中庭健介

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中庭 健介
Kensuke NAKANIWA
フィギュアスケート選手
2003年NHK杯での中庭健介
生誕 (1981-10-15) 1981年10月15日(42歳)
福岡県福岡市
身長 170cm
選手情報
引退 2011年
ISUパーソナルベストスコア
総合182.742006 GP中国杯
SP63.702007 GPNHK杯
FS122.012006 GP中国杯

中庭 健介(なかにわ けんすけ、英語: Kensuke Nakaniwa, 1981年10月15日 - )は、日本の元フィギュアスケート選手(男子シングル)。2008年、2009年オンドレイネペラメモリアル優勝。2009-2010シーズン日本スケート連盟特別強化選手。

現在は、MFアカデミーのヘッドコーチとして、後進の指導にあたっている[1]

人物[編集]

福岡市出身。血液型はO型、福岡大学卒業[2]

4回転トウループを得意とし、「4回転跳べなくなったら、もうフィギュアスケートやめます」と言うほどの自信を持っている[3]。一方、アクセルは苦手としている[4]

経歴[編集]

自宅近くに香椎アイススケートセンターがあったことがきっかけでスケートを始めた。小学2年でスケート教室に入った後、石原美和の誘いを受けて小学3年から競技に取り組み始める[5][6][7]

2005-2006シーズンは、トリノオリンピックを目前に控えているにもかかわらず、前年度の世界ランキング36位以内に入れなかったためグランプリシリーズへの出場を逃した。ゴールデンスピンに出場した際、鈴木明子に帯同していた長久保裕と石原美和にアドバイスを受けたことがきっかけで、2人の指導を受けるようになった[3]

2007-2008シーズンの全日本選手権では、ショートプログラム終了時点で3位につけ、3枠の世界選手権出場枠が手の届くところまで来ていた。しかしフリースケーティング南里康晴に逆転され、わずか0.87点差の4位で2008年世界選手権出場を逃した。

2008-2009シーズン、唯一出場した国際スケート連盟主催大会中国杯で記録したスコアはシーズンベストランキング59位にとどまり、また世界ランキングも24位以内から陥落したことから翌シーズンのグランプリシリーズ出場機会を失った一方、オンドレイネペラメモリアルにて国際大会初優勝を飾った。

2011年に引退。現在は指導者として活躍している。

指導者として[編集]

現役引退後、福岡県福岡市のパピオアイスアリーナを拠点に指導者としてのキャリアを積む。

2021年春、千葉県船橋市にある三井不動産アイスパーク船橋を練習拠点としたMFアカデミー開校にあたり、ヘッドコーチとして招聘される[8]

主な担当選手[編集]

主な戦績[編集]

2002-2003シーズン以降[編集]

大会/年 2002-03 2003-04 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11
四大陸選手権 11 8 6 8 12
全日本選手権 3 6 2 3 5 4 6 12 9
GP中国杯 5 10
GPエリック杯 7
GPNHK杯 11 8 8
GPロシア杯 8 10
GPスケートアメリカ 10
NRW杯 5 6
メラーノ杯 7
ウィンターゲームズNZ 1
オンドレイネペラメモリアル 1 1
ゴールデンスピン 7
冬季アジア大会 3
冬季ユニバーシアード 3 4

2001-2002シーズンまで[編集]

大会/年 1997-98 1998-99 1999-00 2000-01 2001-02
全日本選手権 9 5 4
冬季ユニバーシアード 9
世界Jr.選手権 13
全日本Jr.選手権[9] 2 2 3
JGP SBC杯 8
JGPモントリオール杯 3
JGP中国杯 10
JGPソフィア杯 10
JGP B.シュベルター杯 13

詳細[編集]

2010-2011 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2010年12月24日 - 27日 第79回全日本フィギュアスケート選手権長野 10
62.09
7
129.43
9
191.52
2010年11月30日 - 12月5日 2010年NRW杯ドルトムント 6
59.39
5
121.50
6
180.89
2009-2010 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2009年12月25日-26日 第78回全日本フィギュアスケート選手権門真 8
68.52
18
100.62
12
169.14
2009年11月14日-15日 2009年メラーノ杯メラーノ 8
55.81
6
111.35
7
167.16
2009年11月6日-7日 2009年オンドレイネペラメモリアルピエシュチャニ 3
63.35
1
123.68
1
187.03
2009年8月29日-30日 ウィンター・ゲームズ ニュージーランドダニーデン 1
62.67
1
126.91
1
189.58


2008-2009 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2008年12月25日-27日 第77回全日本フィギュアスケート選手権長野 7
67.80
6
116.38
6
184.18
2008年12月4日-7日 2008年NRW杯ドルトムント 4
59.96
4
125.46
5
185.42
2008年11月22日-11月23日 2008年オンドレイネペラメモリアルブラチスラヴァ 4
54.87
1
118.75
1
173.62
2008年11月5日-9日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 7
61.90
11
103.04
10
164.94


2007-2008 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2008年2月11日-17日 2008年四大陸フィギュアスケート選手権高陽 11
55.82
12
111.55
12
167.37
2007年12月26日-28日 第76回全日本フィギュアスケート選手権大阪 3
71.30
4
127.64
4
198.94
2007年11月28日-12月2日 ISUグランプリシリーズ NHK杯仙台 7
63.70
9
117.00
8
180.70
2007年11月15日-18日 ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯パリ 5
62.70
7
114.91
7
177.61


2006-2007 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2007年2月7日-10日 2007年四大陸フィギュアスケート選手権コロラドスプリングス 9
55.34
6
121.69
8
177.03
2007年1月28日-2月4日 第6回アジア冬季競技大会長春 4
59.03
3
120.10
3
179.13
2006年12月27日-29日 第75回全日本フィギュアスケート選手権名古屋 6
68.25
5
132.83
5
201.08
2006年11月9日-12日 ISUグランプリシリーズ 中国杯南京 6
60.73
6
122.01
5
182.74


2005-2006 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2006年1月23日-29日 2006年四大陸フィギュアスケート選手権コロラドスプリングス 5
63.29
7
113.90
6
177.19
2005年12月23日-25日 第74回全日本フィギュアスケート選手権東京 3
71.50
4
129.12
3
200.62
2005年11月10日-13日 2005年ゴールデンスピンザグレブ 5
51.51
9
100.32
7
151,83


2004-2005 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2005年2月14日-20日 2005年四大陸フィギュアスケート選手権江陵 7
56.71
10
105.90
8
162.61
2005年1月12日-22日 ユニバーシアード冬季競技大会インスブルック 8 3 4
2004年12月24日-26日 第73回全日本フィギュアスケート選手権横浜 3
63.89
2
127.50
2
191.39
2004年11月4日-7日 ISUグランプリシリーズ NHK杯名古屋 6
61.01
7
120.26
8
181.27


2003-2004 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2003年12月25日-26日 第72回全日本フィギュアスケート選手権長野 7 6 6
2003年11月27日-30日 ISUグランプリシリーズ NHK杯旭川 9
61.85
11
83.44
11
145.29
2003年11月20日-23日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯モスクワ 11
50.43
10
96.16
10
146.59


2002-2003 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2003年2月10日-16日 2003年四大陸フィギュアスケート選手権北京 7 12 11
2003年1月15日-26日 ユニバーシアード冬季競技大会タルヴィジオ 2 3 3
2002年12月19日-22日 第71回全日本フィギュアスケート選手権京都 4 3 3
2002年11月21日-24日 ISUグランプリシリーズ ロシア杯モスクワ 8 7 8
2002年10月23日-27日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカスポケーン 11 10 10


2001-2002 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2001年12月21日-23日 第70回全日本フィギュアスケート選手権大阪 7 3 4
2001年2月10日-15日 ユニバーシアード冬季競技大会ザコパネ 5 10 9
2000年12月8日-10日 第69回全日本フィギュアスケート選手権長野 6 5 5


1999-2000 シーズン
開催日 大会名 クラス 予選 SP FS 結果
2000年3月5日-12日 2000年世界ジュニアフィギュアスケート選手権オーベルストドルフ ジュニア 7 9 16 13
1999年12月24日-26日 第68回全日本フィギュアスケート選手権福岡 シニア - 9 9 9
1999年11月19日-21日 ISUジュニアグランプリ SBC杯長野 ジュニア - 11 8 8
1999年9月29日-10月3日 ISUジュニアグランプリ モントリオール杯モントリオール ジュニア - 5 3 3


1998-1999 シーズン
開催日 大会名 クラス SP FS 結果
1999年4月7日-11日 1999年トリグラフトロフィーイェセニツェ ジュニア 2 5 4
1998年10月20日-25日 ISUジュニアグランプリ 中国北京 ジュニア 12 9 10
1998年9月17日-20日 ISUジュニアグランプリ ソフィア杯ソフィア ジュニア 7 11 10


1997-1998 シーズン
開催日 大会名 クラス SP FS 結果
1997年10月8日-11日 ISUジュニアシリーズ ブラオエン・シュベルター杯ケムニッツ ジュニア 13

プログラム使用曲[編集]

シーズン SP FS EX
2009-2010 レイエンダ
演奏:ヴァネッサ・メイ
映画『ブレイブハート』サウンドトラック
作曲:ジェームズ・ホーナー
四季
作曲:アントニオ・ヴィヴァルディ
2008-2009 映画『ニュー・シネマ・パラダイス』サウンドトラック[10] 映画『ブレイブハート』サウンドトラック[10]
作曲:ジェームズ・ホーナー
ユア・ビューティフル
歌:ジェームス・ブラント
2007-2008[11] サラバンド
演奏:マクシム・ムルヴィツァ
振付:デヴィッド・ウィルソン
映画『ブレイブハート』サウンドトラック
作曲:ジェームズ・ホーナー
振付:デヴィッド・ウィルソン
Cerezo Rosa
演奏:ペレス・プラード
振付:宮本賢二
2006-2007[7] アランフェス協奏曲
作曲:ホアキン・ロドリーゴ
振付:阿部奈々美
映画『ふたりでスロー・ダンスを』サウンドトラック
作曲:ビル・コンティ
振付:アレクサンドル・ズーリン
映画『ロミオ+ジュリエット』サウンドトラック
作曲:Des'ree
振付:中庭健介
映画『LIMIT OF LOVE 海猿』サウンドトラック
作曲:佐藤直紀
振付:中庭健介
2005-2006[12] サラバンド
演奏:マクシム・ムルヴィツァ
作曲:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
振付:デヴィッド・ウィルソン
映画『ロード・オブ・ザ・リング』サウンドトラック
作曲:ハワード・ショア
振付:デヴィッド・ウィルソン
映画『ロミオ+ジュリエット』サウンドトラックより「Kissing You」
作曲:Des'ree
振付:中庭健介
2004-2005 四季』より「冬」
作曲:アントニオ・ヴィヴァルディ[13]
映画『ロード・オブ・ザ・リング』サウンドトラック
作曲:ハワード・ショア
振付:デヴィッド・ウィルソン[12]
映画『ウォーターボーイズ』サウンドトラック
作曲:佐藤直紀
2003-2004 ロミオとジュリエット
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
映画『ロード・オブ・ザ・リング』サウンドトラック
振付:ロバート・ダウ岩本英嗣[12]
2002-2003 サマー[12] コーニッシュ・ラプソディ
作曲:Hubert Bath[12]
伝説のチャンピオン[13]
2001-2002 ロメオとジュリエット
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
映画『ゲティスバーグの戦い 南北戦争 運命の3日間』サウンドトラック
作曲:ランディ・エデルマン[12]
1998-1999 ドン・キホーテ[12]
1996-1997[14] 泥棒とかささぎ - -

脚注[編集]

  1. ^ 先生紹介 - 三井不動産アイスパーク船橋”. 三井不動産アイスパーク船橋. 2022年10月9日閲覧。
  2. ^ 上坂美穂編『オール・アバウトフィギュアスケート』ぴあ(ぴあワンダーランドSpecial)、2005年11月、p.62
  3. ^ a b 『Cutting Edge 2007』p.23
  4. ^ 『Cutting Edge 2007』p.28
  5. ^ 梅田香子「きょうだいスケーター大特集 きょうだい対談・3 中庭健介×中庭弘二」『フィギュアスケートDays vol.2』DAI-X出版、2007年3月、pp.10-11
  6. ^ 八木沼純子著『日本フィギュアスケート 氷上のアーティストたち』日本経済新聞社、2005年11月、p.193
  7. ^ a b 『Cutting Edge 2007』p.86
  8. ^ フィギュアスケートアカデミー2021 年新春開校”. 三井不動産アイスパーク船橋. 2022年10月9日閲覧。
  9. ^ 『Cutting Edge』p.27
  10. ^ a b 「2008全日本選手権レポート 男子シングル」『フィギュアスケートDays vol.8』ダイエックス出版、2009年2月、pp.26-29
  11. ^ 『Cutting Edge 2008 日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック』DAI-X出版、2007年12月、p.50
  12. ^ a b c d e f g 『Cutting Edge』p.90
  13. ^ a b 『Cutting Edge』p.25
  14. ^ 『男子シングル読本』p.28

外部リンク[編集]