シドニー・ワイントラウプ
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ポストケインズ派経済学 | |
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生誕 |
1914年4月28日 ニューヨーク |
死没 | 1983年6月19日 (69歳没) |
国籍 | アメリカ |
研究機関 |
ペンシルヴァニア大学 ニューヨーク大学 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE) |
シドニー・ワイントラウプ(Sidney Weintraub、1914年4月28日 - 1983年6月19日)は、アメリカのニューヨークで生まれた経済学者。アメリカのポスト・ケインジアンの重鎮であった。弟子には、ポール・デヴィッドソンがいる。ワイントラウブ、ワイントゥラウプ、ワイントロープなどと表記されることもある。
略歴
[編集]- 1914年 ニューヨークのブルックリン区に生まれた。
- 野球がやりたがったが、母の反対によりニューヨーク大学に行く。
- 1938年 - 1939年 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で大学院生として学んだが、第2次世界大戦が勃発したため帰国する。
- 1941年 ニューヨーク大学でPh.D.を取得する(博士論文『独占と経済体制』)。
- 1940年代 米国政府で勤務。
- 1949年 『価格理論』を出版。
- 1951年 ニューヨークの新社会研究学院(ニュースクール・フォー・ソーシャル・リサーチ)の教員となる。
- 1952年 ペンシルヴァニア大学の経済学教授となる(ペンシルヴァニア大学以外に、ミネソタ、ハワイ、ワーテルロー、カナダ、西オーストラリアの各大学で短期的な授業を行った)。
- 1958年 『所得分配の理論への接近』を出版。
- 1978年 ポール・デヴィッドソンとともにJournal of Post Keynesian Economicsを創刊。
- 1983年 死去(69歳)。
研究
[編集]- 『所得分配の理論への接近』はケインズ経済学のミクロ的基礎に関する研究だが、G・L・S・シャックルを除いて高く評価されず、アメリカでそれが流行するようになるのは1970年代に入ってからといえる。
- 賃金費用に対する価格のマーク・アップの経験的安定性から物価問題や所得分配問題にアプローチする方法を確立したことが挙げられる。WCM(Wage-Cost Mark-Up)理論に基づいて、‘Watchtower Approach’を提唱した。また、TIP(Tax-based Incomes Policy)の提案を生んだ(根井雅弘『異端の経済学』)。
主要著作
[編集]- 『ケインズ理論による雇用成長と所得分配』、松坂兵三郎訳、ダイヤモンド社、1968年
- 『物価と経済成長の一般理論』(現代経済学選書)、千種義人監修、水吉俊彦訳、巌松堂出版、1971年
- 『所得分配の理論への接近』(現代経済学名著選集16)、明治大学経済学研究会編、増沢俊彦訳、文雅堂銀行研究社、1976年