デスロラタジン

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デスロラタジン
Desloratadine.svg
Desloratadine 3D ball-and-stick.png
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Clarinex (US), Aerius (EU), others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a602002
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
法的規制
投与方法 Oral (tablets, solution)
薬物動態データ
生物学的利用能 Rapidly absorbed
血漿タンパク結合 83 to 87%
代謝 肝臓
代謝物質 3-Hydroxydesloratadine
作用発現 1時間以内
半減期 27時間
作用持続時間 24時間まで
排泄 40% as conjugated metabolites into urine
Similar amount into the feces
識別
CAS番号
100643-71-8 チェック
ATCコード R06AX27 (WHO)
PubChem CID: 124087
IUPHAR/BPS 7157
DrugBank DB00967 チェック
ChemSpider 110575 チェック
UNII FVF865388R チェック
KEGG D03693  チェック
ChEBI CHEBI:291342 チェック
ChEMBL CHEMBL1172 チェック
化学的データ
化学式 C19H19ClN2
分子量 310.82 g/mol
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デスロラタジン (Desloratadine)は、三環系H1-抗ヒスタミン薬で、アレルギーの治療に使いられる。第二世代抗ヒスタミン薬ロラタジン活性代謝物英語版。ロラタジンと異なり代謝の競合のため飲み合わせの注意書きはない。日本では商品名デザレックスで販売され、アメリカではClarinex、欧州ではAerius。

日本の添付文書に眠気に関する使用上の注意がない。

医療用途[編集]

デスロラタジンは、アレルギー性鼻炎鼻詰まりの治療に用いられる[1]ロラタジンの主な代謝物質で、これらは有効性と安全性において同様である[1]。世界中で様々な商品名で、様々な用量の剤形で入手可能である[2]

新たな適応はにきびで、イソトレチノインの安価な補助剤として、あるいは場合によって維持療法とか、単剤治療で用いられる[3][4]

副作用[編集]

最も一般的な副作用は、疲労感口渇頭痛である[1]。2017年時点で日本の医薬品添付文書に運転など危険を伴う機会の操作に対する注意書きが書かれていない[5]

相互作用[編集]

デスロラタジンは相互作用を起こす可能性が低く、多くの相互作用を起こしやすい物質は体内でのデスロラタジンの濃度に影響を与えず、例えばケトコナゾールエリスロマイシングレープフルーツジュースの影響はないことが示される[6]

薬理[編集]

作用機序[編集]

選択的なH1-抗ヒスタミン薬で、ヒスタミンH1受容体受容体逆作動薬として機能する[7]

非常に高用量では、ムスカリン性アセチルコリン受容体英語版の様々なサブタイプの拮抗薬となるが、治療用量ではこの作用は生じない[8]

薬物動態[編集]

腸でよく吸収され、3時間ほどで最も高い血中濃度となる。血漿タンパク質への結合率は83-87%。[6]

未確認の酵素が3-ヒドロキシデスロラタジンへと代謝し、グルクロニド化英語版される。デスロラタジンと3-ヒドロキシデスロラタジンは、半減期が約27時間で尿と糞中に排出される[6][9]

簡単には血液脳関門を通過しないため、末梢での活性のみである。このため中枢神経系に作用しないということであり、通常は眠気英語版を起こさない(眠気についてはロラタジンの文献データ)。[10]

主な代謝物質の3-ヒドロキシデスロラタジン。

ゲノム薬理学[編集]

白人の2%、黒人の18%が、デスロラタジンの不完全代謝者である。こうした人々では、摂取後3倍多い血中濃度となり、半減期も89時間となる。しかし代謝が通常の人たちと比べて、安全性プロフィールが悪くなる結果は見られていない。[6][9]

出典[編集]

  1. ^ a b c See S (2003). “Desloratadine for allergic rhinitis”. Am Fam Physician 68 (10): 2015–6. PMID 14655812. http://www.aafp.org/afp/20031115/steps.html. 
  2. ^ Drugs.com Desloratadine entry at drugs.com international Page accessed May 4, 2015
  3. ^ “Effect of antihistamine as an adjuvant treatment of isotretinoin in acne: a randomized, controlled comparative study”. J Eur Acad Dermatol Venereol 28 (12): 1654–60. (2014). doi:10.1111/jdv.12403. PMID 25081735. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdv.12403/full. 
  4. ^ Layton AM (2016). “Top Ten List of Clinical Pearls in the Treatment of Acne Vulgaris”. Dermatol Clin 34 (2): 147–57. doi:10.1016/j.det.2015.11.008. PMID 27015774. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0733863515001473. 
  5. ^ 池ノ上知世「自動車の運転に対し制限のない第二世代抗ヒスタミン薬について」 (pdf) 『鹿児島市医報』第56巻第2号、2017年、 34頁。
  6. ^ a b c d Aerius: EPAR – Product Information”. European Medicines Agency (2017年6月7日). 2018年2月24日閲覧。
  7. ^ “Antihistaminic, anti-inflammatory, and antiallergic properties of the nonsedating second-generation antihistamine desloratadine: a review of the evidence”. World Allergy Organ J 4 (2): 47–53. (2011). doi:10.1097/WOX.0b013e3182093e19. PMC: 3500039. PMID 23268457. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3500039/. 
  8. ^ Aerius: EPAR – Scientific Discussion”. European Medicines Agency (2006年4月3日). 2018年2月24日閲覧。
  9. ^ a b Drugs.com: Desloratadine monograph.
  10. ^ “Sedation with "non-sedating" antihistamines: four prescription-event monitoring studies in general practice”. BMJ 320 (7243): 1184–6. (2000). doi:10.1136/bmj.320.7243.1184. PMC: 27362. PMID 10784544. http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/320/7243/1184.