オレクサンドル・グウォジク

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オレクサンドル・グウォジク
基本情報
本名 オレクサンドル・セルヒヨヴィチ・グウォジク
通称 The Nail(爪)
階級 ライトヘビー級
身長 188cm
リーチ 192cm
国籍  ウクライナ
誕生日 (1987-04-15) 1987年4月15日(37歳)
出身地 ハルキウ
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 18
勝ち 17
KO勝ち 14
敗け 1
引き分け 0
無効試合 0
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獲得メダル
 ウクライナ
男子 ボクシング
オリンピック
2012 ロンドン ライトヘビー級
ユニバーシード
2013 カザン ライトヘビー級

オレクサンドル・グウォジクウクライナ語: Гвоздик Олександр Сергійович,英語: Oleksandr Gvozdyk、男性、1987年4月15日 - )は、ウクライナプロボクサーハルキウ出身。元WBC世界ライトヘビー級王者。ロンドンオリンピックライトヘビー級銅メダリスト

来歴[編集]

アマチュア時代[編集]

2009年世界ボクシング選手権大会に出場したが3回戦で敗退した[1]

2011年バクーで行われた2011年世界ボクシング選手権大会に出場したが準々決勝でエゴー・メコンチェフに敗れた[2]

2012年ロンドンオリンピックに出場。1回戦は18-10の判定勝ちを収め、2回戦は18-6の大差判定勝ち。準々決勝では19-17の僅差判定勝ちを収め、準決勝では銀メダリストとなるアディリベク・ニヤジムベトフに13-13の判定で引き分けたが優勢負けとなり銅メダルを獲得した。

2013年カザンで行われたユニバーシード金メダルを獲得した。その後プロに転向した。

プロ時代[編集]

プロ転向を発表したグウォジクはボブ・アラム率いるトップランクと契約を締結した。マネージャーにはセルゲイ・コバレフワシル・ロマチェンコを擁する有力マネージャーのエグリス・クリマスと契約を結んだ。

2014年4月12日、ラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナマニー・パッキャオVSティモシー・ブラッドリー第2戦の前座でプロデビュー。初回2分55秒KO勝ちを収め白星でデビューを飾った。

2016年4月9日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでマニー・パッキャオVSティモシー・ブラッドリー第3戦の前座でIBF世界ライトヘビー級10位のナジブ・モハメディNABF北米ライトヘビー級王座決定戦で対戦した。初回には打ち合ったが中盤にかけてペースを握り、モハメディを追い詰めると2回にはコンビネションとフックでダメージを与え最後は右ストレートでモハメディを失神させ、レフェリーはカウントをせずにストップした。2回2分6秒KO勝ちを収め王座獲得に成功した。

2016年7月23日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでテレンス・クロフォードVSビクトル・ポストルの前座で、初のペイ・パー・ビュー放送のトップバッターとしてNABA米国ライトヘビー級王者のトニー・カーペンシーと対戦。初回にグウォジクが右フックでダウンを奪われるが2回以降コンビネーションを軸にした攻撃で反撃しカーペンシーをシャットアウト。最後は左ボディアッパーでダウンを奪うとレフェリーはカウントを途中でストップ。6回2分21秒TKO勝ちを収めNABF王座の初防衛に成功した。

2016年11月19日、T-モバイル・アリーナで行われたアンドレ・ウォードVSセルゲイ・コバレフ第1戦の前座でアイザック・チレンバと対戦し、チレンバが8回終了時に棄権した為NABF王座の2度目の王座防衛に成功した[3][4]

2017年4月8日、メリーランド州オクソン・ヒルMGMナショナル・ハーバー内ザ・シアターにてワシル・ロマチェンコジェイソン・ソーサの前座でNABF北米ライトヘビー級王座の防衛戦とNABO北米ライトヘビー級王座決定戦をユニエスキ・ゴンサレスと行い、3回2分55秒TKO勝ちを収めNABF王座の3度目の防衛に成功、NABO王座を獲得した[5]

2017年8月19日、ネブラスカ州リンカーンピナクル・バンク・アリーナでクレイグ・ベイカーと対戦し、6回2分4秒TKO勝ちを収めNABF王座の4度目の防衛に成功、NABO王座の初防衛にも成功した[6][7]

2018年3月17日、ニューヨークフールー・シアターにて、WBC世界ライトヘビー級10位のメディ・アマールとWBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦を行い、12回3-0(117-111、116-112、118-110)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[8][9]

2018年6月18日、WBCより正規王者のステベンソンと王座統一戦を行うように指令を通知したが[10]、交渉がまとめられず同年7月2日に入札が行われ、グウォジクを擁するトップランクとステベンソンを擁するGYM・ボクシングとTGBプロモーションズが連合グループで入札に参加、トップランクが165万ドルを提示したのに対してGYMボクシングとTGBプロモーションズの共同グループが210万ドルを提示しGYMとTGBの連合グループの落札を許した。ファイトマネーの分配はステベンソンが65%(136万5000ドル)でグウォジクが35%(73万5000ドル)となった[11]

2018年12月1日、ケベック・シティービデオトロン・センターにてWBC世界ライトヘビー級王者のアドニス・ステベンソンカナダ)と王座統一戦に挑み、11回2分49秒KO勝ちを収め、王座統一(記録上は初防衛)に成功した。[12]

2019年3月30日、米・フィラデルフィアの2300アリーナで挑戦者8位ドゥドゥ・ヌグンブと対戦、ヌコンドが負傷しセコンドからの棄権により5回58秒TKO勝ちを収め、2度目の防衛に成功。

2019年10月18日、米フィラデルフィアのリアコウラス・センターでIBF世界ライトヘビー級王者アルツール・ベテルビエフと王座統一戦を行い、3度ダウンを奪われ10回2分49秒TKO負け。プロ初黒星を喫し、WBC王座からも陥落した。9回までのスコアは87-84、86-85、83-87の2-1でグウォジクがリードしていた[13]

2020年6月9日、現役引退を発表した[14]

2023年に現役復帰。2試合行い、いずれも勝利を収めた。

戦績[編集]

  • アマチュアボクシング:255戦225勝30敗[15]
  • プロボクシング:20戦 19勝 (15KO) 1敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2014年4月12日 1R 2:55 KO マイク・モントーヤ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 プロデビュー戦
2 2014年5月17日 6R 判定3-0 ミハエル・グベンガ ガーナの旗 ガーナ
3 2014年9月20日 5R 1:38 TKO ラモン・ウィリアムス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
4 2014年11月15日 6R 1:51 TKO オーティス・グリフィン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
5 2015年1月24日 2R 1:10 KO コーリー・カミンガム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
6 2015年6月13日 6R 判定3-0 ミハエル・グベンガ ガーナの旗 ガーナ
7 2014年4月12日 5R 終了 TKO フランシスコ・シエラ メキシコの旗 メキシコ
8 2015年9月19日 3R 0:50 TKO クレイトン・コンセイソン ブラジルの旗 ブラジル
9 2016年2月13日 1R 2:58 KO マイク・スナイダー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
10 2016年4月9日 2R 2:06 KO ナジブ・モハメディ フランスの旗 フランス NABF北米ライトヘビー級王座決定戦
11 2016年7月23日 6R 2:21 TKO トニー・カーペンシー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NABF防衛1
12 2016年11月19日 8R 終了 TKO アイザック・チレンバ マラウイの旗 マラウイ NABF防衛2
13 2017年4月8日 3R 2:55 TKO ユニエスキ・ゴンサレス  キューバ NABF防衛3
NABO北米ライトヘビー級王座決定戦
14 2017年8月19日 6R 2:04 TKO クレイグ・ベイカー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NABF防衛4・NABO防衛1
15 2018年3月17日 12R 判定3-0 メディ・アマール フランスの旗 フランス WBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦
16 2018年12月1日 11R 2:49 KO アドニス・ステベンソン カナダの旗 カナダ WBC世界ライトヘビー級王座統一戦
WBC防衛1
17 2019年3月30日 5R 0:58 TKO ドゥドゥ・ヌグンブ フランスの旗 フランス WBC防衛2
18 2019年10月18日 10R 2:49 TKO アルツール・ベテルビエフ ロシアの旗 ロシア WBC・IBF世界ライトヘビー級王座統一戦
WBC王座陥落
19 2023年2月11日 6R 判定3-0 ジョスエ・オバンド メキシコの旗 メキシコ
20 2023年5月6日 6R 1:56 TKO リチャード・ボロトニク  ラトビア


テンプレート

獲得タイトル[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 15.World Championships - Milan, Italy - September 1-12 2009”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2017年6月22日閲覧。
  2. ^ 16.AIBA World Championships - Baku, Azerbaijan -September 26 - October 8 2011”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2017年6月22日閲覧。
  3. ^ Ward dropped, wins 114-113 decision on all cards Fightnews.com 2016年11月20日
  4. ^ ウォードが戴冠、コバレフに僅差 L・ヘビー級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年11月20日
  5. ^ Gvozdyk Demolishes Gonzalez in Three Rounds Boxing Scene.com 2017年4月8日
  6. ^ Crawford-Indongo Undercard Results Fightnews.com 2017年8月19日
  7. ^ クロフォードがインドンゴをKO、12年ぶり4団体統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年8月20日
  8. ^ Gvozdyk wins WBC interim light heavy belt Fightnews.com 2018年3月17日
  9. ^ ボズジクがWBC・L・ヘビー級級暫定王座獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年3月18日
  10. ^ Stevenson vs Gvozdyk ordered by WBC SBNATION 2018年6月18日
  11. ^ YVON MICHEL WINS STEVENSON-GVOZDYK PURSE BID; NOV. 3RD IS TARGET DATE BOXINGNTALK.com 2018年7月2日
  12. ^ “スティーブンソン陥落 ゴズディクWBC・LH級新王者” (日本語). Boxing News. ボクシングビート編集部. (2018年12月2日). http://boxingnews.jp/news/62988/ 2018年12月3日閲覧。 
  13. ^ ベテルビエフが15連続KOでL・ヘビー級2冠統一 2019年10月19日
  14. ^ Former WBC light heavyweight champion Oleksandr Gvozdyk, 33, announces retirement to seek business opportunities”. ESPN.com (2020年6月10日). 2020年6月22日閲覧。
  15. ^ Factfile: Oleksandr Gvozdyk”. 2019年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月11日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

空位
前タイトル保持者
チャド・ドーソン
WBC世界ライトヘビー級暫定王者

2018年3月17日 - 2018年12月1日

空位
次タイトル獲得者
N/A
前王者
アドニス・ステベンソン
WBC世界ライトヘビー級王者

2018年12月1日 - 2019年10月18日

次王者
アルツール・ベテルビエフ