日曜討論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ラッパ食堂 (会話 | 投稿記録) による 2012年5月2日 (水) 19:44個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

日曜討論
ジャンル 政治討論番組
出演者 本文参照
製作
制作 NHK
(放送:総合テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1957年10月 -
放送時間日曜 9:00 - 10:00
放送分60分
公式サイト
テンプレートを表示
日曜討論
ジャンル 政治討論番組
放送方式 生放送(内容により事前収録)
放送時間 日曜 9:00 - 10:00(60分)
放送局 NHKラジオ第1
出演 島田敏男
神志名泰裕
公式サイト 公式サイト
テンプレートを表示

日曜討論』(にちようとうろん)は、NHKのテレビおよびラジオで放送されている討論番組である。

NHKでは『国会討論会』『政治座談会』『経済座談会』と題した国会議員、政治関係者、財界・経済専門家をゲストに招いた番組を放送、放送時期とテーマによって題名を変えていたが、1994年4月よりこれらの番組名を統合・一つにまとめ、現在のタイトルとした。

概要

主に与野党の政治家閣僚などをスタジオに招き[1]、政局や国内外の情勢などの問題についての討論を行う。政治家の当番組での発言内容については、NHK・民放各局のニュース番組新聞各紙で引き合いに出されることも多い。

司会は現在、NHK解説委員室に属する政治担当の解説委員が担当。制作担当は放送総局報道局政経国際番組部・政治番組班。番組の制作は、東京都渋谷区NHK放送センターではなく、東京都千代田区永田町に近い旧テレビ千代田放送所跡に建設されたNHK千代田放送会館内のスタジオで行われている。

『国会討論会』の時代には、議員が金曜日に地元に帰ることから、金曜日の夜収録・日曜放送というスケジュールが基本だった。そのため当番組での要人・政治家の発言を金曜夜のニュースで報道することがあった。しかし、政治家が選挙対策としてテレビ出演を重視するようになったこともあり、現在は生放送を基本としている。ただし、政治家の日程の都合で土曜日など他の曜日に事前収録される場合もある。

討論に使用されるテーブルは長方形に構成されている。司会者はテーブルの正面奥に座り、テーブルの両側には一般的に議論が対立する関係にある者が相対する形で座ることが多い。例えば与野党間の討論の場合には、画面右側に与党議員、画面左側に野党議員が座る。なお、長方形のテーブルの中心部分は開いており、この開いている部分の司会者席の前の位置には、発言時間の目安を示す必要があるときに用いられる四角柱の形状の白色ランプが置かれている(目立たないように低い位置に置かれている。最初は点滅した状態で点灯し、時間が来ると完全な点灯状態になる。次の発言者に交代するときに消灯される)。国務大臣と有識者の出演または有識者のみ出演の場合は円形のテーブルが使用されることもある(発言時間の目安を示す白色ランプは円形のテーブルの場合は司会者席の端の位置あるいは円の中心部分に置かれる)。

番組オープニングは最初に話題となった出来事(政治・社会・スポーツなどを問わず)を伝えたあと、その日に取り上げられるテーマの論点についてまとめたVTRで始まる(ラジオでは音声のみ)。このオープニングVTRの最後の部分でその日の番組出席者が紹介される。原則としてテレビ放送とラジオ放送の同時生放送(サイマル放送)であり音声も同一となるが、ラジオ放送の場合には映像がないため、番組冒頭では「日曜討論です」、司会の解説委員の紹介アナウンス(解説委員の島田敏男が担当する時は司会者自らが挨拶時に自己紹介しているため省略)、番組終了では「日曜討論を終わります」とラジオ放送向けのアナウンスが補われている(国際放送での放送時は深夜時間帯の時差放送またはラジオ第1放送で高校野球中継が行われる関係で総合テレビの音声を使用してそのまま同時放送する場合は補足的なアナウンスは入らない)。基本的にはラジオセンターのスタジオから鎌田正幸(NHKアナウンサー)が担当するが、公開放送の出張など都合により、他のアナウンサーが入る場合もある。

進行役

現在

過去

※島田よりも前に着任した影山は、着任当初は当時解説委員だった山本孝と隔週交替、後に島田と隔週交替で進行を担当していた。しかし影山は、2010年8月11日、東京・渋谷のNHK放送センター内のトイレで首を吊って自殺を図り、翌12日に搬送先の病院で死亡。直近の放送では影山の担当が月1回程度でそれ以外は島田の担当が多くなっていた。8月1日の放送が最後の担当であった。死去については15日放送回でエンディングのあとに触れており、それによると影山は司会を259回務めた。影山の事実上の後任として神志名泰裕が務めることになった(ただし不定期出演で、主に各党党首が出演するときや各国務大臣が出演するときに担当することが多い)。

放送時間・チャンネル

毎週日曜日 9:00 - 10:00

※状況に応じて生放送と事前収録を使い分けている。また、新年最初の放送や大きなテーマを扱う場合、2部構成をとる場合などには時間枠が拡大される(最大で10:45)。

通常は上記時間に以下の各波で放送される。

生放送以外による放送

※日本時間で月曜日1:00 - 2:00(放送時間枠拡大の場合あり)。録音による時差放送となる(短波・衛星ラジオとも放送。衛星ラジオは前日9:00に日本国内と同時で初回放送されているため、再放送扱いとなる)。

放送打ち切りのメディア

  • BShi - 2005年3月まで、時差放送
  • BS2 - デジタル放送は16:9のワイドサイズで放送。アナログ放送はレターボックスで放送。(難視聴対策放送およびチャンネル自体の終了に伴い、2011年3月27日放送分をもって打ち切り)
  • NHKワールドTV - 英語放送強化による番組改編で2008年3月30日放送分をもって打ち切り

振り替え放送及び休止例

前提として、年末年始と国政選挙の投票日以外は振り替え放送になっても放送を行う。その具体例として高校野球中継と地震報道・津波報道・緊急地震速報の事例を紹介する。なお、ラジオ第1では、以下の理由とは別に夜間時差放送を行っていた時期があった。現在は同時放送であるが、編成の都合などでまれに時差放送となることもある。

  • 高校野球に関して、ラジオ第1は全国大会中継の都合で夜(22時台以降)に録音放送されることがある[2](ただし、雨天中止時は通常時刻で放送)。
  • ラジオ第1の地方大会中継は『日曜討論』の放送が最優先となるため、日曜9時台の地方大会中継はFMで放送される。したがって該当する地域では同時間帯にFMで放送される『名演奏ライブラリー』は休止となる。
  • BS2では全国大会と重複する場合でも『日曜討論』の放送が最優先となるため高校野球全国大会はBS1で放送。ただし、2010年3月21日の選抜高校野球開会式の中継は本番組の時間帯と重なったものの、BS1での振り替え放送をせず、本番組は13:00から録画放送。
  • NHKワールド・ラジオ日本の場合、ラジオ第1放送が高校野球全国大会中継を放送していても、通常通り国内同時放送。なお、ラジオ第1放送・国際放送では開始冒頭と終了時にラジオセンターのスタジオから補足的なアナウンスが入るが、高校野球期間中における国際放送単独放送(国内同時放送のみ)の場合は補足的なアナウンスは流れない。ただし、2011年3月27日放送分は東日本大震災関連の特別編成により国際放送でもそのまま高校野球中継を放送するため、ラジオ第1放送の録音放送をそのまま同時放送した。[3]
  • 2007年3月25日の放送分は番組の途中で能登半島地震が発生して地震報道があったため、総合テレビでは同日15:11から、BS2では翌26日0:00から改めて放送された(撮って出し形式による収録、NHKワールドも同様)。ラジオについては高校野球の放送の関係で最初から夜に時間帯に時差放送されることになっていたため変更はなかった。ちなみに、テレビ国際放送では国内放送より1分ほど遅れて災害報道に切り替わった。
  • 2010年2月28日チリ地震による津波が日本でも発生する可能性があったことから9時台は終始特設ニュースを放送した。総合テレビとNHKワールド(ワールドプレミアム・ラジオ日本)は23時から、ラジオ第1は23:15から、衛星第2は3月1日0:20(2月28日24:20)からそれぞれ録画・録音放送。テレビの放送では津波警報・津波注意報発令中であったため、発令域地図テロップを最後まで消去せずに表示、一部テロップや図面で見にくい箇所があった。[4]
  • 2010年10月3日の放送分では番組の途中で新潟県上越地方を震源とする地震が発生。国内放送全波とNHKワールド・ラジオ日本では緊急地震速報が出され(NHKワールド・プレミアムでは緊急地震速報のテロップは表示なし)、進行役の解説委員が注意を呼びかける対応を取った。その後、総合テレビとNHKワールド・プレミアムでは9:30頃からニュースセンターのスタジオから15分間特設ニュースを放送したため一時中断[5]。ラジオ第1とNHKワールド・ラジオ日本でも緊急地震速報の自動音声終了後、そのままラジオセンターのニューススタジオから地震関連の特設ニュースに入ったため途中で放送打ち切りとなった。これらの放送波のうち、総合テレビとラジオ第1[6]では同日の23:55から、NHKワールド(ワールドプレミアム・ラジオ日本)では翌4日の1:00からそれぞれ録画・録音で再放送[7]された(進行役の解説委員が注意を呼びかける対応の部分のみカットした上での再放送)。なお、BS2ではそのまま本番組の放送が続けられた。
  • 2011年5月1日国会中継「参議院予算委員会」の質疑を放送するため番組自体放送休止。年末年始と国政選挙の投票日以外での本番組休止は史上初のケースとなった。[8]

※そのほかに振り替え放送事例ではないものの、2011年2月20日放送分ではスタジオ内の照明が電源の不具合で一部暗くなるトラブルが起きたが、番組そのものは通常通り行われた。番組中に進行役の解説委員からおことわりのコメントを伝え、総合テレビではしばらくの間、字幕スーパーでその旨の表示が出された(BS2とNHKワールド・プレミアムでは表示なし)。また、2011年3月13日放送分「東北地方太平洋沖地震 政治の対応を問う」は特設ニュースの合間の放送だったため、通常の放送波に加え、教育テレビ、BS1、BSハイビジョン、FM放送でも同時放送された。[9]

特集番組

衆議院議員総選挙参議院議員通常選挙といった国政選挙には選挙期間中と投票後に各政党が出演する特集番組が何本か放送される。全て総合テレビとNHKワールド・プレミアム(ノンスクランブル)での放送が前提となっており、ラジオ第1、NHKワールド・ラジオ日本での放送時間が異なることがある。

選挙期間中の日曜日・日曜討論の時間ないしは『NHKスペシャル』が放送される21時台、及び投票翌日の19時台・20時台に放送。国会討論会時代は『選挙討論会』として放送されていた。開票が投票日の翌日に行う時、投票日の21時から特集番組を放送。

開票番組では『日曜討論』司会者のどちらかが出演し、NHKの開票速報本部と各政党・団体の選挙対策本部にいる党首・代表者を中継回線で結んだ討論会が行われる。翌日開票で投票日に開票番組を放送しない時は21時台に討論形式の特集番組を放送していた。

投票日の『日曜討論』は公職選挙法により、投票締め切り24時間前から選挙活動が禁止されている(放送にも制約がかかる)ために放送しない。投票日に『日曜討論』が休止となった場合は別番組を編成する。テレビではドキュメンタリーやアンコール番組[10]、ラジオでは『歌の日曜散歩』を延長する。

衆参の補欠選挙統一地方選挙の投票日は、政治家の出演がなくゲストが有識者だけになる場合が多い。

その他

新年最初の放送では、与野党の党首[11]が議席順に登場し、司会者との対談形式で新年の抱負を述べる形になる。この時のテーブルは国務大臣と有識者または有識者のみの出演と同じく、円形のテーブルが使用される。座る時の位置は与党が右側、野党は左側となっている。一部はスケジュールの都合上、事前に収録を行う場合がある。[12]

2010年4月の放送分より、NHKオンデマンドの「見逃し番組サービス」にて有料で14日間配信している。[13]

政治部出身の海老沢勝二(元NHK会長)は会長当時も頻繁に放送現場に立ち会っていたという。

スタジオにいるカメラマンも背広(スーツ)姿で撮影業務を行うが、決して珍しいことではなく、報道番組全体や式典などでも行われている。

脚注・出典

  1. ^ 出演者のスケジュールの都合により東京のスタジオに出られない場合は地方放送局のスタジオなどから中継で参加する。
  2. ^ ラジオ第1放送で夜に録音放送される場合、NHKワールド・ラジオ日本では同時放送せず、FM放送・デジタルラジオ実用化試験放送の音楽番組など別番組に差し替えられる。ただし、2011年3月27日放送分は東日本大震災関連の特別編成により国際放送でもそのまま選抜高校野球の中継が放送される都合上、ラジオ第1と同時に夜の時間帯の録音放送もそのまま放送される。
  3. ^ 代わりに翌28日1:00からの国際放送単独の時差放送が休止となり、そのまま「ラジオ深夜便」の同時放送となった。
  4. ^ NHKワールド・プレミアムでは津波警報・津波注意報の発令域地図テロップは一切表示していない。
  5. ^ NHKワールド・プレミアムは総合テレビよりも数秒早く(終了時の挨拶の途中で)特設ニュースを離脱して本番組の映像に切り替わった。
  6. ^ このため、ラジオ第1とラジオ国際放送では『ラジオ深夜便』を中断。ラジオ国際放送は同時放送せず別番組に差し替え(通常の国際放送定時編成である1:00からの放送が実質的な代替放送)。
  7. ^ NHKワールド・プレミアムではノンスクランブル放送も実施。NHKワールド・ラジオ日本では通常の国際放送定時編成での放送。
  8. ^ NHKワールド・プレミアムとNHKワールド・ラジオ日本は別番組差し替え(前者は「ワイルドライフ」の再放送をスクランブル配信。後者はFM放送・過去に行われていたデジタルラジオ実用化試験放送の各番組を9:55まで。9:55から海外安全情報を放送)。これに伴い、NHKワールド・ラジオ日本の翌1時台の時差放送も休止となり、ラジオ深夜便の同時放送となる。
  9. ^ NHKワールド・プレミアムではこの日、通常の局内回線受けでなく東京送出のデジタル総合テレビの放送映像をそのまま受けて使用したため、デジタル総合テレビの識別である「NHK G」のウォーターマーク、時報スーパー、逆L字画面による字幕情報(全国向け情報・首都圏向けローカル情報ともに)もそのまま表示された(3月20日・27日放送分も同様)。
  10. ^ 2010年7月11日(参院選投票日)の総合テレビはアンコール番組ではなく2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会デイリーハイライト・3位決定戦を放送
  11. ^ 総理大臣になった党の場合、自民党は幹事長。民主党は当初は副総理に登場していたが、副総理のポストが無くなってからは幹事長が登場する。
  12. ^ 2011年の放送では国民新党のみ事前収録で行われた。
  13. ^ NHKオンデマンド「平成22年度 NHKオンデマンド 見逃し番組(定時番組)について」 - NHK放送総局長会見資料(PDF) 2010年2月17日

毎週日曜日放送の関連討論番組

※印の番組は、当番組と出演が掛け持ちとなるケースがよくあり(他の番組は収録)、ゲスト出演者の移動時間を考慮してコーナー編成を行う。移動の順番は、お台場(『新報道2001』)→紀尾井町(『日曜討論』)→六本木(『報道ステーション SUNDAY』)である。なお民放側も、大型選挙前には、ぎりぎりまで出演してもらう対策として、千代田放送会館に近いホテルに特設スタジオを設けて対応するケースもみられる。

外部リンク