サウル・アルバレス 対 ジョン・ライダー戦

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THE KING is COMING HOME
サウル・アルバレス 対 ジョン・ライダー戦
開催日 2023年5月6日
認定王座 WBAWBCIBFWBO世界スーパーミドル級王座統一戦
リングマガジン世界スーパーミドル級タイトルマッチ
開催地 メキシコハリスコ州グアダラハラ
会場 エスタディオ・アクロン
観衆 55000人
リングアナ デビッド・ディアマンテ
放送局 DAZN(アメリカ合衆国とカナダはペイ・パー・ビュー、その他は通常通り配信)
実況・解説 トッド・グリシャム(実況)
セルヒオ・モラ(解説)
クリス・マニック(アナリスト、リポーター)
ケイト・アボド(スタジオ進行役)
ジェシカ・マッキャスキル(スタジオ解説)
ダレン・バーカー(スタジオ解説)
主催 エディー・ハーンマッチルーム・スポーツ・USA
サウル・アルバレス(カネロ・プロモーションズ)
マービン・ロドリゲス(マーブネーション・プロモーションズ)

サウル・アルバレス 対 ジョン・ライダー
Canelo(カネロ) The Gorilla(ゴリラ)
比較データ
32歳 年齢 34歳
ハリスコ州グアダラハラ 出身地 イズリントン区イズリントン
62戦 58勝 (39KO) 2敗 2分 戦績 37戦 32勝 (17KO) 5敗
173cm 身長 175cm
167.5 lb (76.0 kg) 体重 168.0 lb (76.2 kg)
179cm リーチ 183cm
オーソドックス 特徴 オーソドックス
エディ・レイノソ 指導者 トニー・シムズ
WBA世界スーパーミドル級スーパー王者WBC世界スーパーミドル級王者・IBF世界スーパーミドル級王者・WBO世界スーパーミドル級王者・リングマガジン世界スーパーミドル級王者・世界4階級制覇王者 評価 WBO世界スーパーミドル級暫定王者・元WBA世界スーパーミドル級暫定王者

結果 アルバレスの12回判定勝ち(3-0)
主審 マイケル・グリフィン(WBC)
副審 ジェレミー・ハイズ(WBC)
ゲラルド・マルチネス(WBO)
ジョセフ・パスキエ(4団体)

サウル・アルバレス 対 ジョン・ライダー戦(サウル・アルバレス たい ジョン・ライダーせん、別名THE KING is COMING HOME(王者の凱旋)[1])は、2023年5月6日、メキシコハリスコ州グアダラハラエスタディオ・アクロンで開催されたプロボクシングの試合。WBAWBCIBFWBO世界スーパーミドル級統一王者のアルバレスと、WBO世界スーパーミドル級暫定王者のライダーが行う王座統一戦。興行はマッチルーム・スポーツ・USAとカネロ・プロモーションズの合同興行として行われ、試合はDAZNがアメリカ合衆国とカナダでペイ・パー・ビュー放送された(日本とイギリスを含めたその他のDAZN放送国は通常通り放送)[2]

試合までの経緯[編集]

両者の王座獲得から防衛まで[編集]

2018年112月15日、ニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンで、当時ミドル級王者だったアルバレスが階級を上げてWBA世界スーパーミドル級正規王者ロッキー・フィールディングと対戦し、3回2分38秒TKO勝ちを収め、王座を獲得し3階級制覇に成功した[3]

2019年5月4日、ラスベガスT-モバイル・アリーナでライダーがWBA世界スーパーミドル級暫定王座決定戦をWBA世界スーパーミドル級4位のビラル・アカウェイと行い、3回2分12秒TKO勝ちを収め王座を獲得した[4]

2019年11月23日、リヴァプールM&S・バンク・アリーナでライダーがWBC世界スーパーミドル級ダイヤモンド王者及びWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミスと団体内王座統一戦を行い、12回0-3(111-117、2者が112-116)の判定負けを喫しダイヤモンド王座獲得と王座統一に失敗した[5][6][7]。しかしライダーが勝っていたとする声が多数挙がる疑惑の判定となった[8]

2020年12月19日、テキサス州サンアントニオアラモドームで、アルバレスがWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミスとWBA王座団体内統一戦並びにWBC世界スーパーミドル級王座決定戦で対戦し、12回3-0(117-111、119-109×2)の判定勝ちを収め、WBAは王座統一による初防衛、空位だったWBC王座の獲得、スミスが保持していたリングマガジン認定王座の獲得にも成功した[9]

2021年2月28日、フロリダ州マイアミハードロック・スタジアムで、アルバレスがWBC世界スーパーミドル級1位で指名挑戦者アブニ・イルディリムと対戦し、3回終了TKO勝ちを収めWBA王座は2度目、WBC王座の初防衛に成功した。試合後に5月8日にWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースとの3団体王座統一戦が発表された[10]

2021年5月8日、テキサス州のAT&Tスタジアムで、アルバレスがWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースと3団体王座統一戦を行い、8回終了TKO勝ちを収めWBA王座は3度目、WBC王座の2度目の防衛と、WBO王座の獲得に成功し3団体王座統一を果たした[11]

2021年11月6日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、アルバレスがIBF世界スーパーミドル級王者カレブ・プラントと4団体王座統一戦を行い、11回1分5秒TKO勝ちを収め、WBA王座は4度目、WBC王座は3度目、WBO王座の初防衛及びIBF王座を獲得し、史上7人目となる主要4団体統一に成功しスーパーミドル級では初の4団体統一王者になった[12]

2022年9月17日、T-モバイル・アリーナでアルバレスがWBA・IBF・IBO世界ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンとスーパーミドル級タイトルマッチとして通算で3回目の対戦を行い、12回3-0(116-112、115-113×2)の判定勝ちを納めWBA王座は5度目、WBC王座は4度目、WBO王座は2度目、IBF王座の初防衛に成功した[13]。試合後の会見で、アルバレスは左手首の靭帯損傷を明らかにし長期離脱の可能性があることを表明した[14]

2022年11月26日、O2アリーナでライダーがWBO世界スーパーミドル級暫定王座決定戦で同級1位のザック・パーカーと対戦し、パーカーが右拳を負傷して棄権したため、ライダーの5回TKO勝ちとなり王座獲得に成功した[15]

対戦決定後の概要から試合まで[編集]

2023年3月14日、アルバレスとライダーによる王座統一戦がエスタディオ・アクロンで行われることが、マッチルーム・スポーツ・USAのプロモーターであるエディー・ハーンは出席したプレゼンテーション内で発表された[16]

2023年5月3日、試合会場となる現地にて最終記者会見が行われた。アルバレスは「今回の試合は私のキャリアの中で間違いなく最高の瞬間の一つになるだろう」とおよそ11年半ぶりとなる母国メキシコでの凱旋防衛戦を心待ちにした[17]

2023年5月5日、前日計量が行われ、アルバレスが167.5ポンド、ライダーが168ポンドを計測し両者とも一発で計量をパスした[18]

2023年5月6日、エスタディオ・アクロンで行われたWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーミドル級王座統一戦に於いて、アルバレスが12回3-0(120-107、118-109が2者×2)の判定勝ちを納めWBA王座は6度目、WBC王座は5度目、IBF王座は2度目、WBO王座は王座統一及び3度目の防衛に成功した[19]

対戦カード[編集]

階級 契約 vs. 結果 ラウンド 時間 Notes
スーパーミドル級 168 lbs. メキシコの旗 サウル・アルバレス (c) イギリスの旗 ジョン・ライダー (c) 3-0 12R - Note 1
フライ級 112 lbs. メキシコの旗 フリオ・セサール・マルティネス (c) パナマの旗 ロナル・バティスタ TKO 11R 1:00[20] Note 2
スーパーライト級 140 lbs. メキシコの旗 ガブリエル・ゴラス・バレンズエラ オーストラリアの旗 スティーブ・スパーク (c) 2-1 10R - Note 3
ライトヘビー級 175 lbs. ウクライナの旗 オレクサンドル・グウォジク ラトビアの旗 リチャーズ・ボロトニックス TKO 6R 1:56

^Note 1 WBAWBCIBFWBO世界スーパーミドル級王座統一戦、リングマガジン世界スーパーミドル級タイトルマッチ
^Note 2 WBC世界フライ級タイトルマッチ
^Note 3 WBAインターコンチネンタルスーパーライト級タイトルマッチ

採点表[編集]

コミッシオン・デ・ボックス・グアダラハラ
公式採点表
王座:WBAスーパーWBCIBFWBO世界スーパーミドル級王座統一戦・リングマガジン世界スーパーミドル級タイトルマッチ   主審:マイケル・グリフィン(WBC)   立会人:ヒルベルト・メンドーサ・ジュニア(WBA:パナマ,WBA会長)
マウリシオ・スレイマン(WBC:メキシコ,WBC会長)
ダーリル・ピープルズ(IBF:アメリカ合衆国,IBF会長)
フランシスコ・バルカルセル(WBO:プエルトリコ,WBO会長)
開催日:2023年5月6日 会場:ハリスコ州グアダラハラエスタディオ・アクロン 主催:マッチルーム・スポーツ・USA
カネロ・プロモーションズ
サウル・アルバレス ジョン・ライダー サウル・アルバレス ジョン・ライダー サウル・アルバレス ジョン・ライダー
RS TS TS RS RS TS TS RS RS TS TS RS
1   1   1
   
副審:ジェレミー・ハイズ(WBC) 副審:ゲラルド・マルチネス(WBO) 副審:ジョセフ・パスキエ(4団体)
処分: 減点: 結果:

脚注[編集]

  1. ^ 5月の海外試合をチェック カネロ凱旋防衛戦、ライト級4団体統一戦、中谷潤人が2階級制覇へ Boxing News(ボクシングニュース) 2023年5月1日
  2. ^ Canelo Alvarez vs. John Ryder: Mandatory challenger explains why fight has come at perfect time | DAZN News US”. DAZN. 2023年4月5日閲覧。
  3. ^ カネロ3回TKOで3階級制覇 次戦は5月4日と明言 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年12月16日
  4. ^ John Ryder Crushes Bilal Akkawy in Three Rounds BoxingScene.com 2019年5月4日閲覧
  5. ^ Callum Smith beats John Ryder in controversial super-middleweight title fight win The Daily Star 2019年11月23日
  6. ^ Callum Smith Overcomes John Ryder With Questionable Scores Boxing Scene.com 2019年11月23日
  7. ^ スーパー王者スミスが暫定退治 WBA・S・ミドル級 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年11月24日
  8. ^ Smith vs Ryder results: Callum Smith wins questionable decision over John Ryder”. Bad Left Hook (2019年11月23日). 2019年12月24日閲覧。
  9. ^ カネロがスミスを圧倒 S・ミドル級2冠を手中 キャリアのベストファイトをアピール Boxing News(ボクシングニュース) 2020年12月20日
  10. ^ カネロが楽々3回TKO勝ち 5.8サンダースと3団体統一戦発表 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年2月28日
  11. ^ カネロは8回終了TKO勝ち S・ミドル級3団体統一 秋に4団体制覇目指す Boxing News(ボクシングニュース) 2021年5月8日
  12. ^ カネロに新たな勲章 プラントを11回TKOでS・ミドル級4冠統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年11月7日
  13. ^ スコアカード カネロがゴロフキンに明白決着 S・ミドル級4団体王座守る Boxing News(ボクシングニュース)2022年9月18日
  14. ^ カネロの負傷は左手首靭帯損傷 長期離脱の可能性も 対戦相手候補ベナビデスはバッサリ Boxing News(ボクシングニュース)2022年9月20日
  15. ^ ライダーがカネロへの指名挑戦権獲得 WBO・S・ミドル級暫定王座戦 パーカー負傷で突然の幕切れ Boxing News(ボクシングニュース)2022年11月27日
  16. ^ S・ミドル級4団体統一王者カネロ 12年ぶり故郷リングで暫定王者ライダーと防衛戦 Boxing News(ボクシングニュース)2023年3月15日
  17. ^ カネロ「キャリア最高の瞬間になる」地元グアダラハラでライダーと凱旋防衛戦迫る Boxing News(ボクシングニュース)2023年5月4日
  18. ^ カネロあす12年ぶり地元で4団体統一王座防衛戦 “ザ・ゴリラ”ライダー番狂わせなるか Boxing News(ボクシングニュース)2023年5月6日
  19. ^ カネロ地元でS・ミドル級4団体統一王座防衛 粘るライダーにKOは逃す 観衆5万5000人 Boxing News(ボクシングニュース)2023年5月7日
  20. ^ マルティネスが11回TKOでWBCフライ級王座V5 カネロ凱旋防衛戦のセミ Boxing News(ボクシングニュース)2023年5月7日

外部リンク[編集]


先代
ゲンナジー・ゴロフキン第3戦
サウル・アルバレスの試合
2023年5月6日
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