第二世代抗ヒスタミン薬

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第二世代抗ヒスタミン薬(だいにせだいこうヒスタミンやく)とは、抗ヒスタミン薬のうち、1983年以降に発売されたもので、それ以前から用いられていたジフェンヒドラミン(商品名レスタミン、ベナ、ドリエル)やクロルフェニラミン(ポララミン)などの第一世代抗ヒスタミン薬と比較して、眠気などの中枢神経抑制作用や、口渇や胸やけなどの抗コリン作用などの副作用の少ないものを言う。

第二世代抗ヒスタミン薬は、塩基性抗アレルギー薬、抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬、第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬などと呼ばれることもある。医療用医薬品として用いられる第二世代抗ヒスタミン薬は、すべて処方箋医薬品である。薬効分類では、多くは「その他のアレルギー用薬」、一部の薬剤は、「抗ヒスタミン剤」である。

フェキソフェナジンセチリジンロラタジンなどは、眠気など副作用が特にあらわれにくい薬とされる[1]。またフェキソフェナジン(アレグラ)、ロラタジン(クラリチン)、ロラタジンの代謝産物デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)については、他の抗ヒスタミン薬と異なり、2017年時点で日本の医薬品添付文書に運転など危険を伴う機械の操作に対する注意書きが書かれていない[2]

薬効分類[編集]

多くは、日本標準商品分類番号の医薬品の薬効分類における「その他のアレルギー用薬」に分類される。(分類番号:87449)一部の薬剤は、「抗ヒスタミン剤」(日本標準商品分類番号:874413)に分類される。後者、「抗ヒスタミン剤」は分類上の分類名であり、一般には、抗ヒスタミン作用を有するものを総称して抗ヒスタミン薬と呼んでいる。なお、後者の「抗ヒスタミン剤」に分類される抗ヒスタミン薬は、第二世代抗ヒスタミン薬には該当しないとする論者もいる[誰?]

代謝[編集]

第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代とは異なり、多くは代謝の必要はなくそのまま排泄される[1]。このため代謝に関する生理機能の弱っている高齢者では第二世代抗ヒスタミン薬の使用が推奨される[1]

このうちフェキソフェナジンが1日2回服用であり、他は1回である[2]。またビラスチンでは飲食品との飲み合わせの注意があり[3]、空腹時に服用される。

薬剤[編集]

以下は日本において「抗ヒスタミン剤」に分類される。 成分名の横に処方箋医薬品、続いて一般用医薬品のみの例も挙げる。

  • メキタジン(商品名ゼスラン、ニポラジン)(1983年発売) - 単剤のストナリニ・ガード(第1類医薬品、サトウ製薬)、後は配合剤に以下がある。ポジナールM錠(第2類医薬品、廣昌堂)、アルガード鼻炎(同、ロート製薬)、パブロンAG錠(同、大正製薬

以下は日本において「その他のアレルギー薬」に分類される。発売日(世界)は日本に限らず販売開始された年。添付文書情報で確認。

発売日(世界) 発売日(日本) 成分名 処方箋医薬品 一般用医薬品
1983年 ケトチフェン ザジテン

あり

1986年 アゼラスチン アゼプチン

スルーロンAL(協和薬品)

1987年 オキサトミド セルテクト
1990年
(2001年販売終了)
テルフェナジン トリルダン
1993年 1993年 エメダスチン

ダレン、レミカット

1994年 1994年 エピナスチン アレジオン

アレジオン(エスエス製薬)

1996年 エバスチン エバステル

エバステルAL(興和

1986年 1998年 セチリジン ジルテック コンタック鼻炎Z(GSK)、ストナリニZ(佐藤製薬
2000年 2000年 ベポタスチン タリオン タリオンR(田辺三菱製薬
1996年 2000年 フェキソフェナジン アレグラ

アレグラFX(久光製薬)、ノスポール鼻炎錠FX(協和薬品)ほか

1996年 2001年 オロパタジン アレロック、パタノール [注 1]
1987年 2002年 ロラタジン クラリチン

クラリチンEX(大正製薬)

2010年 レボセチリジン ザイザル
2016年 デスロラタジン デザレックス
2016年 ビラスチン ビラノア


ルパタジン英語版(ルパフィンなど、2003年)

フェキソフェナジン、セチリジン、ロラタジンなど、眠気など副作用が特にあらわれにくい薬剤を第三世代抗ヒスタミン薬と呼ばれることもある[1]。2013年版『鼻アレルギー診療ガイドライン』では第二世代までの記載であり第三世代といった言及はない。

また、ケトチフェンやエメダスチンなどは、第二世代抗ヒスタミン薬だが眠気は強い。

ガイドライン[編集]

痒みによる二次性の不眠症に対して、催眠鎮静作用の弱い第二世代抗ヒスタミン薬が第一世代より推奨されるが、翌日の眠気への影響は考慮すべきである[4]

注釈[編集]

  1. ^ 2010年11月24日、薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会は、ベポタスチンベシル酸塩、オロパタジン塩酸塩、セチリジン塩酸塩を、アレルギー性鼻炎に適応を限定して医療用から一般用への転用を認めることを了承しているが、オロパタジンのみ未発売

出典[編集]

  1. ^ a b c d 今井博久(編集)、福島紀子(編集) 『これだけは気をつけたい高齢者への薬剤処方』 医学書院、2014年4月、198-201頁。ISBN 978-4-260-01202-7
  2. ^ a b 池ノ上知世「自動車の運転に対し制限のない第二世代抗ヒスタミン薬について」 (pdf) 、『鹿児島市医報』第56巻第2号、2017年、 34頁。
  3. ^ “An overview of the novel H1-antihistamine bilastine in allergic rhinitis and urticaria”. Expert Review of Clinical Immunology 8 (1): 33–41. (2012年1月1日). doi:10.1586/eci.11.87. PMID 22149338. 
  4. ^ 厚生労働科学研究班および日本睡眠学会ワーキンググループ編; 気分障害のガイドライン作成委員会 (2013年6月25日初版) (pdf). 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインー出口を見据えた不眠医療マニュアル (Report) (2013年10月22日改訂版(医療従事者向けの記述が削除された版) ed.). 日本うつ病学会、気分障害のガイドライン作成委員会. http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf 2014年3月20日閲覧。.