この記事は検証可能 な参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方 ) 出典検索? : "電場" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2015年7月 )
電場の効果によって髪の毛が逆立っている少女。彼女が触れているのはヴァンデグラフ起電機 である。
電場 (でんば)または電界 (でんかい)(英語 : electric field )は、電荷 に力を及ぼす空間の性質の一つ。E の文字を使って表されることが多い。おもに理学系では「電場」、工学系では「電界」ということが多い。また、電束密度 と明確に区別するために「電場の強さ」ともいう。時間によって変化しない電場を静電場 (せいでんば)または静電界 (せいでんかい)とよぶ。また、アンテナ の実効長または実効高を掛けると、アンテナの誘起電圧になる。
定義
空間(自由電子が存在しない空間。絶縁空間)のある点に、正の単位電荷量をもつ電荷(それを試験電荷という)を静止させて置いたとき、その電荷に生じるであろう電磁気的な力を、その点における電場と定義する。
電磁気的な力は電荷量に比例することが実験により知られている。したがって、 位置 r に於いて電荷 q の電荷に働く力を F とすると定義により以下の式が成り立つ。
F
=
q
E
(
r
)
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}=q{\boldsymbol {E}}({\boldsymbol {r}})}
なお、電磁ポテンシャル を用いれば以下のように表す事ができる。
E
=
−
grad
ϕ
−
∂
A
∂
t
{\displaystyle {\boldsymbol {E}}=-\operatorname {grad} \phi -{\frac {\partial {\boldsymbol {A}}}{\partial t}}}
(φ:スカラーポテンシャル 、A :ベクトルポテンシャル )
電場の定義に用いる試験電荷は, 周囲の電荷を移動させないと考える。
巨視的な大きさをもち周囲の誘電体を押しのけるような荷電物体が受ける力は、誘電体内の電場ではなく電束密度 によって決まる。
電場の満たすべき方程式
クーロンの法則
空間上の位置 r 0 に電荷 Q を置く。さらに位置 r に
電荷 q を置いた時、電荷 q が電荷 Q から受ける力は、
F
=
q
Q
4
π
ε
0
r
−
r
0
|
r
−
r
0
|
3
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}={\frac {qQ}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}_{0}}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}_{0}|^{3}}}}
となる。これをクーロンの法則 という。ここで、
ε
0
{\displaystyle \varepsilon _{0}}
は真空の誘電率 である。
これに電場の定義をあわせて考えると、
E
(
r
)
=
Q
4
π
ε
0
r
−
r
0
|
r
−
r
0
|
3
{\displaystyle {\boldsymbol {E}}({\boldsymbol {r}})={\frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}}}{\frac {{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}_{0}}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}_{0}|^{3}}}}
となる。これは電荷 Q が作る電場である。
マクスウェル方程式
電場はベクトル場であるので、場の発散 と場の回転 によって決まる。
電場の回転は
rot
E
=
−
∂
B
∂
t
{\displaystyle \operatorname {rot} {\boldsymbol {E}}=-{\frac {\partial {\boldsymbol {B}}}{\partial t}}}
これはマクスウェル方程式の一つであるファラデーの法則 である。
電場のエネルギー
原点中心で球殻に電荷q を持つ半径r 0 の微小球 と、中心から無限遠まで延びる円錐 を仮定し、この円錐を半径r の球面で切断した面積をS (r )とする。微小球と円錐が交わる微小面の面積をS 0 、微小球の電荷面密度をσ とすると、ガウスの法則 より
ε
E
(
r
)
S
(
r
)
=
σ
S
0
=
c
o
n
s
t
a
n
t
{\displaystyle \varepsilon E(r)S(r)=\sigma S_{0}=\mathrm {constant} }
である。
ここで、この微小面上の電荷σS 0 を無限遠からこの微小球上に運ぶのに要する仕事 は
−
σ
S
0
∫
r
0
∞
E
(
r
)
d
r
{\displaystyle -\sigma S_{0}\int _{r_{0}}^{\infty }E(r)\mathrm {d} r}
であるが、先の結果より
−
σ
S
0
∫
r
0
∞
E
(
r
)
d
r
=
−
∫
r
0
∞
ε
{
E
(
r
)
}
2
S
(
r
)
d
r
=
−
∫
ε
{
E
(
r
)
}
2
d
V
{\displaystyle -\sigma S_{0}\int _{r_{0}}^{\infty }E(r)\mathrm {d} r=-\int _{r_{0}}^{\infty }\varepsilon \{E(r)\}^{2}S(r)\mathrm {d} r=-\int \varepsilon \{E(r)\}^{2}\mathrm {d} V}
である。
これを全球面上で積分すれば、微小球上の電荷q を無限遠から微小球までに運ぶのに要する仕事、つまりこの微小球上の電荷によって生じるポテンシャル
U
=
∫
ε
E
2
d
V
{\displaystyle U=\int \varepsilon E^{2}\mathrm {d} V}
を求めることができる。
u
=
ε
E
2
{\displaystyle u=\varepsilon E^{2}}
とおくと、
U
=
∫
u
d
v
{\displaystyle U=\int u\mathrm {d} v}
なので、これは電荷によって生じた電場が
u
=
ε
E
2
{\displaystyle u=\varepsilon E^{2}}
のエネルギー密度 でエネルギー を蓄えていると解釈できる。
これは実際に、蓄電したキャパシタ の二枚の導体間の体積と、キャパシタに蓄えられたエネルギーを比較することで検証することができる。
関連項目