コンテンツにスキップ

トーンズ・アンド・アイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トーンズ・アンド・アイ
Tones and I
出生名 トニー・ワトソン
Toni Watson
別名
  • Tones
  • Tonah
出身地 オーストラリアの旗 オーストラリアメルボルン モーニントン半島
ジャンル
職業 シンガーソングライター
担当楽器
活動期間 2017年 -
レーベル
公式サイト www.tonesandi.com

トーンズ・アンド・アイ: Tones and I)は、オーストラリアシンガーソングライター。本名はトニー・ワトソン: Toni Watson)。

2019年3月1日、シングル「Johnny Run Away」でデビュー。同年5月10日にリリースした2枚目のシングル「Dance Monkey」が、オーストラリア、イギリスカナダイタリアなどの13か国の国際ヒットチャートで1位を記録する大ヒットとなり、国際的な名声を獲得した[1]

来歴

[編集]

1993年 - 2019年:初期のキャリア

[編集]

1993年5月13日、オーストラリアのメルボルン郊外にあるモーニントン半島で生まれる[2]。幼少期から歌うことを好み、お風呂に入っているときには常に歌を歌っていた[3]。高校生になり、キーボードサウンドエフェクトを用いて地元のライブハウスやフェスティバルで小さな演奏会を開くようになる[3]。学校を卒業後、音楽から離れてメルボルンの小売業者に就職したが、歌手になることを志し、24歳のときに仕事と並行してストリートパフォーマーとしての活動を開始した[1][4]

メルボルンでパフォーマンスを初めてすぐの2017年下旬、何をすれば成功を掴めるか自信が持てなかったため、友人の助言を受けてバンを購入。2週間の有給休暇を取り、シドニー北部の町バイロン・ベイでストリートパフォーマンスを行った[3][5]。するとパフォーマンスは予想を遥かに超える成功を収め[5]、そこで出会った音楽プロデューサーのウォークデン・ブラウンに見い出される[6][7]。ブラウンはのちのインタビューで、アウトキャストの「Hey Ya!」を歌うトニー・ワトソンを見たとき「顎が外れるほどの衝撃を受けた」と語っている[8]

バイロン・ベイでのパフォーマンス後、すぐに仕事を辞めてゴールドコーストにあるウォークデン・ブラウンのスタジオで働き、曲の制作活動を始めた[6]。2018年3月、本来であればデビューシングルをリリースする予定だったが、自身の能力向上とデビュー前にある程度のファン層を築いておきたいという理由で、自ら延期することを希望した[3][9]。その後8か月にわたり、平日はバンに寝泊まりしてひたすら曲を作り続け、週末はストリートパフォーマンスを行うという生活を送った[3][10]。2018年10月、ストリートパフォーマーのチャンピオンを決めるイベント「Battle of the Buskers」で勝利を収め[10]、翌年1月にソニーミュージックの関連会社であるバッド・バッチレコードと契約を結んだ[4]

2019年 - 現在:デビューと「Dance Monkey」の成功

[編集]

2019年2月18日、デビューシングル「Johnny Run Away」をオーストラリアのWebサイト「Triple J Unearthed」にアップロードした[3]。この曲は瞬く間にサイト上で話題になり、短時間で多くのレビューが投稿された[3]。また、動画をアップロードした12時間後にオーストラリアのティーンエイジャー向けのラジオ局・Triple J でこの曲が流れ、大きな反響を呼ぶこととなった[3]。この曲は、Triple J で流されたあとにラジオ界隈を中心に大きな話題を集め、2週連続でオーストラリアのラジオで最もプレイされた楽曲となった[5]。2週間後の3月1日、バッド・バッチレーベルから「Johnny Run Away」を正式なシングルとしてリリースした[5]。この曲は、オーストラリアのARIAシングルチャートで12位を記録してダブルプラチナ認定を受け、アイルランドでも83位を記録した[11][12]

5月10日、バッド・バッチレーベルとエレクトラ・レコードから2枚目のシングル「Dance Monkey」をリリースした[13]。この曲はリリース直後からオーストラリア全土で爆発的な売り上げを記録。その後徐々に世界各国へ広がりを見せ、イギリス、カナダ、イタリア、オランダノルウェーなどの13か国の国際チャート、35か国の公式チャートで1位を記録し、アメリカBillboard Hot 100 でも最高19位まで上昇した[14]。オーストラリアのARIAシングルチャートでは、エド・シーランの「Shape of You」の記録を破り17週間連続で1位をキープ[15]。イギリスの全英シングルチャートでは、エド・シーランとジャスティン・ビーバーの「I Don't Care」の8週連続1位の記録を破り、2019年の最長1位記録を樹立した[1]

Nova のインタビューで、「Dance Monkey」の歌詞について「この曲は私がストリートパフォーマーをしているときのこと、そしてそのとき感じていたプレッシャーについてを書いたの。私のパフォーマンスが少しでもつまらなく感じたら、観客はスマホを1回タップして他の娯楽を見つけようとするだけ。人々はスマホをタップすることに慣れすぎて、本当の楽しさに辿り着くまでの辛抱の大切さを忘れてしまっているわ」と語っている[16]

7月16日、3枚目のシングル「Never Seen the Rain」をリリース。この曲はオーストラリアのチャートで9位を記録した[17]。2日後の7月18日、オーストラリアで開催されたスプレンダー・イン・ザ・グラス・フェスティバルに出演。オープニングアクトとして新曲を含む6曲を披露し、同コンサートのオープニングアクトで最多となる2万人以上の動員数を記録した[2][18]

8月30日にリリースされたファーストEP「The Kids Are Coming」はオーストラリア、ノルウェー、カナダ、デンマークでトップ10入りを果たし、Billboard 200 で65位を記録した[19]。9月27日にEP「The Kids Are Coming」から4枚目のトラックとして、同名のシングル「The Kids Are Coming」をリリースし、オーストラリアで65位を記録した[20]。11月27日に開催されたARIAミュージック・アワードでは、8部門でノミネートされ「最優秀女性アーティスト賞」「ブレイクスルーアーティスト賞」など4部門で受賞した[5][21]

音楽性

[編集]

音楽性については、その特徴的な歌声を称賛されることが多い。Real Sound の Kei は「一度聴いたら忘れ難い声」[10]、Stack のゾーイ・ラダスは「シーアのような自信に満ちた唸り声」と表現している[22]

曲の歌詞はメッセージ性の強いものが多く、ファーストシングルの「Johnny Run Away」は父親との関係に不満を抱いていた友人を元に書かれた曲で、人々が家族や世界との共存や拒絶にどう対処しているかを「Johnny」というゲイの主人公の人生に沿って歌っている[23]。「The Kids Are Coming」は、地球温暖化や銃社会など、世界の様々な問題を作り上げた大人たちに問いかける詞となっている[10]

ディスコグラフィー

[編集]

アルバム

[編集]
タイトル 詳細 チャート最高位
AUS
[24]
CAN
[25]
DEN
[26]
FIN
[27]
FRA
[28]
IRE
[29]
NOR
[30]
NZ
[31]
SWE
[32]
US
[33]
Welcom to the Madhouse 1

[34]

36

[35]

39

[36]

38

[37]

144

[38]

EP

[編集]
タイトル 詳細 チャート最高位
AUS
[39]
CAN
[40]
DEN
[41]
FIN
[42]
FRA
[43]
IRE
[44]
NOR
[45]
NZ
[46]
SWE
[47]
US
[48]
The Kids Are Coming 3 10 8 19 31 40 3 23 15 65

シングル

[編集]
タイトル チャート最高位 認定 収録アルバム
AUS
[49]
DEN
[50]
FIN
[51]
GER
[52]
IRE
[53]
NOR
[54]
NOR
[55]
SWE
[56]
SWI
[57]
UK
[58]
Johnny Run Away 2019 12 83 The Kids Are Coming
Dance Monkey 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
Never Seen the Rain 9
  • ARIA: プラチナ[59]
The Kids Are Coming 65
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。


受賞とノミネート

[編集]

ARIAミュージック・アワード

[編集]
ノミネート対象 結果 Ref.
2019 Dance Monkey 最優秀女性アーティスト 受賞 [65]
ブレイクスルーアーティスト 受賞
ベストポップリリース 受賞
今年の曲 ノミネート
今年のビデオ ノミネート
The Kids Are Coming 今年のインディーズレーベルからのリリース 受賞
Dance Monkey から Konstantin Kersting[66] 今年のエンジニア ノミネート
今年のプロデューサー ノミネート

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c Tones And I、世界中が踊るバイラルヒット「Dance Monkey」13カ国首位”. 2019年11月30日閲覧。
  2. ^ a b 世界中でバズっている、オーストラリア発のニュー・スター Tones And I がデビューEP『The Kids Are Coming』をリリース!” (2019年11月21日). 2019年11月30日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Declan, Byrne (2019年2月21日). “Meet Tones And I, the busker with the bop that got Unearthed buzzing”. triplej. 2019年11月30日閲覧。
  4. ^ a b Artist Biography by Fred Thomas”. ALLMUSIC. 2019年10月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e オーストラリアから世界を制した女性アーティスト=Tones And I(トーンズ・アンド・アイ)のデビュー・アルバム” (2019年11月6日). 2019年11月30日閲覧。
  6. ^ a b Dance Monkey How Australian Busker Tones and I Scored a Global Hit”. Official Charts. 2019年11月30日閲覧。
  7. ^ Brandle, Lars. “When Jackson met Tones”. The Industry Observer. 2019年11月30日閲覧。
  8. ^ Lars, Brandle (2019年10月14日). “When Jackson met Tones: The story of how Australia’s biggest new star went from busking to the top of the charts”. 2019年11月30日閲覧。
  9. ^ Josh, Glicksman (2019年11月5日). “From Busking to Busting Records: Inside Tones And I's Meteoric Rise and Her Breakout Hit 'Dance Monkey'”. Billboard. 2019年12月1日閲覧。
  10. ^ a b c d kei (2019年9月28日). “デビュー1年で豪ソングスチャート制したTones And I、「Dance Monkey」で世界の心掴むか”. Real sound. 2019年11月30日閲覧。
  11. ^ TONES AND I - JOHNNY RUN AWAY (SONG)”. australian-charts.com. 2019年11月30日閲覧。
  12. ^ IRMA–Irish Charts”. 2019年11月30日閲覧。
  13. ^ Newstead, Al (2019年5月10日). “First Spin: Tones and I backs up her breakout single with 'Dance Monkey'”. triplej. 2019年11月30日閲覧。
  14. ^ Tones And I's Global Smash 'Dance Monkey' Swings On On Billboard Hot 100”. Billboard. 2019年11月30日閲覧。
  15. ^ TONES AND I BREAKS SINGLES CHART RECORD”. ARIA. 2019年11月30日閲覧。
  16. ^ Lachlan, Guertin (2019年7月26日). “Tones And I Explains How She Went From Busker To Festival Performer Within A Year”. NOVA. 2019年11月30日閲覧。
  17. ^ ARIA Australian Top 50 Singles”. Australian Recording Industry Association. 2019年12月1日閲覧。
  18. ^ Tones And I’s Splendour Set Was The Talk Of The Festival On Day One”. JUNKEE (2019年7月20日). 2019年12月1日閲覧。
  19. ^ Debuts on this week's #Billboard200 (3/3)”. 2019年12月1日閲覧。
  20. ^ ARIA Chart Watch #541”. 2019年12月1日閲覧。
  21. ^ “2019 ARIA Award Winners Announced”. ARIA. (2019年11月27日). https://ariaawards.com.au/News/2019/2019-ARIA-Award-Winners-Announced 2019年12月1日閲覧。 
  22. ^ Tones and I, ‘The Kids Are Coming’ EP review”. STACK (2019年8月28日). 2019年12月1日閲覧。
  23. ^ Tones And I - Johnny Run Away”. AIRIT. 2019年12月1日閲覧。
  24. ^ ARIA Australian Top 50 Albums”. Australian Recording Industry Association (2019年9月9日). 2019年9月7日閲覧。
  25. ^ Tones and I, Billboard Canadian Albums”. Billboard. 2019年11月19日閲覧。
  26. ^ Album Top-40 Uge 38, 2019”. Hitlisten. 2019年10月2日閲覧。
  27. ^ Tones and I”. IFPI Finland. 2019年9月8日閲覧。
  28. ^ Le Top de la semaine : Top Albums”. SNEP. 2019年10月22日閲覧。
  29. ^ IRMA – Irish Charts”. Irish Recorded Music Association. 2019年9月14日閲覧。
  30. ^ VG-lista – Topp 40 Album uke 37, 2019”. VG-lista. 2019年9月15日閲覧。
  31. ^ NZ Top 40 Albums Chart”. Recorded Music NZ (2019年9月9日). 2019年9月7日閲覧。
  32. ^ Veckolista Album, vecka 42”. Sverigetopplistan. 2019年10月19日閲覧。
  33. ^ Billboard 200: Week of November 30, 2019”. Billboard. 2019年11月26日閲覧。
  34. ^ ARIA Top 50 Albums Chart” (英語). www.aria.com.au. 2021年7月28日閲覧。
  35. ^ Billboard Canadian Albums” (英語). FYIMusicNews (2017年3月13日). 2021年7月28日閲覧。
  36. ^ Album 2021 uke 29”. topplista.no. 2021年7月28日閲覧。
  37. ^ The Official New Zealand Music Chart” (英語). THE OFFICIAL NZ MUSIC CHART. 2021年7月28日閲覧。
  38. ^ Billboard 200 Chart”. Billboard. 2021年7月28日閲覧。
  39. ^ ARIA Australian Top 50 Albums”. Australian Recording Industry Association (2019年9月9日). 2019年9月7日閲覧。
  40. ^ Tones and I, Billboard Canadian Albums”. Billboard. 2019年11月19日閲覧。
  41. ^ Album Top-40 Uge 38, 2019”. Hitlisten. 2019年10月2日閲覧。
  42. ^ Tones and I”. IFPI Finland. 2019年9月8日閲覧。
  43. ^ Le Top de la semaine : Top Albums”. SNEP. 2019年10月22日閲覧。
  44. ^ IRMA – Irish Charts”. Irish Recorded Music Association. 2019年9月14日閲覧。
  45. ^ VG-lista – Topp 40 Album uke 37, 2019”. VG-lista. 2019年9月15日閲覧。
  46. ^ NZ Top 40 Albums Chart”. Recorded Music NZ (2019年9月9日). 2019年9月7日閲覧。
  47. ^ Veckolista Album, vecka 42”. Sverigetopplistan. 2019年10月19日閲覧。
  48. ^ Billboard 200: Week of November 30, 2019”. Billboard. 2019年11月26日閲覧。
  49. ^ Peaks of songs in Australia:
  50. ^ Track Top-40 Uge 33, 2019”. Hitlisten. 2019年8月28日閲覧。
  51. ^ Tones and I – Suomen virallinen lista”. Musiikkituottajat – IFPI Finland. 2019年8月12日閲覧。
  52. ^ Discographie von Tones and I”. GfK Entertainment. 2019年9月20日閲覧。
  53. ^ IRMA – Irish Charts”. Irish Recorded Music Association. 2019年9月21日閲覧。
  54. ^ VG-lista – Topp 20 Single uke 31, 2019”. VG-lista. 2019年8月3日閲覧。
  55. ^ NZ Top 40 Singles Chart”. Recorded Music NZ (2019年9月9日). 2019年9月7日閲覧。
  56. ^ Discography Tones and I”. swedishcharts.com. 2019年6月21日閲覧。
  57. ^ Discography Tones and I”. hitparade.ch. 2019年8月19日閲覧。
  58. ^ Tones and I | full Official Chart history”. Official Charts Company. 2019年8月10日閲覧。
  59. ^ a b c ARIA Australian Top 50 Singles”. Australian Recording Industry Association (2019年11月18日). 2019年11月16日閲覧。
  60. ^ BRIT Certified - bpi” (To access, enter the search parameter "Tones & I" and select "Search"). British Phonographic Industry. 2019年10月14日閲覧。
  61. ^ Gold-/Platin-Datenbank”. 2019年11月19日閲覧。
  62. ^ Certificeringer | IFPI”. ifpi.dk. 2019年9月23日閲覧。
  63. ^ The Official Swiss Charts and Music Community”. Hitparade.ch - Swiss Charts. 2019年11月19日閲覧。
  64. ^ "New Zealand single certifications – Tones and I – Dance Monkey". Recorded Music NZ. 2019年11月23日閲覧
  65. ^ “2019 ARIA Award Winners Announced”. ARIA. (2019年11月27日). https://ariaawards.com.au/News/2019/2019-ARIA-Award-Winners-Announced 2019年11月27日閲覧。 
  66. ^ Tones and Iの専属プロデューサー

外部リンク

[編集]