沙羅曼蛇2

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沙羅曼蛇2
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 アーケード[AC]
セガサターン[SS]
プレイステーション[PS]
PSP
開発元 [SS][PS]:コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売元 コナミ
人数 1〜2人(同時プレイ可)
メディア [SS][PS]:CD-ROM
[PSP]:UMD
発売日 [AC]:1996年1月
[SS]:1997年6月19日
[PS]:1997年7月6日
[PSP]:2007年1月25日
対象年齢 CERO:全年齢対象[PSP]
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沙羅曼蛇2』(サラマンダ ツー、SALAMANDER 2)は、1996年1月にコナミが発売したアーケードシューティングゲーム。『沙羅曼蛇』の続編である。

概要

全6面構成で、前作『沙羅曼蛇』と同じ縦横混在スクロールだが、1・3・4・5面が横スクロール、残りの2・6面が縦スクロールと変則的になっている。2人同時プレイ可能。コンティニュー機能が追加されている。パワーアップはアイテム制だが、出現するアイテムの種類はアイテムごとに出現率が設定されており、一定の場面を除いてランダムとなっている(自機のパワーアップ状態にも左右される)。また前作ではパワーアップアイテムが種類により形状が異なっていて一瞬ではやや区別しづらかったのに対し、本作ではオプション、オプションシード(後述)、フォースフィールド以外のアイテムがそれぞれアルファベットの頭文字で表示されるようになり、やや視認性が向上している。

前作には無いシステムとして、自機の分身であるオプションそのものを敵に飛ばすことで攻撃するオプションシュートという動作や、各種レーザー武器関連の時限式の2段階目パワーアップなどが追加されている(詳細は後述)。また10万点ボーナスなどの隠し要素もある。

2周エンドだが、2周目は敵の攻撃が飛躍的に激しくなる上、コンティニューができない。また2周目では前作やMSX版『グラディウス2』(あるいは同作をMSX版『沙羅曼蛇』プレイ時にスロット2に挿し込んだ際に出現するヴェノム艦ステージ)のBGMでもあるがアレンジされて使用されている。新曲の作編曲と前作曲の編曲は全て前田尚紀が担当している。

評価

前作発売からは10年の開きがあったが、前作ほどの人気は獲得できなかった。理由としては、当時のシューティング不人気の時代背景や、正式リリース前にアーケードゲーム展示会で発表された段階のものがバグが多数あると『ゲーメスト』(ゲーム雑誌)で報じられたこと等が挙げられる。また、 (少なくとも発売当初の)『ゲーム批評』のレビューでは、「敵の配置や演出に前作にあった工夫が見られない」「全体的に色遣いのセンスが悪い」「オプションシュートの使いどころがない」と評され、『ゲーメスト』の読者コーナー「アイランド」でも、1991年の『キャプテンコマンドー』や、同時期に発売された『究極タイガーII』等とともに「偉大な親(=前作)を超えられなかった」との読者投稿(意見)が掲載された。

とは言え、前田尚紀(エンゾニック前田)によるサウンド面の評価は現在でも高く、特に2面『SENSATION』は人気があり、オトメディウスG(ゴージャス!)の追加BGMとして1、2面の曲が前田尚紀自身の手によりリアレンジされたり、(『KEYBOARDMANIA 3rdMIX』で細江慎治によるアレンジがプレイ可能な楽曲として収録されている。また前作『沙羅曼蛇』等の曲も1面ボスBGMでは「POISON OF SNAKE」(前作のボスBGM)、2周目の1面では「POWER OF ANGER」(前作の1面BGM)、2周目4面では「LAST EXIT」(MSX版のヴェノム艦ステージBGM)、2周目5面では「PLANET RATIS」(前作の3面BGM)といった具合に、ファンサービスとして使われている。ちなみに未使用曲が4曲あり、『THUNDERBOLT』のアレンジも入っている。

前作との主な変更点

  • 自機 - 1P側は前作同様ビックバイパーだが、2P側がスーパーコブラ(前作ではロードブリティッシュ)。
  • 武器のパワーアップ - レーザー系武器やミサイルにはそれぞれ2段階目が存在する。(詳細は「武器のパワーアップ」欄を参照)
  • マルチプルの名称 - 『沙羅曼蛇』ではオプションは「マルチプル」という名称だったが、本作には引き継がれずに「オプション」となっている、またこの設定は後に発売された『セクシーパロディウス』でもネタにされる。
  • オプションの種別 - オプションに種別があり、普通のオプションと小さいオプション「オプションシード」が存在する。
  • オプションシュート - オプション自体を攻撃及び防御に使ってしまう。発動には専用のボタンを押す(詳細は後述)。
  • アイテム - オプションシードのほか、ツインレーザーが追加されている。
  • フォースフィールド - 自機が炎のようなものに包まれて全方位を防御するタイプに変更。
  • エクステンド - 初期設定で20万点と50万点の2回。(前作では一切無し。追加クレジットを投入することで残機を増やせた)

この他にも、自機がやられると装備していたオプションが画面上に浮遊し続けたりと、色々細かい所で変わっている。

パワーアップの種類とアイテム

ミサイルとレーザー系装備に関しては、その取得状況によってタイプが切り替わる。その際の名称の違いも一緒に記しておく(前者が1段階目で、後者は2段階目)。

アイテムとその効果
  • スピードアップ [S]
    自機の移動速度が上がる。最大5速。
  • ミサイル/ツインミサイル [M]
    ミサイルを射出できるようになる。取得するごとにミサイルのタイプが切り替わる。(「武器のパワーアップ」欄を参照)
  • レーザー/ハイパーレイ [L]
    前方に威力が高く、雑魚敵を貫通する螺旋模様のレーザーを発射。2段階目はレーザーが太くなり、また長時間射出できるようになる。
  • リップルレーザー/バスターリップル [R]
    前方に徐々に拡大するリング状レーザーを発射。貫通力無し。2段階目はレーザーの広がりがさらにアップし、より広範囲を攻撃できるようになる。
  • ツインレーザー/スピアレーザー [T]
    前方に徐々に判定が小さくなる2連の短いレーザーを発射。貫通力無し。2段階目は判定が大きくなる他に弾速がアップし、近距離での連射力に優れる。
  • オプション
    自機の分身を装備。自機の攻撃と同じ攻撃をする。最大4つ(2人同時プレイ時はプレイヤー単体では最大4つまでだが、2人合わせて最大5つまで装備可能)。
  • オプションシード
    自機の周囲を回り続ける小さなオプションを装備。装備中はプレイヤーの操作に関係無く勝手にショットを撃ち続ける。
    オプションシードを2つ集めたり、オプションシード装着中にステージクリアすると通常のオプションに成長する(複数を同時に装備できない)。
    なお、通常オプションをオプションシュートすると、その攻撃終了後にオプションシードがアイテムとして残る。
  • フォースフィールド
    全方位に対して敵の攻撃を防ぐバリアを装備。耐久力は7発まで。全方位防御タイプの宿命か、地形に対して簡単に削られる。ごくまれにしか出現しない。

なお、レーザー系武器はそれぞれ併用する事ができず、3種類の内どれか1つを選択して使い分けなければならない。

出現アイテムの調整

自機が丸腰のノーマル、もしくはそれに近い状態では、出現するアイテムが良いものに変化する場合がある。これを利用してアイテムをすぐに取らずに他のアイテムを出現させると、より有利なパワーアップができる可能性を高めるテクニックがある。

武器のパワーアップ

  • レーザー系武器
    レーザー系武器は装備しているレーザーと同じレーザーアイテムを取る事で、時限式で2段階目にパワーアップする。制限時間を超えると強制的に1段階目に戻される。ただし、装備中のレーザーと同じレーザーアイテムを取り続ける事で制限時間は延長される。
    なお、別のレーザーに切り替えた場合は取得したレーザーの1段階目になる。
  • ミサイル
    ミサイルはパワーアップというよりも種類の切り替え式のような感じで、タイプが2種類存在する。時限式ではなく、ミサイルアイテムを取るごとにタイプが切り替わる。またスクロール方向によって性質も異なる。タイプ1は地形を滑走するタイプで、横スクロールでは『グラディウス』のように下方向のみに投下、縦スクロールでは前方向よりで左右に発射。タイプ2は地形に衝突すると消えるタイプで横スクロールでは上下に発射、縦スクロールでは左右に発射。となっている。
    なお、縦スクロール時には前作のように下方向(画面の奥)へミサイルを投下することはない。
  • フォースフィールド
    フォースフィールドは強化される事はないが、装備中のフォースフィールドの耐久力が落ちていた場合には、その耐久力が初期値まで回復する。

オプションシュート

本作のオプションには、前作のマルチプルやグラディウスシリーズのオプションには無い「オプションシュート」という攻撃が追加されている。発動にはオプションシュート専用のボタンを用いる。

通常オプションを1個以上装備している場合は、ボタンを押し続けている間はオプションが光るのみで発動せず、そのまま押し続けている事で装備中のオプションを1つずつ光らせる事ができ、ボタンを離すと光っている個数分のオプションをオプションシュートする事が出来る(ただし、ボタンを連打すれば連続してシュートできるため、ため撃ちを行う必要性はほぼ無い)。発動すると敵に向かって突進し続け、ある程度ダメージを与えたり一定時間経つ事で終了、オプションシードとなる。

オプションシードのみを1個装備している場合は、ボタンを押した瞬間に発動し、オプションシードが自機の周りで高速回転し、一時的なバリアとなる。

とはいえ、オプションシュートを使う必然性は全体を通じて希薄で、オプションシュートした分だけ装備中のオプションをランクダウン(オプションシードになったり、オプションの個数が減る)させ、逆に難易度を上げる結果にもなる。

なお、オプションシュートの特質を利用してオプションを増殖する方法もある。また、スコアアタックでオプションシードで得られる得点を目的として、場所を選んでオプションシュートが行われる場合もある。オプションシードの状態でシュートを行えば、敵弾を消すこともでき、4面ボスや5面ボス、最終面中ボスに対し、意外な効果と攻撃力を発揮する。

ステージ構成

前作同様横スクロールと縦スクロールのステージが存在する。ただし縦スクロールするのは2、6面だけである。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


Stage 名称 解説 使用曲 ボス
1(横) 亜生命空間 腸内のような絨毛状の組織で覆われたステージ。ある程度進んでいくと、目玉の集団が出現するが、その正体は多数のゴーレム。姿を現した後、自機の方を向き散らばる。 SILVERY WINGS AGAIN(2周目はPower of Anger) ゴーレム、
バイター
2(縦) プロミネンス要塞 プロミネンスを出す小型人工太陽群のステージ。前作のステージ3に似ている。 SENSATION Hydra(ハイドラ)
3(横) バイオハザード 細胞壁で覆われたステージ。 ALL IS VANITY カラブ、
アバドン
4(横) 巨大戦艦 戦艦群の間を縫って巨大戦艦と対決するステージ。 SERIOUS!SERIOUS!SERIOUS!(2周目はLAST EXIT[1]、『グラディウス2』でのタイトルはMOONSPIN) テニーロップ(テトラン2)
5(横) アステロイド 小隕石群をかいくぐりつつ敵要塞を攻撃するステージ。要塞入り口はグラディウスⅡのステージ8・要塞のような入り口になっている。ボスのプレートコアはMSX沙羅曼蛇のエニグマに酷似している。 SPEED(2周目はPLANET RATIS[1]) プレートコア
+ クラブレス
+ キャニコロ
6(縦) ドゥーム 前半は敵構造物上空での戦闘。後半は要塞内部。 DEAR BLUE、
PRELUDE OF THE LAST BATTLE
ケルベロス、
ドゥーム

a b  1996年に発売された『沙羅曼蛇2 オリジナルサウンドトラック』での表記は2周目4面BGMは「PLANET RATIS」、2周目5面BGMは「LAST EXIT」と1992年に発売された『沙羅曼蛇 -Again-』と比較して逆になって(誤記されて)いる。これは2003年に発売された『沙羅曼蛇アーケードサウンドトラック』でもそのままになっている。

ライフフォース2

プレイステーション版やセガサターン版では、設定で「LIFE FORCE2」モードにする事ができる。

タイトルロゴも「LIFE FORCE2」になるが、前作のリメイク版である『ライフフォース』のようにパワーアップがカプセルストック制になる訳ではなく、単純に難易度がアップするだけなので要注意である。

なお、本作の海外版が実際に「LIFE FORCE2」として出回ったかは不明。

移植版

外部リンク