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斑鳩 (シューティングゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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斑鳩
ジャンル シューティング
対応機種 アーケード (AC)
ドリームキャスト (DC)
ゲームキューブ (GC)
Xbox 360 (360, Live Arcade)
開発元 トレジャー
グレフ
発売元 トレジャー
GC:アタリジャパン
デザイナー 井内ひろし
音楽 井内ひろし
美術 中川敦友
鈴木康士
村田智
人数 1-2人
メディア AC:NAOMI-GD
DC:GD-ROM
GC:ゲームキューブ専用光ディスク
360:ダウンロード
発売日 AC:2001年12月20日
DC:2002年9月5日
GC:2003年1月16日
360:2008年4月9日
対象年齢 CERO: A
システム基板 NAOMI
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斑鳩』 (IKARUGAいかるが) は、株式会社トレジャーの製作した縦スクロールシューティングゲーム2001年12月20日に業務用として稼動(使用システム基板はNAOMI)。

2002年9月5日にはドリームキャスト版が、2003年1月16日にはニンテンドーゲームキューブ版が発売された。また、2008年4月9日にはXbox Live Arcadeで配信開始。家庭用移植版には、企画初期設定を再現したプロトタイプモードなども実装されている。

概要

ドリームキャスト版のキャッチコピー「撃て!避けろ!そして…当たれ!」に端的に表されているように、一般的なシューティングゲームだとミスの要因にしかならない敵キャラの発する弾に、属性を合わせて当たることで吸収し、防御や攻撃に生かすことができるという、当時のシューティングゲームではあまり見られなかったシステム[1]を採用している。

トレジャーがアーケード用に製作・販売するシューティングゲームの2作目であり、また『レイディアントシルバーガン』から続く「プロジェクトRS」の第2作目に当たり、ゲーム中においては「Project RS-2」の表記を確認することができる。ただし、前作との間に時間的・舞台的な連続性は(少なくとも作品中で語られる限りは)存在しておらず、またゲームシステム的にも大きく異なる。しかし、チェインコンボによる特殊なスコアシステムや、インベーダー系を思い起こさせる単発ショットによる狙い撃ち、前作からの同一モチーフである『石のような物体』の存在、緻密なパターン構築の必要性などコンセプトレベルでの共通点は多々見出すことができる。

シューティングゲームの多くに見られるようなパワーアップアイテムは存在せず、また前作に当たるレイディアントシルバーガンのように「得点によって自機の火力が強化される」といったフィーチャーも排除されており、本タイトルにおいては自機の武装は全プレイを通じて変化することはない。それは、他の多くのシューティングゲームに見られるように「自機の火力を強化する事で状況突破の難度を下げる」といった方法論が通用しない事を意味するが、逆に言えば特定の状況に対して考えなければならない変動要素が少ない(フルパワーアップの時のパターン、パワーアップがない状態のパターン、と分けて考える必要がない)ということでもある(ただし、厳密には力の解放という変動要素が存在する)。

敵の出現パターンは(システム上発生する撃ち返しやチェインコンボなどの各種仕様(後述)とも相まって)アドリブで次々と破壊して避けるだけではクリアする事は難しいように設計されており、またその行動アルゴリズムにはランダム性が存在しないため、プレイヤーには出現パターンを把握し、パターンの「解法」を見出し、それらを正確に実践する事を求められる場面が多い。ただし、それら一連のパターンは綿密に設計されており、さまざまな方向からのアプローチによる複数の「解き方」が可能となっている。

シューティングゲームというジャンル全体から見ると、連続的に発生する危機的状況をプレイヤーの動体視力や反射神経でくぐり抜けるのではなく、練習を積み重ね、予想される状況に対して的確に対処して行く事で危機的状況に陥る事そのものを回避する、というスタイルは縦スクロールシューティングというより、むしろ(古典的な)横スクロールシューティングゲーム(グラディウスシリーズR-TYPEイメージファイトなど)のそれに近く、本タイトルはそれらの要素をより純度を高め昇華させたものであると捉えられる、がその反面「お手軽な爽快感」とはいささか縁遠いものとなっていることもまた否めない。[2]

しかしながら、ゲームとしての完成度は高く、NAOMI基板の性能をフルに発揮させたグラフィック、彩度を抑えたカラーデザイン、硬派なストーリーやキャラクター設定、劇中の悲壮感の漂うBGM、またそのBGMを聴かせるタイミングまで緻密に計算された演出[3]なども含め、多くのプレイヤーの支持を得ており海外のゲームレビューサイトなどでも高い評価を受けている。[4][5]

実製作はディレクター・背景グラフィック・BGM作曲を担当した井内ひろしをはじめとするトレジャー社員4名によるもので、グレフからも数名が製作協力として関わっている。

操作・システム

概要

基本的にはトップビューの縦スクロールシューティングゲームであり、ショットで敵や障害物を排除しながらステージ道中を経て、最後に待ち受けるボスを倒すことでステージクリアとなる。全5ステージ。

障害物や敵との接触、一定条件下で敵弾に接触・被弾することによってミスとなり、残機を1機失った上でその場で復活する。その際、短い時間だが敵弾や敵、地形などと接触してもミスにならない猶予時間(無敵時間)が与えられる。残機が0の状態でミスをするとゲームオーバーとなる。

スコアは、敵にダメージを与える・敵の弾丸を吸収する・チェインを成功させる・ボス戦での撃破時間に応じたボーナス点から入る。2人同時プレイの場合は2人の合計スコアも表示される。ステージクリア時にはスコアとチェイン数が表示され、スコアに応じて12段階のランクによってプレイ内容を評価する。全ステージクリア時には残機数に応じたボーナス点が最終的に加算される。なお、一定スコアを獲得する事で残機が追加(エクステンド)される。

操作体系

操作に使うデバイスは、移動用のレバーとショットボタン、そして「属性の変更」ボタンで構成される(アーケード版の場合)。

また、ショットボタンと属性の変更ボタンを同時に押す事で「力の解放」(後述)攻撃を行うことができる。オペレータの設定によっては別に「力の解放」のための専用のボタンが用意されている場合もある。[6]

各移植版ではコントローラで操作するため、レバーではなく各プラットフォームの操作系(十字キーなど)に準じる。各ボタンの割り当てはユーザーが任意に行うことができ、例えば、力の解放をショットボタンと属性の変更ボタンの同時押しではなく、全く別のボタンに割り当てることも可能である。また、XBOX360版はアナログ入力に対応しており、アナログスティックを倒す強さに応じて自機の移動速度が変化する。

グラフィックはポリゴンで構成されており、自機や敵などは立体感を持って描かれるが、古くからの2Dシューティングと同様にゲーム自体は上下左右の平面上にのみ展開され、奥行きについてプレイヤーが考慮する必要は特にない。

ショット

ショットボタンを押すことで自機前方にショットを発射する。

ボタンを押して最初に発射されるショットはシングルショットと呼ばれる単発弾であり、それ以降ボタンを押し続ける事で発射されるショットはダブルショットと呼ばれる双発弾に変化する。なお、ダブルショットはボタンを押している間は自動で連射される。

敵を精密に撃つ場合はシングルショット、数の多い敵を一掃する場合はダブルショットといった使い分けを要求される場面がゲーム中では数多く存在し、後述する属性や、チェインコンボなどの要素と相まって本作を強く特徴付ける要素の一つとなっている。[7]

なお、ショットボタンを押したままの状態でのダブルショットの自動連射速度は2発/3フレームだが、シングルショット一発が敵に与えるダメージはダブルショット2発分に相当するため、連射装置などを用いて同効率でシングルショットを連射した場合に与えるダメージ量はともに同じとなり、連射装置の有無による優位性はほとんど生じない。

属性

本作の大きな特徴として、自機や敵機及びその攻撃を含むほぼ全ての要素に対して「白」か「黒」いずれかの「属性」が割り当てられている点が挙げられる。機体の持つ属性は機体色として明示され、発射する弾丸の属性もその機体の持つ属性に一致する。つまり、白い機体からは白い弾、黒い機体からは黒い弾しか発射されない。

機体は属性に関わりなく弾が命中することでダメージを受ける。ただし、プレイヤーが操作する自機である「斑鳩」は、常時属性のフィールドで包まれており、フィールドと同じ属性の敵弾を吸収することができる。異なる属性の攻撃はフィールドに影響を受けずにすり抜けてしまい、自機がそれに接触してしまうとミスとなる。また、敵本体や地形はその色や属性に関わらず自機が接触してしまうとミスとなる。

プレイヤーは任意のタイミングで「属性の変更」ボタンを押す事で自機の属性を他方の属性に入れ替える事ができる(白→黒、黒→白)。ただし、属性を切り替えた際にはほんの一瞬ながらフィールドが展開されない無防備な状態に陥り、この間はいずれの属性の弾丸に当たってもミスとなる。

また、ショットボタンを押すことで自機から発射される弾丸(ショット)も属性の影響を受け、自機の属性と同じ属性がショットに与えられる。ショットの属性と敵の属性が異なる(逆属性)場合、ショットの当たり判定が大きくなり、2倍のダメージを与えることができる。ショットの属性と敵の属性が同じ(同属性)場合、逆属性の場合に比べて半分のダメージしか与えることができず、また難易度によっては破壊した際に撃ち返し弾が発生してしまう。

以下は自機の属性と敵の属性の関係の要約である。

  • 自機が白属性の時は、白い敵弾はフィールドで吸収できるため、ミスにならない。
  • 自機が黒属性の時は、黒い敵弾はフィールドで吸収できるため、ミスにならない。
  • 属性に関わらず、敵機および地形に自機が接触した場合はミスとなる。
  • 属性切替中の一瞬(自機の周囲にフィールドを展開していない状態)だけは敵弾に当たると必ずミスとなる。
  • 自弾と敵機の属性が異なる場合、同属性の場合に比べて2倍のダメージを与える。弾の当たり判定も大きくなる。
  • 敵機と同属性のショットで敵を破壊すると、難易度と属性に応じた撃ち返し弾が発生する。

属性を無視して敵の攻撃全てを回避することは困難になっており、また同様に属性を無視して敵を破壊してしまうと、多くの撃ち返しが発生してしまうことになる。そのため、アドリブ的なプレイは難しく、敵の出現パターンを把握した上で、状況に応じた適切な属性の切り替えを行っていく必要がある。

力の解放

ショットボタンと属性反転ボタンを同時に押すことで「力の解放」と呼ばれる強力なホーミングレーザーを放つことができる。

ただし、フィールドで敵の弾丸を吸収する度に上昇する「力の解放ゲージ」を消費し、ゲージが一定量溜まっていなければ使用することができない。発射可能な域まで達した分のエネルギーを一度ですべて消費する仕組みで、半端分のエネルギーは持ち越しになる。発射は一発から可能。 放つレーザーの数は吸収した敵弾の量に応じて増加し、最大で12発のレーザーを同時に発射することができる。基本的に敵弾10発を吸収する毎に、ホーミングレーザー1発分のゲージが溜まる。また、ホーミングレーザー1発分はシングルショット10発分のダメージに相当する。

発射されたレーザーは自機からの敵の距離の近さ、及び敵のHPと属性に応じて自動的に目標とその目標へ達するレーザー数の分配を決定し、発射時に軌道を取った後追尾し、ほぼ確実に命中する。レーザーが到達する前に目標を喪失した場合は、レーザーの進行方向から再探査し新たな目標を決定する。その判断にランダム要素は含まれておらず、仮に同じ状況・同じタイミングで発射した場合、その対象や命中順序は常に一定になる。

なお、ホーミングレーザーが敵に与えるダメージもショットと同様に属性の影響を受ける。例えば白属性の敵に対して黒属性のホーミングレーザーを当てると、同条件で白属性のホーミングレーザーを当てた場合と比べて2倍のダメージを敵に与えることができるし、同じ属性のホーミングレーザーで敵を破壊した場合は撃ち返しが発生する。

チェインコンボ

得点システム上の大きな特徴としては、同色の敵を3機連続で破壊することでボーナス点が得られるチェインコンボが挙げられる。例えば白白白、あるいは黒黒黒と撃った場合、3機目の敵を倒した時点でチェインが成立し、条件に応じたボーナス点を得ることができる。チェイン獲得の際には画面上にその旨が表示されると同時に音声によってプレイヤーに知らされる。なお、チェインでは自機のショットの属性は関係なく、敵の属性のみが問題となる。

チェインを成立させる度に、チェインによって得られるボーナス点は累進的に増加する。1チェイン目は100点、2チェイン目は200点、その後400点、800点と増加し、最終段階である9チェイン以降は25600点という大きな得点を、チェインを成立させる度に得る事が出来る。画面上変化があるのは9チェイン目までであり、9チェイン目以降はMAX CHAINと表示されるとともに、他のチェイン成立時とは若干異なる効果音・音声が流れる[8]

ただし、チェインを成立させる前に異なる色の敵を破壊してしまった場合、その場でチェインはリセットされる。例えば(チェインボーナスを獲得した直後の状態から)白白黒と撃ってしまった場合、チェインは成立せず、最後に撃った黒から再びチェインのカウントが開始する。その後、黒黒と撃つ事で1チェイン目として成立するが、それまで累積して来たチェインカウントおよびボーナス点はリセットされ、初期点である100点から再びカウントすることになる。なお、プレイ中のチェインの状態は画面上部左端(1P側の場合)、プレイヤースコアの下に小さく表示されており、ボス戦中以外はいつでも確認する事が出来る。また、各ステージの最後に登場するボスの破壊可能部位(パーツ)毎にも属性が与えられているが、これらのパーツはチェインとは関係せず、どのような順序で破壊してもチェインボーナスを得る事はない。

なお、前作にあたる「レイディアントシルバーガン」では同色の敵を続けて倒さなければならなかったため、チェインしている色とは異なる敵を見逃すことが多かったが、本作では同色の敵を3機ずつ破壊することを守れば途中で色を変えてもチェインは継続する。例えば白白白黒黒黒と撃った場合であっても、チェインは成立する。また、配置された敵をすばやく破壊することで次の敵配置パターンが出現するという早回しがあるため、正確に素早く敵を破壊することが高得点につながる。

一般的なシューティングにおける「敵を破壊する事による得点」は一切存在せず、また敵にダメージを与える事で得られる得点(撃ち込み点)はスコア全体から見るとごくわずかな比率でしかないため、上述のチェインコンボが本作における最大の得点要素であると言える。出現する敵を次々と全滅させるのではなく、チェインを維持し、高いボーナス点を得続ける事を目的として「必要な敵のみを倒す」というプレイスタイルを要求される点は他の多くのシューティングとは異なる方向性であり、本作の存在感を構成する大きな要素の一つであると言える。

難易度選択

ゲーム開始時にはイージー・ノーマル・ハードの3種類から任意の難易度を選択することができる。

ノーマルではショットと同じ属性の敵を破壊した場合にのみ撃ち返し弾が発生する。うかつに撃ち返し弾を発生させると脅威となりうるが、発生した撃ち返し弾を吸収することでスコアを獲得すると同時に「力の解放」を使うためのパワーゲージの回復を行えるため、攻略に大きく役立たせることもできる。

イージーでは撃ち返し弾が一切発生しない。他にも一部の場面でアルゴリズムが簡単なものに変更されていたり、敵を破壊するために必要なダメージ量が減少しているなど難易度は簡単になっているが、「力の解放」を撃つ為の敵弾を吸収するチャンスはノーマルと比べ大きく減少しており、ノーマルとはまた異なるプレイが要求される。

逆にハードでは同属性で敵を倒した場合のみならず、逆属性で敵を倒した場合であっても撃ち返し弾が発生してしまう。ボスの攻撃も全体的に激しくなっており、ノーマルよりもさらに緻密なパターン化と精密な制御が要求される。なお、逆属性で敵を撃破した場合に生じる撃ち返しは同属性のそれよりは少なく、また弾速も遅くなっている。

また、ゲームシステムへの理解を助けるため、通常の全5面までプレイする他に、お試しプレイとして2面クリアで終了する代わりに1面は残機無限でプレイできるというモードも用意されている(アーケード版やDC版など。XBOX360版には用意されていない)。

2人同時プレイ

本作は2人同時プレイに対応している。2人同時プレイ中、プレイヤー同士が接触すると接触された側のプレイヤーは「押され」て、位置がずれるため、プレイヤー同士が重なる事は出来ない。[9]一部のボスの体力に若干の上方修正が加えられている以外は敵の配置や攻撃等に変化はないが、安易なショットの発射が撃ち返し弾による仲間割れを招く可能性があるため、実際は1人プレイ以上に緻密なパターンを要する。

XBOX360版ではオンラインによる2人同時プレイ(Co-op)に対応した。

ドットイート

ショット及び力の解放などの能動的攻撃手段を一切使わず、属性変更による弾丸の吸収のみで切り抜ける「ドットイート」プレイと呼ばれるプレイスタイルも可能である。

一見クリア不可能な部分もあるが、いずれの場面もショットを撃たずに抜ける事が可能なよう設計されている。敵の弾丸を吸収することによる得点しか得ることができないため、残機の増加機会が大きく減少し、また、ボスに対しても時間切れになるまでの間ボスの攻撃を避け切らなければならないため、通常よりもさらにシビアなプレイが要求される。なお、ステージクリア時には専用の称号 (DOT EATER!) が用意されている。

プロトタイプモード

移植版によってはステージ構成などはほぼ同一だが自機の仕様のみが異なる「プロトタイプモード」が搭載されているものがある。

アーケード版における仕様をここでは便宜上、通常モードと表記する。 プロトタイプモードの通常モードとの相違点は以下のとおり。

  • 最大の違いは自機のショットが無制限ではなく、弾数制になっている点である。ショットを撃つたびに残弾数のストックが減少し、残弾数が0になるとショットが飛ばなくなる。ただしその場合でもショット自体が撃てなくなるわけではなく、ごく短い距離ながら自機前方に攻撃判定自体は発生するため攻撃は不可能ではない。
  • プレイヤーは同属性の敵弾を吸収することで自機の残弾ストックを回復させることができる。
  • 力の解放はレーザー1本を発射するたびに弾丸10発を消費する。一度に射出されるレーザーは通常モードと同じく最大12本だが、弾丸のストックがある限り常に可能な限り最大限のレーザーを撃とうとする。つまり、120発以上のストックがある状態であれば一回の解放につき12本のレーザーが発射されることになる。また、充分なストックがあれば最大の力の解放を連射して瞬間的に大きな火力を生むことも可能である。
  • プレイヤーは初期状態で100発の弾丸を与えられ、最大999発までストックが可能である。通常モードにおける力の解放ゲージは存在せず残弾ストックに一元化されている。
  • 属性・撃ち返し・チェインコンボなどの仕様は通常モードに準じる。
  • 同様にマップ構成や敵の出現パターンにも変更はない。

通常モードでもシングルショットによる狙い撃ちやチェインコンボ、撃ち返しなどに見られるように「無計画な弾丸のばら撒き」を抑止するデザインとなっているが、プロトタイプモードでは弾数ストック制を導入したことによりさらにショットリソースの管理がシビアになっている。逆に、充分なストックさえあれば力の解放を連射することで通常モードの場合よりも素早くボスを撃沈したり、より多くのパターンを回せるなど、より振幅の大きな調整となっている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

主人公

森羅(しんら)
本作の主人公。「鳳来ノ国」の一方的な支配に反抗する組織「天角」の生き残り。単身で鳳来に戦いを挑むが、「浅見 影比佐」に撃墜され、姥捨て山と呼ばれる「斑鳩の里」に墜落。里の老人達によって命を救われる。なお戦う事を諦めない森羅に対し、老人達は彼らの意地の結実である飛鉄塊「斑鳩」を託す。
篝(かがり)
元は仏鉄塊を用いて森羅に挑んだ、鳳来の刺客の少女。戦いに敗れ、森羅や斑鳩の里の老人達に命を救われて以来、彼らの生き方にを興味を持ち行動を共にする。「銀鶏」は鳳来の機体だったが、天内により斑鳩と同じ改装が施され、全く同じ能力を与えられている。

斑鳩の里

風守(かざもり)老人
「斑鳩の里」の長老。広い視野を持ち、里の老人達から信頼を寄せる。森羅に天内らと共に作り上げた「斑鳩」を託す。
天内(あまない)技師長
元凄腕の技術者であり、斑鳩の設計や組み立ての大部分を行った。不器用な性格だが根は優しい人物である。
新海(しんかい)
人当たりのいい人物であり、「斑鳩の里」の里長。なかなか森羅と打ち解けない天内との橋渡しになった。

鳳来ノ国

浅見 影比佐(あさみ かげひさ)
仏鉄塊「烏帽子烏」に乗る鳳来ノ国の武将。浅見は斑鳩に乗る前の森羅を一度は下したものの、斑鳩の試験飛行で森羅と二度目の対峙をして以来、斑鳩を恐れ不動明王の剣周辺に部隊を配備させる。
法角(ほうかく)
民間人への攻撃により、かつて鳳来ノ国と敵対していた阿魏ノ国を降伏させた、鳳来ノ国の武将。仏鉄塊「仏法僧」を操る。
鬼羅(きら)
巨大な仏鉄塊「鶚」を操り、大部隊を率いて鳳来ノ国の国境付近で森羅達を待ち受けた鳳来ノ国の武将。
鳳来 天楼 (ほうらい てんろう)
鳳来ノ国の首領。白髪と白い肌を持つ老婆のような女性である。元々超能力者だった彼女は、地中より「石のような物体(産土神黄輝ノ塊)」を発掘し、石に残された強烈な残留思念を感じ取って以来、石の本質を理解できぬまま石と同調し、暴走を始める。石の力を得た彼女は、もともと小国だった鳳来の国の勢力を、各地を制圧する程に伸ばすことになる。鳳来の国の地下中枢にて、森羅達を仏鉄塊「田鳧」にて迎え討つ。

ステージ一覧

chapter タイトル 解説 ボス
1 理想 -Ideal- 不動明王の剣から斑鳩が射出されるところから始まる。早回しによる敵機の追加エントリーに注目。 烏帽子鳥
2 試練 -Trial- 鳳来の手に落ちた阿魏ノ国、都市部上空から始まり、建設中の地下軍事基地へ進んでいく。前半の交喙高速飛行地帯を経て、後半の回転するキューブから連続的に出続ける敵弾を属性変更を駆使して吸収し、突破して行く。自機周囲の状況を理解して、属性変更を自在にこなせるかが突破の鍵となる。 仏法僧
3 信念 -Faith- 鳳来ノ国へ続く要塞渓谷。井内の地形が本格化し危険なギミックが待ち受ける。前半はレーザー攻撃を同属性で吸収しつつ、レーザーの圧迫による地形との衝突に注意しなければならない。後半はレーザー攻撃に加え、沙羅曼蛇(1986年)を髣髴とさせる棒状のシャッター地帯を挟み、中ボス「鷸」が登場する。「鷸」はパーツの属性でチェーンコンボが可能。
4 現実 -Reality- 鳳来ノ国へ突入。ステージをまるまる構成する巨大な要塞型の仏鉄塊「鶚」との戦いとなる。回転する鶚から常に発射される弾列の中に閉じ込められる形で、交差する弾列に応じて属性を変えなければならない。
5 輪廻 -Metempsychosis- 鳳来ノ国の地下中枢へ突入する最終ステージ。ボスまでの道中は短いものの、敵機が多数ワープアウトしてくる。後半は多数の弾をばらまく長元坊のラッシュ地帯。最終ボス「田鳧」は3つの形態へと変化し斑鳩を攻める。田鳧を倒した後、前作同様、石のような物体の攻撃を60秒間ひたすら避け続けることとなる。 田鳧 石のような物体

登場機体

斑鳩に登場する機体はその多くが実在の鳥類をモチーフとしており、名称も鳥の名(種、または属名)が与えられている。

飛鉄塊

自機

斑鳩(イカルガ)
森羅の搭乗機。1P側の機体。
銀鶏(ギンケイ)
篝の搭乗機。2P側の機体。

敵機

歌鶇(ウタツグミ)
chapter1の最初等に登場する丸い雑魚。
虎鶇(トラツグミ)
chapter1テロップ直前等に登場する小さい雑魚。
連雀(レンジャク)
chapter1テロップ後等に登場する小型機。
虎斑木菟(トラフズク)
chapter1の歌鶇整列地帯後などに登場する中型機。弾を撃ってくるタイプとレーザーを撃ってくるタイプがいる。
鯵刺(アジサシ)
chapter1ボス前に登場する、小型砲台をいくつも搭載した中型機。
交喙(イスカ)
chapter2テロップ前等に登場する三角形の雑魚。
鷦鷯(ミソサザイ)
chapter2テロップ前等に登場するレーザーを撃つ小型機。
朱鷺(トキ)
chapter3テロップ後等に登場する中型機。バルカンショットとホーミング弾を撃つ。
(シギ)
chapter3に登場する中ボス。白と黒のレーザーを、本体を中心にしならせながら回転させて攻撃してくる。
長元坊(チョウゲンボウ)
chapter5ボス前に登場する大型機。圧倒的弾幕で攻撃する。また倒されると歌鶇を放出する。

仏鉄塊

仏鉄塊とは飛鉄塊よりも大きなサイズの機体の総称であり、ゲーム的にはいわゆる「ボス」に相当する。

烏帽子鳥(エボシドリ)
chapter1ボス。大剣と盾を装備した人型の仏鉄塊で、浅見の搭乗機である。剣と盾以外にも固定砲台を射出したり、ホーミング弾を撃つ。
仏法僧(ブッポウソウ)
chapter2ボス。法角の搭乗機で陰陽のマークを模したような機体である。白と黒の弱点部があり、カバーでガードされている。ダメージを与えるには弱点部と同属性のショットでカバーを開ける必要がある。
(ウズラ)
chapter3ボス。搭乗者不明。リング状の本体に白と黒の砲台が7つずつ設置されており、自機を回転する本体の中に閉じ込めて攻撃する。すべての砲台を破壊することで本体の破壊が可能であるが、砲台が破壊されることで本体の回転速度が上がり、同属性の砲台を7つ、または属性に関係なく8つの砲台が破壊されるとレーザー攻撃を仕掛けてくるので、砲台の破壊の順番にも注意が必要である。
(ミサゴ)
chapter4ボス。圧倒的巨大さを誇る鬼羅の搭乗機。弾列による攻撃や砲台等多彩な攻撃方法を持つ仏鉄塊で、小型機の編隊と共に森羅たちに襲い掛かる。鶚を破壊するには、本体に接近してコアを破壊しなければならない。
田鳧(タゲリ)
Final chapterボス。鳳来 天楼の搭乗機で、3つの形態がある。第1形態は、無数の白と黒の直線レーザーを交差させ、行動を制限させた上で攻撃してくる。第2形態は、稲妻のような軌跡を残しながら自機を追跡してくる白と黒のビットを排出してくる。この稲妻部分は吸収可能で、逃げ場がなくならないように稲妻部分を吸収しつつ攻撃を仕掛けなければならない。第3形態は、力の解放に似た無数のホーミングレーザーを自機めがけて撃ってくる。このホーミングレーザーは回避不能で、白→黒→白とかならず白黒交互に撃ってくるので、それらに合わせて属性変更し、吸収して即、力の解放といった攻撃手段をとらなければならない。レーザー以外にも弾を撃ってくるので、めまぐるしく変化する自機の属性を見極めて弾を避けなければならない。

ストーリー上の用語

不動明王の剣
チャプター1開始直後に斑鳩・銀鶏を転送・射出する、空中に浮かぶ巨大な装置。カタパルトのようなもの。
産土神黄輝ノ塊(うぶすなかみおうきのかい)
鳳来ノ国で発掘された、謎の物体。「石のような物体」とも呼ばれる。

関連項目

脚注

  1. ^ 敵弾を単なるミスの要因以外として扱うシステムを採用したゲームは1999年「ギガウィング」、2000年「サイヴァリア」「グレート魔法大作戦」など以前から存在してはいた。
  2. ^ 開発者自身、インタビュー[1]中で「"上級者が満足できて、中級者も入り込める" レベルを目指した」と述べている
  3. ^ 前述のインタビューでは、ストップウォッチ片手に作曲と面構成を緻密に組み上げた事も語られている。
  4. ^ http://www.gamerankings.com/htmlpages2/914452.asp - Game Rankings 平均レビュースコア85%(英語サイト)
  5. ^ http://www.metacritic.com/games/platforms/cube/ikaruga?q=ikaruga - Metacritic 平均レビュースコア85(英語サイト)
  6. ^ インストカード上には2ボタンまでしか書かれていないが、3ボタン目を接続することにより、特殊な設定を行うことなく力の解放専用ボタンとして扱うことが出来る。
  7. ^ 前作に当たるレイディアントシルバーガンの同系統武器「バルカンレーザー」は本作のショット仕様と多くの部分で共通点が見られる。
  8. ^ 通常、チェインが成立するとそのチェイン数を表す英語音声が流れる(例、「One Chain」「Two Chain」など)が、9チェイン目以降は「Max Chain」「Splendid」「Excellent」のいずれかの音声がランダムで流れるようになる。
  9. ^ 沙羅曼蛇(1986年)にも同様のフィーチャーが存在しているが、本作におけるそれは「異なる属性同士で重なる事であらゆる敵弾に対して無敵になれる」という状況に陥る事を避ける意図があると思われる。

外部リンク