スキゾイドパーソナリティ障害

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スキゾイドパーソナリティ障害
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
精神医学, 心理学, 心理療法
ICD-10 F60.1
ICD-9-CM 301.20
MedlinePlus 000920
MeSH D012557

スキゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドパーソナリティしょうがい、英語: Schizoid personality disorder: SPD)とは、社会的関係への関心の薄さ、感情の平板化、孤独を選ぶ傾向を特徴とする人格障害。

従来は分裂病質人格障害(ぶんれつびょうしつじんかくしょうがい)、統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつ- )、統合失調質パーソナリティ障害とも呼ばれていた。

概要[編集]

名称から、いかにも関連がありそうに見えるが、統合失調症とは全く別の障害であり、統計学的にもスキゾイドパーソナリティ障害の人が統合失調症になりやすいという証拠は無い。スキゾイドは「社会的に孤立していて、対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味や関心が無いように見える」という性格特徴を表す言葉である。また、本症は外界への興味、関心そのものが薄いという点で、対人恐怖症回避性パーソナリティ障害とも異なるものである。

名称の変更[編集]

2002年までは分裂病質人格障害と呼ばれていた。精神分裂病が統合失調症へと名称変更されたことに連動して、「DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル」の新訂版では、スキゾイドパーソナリティ障害に変更された。「ICD-10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン」では、2005年11月版から統合失調質パーソナリティ障害となっている。

原因[編集]

生まれ持った資質の弱さ、発達のアンバランスさ、親からの虐待やネグレクト、母子関係のこじれ、発達早期のトラウマ、医療トラウマ、学校や社会でのトラウマ、生活全般の困難などが影響されると考えられている。

特徴[編集]

  • 本障害の特徴は、身の周りへの興味・関心と自己表現力の欠如である。人との交流を避け、口数は少なく、抑揚も乏しく、よそよそしい。そして、人と深く関わることによって、自分と相手が変化することや、相手に飲み込まれ、自分の独立性を失ってしまうことを怖れる。そのため、他人との関わりを避けようとする。
  • 攻撃的な行動がほとんど無いため、脅威を受けた場合、現実のものであれ想像のものであれ、空想上の全能感、もしくはあきらめによって処理される。彼らはしばしば孤独に見える。しかし時に、このような人は独創的、創造的な観念を抱き、それを展開して世間に提示することがある。
  • 性格は非社交的で静寂、控えめ、そして無頓着である。仕事ではコツコツと成果を上げ、評価されるが、自分が納得すればそれでよく、「嬉しい」という感情が起きない。子供の頃から、「私はこれがやりたい」など、自分の意志を両親など周りの大人から否定(もしくは過干渉)され続けて育ち、自分の意志を表現しようとは思わなくなった(諦めた)人に多く見られる[1]
  • 社会的関心が薄く、感情の起伏が少なく、非社交的であるが、冷酷なサイコパスとは全く別である。
  • 動物幼児を手懐けることには長けていることがある[2]
  • 本人は本障害によって、生活する上で困ることが何一つ無いため、カウンセリングなどを受けに行くことは無く、また行ったとしても、すぐ診療を受けることをやめてしまう。しかし、それによって他人に迷惑をかけることはないので、本人が困っていなければ診療をする必要は無い[1]
  • スキゾイドの人間は外力が無いと、ほぼ一生独身で、結婚する場合、結婚願望の強い異性と受動的にするパターンが多い。

診断[編集]

DSM-IV-TRでは次の診断基準の内、少なくとも4つ以上を満たすことで診断される。

  1. 家族を含めて、親密な関係を持ちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない
  2. 一貫して孤立した行動を好む
  3. 異性と性体験を持つことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない
  4. 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
  5. 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
  6. 賞賛にも批判に対しても無関心に見える
  7. 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情

鑑別診断[編集]

症状が似ている広汎性発達障害との鑑別に苦慮することもある。

脚注[編集]

  1. ^ a b 渡辺登『こころの病気がわかる事典』
  2. ^ 『カプラン臨床精神医学テキスト』