ツァヒアギーン・エルベグドルジ

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ツァヒアギーン・エルベグドルジ
Цахиагийн Элбэгдорж
Portrait President Elbegdorj Tsakhia new.jpg

任期 2009年6月18日

任期 2004年8月20日2006年1月25日
元首 ナツァギーン・バガバンディ大統領
ナンバリーン・エンフバヤル大統領

任期 1998年4月23日 – 1998年12月9日
元首 ナツァギーン・バガバンディ大統領

出生 (1963-03-30) 1963年3月30日(54歳)
モンゴル人民共和国の旗 モンゴルホブド県
政党 民主党

ツァヒアギーン・エルベグドルジ(Tsakhiagiin Elbegdorj、モンゴル語: Цахиагийн Элбэгдорж1963年3月30日 - )は、モンゴル政治家。第4代モンゴル国大統領モンゴル人民革命党に所属した経験のない人物としては初)。モンゴル民主化運動の指導者の一人。 また、モンゴルの首相を二度務めた。

経歴[編集]

出自[編集]

1963年3月30日、 モンゴル・ホブド県遊牧民の家庭に8人兄弟の末っ子として生まれる。ホブド県で幼少期を過ごした後、16歳の時に家族とともにオルホン県エルデネトに移動し、1981年に同市の公立高校を卒業。エルデネト鉱山に工員として勤務する。

1982年から1983年まで兵役に就く。その間、モンゴル人民軍の機関紙『赤い星』に詩を投稿するが、これが軍の高官の目に留まったことで人民軍内のモンゴル革命青年同盟員を率いることになり、さらにエルベグドルジは奨学金を得てソ連のリヴォフ(現ウクライナリヴィウ)軍事政治大学に留学。1988年に同大学のジャーナリズム専攻の学位を取得し卒業した。

民主化運動[編集]

モンゴルに帰国後、『赤い星』 の記者として活動する一方で、ソ連留学時代にゴルバチョフの諸改革に触れていたことから民主化運動に身を投じるようになる。1989年12月10日世界人権デーウランバートルの青年文化会館前広場での集会にて、エルベグドルジは反体制勢力「モンゴル民主同盟」の結成を宣言する。そして「民主化運動の13人」の内の1人として民主化運動を指導した[1]

民主化運動の結果、1990年にモンゴル人民革命党による一党独裁体制が崩壊。同年、エルベグドルジは人民大会議代議員に選出された。エルベグドルジは代議員として1992年複数政党制を採用した新憲法の制定に関わった。

政治家として[編集]

2013年7月10日、改装されたモンゴル政府宮殿のチンギス・ハーン像前での初の大統領就任宣誓にて
2005年、上海協力機構首脳会議でロシアのプーチン大統領らと

1992年、第一期国民大会議議員に選出。4年後の1996年の第二期国民大会議選挙でも議員に選出されたが、このときは所属する民主連合(4党連合)も勝利し、非人民革命党系政権が誕生。同年にエルベグドルジは国民大会議副議長に就任した。しかし民主連合による政権運営は急激な市場経済化政策の失敗と連合内の対立により混迷を極める。1998年に首相のメンダサイハン・エンフサイハンが辞任に追い込まれると、エルベグドルジは後継の首相に指名されるが、就任1年も経ないうちに金融政策の失敗の責任を取り辞任する。

首相辞任後はアメリカに留学し、2002年ハーバード大学公共政策大学院ケネディスクール)を卒業。また、同年から翌2003年まで国連ミレニアム開発目標の個別プロジェクト・アドバイザーを務めた。

2004年の第四期国民大会議選挙で人民革命党と祖国・民主連合(非人民革命党系の連合)が共に過半数に届かず、両党による大連立内閣が発足すると、エルベグドルジは再び首相に就任する。しかし連立を組む人民革命党との関係の悪化により、同党出身の閣僚10人による辞表の提出をきっかけにして同党からの倒閣運動が起こり、2006年1月に議会で更迭されてしまう。

その後、2008年の第五期国民大会議選挙で議員に選出される。この選挙では与党の人民革命党が勝利したという結果が選挙管理委員会によって公表されたが、選挙に不正があったと考える野党支持者によって抗議デモが発生すると、エンベグドルジは選挙の際に人民革命党による不正があったとして抗議し、票の再集計を選挙管理委員会に求めた[2]

2009年5月24日実施の大統領選挙に民主党の推薦を受けて出馬した。得票率51.24%を獲得し、現職で人民革命党推薦のナンバリーン・エンフバヤルを破り大統領に当選した[3]

同年6月18日、正式に大統領に就任した。就任演説では主に「汚職の根絶」を訴えた[4]

2013年6月26日に行われたモンゴル大統領選挙にて、得票率50.23%を獲得して再選した[5]。元々は民主化運動家[6]であったように熱心に自由民主主義人権を支持する活動を行っており[7][8][9][10][11][12][13]、2013年10月に北朝鮮を訪問した時も金日成総合大学で「いかなる暴政も永遠には続かない」として「自由と人権の尊重」を謳った講演を行った[14][15][16][17]。一方で国境を接する中華人民共和国ロシアが主導する上海協力機構に準加盟し、草原の道構想[18][19]を掲げて露中蒙三国サミットの定期開催を自ら提案[20][21]、日米欧から懸念を招いたロシアの2015年モスクワ対独戦勝70周年記念パレードと中国の中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典に出席してモンゴル軍を行進に参加させる[22][23][24][25]など軍事的経済的関係が密接な近隣の中露を重視する善隣外交を行っている。また、積極的にモンゴル軍をイラクなどに海外派兵や日米のような西側諸国とも海外交流させて国際貢献を重視した安全保障政策も進めているのも特徴として挙げられる[26][27][28]

2015年9月、エルベグドルジはモンゴルを永世中立国にすると宣言、法整備を進め、国連決議で永世中立国として認めてもらう方針を示している[29]

脚注[編集]

  1. ^ キーパーソン:ツァヒア・エルベグドルジ氏=モンゴル新大統領に選出された毎日新聞、2009年5月26日。2009年5月29日閲覧。
  2. ^ モンゴル総選挙、野党が再集計を要求フランス通信社、2008年7月4日。2009年5月31日閲覧。
  3. ^ モンゴル大統領選、元首相が当選 現職破る47NEWS、2009年5月26日。2009年5月28日閲覧。
  4. ^ モンゴル新大統領が決意表明 就任演説で『汚職根絶へ』 」47NEWS、2009年6月18日。2009年6月19日閲覧。
  5. ^ “モンゴル大統領選、現職のエルベグドルジ氏が再選”. Reuters. (2013年6月27日). http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE95Q05Z20130627 2013年6月27日閲覧。 
  6. ^ Elbegdorj: From freedom fighter to Mongolian statesman”. 2014年1月7日閲覧。
  7. ^ "2012 Laureate: Policy Leadership: President Tsakhia Elbegdorj, Mongolia". The United Nations Environmental Programme. 4 June 2012.
  8. ^ "VII Ministerial Conference of the Community of Democracies". Community of Democracies Mongolia. April 2013.
  9. ^ "From slavery to freedom in the land of Genghis Khan". International Society for Individual Liberty. September 2007.
  10. ^ Norovsambuu & Munkhbat, Ariunaa & Naran (8 May 2013). "Daw Aung San Suu Kyi Speaks with Mongolian Youth". In Asia.
  11. ^ "Die Mongolen vergessen die Hilfe anderer nicht". Deutscher Bundestag. 30 March 2012. Retrieved 5 January 2014.
  12. ^ "Transcripts of the Speech by Daw Aung San Suu Kyi at a public lecture held jointly with President Tsakhiagiin Elbegdorj in Ulaanbaatar, 30 April 2013". president.mn. 30 April 2013.
  13. ^ "Mongolia for the Partnership for Democracy". infomongolia.com. 15 February 2012.
  14. ^ PRESIDENT.MN
  15. ^ "North Korea lecture at Kim Il Sung University by President of Mongolia Tsakhiagiin Elbegdorj"
  16. ^ モンゴル大統領、金日成大学講演で「自由と人権」を強調” (日本語). donga.com[Japanese donga] (2002年5月25日). 2015年8月23日閲覧。
  17. ^ “モンゴル大統領「暴政、永遠には続かない」…平壌で講演”. 中央日報. (2015年5月22日). http://japanese.joins.com/article/817/200817.html 2015年8月23日閲覧。 
  18. ^ “習近平主席がモンゴル国のエルベグドルジ大統領と会談、両国の全面的な戦略パートナーシップの絶え間な位発展を推進すると強調”. 新華社. (2015年11月11日). http://jp.xinhuanet.com/2015-11/11/c_134805643.htm 2016年5月19日閲覧。 
  19. ^ “習近平主席が中露蒙首脳会議に出席”. 人民日報. (2015年7月10日). http://j.people.com.cn/n/2015/0710/c94474-8918669.html 2016年5月19日閲覧。 
  20. ^ “Russian-Chinese-Mongolian cooperation has huge potential — Putin”. Russia & India Report. (2015年7月9日). http://in.rbth.com/news/2015/07/09/russian-chinese-mongolian_cooperation_has_huge_potential_putin_44147.html 2015年9月3日閲覧。 
  21. ^ “The Mechanism of Trilateral Meetings in Action”. New Eastern Outlook. (2015年8月9日). http://journal-neo.org/2015/08/12/the-mechanism-of-trilateral-meetings-in-action/ 2015年8月12日閲覧。 
  22. ^ “Victory Day Parade in Moscow”. Sputnik News. (2015年5月9日). http://sputniknews.com/russia/20150509/1021889410.html 2015年9月3日閲覧。 
  23. ^ “​70 for Victory: Armata tanks, nuclear bombers, intl boots in Moscow for V-Day”. ロシア・トゥデイ. (2015年5月10日). http://www.rt.com/news/257169-moscow-victory-parade-highlights/ 2015年9月3日閲覧。 
  24. ^ “17 foreign troops join China's V-Day parade”. 新華社. (2015年9月3日). http://news.xinhuanet.com/english/2015-09/03/c_134583748.htm 2015年9月3日閲覧。 
  25. ^ “PRESIDENT TS.ELBEGDORJ ATTENDS PARADE FOR 70TH ANNIVERSARY OF LIBERATION WAR”. アジア太平洋通信社機構. (2015年9月3日). http://www.oananews.org/content/news/politics/president-tselbegdorj-attends-parade-70th-anniversary-liberation-war 2015年9月3日閲覧。 
  26. ^ Tsakhia, Elbegdorj (21 September 2011). "Statement by H.E. Mr.Elbegdorj Tsakhia, President of Mongolia, at the General Debate of the 66th session of the United Nations General Assembly". president.mn. Retrieved 31 July 2013.
  27. ^ Peacekeeping operations”. The United Nations. 2015年8月23日閲覧。
  28. ^ "Mongolia marks International Day of UN peacekeepers". Global Times (Beijing). 28 May 2013.
  29. ^ “永世中立、年内にも法整備=拉致問題で日朝仲介に意欲-モンゴル大使”. 時事通信社. (2016年3月17日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201603/2016031700876 2016年3月17日閲覧。 

外部リンク[編集]


公職
先代:
ナンバリーン・エンフバヤル
モンゴル国の旗 モンゴル国大統領
第4代:2009 -
次代:
(現職)
先代:
メンダサイハン・エンフサイハン
ナンバリーン・エンフバヤル
モンゴル国の旗 モンゴル国首相
第19代:1998
第23代:2004 - 2006
次代:
ジャンラブ・ナランツァツラルト (en
ミェーゴンボ・エンフボルド (en