ロイ・ハロッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ロイ・ハロッド
ポスト・ケインズ派経済学
生誕 (1900-02-13) 1900年2月13日
ロンドン
死没 (1978-03-08) 1978年3月8日(満78歳没)
ノーフォーク、ホルト
国籍 イギリスの旗 イギリス
研究分野 マクロ経済学、経済成長論、国際経済学
母校 オクスフォード大学ニューカレッジ
影響を
受けた人物
ジョン・メイナード・ケインズ
実績 ハロッド=ドーマー・モデル
テンプレートを表示

ロイ・ハロッド(Roy Forbes Harrod、1900年2月13日 - 1978年3月8日)は、イギリス経済学者ジョン・メイナード・ケインズの弟子であり、ポスト・ケインジアンの一人。オックスフォード大学で長く教授を務めた。ケインズ経済学の動学化を行い、エブセイ・ドーマーと別々に発表した経済成長論のモデルは、後に「ハロッド・ドーマーモデル」として一般化された。また、国際経済学・不完全競争理論の分野でも業績がある。

略歴[編集]

  • 1900年 父ヘンリー・ドオズ・ハロッドと母フランソワ・マリー・デジレ・ハロッドの一人息子としてノーフォークに生まれる
  • 1914年 ウェストミンスター・スクールに入学
  • 1918年 在学中、志願して第1次世界大戦に従軍するも、まもなく休戦
  • 1919年 オクスフォード大学ニュー・カレッジに入る
  • 1922年 オクスフォード大学卒業(在学中、「ブルームズベリ・グループ」の会員達に影響を受ける)
  • 1922年 オクスフォード大学クライスト・チャーチの講師に就任、のちケインズを訪問
  • 1924年 オクスフォード大学クライスト・チャーチのスチューデント(フェローに相当)になる
  • 1927年 最初の論文「銀行政策に関するロバートソン氏の見解」発表
  • 1929年 経済学の講師(1937年まで)
  • 1933年 最初の著書『国際経済学』を出版 
  • 1935年 ケインズの『一般理論』校正に意見を述べる
  • 1938年 ナッフィールド・カレッジのフェローとなる
  • 1938年 ウィルヘルミナ・クレスウェルと結婚
  • 1940年 戦時中、総理大臣官房に勤務(1942年まで)
  • 1943年 海軍省統計顧問となる
  • 1945年 ケインズの後を受けて、『エコノミックス・ジャーナル』の共同編集者となる(~1961年)
  • 1946年 オクスフォード大学の経済学講師に復帰
  • 1954年 ふたたび、ナッフィールド・カレッジのフェローとなる
  • 1958年 ナッフィールド・カレッジの名誉フェローとなる
  • 1959年 「ナイト」の称号を受ける
  • 1962年 王立経済学会の会長に就任(~1964年)
  • 1967年 オクスフォード大学クライスト・チャーチのスチューデントを退き、名誉スチューデントとなる
  • 1978年 死去(78歳)

研究・人物[編集]

  • ハロッドはケインズ経済学の指導的推進者であり、ケインズの伝記作家でもある。『ケインズ伝』(原書1951年)はケインズの生涯よりも、著作の内容により多く語っているのが特徴である。
  • ハロッドはケインズの所得決定論を動学化したが、後になって類似の理論をE.ドーマーが発表し「ハロッド=ドーマー・モデル」と呼ばれるようになった。
  • この他にも、1930年代の不完全競争理論に貢献したり、国際経済論、国際金融論、金融論にも貢献した。
  • また、経済学以外に『帰納法論理の基礎』(原書1956年)を発表しているが、これはデイヴィッド・ヒュームの「帰納法の問題」を解こうとする重要な業績である。

日本語訳著書[編集]

  • 『ハロッド國際經濟學』、藤井茂訳、実業之日本社, 1943年(改訂版1958年、全訂新版1976年)
  • 『動態經濟學序説』、高橋長太郎・鈴木諒一訳、有斐閣、 1953年
  • 『ポンド・スターリング』、東京銀行調査部訳、実業之日本社、1953年
  • 『ケインズ伝』(上巻、下巻)」、塩野谷九十九訳、東洋経済新報社、1954年(改訳版1967年)
  • 『景気循環論―一試論』、宮崎義一浅野栄一訳、東洋経済新報社、1955年(新版1972年)
  • 『ドル』、東京銀行調査部訳、実業之日本社、1955年
  • 『現代のポンド』、東京銀行調査部訳、至誠堂、1959年
  • 『安定成長の通貨政策』、村野孝・海老沢道進訳、至誠堂、1960年
  • 『景気変動と国際金融―応用動態経済学論集』、塩野谷九十九訳、東洋経済新報社、1963年
  • 『国際通貨改革論』、堀江薫雄監訳、日本経済新聞社、1966年
  • 『新しい経済政策』、館龍一郎監訳、竹内書店、1969年
  • 『貨幣――歴史・理論・政策』、塩野谷九十九訳、東洋経済新報社、1974年
  • 『社会科学とは何か』、清水幾太郎訳、岩波書店岩波新書]、1975年
  • 『経済動学』、宮崎義一訳、丸善、1976年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]