タカタ (企業)

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タカタ株式会社
Takata Corporation
Takata (Unternehmen) logo.svg
種類 株式会社
市場情報
東証1部 7312
2006年11月17日 - 2017年7月27日
本社所在地 日本の旗 日本
140-0002
東京都品川区東品川2丁目3番14号
東京フロントテラス(2016年12月12日より[1]
設立 2004年1月30日(注)
(タカタ事業企画株式会社)
業種 輸送用機器
法人番号 5010401052766
事業内容 自動車用安全部品の製造
代表者 代表取締役会長兼社長兼CEO 高田重久[2]
資本金 418億62百万円
発行済株式総数 83,161,700株
売上高 連結:6,625億33百万円
単体:1,375億16百万円
純資産 連結:331億42百万円
単体:10億67百万円
総資産 連結:4,309億54百万円
単体:1,837億00百万円
従業員数 連結:45,792人
単体:905人
主要株主 TKJ株式会社 52.1%
高田 重久 2.9%
主要子会社 タカタ九州株式会社 100%
外部リンク http://www.takata.com/
特記事項:各種経営指標は2017年3月期のもの
(注)創業は1933年。
タカタ株式会社(初代。現・TKJ株式会社)の設立は1956年。
2004年4月1日にタカタ事業企画株式会社がタカタ株式会社(初代)の自動車用安全部品事業を会社分割にて譲受し、商号をタカタ株式会社(2代)に変更。
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ここでいうタカタとは、

  1. タカタ株式会社(Takata Corporation)は、エアバッグシートベルトチャイルドシートなど、自動車用安全部品を製造していた企業。2017年6月に負債総額1兆円を超えて製造業としては戦後最大の経営破綻をした[3]
  2. 上記企業の事業を引き継いだジョイソン・セイフティ・システムズのブランド

である。

概説[編集]

タカタ株式会社は、シートベルト・チャイルドシート・エアバッグなどを製造していた企業であり、自動車メーカーの出資を受けていない完全独立[要出典]の部品メーカーである。

創業の地である彦根市と、その周辺の長浜市愛荘町に、日本国内の製造拠点がある。

製品[編集]

エアバッグ
エアバッグでは世界市場でシェア 20%を占めていた(2011年3月期時点)[4][注 1]。2014年時点で見てみると、エアバッグが同社最大の売上高比率を占める[5]
シートベルト
シートベルトでは世界市場でのシェアは、約20%を占めていた(2011年3月期時点)[4][注 2]
チャイルドシート
チャイルドシートは自動車メーカーの純正品にも採用されている。

顧客[編集]

当社の顧客の売上上位4社は、上位から順に、ホンダトヨタフォード日産(2011年時点)[4]

歴史[編集]

  • 1933年 - 高田武三が彦根で高田工場として創業。織物製造を開始。織物の技術を活かした救命索も製造。
  • 1956年11月 - 自動車用乗員拘束装置、農工業用灌漑ホース等の製造および販売を目的として、法人化し、株式会社高田工場を設立。
  • 1960年12月 - シートベルトの製造・販売を開始(日本初の二点式シートベルト)。
  • 1969年11月 - 本店を東京に移転。
  • 1974年 - 高田重一郎が社長に就任。
  • 1983年12月 - タカタ株式会社に社名変更。
  • 1987年12月 - エアバッグの製造・販売を開始。ホンダと日本初の国産エアバッグ(初代ホンダ・レジェンドに搭載)を共同開発[6]
  • 1988年11月 - 本社を港区六本木(六本木25森ビル)に移転。
  • 2006年11月 - 東京証券取引所に上場。
  • 2007年6月 - 高田重久が社長に就任[7]
  • 2009年7月 - 本社を港区赤坂(TAKATAビル)に移転。
  • 2014年2月 - 本社を港区六本木(アークヒルズサウスタワー)に移転。
  • 2016年12月 - 本社を品川区東品川(東京フロントテラス)に移転。
  • 2017年
    • 6月26日 - 同社主力商品のエアバッグの欠陥リコールにより、最終的な負債が1兆円を超える見通しとなり、東京地方裁判所民事再生法の適用を申請。国内の製造業では戦後最大の経営破綻となった[8][9]。なお、タカタ本体には、欠陥リコールの原因となった硝酸アンモニウムを使ったインフレーターの製造・販売事業を残し、他の事業を米国のキー・セイフティー・システムズ(中国の寧波均勝電子の100%子会社[10])に譲渡する[11]
    • 7月27日 - 上場廃止。
  • 2018年
    • 4月11日 - キー・セイフティー・システムズがタカタの事業買収を完了してタカタからジョイソン・セイフティ・システムズに改称[12]
    • 5月23日 - 東京地方裁判所から民事再生計画の認可決定を受ける[13]
    • 6月21日 - タカタ株式会社の商号をTKJP株式会社へ商号変更[14]
    • 6月25日 - タカタ九州株式会社の商号をTK9株式会社に、タカタサービス株式会社の商号をTKS株式会社へそれぞれ変更[14]

宣伝・広報活動[編集]

スポンサリング

SUPER GTのGT500クラス、TAKATA童夢NSXのメインスポンサーになっていた。

番組提供

不祥事[編集]

エアバッグとリコール[編集]

エアバッグの草創期より製造を進めてきた経緯から、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車をはじめとする日本の自動車各社のほか、フォルクスワーゲンBMWメルセデス・ベンツ、フォード・モーター、GMフェラーリテスラマクラーレンなど各国の自動車メーカーにも納品し[15]、世界シェアは2位に上った。1セット数千円の単価ながら、2014年3月期決算では、社の売上高の約4割がエアバッグによるものとなった。

(以下は[16]より抜粋) タカタのエアバッグインフレータに用いるプロペラント(火薬)は元々、ロケット推進技術に基づくアジ化ナトリウムをベースとしたものであった。 しかしアジ化ナトリウムは工場で扱うのが難しく、吸入すると毒性があった。そこで1996年にテトラゾールを使用したプロペラントが導入された。コードネームを"3110"をとし市場シェアを拡大した。 しかしそれは高価であった。

当時の社長 高田重一郎は、デトロイトにある関連会社「オートモーティブシステムラボ」 (ASL)で,より簡単で安価なプロペラントを用いてエアバッグの小型軽量化に成功した。その中に "硝酸アンモニウム" があった。 元マーケティング部門の責任者 Upham氏によると硝酸アンモニウムのコストはテトラゾールの約10分の1。しかし硝酸アンモニウムは温度変化に伴い膨張と収縮を繰り返し最終的にパウダー状に分解される特性があり、パウダーはタブレットよりも速く燃焼するため、エアバッグが過度に展開する可能性があった。

1998年12月 Lillie氏らMoses Lake工場のエンジニアは、硝酸アンモニウムを使用したインフレータをレビューするためにASLの同僚と会った時、膨張の原因である「相安定の問題が解決された」と言われた。 しかしASLは、製品の安全性に関する文書化された証拠を提供することができなかった。

「これを進めると誰かが市場で死ぬだろうと、私はその時言いました」 とLillie氏はインタビューで語った。デザインレビューの後、Lillie氏は東京のタカタ本社との連絡役を務めたエンジニアと会ったと言う。 連絡役エンジニアは「はい、私はあなたの懸念を伝えますが、決断は既に行われていて、次に何かすることは期待していません」と発言したという。 またASLの責任者,Paresh Khandhadia は化学工学の修士号を取得していたが,「高田重一郎は,彼の(その火薬に対する)証明にものすごい量の資本を注ぎ込んだ」 とLillie氏に言ったという。 (しかし、2015年の宣誓証言の際、カンダディアは憲法修正第5条を引用し、ほとんどを黙秘した。)

2001年までに、タカタは硝酸アンモニウムの工場をメキシコのモンクローバ(Monclova)に移転し、労働者の賃金が下がり、爆発物に関する経験が減少した。 2004年にHonda Accordでエアバッグが爆発し、金属片で運転手を傷つけると、タカタはそれを異常と呼んだ。

2006年、タカタのエンジニアリングマネージャーは、製品テストの潜在的な問題に関するデータが隠されていることを示唆する電子メールを同僚に送った。タカタの広報担当者は、このようなデータは容認されることはないが、エアバッグ破裂の根本原因とは何の関係もないことを改めて強調している。(以上は[16]より抜粋)

2008年頃より重要部品である、膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで判明、米国とマレーシアでは破裂したインフレーターの金属片により死亡事故も起きている。2008年11月より断続的にリコールが行われているが、2014年11月時点で対象車の累計は1,700万台に達した[17][18][19][20][21][22]

2015年11月、アメリカ合衆国運輸省国家道路交通安全局英語版(NHTSA)は、タカタのエアバッグの欠陥を企業の不祥事と位置づけ、同社が適切なリコールや情報開示を行わなかったため、アメリカ国内で被害を拡大したとして最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を科すと発表した。NHTSAが一社に科す制裁金としては過去最高額。リコールでは過去最大となった[23]。タカタと自動車メーカーに対して、2019年末までにエアバッグの修理を完了するように命じた[24]。制裁金に加えてリコール費用、訴訟費用が巨額に膨らむ可能性があり、会社存続の危機と指摘された。

さらに同月、最大顧客であるホンダがタカタの提出データに不適切な報告の形跡があると指摘、今後は開発中の新型車にタカタ製インフレーター(膨張装置)を使わない方針を表明した[25]。これに続く形でマツダ富士重工業(現・SUBARU)など国内自動車大手も、タカタが製造したインフレーター(ガス発生装置)を使わないと相次いで表明した[26]日本経済新聞によると、2016年4月時点でエアバッグのリコール対象となる搭載車は世界で1億台以上、費用は総額1兆円に上るものとみられる[27]

下請会社への代金不当減額[編集]

2017年2月までの約1年間に、下請会社64社に対し、本来支払うべき代金から、計約2億5,000万円を不当に減額していたことが明らかになり、公正取引委員会はタカタに対し、再発防止を求める勧告を実施した[28]

出典[編集]

  1. ^ シェア1位はスウェーデンのオートリブ社で、35%ほどである。また、タカタとほぼ同じ20%の米国TRW社が続く
  2. ^ ホンダ・レーシング・F1チームパナソニック・トヨタ・レーシングスーパーアグリF1チームの日系3チームにも供給されていた。
出典
  1. ^ 本社移転のお知らせ
  2. ^ 代表取締役の辞任および異動に関するお知らせ
  3. ^ “製造業の経営破綻としては戦後最大 中国系企業の傘下で再建を目指す”. 産経ニュース. (2017年6月26日). http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260006-n1.html 2017年12月24日閲覧。 
  4. ^ a b c 2011年第二四半期 決算説明会資料
  5. ^ 2014年 第三四半期決算説明会資料
  6. ^ “タカタの巨大リコール 「教訓」置き去り”. 日本経済新聞. (2017年5月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO16604570Z10C17A5000000/ 2018年1月1日閲覧。 
  7. ^ 代表取締役及び役員等の異動について
  8. ^ “欠陥エアバックのタカタ、民事再生法の適用を申請 製造業最大の経営破綻 負債1兆円超”. 産経ニュース. (2017年6月26日). http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260002-s1.html 2017年6月26日閲覧。 
  9. ^ “民事再生手続開始の申立て等に関するお知らせ”. タカタ株式会社. (2017年6月26日). http://www.takata.com/pdf/170626_JP.pdf 2017年6月27日閲覧。 
  10. ^ “中国の寧波均勝電子、タカタの事業を取得へ-米子会社のKSS通じ”. ブルームバーグ. (2017年6月26日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-26/OS5H6W6TTDSH01 2017年12月21日閲覧。 
  11. ^ “事業譲渡に係る基本合意について”. タカタ株式会社. (2017年6月26日). http://www.takata.com/pdf/17062602_JP.pdf 2017年6月27日閲覧。 
  12. ^ “タカタの事業買収完了”. 日本経済新聞. (2018年4月12日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO29289820S8A410C1EAF000/ 2018年4月13日閲覧。 
  13. ^ “再生計画認可決定のお知らせ”. タカタ株式会社. (2018年5月23日). http://www.takata.com/pdf/180523_JP.pdf 2018年8月6日閲覧。 
  14. ^ a b “商号変更のお知らせ”. TKJP株式会社. (2018年6月26日). http://www.takata.com/pdf/180523_JP.pdf 2018年8月6日閲覧。 
  15. ^ NHTSA | Recalls Spotlight: Takata Air Bag Recalls” (英語). www.safercar.gov. 2018年1月23日閲覧。
  16. ^ a b “Sixty Million Car Bombs: Inside Takata’s Air Bag Crisis”. Bloomberg.com. (2016年6月2日). https://www.bloomberg.com/news/features/2016-06-02/sixty-million-car-bombs-inside-takata-s-air-bag-crisis 2018年4月24日閲覧。 
  17. ^ “幕引き遠いエアバッグ問題 タカタに追加リコールの可能性”. 朝日新聞社. (2014年6月25日). http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0F017L.html 2014年7月1日閲覧。 
  18. ^ タカタ製エアバッグ問題【特集】 - ウォール・ストリート・ジャーナル(2014年10月23日 20:33 JST版)
  19. ^ 焦点:タカタのエアバッグ問題、影落とす海外工場の安全管理 - ロイター(2014年10月22日 16:39 JST版)
  20. ^ タカタ製エアバッグ問題、米検察が虚偽報告の可能性調査=報道 - ロイター(2014年10月23日 07:13 JST版)
  21. ^ タカタ打撃必至-ダイセル、オートリブがエアバッグ市場席巻も - ブルームバーグ(2014/10/23 22:33 JST版)
  22. ^ 海外で新たに死者、ホンダがタカタ製エアバッグでリコール - ロイター(2014年11月13日 22:40 JST版)
  23. ^ “タカタの大量リコール、読み違えた日米の「温度差」”. 日本経済新聞社. (2016年5月5日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN05H0N_V00C16A5000000/ 2018年1月23日閲覧。 
  24. ^ http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201511/CK2015110402000248.html
  25. ^ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NX9RT36TTDSF01.html
  26. ^ http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151105-OYT1T50111.html
  27. ^ http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGKKZO00297980Q6A430C1TJC000/
  28. ^ 「タカタ」下請けに代金不当減額のいじめか 公取委 NHKニュース 2017年7月18日

外部リンク[編集]