウナ持ち込みの池田市長 フリップまで持ち出し熱弁”. ABCニュース (2021年4月26日). 2021年4月27日閲覧。
  26. ^ “大阪・池田市長不信任案を否決、刑事告発議案は可決 サウナ問題 ”. 産経新聞. (2021年4月27日). https://www.sankei.com/affairs/news/210427/afr2104270033-n1.html 2021年4月27日閲覧。 
  27. ^ “大阪・サウナ問題 池田市長の告発状を提出”. 産経新聞. (2021年4月28日). https://www.sankei.com/affairs/news/210428/afr2104280027-n1.html 2021年4月29日閲覧。 
  28. ^ “池田市長の不信任案 公明反対で「否決」”. 読売テレビニュース. (2021年4月27日). https://www.ytv.co.jp/press/kansai/95211.html 2021年4月27日閲覧。 
  29. ^ “サウナ問題の市長不信任案、否決 公明3人一転して反対”. 朝日新聞. (2021年4月27日). https://www.asahi.com/articles/ASP4W6RCXP4WPTIL01V.html 2021年4月27日閲覧。 
  30. ^ “不信任案否決の大阪・池田市長 7月末めどに辞職か”. 産経新聞. (2021年4月27日). https://www.sankei.com/politics/news/210427/plt2104270050-n1.html 2021年4月27日閲覧。 

外部リンク[編集]

公職
先代:
倉田薫
Flag of Ikeda, Osaka.svg大阪府池田市長
2019年 -
次代:
現職