首長
首長(しゅちょう、くびちょう)は、行政機関における独任制の長を意味する用語で、広い意味では一般に集団・組織を統率する長を意味する[1]。
読み
「しゅちょう」では、「市長」「主張」「首相」などと紛らわしいので、行政実務では慣習的に湯桶読みにして「くびちょう」と読むことが多い[2][3][4]。ただし、アラブ首長国連邦については、「しゅちょう」と読む。
主な用法
以下の様々な用法がある。
- 合議制に対立する独任制の長。日本では以下が該当する。
- イスラム世界の君主の称号のひとつアミール(amīr)の日本語訳。かつて「土侯」と訳されていたが、日本人が“文明”の一員である自らと対比して、彼らを「野蛮人の長」という侮蔑の意味を込めて呼ぶことが多かったため、現在ではこれを避けて、価値判断を含まない名称である「首長」を訳語に用いる。
- アメリカ先住民(インディアンやエスキモー)、ポリネシア系の諸民族など、「原始的な未成熟な社会」においての、小規模な部族集団の指導者の称号・地位を表するのに用いる言葉。かつては「酋長」と呼ぶのが一般的だったが、これも「土侯」と同様に侮蔑の意味を込めて呼ぶことが多かったため(そもそも、「原始的な未熟な社会」という認識そのものが差別である)、現在ではこれを避けて「首長」と呼ぶことが多い。ただし、合議制社会であるインディアンの「調停者」である「酋長」を、他の用例と同様に「首長」と呼ぶのは誤った用法であり、インディアンの「酋長」は「首長」ではないとする主張もある[5][6]。エスキモーについても同様である。
- 仏教やキリスト教における独立した教会組織の代表者。たとえば、イングランド国教会におけるイギリス(イングランド)国王の地位は、いわゆる「国王至上法(首長令)」に基づき「首長」と表現される。
日本の地方公共団体の長
日本の政治 |
---|
カテゴリ |
この節では日本の普通地方公共団体の長について説明し、地方自治法は条数のみ記載する。
脚注
- ^ しゅ‐ちょう〔‐チヤウ〕【首長】デジタル大辞泉
- ^ 首長の一声 pppまちづくりかるた、新・公民連携最前線、2019-01-18、日経BP、「本来は「しゅちょう」と読むが、慣習的に「くびちょう」と読まれることが多い。」
- ^ 「首長」と書いて「くびちょう」と読むことはありますか? テレビでそう発音している人を見かけたのですが……。 漢字Q&A、漢字文化資料館、大修館
- ^ 行政組織の長である「首長」のヨミについて。シュチョウ、クビチョウ、どちらが正しいのか知りたい。 レファレンス事例詳細、レファレンス協同データベース、2012年9月14日
- ^ 『CRAZYHORSE』(Larry McMurtry、1999年、Penguin LIVES)
- ^ 『Lies Across America: What Our Historic Sites Get Wrong』(James W. Loewen Touchstone; Reprint edition 2000年)