クール&ザ・ギャング

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クール&ザ・ギャング
ドイツ・レーバークーゼン公演(2017年)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニュージャージー州ジャージーシティ
ジャンル
活動期間 1964年 -
レーベル
公式サイト Kool & The Gang
メンバー
  • ロバート・"クール"・ベル
  • マイケル・レイ
  • カーティス・ウィリアムズ
  • ショーン・マッキラー
  • ケヴィン・ベル
  • ティモシー・ホートン
  • ラヴェル・エヴァンズ
  • ジャーメイン・ブライソン
  • ウォルト・アンダーソン
  • ラヴィ・ベスト
  • シェリー・ポール
旧メンバー
  • ロナルド・ベル
  • デニス・トーマス
  • クレイデス・チャールズ・スミス
  • ロバート・ミケンズ
  • リッキー・ウェスト
  • ジョージ・ブラウン
  • ラリー・ギテンズ
  • ドナルド・ボイス
  • アール・トゥーン
  • ケヴィン・ラシター
  • オーサ・ナッシュ
  • ロドニー・エリス
  • ウディー・スパロウ
  • クリフォード・アダムズ
  • ジェイムズ・"J.T."・テイラー
  • スキップ・マーティン
  • オディーン・メイズ
  • ルイス・テイラー

クール&ザ・ギャングKool & the Gang)は、アメリカ合衆国ニュージャージー州出身のファンク・バンドである。50年以上のキャリアを誇る、有名ソウルグループの一組。

歴史[編集]

1964年ニュージャージー州にて、ベース奏者ロバート・"クール"・ベル、サクソフォーン奏者ロナルド・ベル兄弟(ムスリム・ネームの姓はベイヤン)を中心に結成。1969年に「クール&ザ・ギャング」と改名しシングルデビュー。

結成当初はリード・ヴォーカルはおらず、ファンキーなインスト曲を中心に演奏していた。デビュー後しばらくはヒットに恵まれなかったが、1973年「ファンキー・スタッフ:Funky Stuff」[2]Billboard誌が29位、以下Billboard誌のチャート最高位)が初のTop50入りを果たしブレイク。1974年、「ジャングル・ブギー:Jungle Boogie」[3]を発表、22週に渡りチャート圏内に入り最高4位まで上がる」[3]初のTOP10ヒットとなった。続く「ハリウッド・スウィンギング」(Hot100 6位)も大ヒット[4]。彼らはこれらのヒットを契機に、人気ファンクバンドとなった。

1977年には大ヒット映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサウンドトラックに曲「オープン・セサミ」が収録された。1979年にジェームス・"JT"・テイラーが加入し、クロスオーバーのデオダート[5]制作の1980年「レイディーズ・ナイト:Ladies Night」(Hot100 最高8位、Black 3週連続1位)、「トゥー・ホット:Too Hot」(Hot100 最高5位、Black3位)など全米ポップ・チャートでもヒットを連発した。

1980年暮れに彼ら最大のヒットとなるシングル「セレブレーション:Celebration」(Hot100 2週連続1位、81年年間総合6位)を発表。81年のソウル・チャートで,6週連続1位を獲得する。この曲は、アメリカのイベントやパーティーなどでよく使用されてきた。その後1981年から1982年にかけ「テイク・マイ・ハート:Take My Heart (You Can Have It If You Want It)」(Hot100 17位、Black 1位)、「ゲット・ダウン・オン・イット:Get Down On It」(Hot100 10位、Black 4位)、「ステッピン・アウト」、「Big Fun」(Hot100 21位、Black 6位)とヒットを出した。 1983年には、「Joanna」(Hot100 2位、Black 1位、Adult Contemporary 2位)を発表。以降、1984年に「Tonight」(Hot100 13位、Black 7位)。1985年に「フレッシュ:Fresh」(Hot100 9位、Black 1位、Dance 1位、Adult Contemporary 5位)、「Misled」(Hot100 10位、Black 3位、Dance 9位)、「Cherish」(Hot100 2位、Black 1位、Adult Contemporary 1位)とヒットが続いた。

1986,87年には「Victory」(Hot100 10位、Black 2位)、「Stone Love」(Hot100 10位、Black 4位)がトップ10入りしたが、1988年にJTテイラーが脱退。その後、元ダズ・バンドのスキップ・マーティンがリードとして加入した。しかしグループは、80年代末以降ヒット曲に恵まれなくなった。ソロとなったJTテイラーは、レジーナ・ベルとのデュエットなどを発表するが大きなヒットにはならず、1996年にグループに戻っている。グループは、TOP10入り12曲の記録を残した。

初期はリード・ヴォーカルはおらず、ファンクを中心としたインスト曲が多かった。さらにサウンドを強化し、73~74年ごろにファンク・バンドとして黄金期をむかえる。70年代末にJTテイラーがリード・ヴォーカルとして加入して以降、AOR、ソフトなダンス曲、ポップ寄りな曲が中心になり、歌謡ディスコ的なバンドになった。

彼等の楽曲はファンク系と、ディスコ、バラード系などがある。

  1. ファンク:"ファンキー・スタッフ:Funk Stuff"、"ジャングル・ブギー:Jungle Boogie"等のファンク期の楽曲
  2. ディスコ:JTテイラー加入以後、"トゥー・ホット"、"レイディーズ・ナイト"等、AOR/ディスコ/クロスオーバーの影響を受けた楽曲。
  3. その他:"Jones vs Jones" - 離婚を題材とした曲である。当時アメリカでは「結婚しない女」「クレイマー、クレイマー」といった女性の自立、離婚を題材にした映画が流行っており、この曲はその流れの中で発表された。

オリジナル・メンバー[編集]

在籍中

  • ロバート・"クール"・ベル(Robert "Kool" Bell、ムスリム名はムハンマド・ベイヤン)- ベース (1964– )

死去

  • ロナルド・ベル(Ronald Bell,、ハーリス・ベイヤン)- テナーサックス (1964–2020) ♰RIP.2020[6]
  • デニス・トーマス(Dennis Thomas)- アルトサックス (1964–2021) ♰RIP.2021[7]
  • ジョージ・ブラウン(George Brown)- ドラムス (1964–2023) ♰RIP.2023[8]
  • クレイデス・チャールズ・スミス(Claydes Charles Smith)- ギター (1964–2006) ♰RIP.2006
  • ロバート・ミケンズ(Robert "Spike" Mickens)- トランペット (1964–1986) ♰RIP.2010
  • リッキー・ウェスト(Ricky West)- キーボード (1964–1976) ♰RIP.1985

ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  • Kool and the Gang(1969年)
  • Music Is the Message(1972年)
  • Good Times(1972年、US 200 #142)
  • Wild and Peaceful(1973年、US 200 #33)
  • Light of Worlds(1974年、US 200 #63)
  • Spirit of the Boogie(1975年、US 200 #48)
  • Love & Understanding(1976年、US 200 #68)
  • Open Sesame(1976年、US 200 #110)
  • The Force(1977年、US 200 #142)
  • Everybody's Dancin'(1978年)
  • Ladies' Night(1979年、US 200 #13)
  • Celebrate!(1980年、US 200 #10)
  • Something Special(1981年、US 200 #12)
  • As One(1982年、US 200 #29)
  • イン・ザ・ハート - In the Heart(1983年、US 200 #29)
  • Emergency(1984年、US 200 #13)
  • Forever(1986年、US 200 #25)
  • Sweat(1989年)
  • Unite(1992年)
  • State of Affairs(1996年)
  • Gangland(2001年)
  • The Hits: Reloaded(2004年)
  • Still Kool(2007年)
  • Kool for the Holidays(2013年)
  • Perfect Union(2021年)

ライヴ・アルバム[編集]

  • Live at the Sex Machine(1971年、US 200 #122)
  • Live at PJ's(1971年、US 200 #171)
  • Greatest Hits Live(1998年)
  • Too Hot Live(2002年)
  • The Very Best-Live in Concert(2010年)

コンピレーション・アルバム[編集]

  • The Best of Kool and the Gang(1971年、US 200 #157)
  • Kool Jazz(1974年、US 200 #187)
  • Kool & the Gang Greatest Hits!(1975年、US 200 #81)
  • Hollywood Swinging/Summer Madness(1977年)
  • Kool & the Gang Spin Their Top Hits(1978年)
  • Twice as Kool: The Hits of Kool & the Gang(1983年)
  • The Very Best of Kool & the Gang: Let's Go Dancing(1984年)
  • Everything's Kool & the Gang: Greatest Hits & More(1988年、US 200 #109)
  • The Singles Collection(1988年)
  • The Very Best of Kool & the Gang(1990年)
  • Kool Love(1990年)
  • The Best of Kool & the Gang: 1969-1976(1993年)
  • Celebration: The Best of Kool & the Gang: 1979-1987(1994年)
  • The Very Best of Kool & the Gang(1999年)
  • 12" Collection & More(1999年)
  • The Millennium Collection: The Best of Kool & the Gang(2000年)
  • Kool Funk Essentials(2002年)
  • Kool & the Gang Gold(2005年)
  • Icon(2011年)

シングル[編集]

1969年
  • Kool & The Gang(US HOT100 #59/R&B #19)
  • The Gangs Back Again(US HOT100 #85/R&B #--)
1970年
  • Let The Music Take You Mind(US HOT100 #78/R&B #19)
  • Funky Man(US HOT100 #87/R&B #16)
1971年
  • I Want To Take You Higher(US HOT100 #105/R&B #35)
  • Who's Gonna Take The Weight Pt. 1(US HOT100 #113/R&B #28)
1972年
  • Love The Life You Live Pt. 1(US HOT100 #107/R&B #31)
1973年
  • ファンキー・スタッフ:Funky Stuff(US HOT100 #29/R&B #5)
1974年
1975年
  • Rhyme Tyme People(US HOT100 #63/R&B #3)
  • Sprit Of The Boogie / Summer Madness(US HOT100 #35/R&B #1
  • Caribbean Festival(US HOT100 #55/R&B #6)
1976年
  • Love And Understanding (Come Together)(US HOT100 #77/R&B #8)
  • Universal Sound(US HOT100 #101/R&B #71)
1977年
  • Open Sesame(US HOT100 #55/R&B #--)
  • Super Band(US HOT100 #101/R&B #--)
1978年
  • Slick Superchick(US HOT100 #102/R&B #19)
1979年
  • Ladies Night(US HOT100 #8/R&B #1
1980年
  • Too Hot(US HOT100 #5/R&B #3)
  • Hangin' Out(US HOT100 #103/R&B #--)
  • Celebration(US HOT100 #1/R&B #1
1981年
  • Jones vs.Jones(US HOT100 #39/R&B #33)
  • Take It To The Top(US HOT100 #--/R&B #11)
  • Take My Heart (You Can Have It If You Want It)(US HOT100 #17/R&B #1
  • Get Down On It(US HOT100 #10/R&B #4)
1982年
  • Steppin' Out(US HOT100 #89/R&B #12)
  • Big Fun(US HOT100 #21/R&B #6)
  • Hi De Hi,Hi De Ho(US HOT100 #--/R&B #--)
1983年
  • Let's Go Dancin' (Ooh La,La,La)(US HOT100 #30/R&B #7)
  • Street Kids(US HOT100 #--/R&B #78)
  • Straight Ahead(US HOT100 #103/R&B #--)
  • Joanna(US HOT100 #2/R&B #1
1984年
  • Tonight(US HOT100 #13/R&B #1
  • Misled(US HOT100 #10/R&B #3)
1985年
  • Fresh(US HOT100 #9/R&B #1
  • Cherish(US HOT100 #2/R&B #1
  • Emergency(US HOT100 #18/R&B #7)
1986年
  • Victory(US HOT100 #10/R&B #2)
1987年
  • Stone Love(US HOT100 #10/R&B #4)
  • Holiday(US HOT100 #66/R&B #9)
  • Special Way(US HOT100 #77/R&B #--)
1988年
  • Rags To Riches(US HOT100 #--/R&B #38)
1989年
  • レインドロップス:Raindrops(US HOT100 #--/R&B #27)
  • Never Give Up(US HOT100 #--/R&B #75)
1991年
  • Get Down on It (Remix)(UK #69、released in the UK)
1992年
  • (Jump Up on The) Rhythm and Ride
1996年
  • Salute to the Ladies
2003年
  • Ladies Night (with Atomic Kitten)
2004年
  • Fresh (with Liberty X)
  • Too Hot (with Lisa Stansfield)
  • Get Down on It (with Blue & Lil' Kim)
2005年
2006年
  • Steppin' into Love
2010年
  • Miss Lead (ft. Towanna)
2016年
  • Sexy (Where'd You Get Yours)
2021年
  • Pursuit of Happiness (Rap Version)

関連人物[編集]

ジャミロクワイとのコラボ[編集]

1974年に大ヒットした楽曲「ハリウッド・スウィンギング」の歌詞は、高級車や美女の街であるハリウッドにてショービジネスの世界で成功してスターになり気分良くかっ飛ばす(スウィンギング)ような表現があり、これは1996年の楽曲「ヴァーチャル・インサニティ」などのヒットによって成功していたジャミロクワイジェイ・ケイフェラーリランボルギーニなどの高級スポーツカーを30台以上(1997年当時)保有していた状況を良く表していたため、1997年にジャミロクワイによって「ハリウッド・スウィンギング」がカバーされて発売された[9]

2004年、クール&ザ・ギャングとジャミロクワイが共同で「ハリウッド・スウィンギング」を収録し[10]、この共同版はクール&ザ・ギャングの2004年のアルバム「The Hits: Reloaded」に収められて発売され、その後2005年にシングルとしても発売された。

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]