國崎出雲の事情

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國崎出雲の事情
ジャンル 少年漫画歌舞伎
漫画
作者 ひらかわあや
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス
発表期間 2010年7号 -
巻数 既巻8巻
テンプレート - ノート

國崎出雲の事情」(くにさきいずものじじょう)は、ひらかわあやによる日本少年漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)において、2010年7号から連載中。

概要

女形歌舞伎役者を主人公に、歌舞伎役者の世界をコメディータッチで描いた漫画[1]

『週刊少年サンデー』2009年12号に同名の読切が掲載されたが、この時点では、「出雲の阿国」に変身して異能者「傾奇者」を退治するバトル漫画だった。その後、連載に際して設定が大幅にリファインされている。話数のカウントは「第●幕」。

雑草社が発行する雑誌『ぱふ』にて、「読者が選んだまんがベストテン2011」新人賞第1位を獲得した。[要出典]

単行本第7巻限定版にはドラマCDが付属。

あらすじ

伝統芸能・歌舞伎の世界に入ってしまった、超絶美少年・國崎出雲。男にも女にも愛されてしまう出雲の、受難の日々が始まる。(作品説明より引用)

登場人物

はドラマCDのキャスト。

主要人物

國崎 出雲(くにさき いずも)
声 - 沢城みゆき
主人公。四条河原高校芸能科1-B在籍。誕生日は9月23日。身長158cm。血液型はO型。
歌舞伎一家「國崎屋」の跡取り息子。男であるが、美少女と見紛うほどのルックスの持ち主。そのルックスを活かして幼少から女形として舞台に出ていた。女形を演じていることには当初何ら疑問を抱いていなかったが、幼馴染の柚葉の一言から自分が女形をやらされていることに気づき、歌舞伎と父親を拒んで國崎屋を去る。その後は母親と同居していたが、母親が突然海外旅行に出かけてしまったため、不本意ながら國崎屋に戻り、再び歌舞伎の舞台を踏むことになる。同時に高校も四条河原高校へ転入し、芸能科に在籍する。
常識的な思考の持ち主で正義感が強いが、同時にやや喧嘩っ早く、挑発に乗りやすい一面もある。運動神経は高く、また料理が得意。一方で幽霊が大の苦手。
作中ではその美貌から紗英をはじめとして同性からアプローチを受けることが多く、そのため「男の中の男」に憧れている。しかし國崎屋に戻ってからは、加賀斗から「女形の勉強」として女物の服を着せられたり、玄衛に騙されてメイド喫茶でメイドとしてバイトする羽目になったりと、その望みから完全に遠ざかってしまっている。異性から好かれることもあるが、粂寺からは偏愛され、杏李からは女子と思われているなど、作中で恋愛が進展する気配はない。
「(家業の)赤字」といった単語を耳にしたり、自分の弱点を握られそうになったりすると、無意識にアイドルやキャバ嬢、メイドとしてこき使われる状況を妄想してしまう癖がある。
歌舞伎界に復帰してからも女形を演じることが圧倒的に多く、そのため自分の家業については歌舞伎関係者を除いて隠している。
栂敷 紗英(とがしき さえ)
声 - 岸尾だいすけ
四条河原高校芸能科2-A在籍。誕生日は4月1日。身長176cm。血液型はA型。出雲への呼称は「國崎くん」。
歌舞伎界の御曹司。当初は傲慢な性格で、自分のことを特別な存在だと思っており、普通科の女子を蔑む態度を取ったため、出雲と対立する。その後、「鳴神」公演で出雲と共演した際、他人を見下すことの愚かさを知って改心するが、共演の際に出雲が行った工作が原因で、出雲のことを「男装している女子」と思い込んで本気で惚れてしまう。
「鳴神」以降、友人として出雲と行動を共にすることが増えるが、出雲に対して熱烈なアプローチを繰り返し、その度に出雲から鉄拳制裁を受けることがお約束となる。出雲のことを考えてBL風に妄想することもしばしばだが、その反面、出雲に関することでは異常に勘が働く。
作中で時折、出雲の身代わりとして変装をすることがあるが、基本的にバレバレである。
源 玄衛(みなもと くろえ)
声 - 悠木碧
四条河原高校芸能科1-C在籍。誕生日は5月5日。身長140cm。血液型はAB型。出雲への呼称は「出雲」。
歌舞伎一家「源屋」の一人息子。容姿が幼く、8年前から容姿が全く変わっていない。歌舞伎ではその容姿を活かして長年子役を演じてきたが、成長期を迎えたことで歌舞伎では子役を演じられなくなり、両親から歌舞伎を辞めて芸能界に入ることを求められる。しかし、「鎌倉三代記」で出雲と共演したことを機に芸能界入りを断り、以降も自分の意志で歌舞伎を続けている。
出雲のことを慕っており彼に異常なまでに迫る者へは怒りを露にするが、同時に彼のことをいじって楽しんでいる描写もしばしば見受けられる。出雲がメイド喫茶でバイトするきっかけを作った張本人だが、本人も出雲をダシにして喫茶の厨房に採用してもらっており、したたかで腹黒い性格であることが窺える。
菅原 梅樹(すがわら うめき)
声 - 谷山紀章
四条河原高校芸能科2-B在籍。誕生日は1月6日。身長174cm。血液型はB型。出雲への呼称は「チビ」。
歌舞伎界の有力一家「菅原屋」の長男。粗暴な言動が多く、弟の松樹とは険悪な間柄。
当初は有力一家の長男という地位ゆえに優遇されてきた結果、粗暴な振る舞いをするようになったと思われていたが、「籠釣瓶花街酔醒」で松樹・出雲と共演した際、努力を重ねていた松樹に家を継がせてやりたいがために粗暴な振る舞いを続けていたことを明かす。その後、弟への態度は若干軟化している。
内心では相手のことを思って行動することが多いが、それを周囲に伝えることがあまりないため誤解されやすく、悪者扱いされたりバカ扱いされたりすることが多い。身体能力は高く、作中では弟とともに複数の不良を相手取って、ほぼ無傷で倒している。
作中の主要人物の中で、出雲と共演する回数が最も多い。外見に似合わず大の猫好きで、猫カフェの常連客。
菅原 松樹(すがわら まつき)
声 - 緑川光
四条河原高校普通科1-F在籍。誕生日は2月24日。身長180cm。血液型はA型。出雲への呼称は「メイド」。
「菅原屋」の次男。兄の梅樹の不真面目さに愛想を尽かし、四条河原高校では芸能科ではなく普通科に通っている。
普通科に通いながらも勉強と仕事を完璧に両立させており、勤勉な努力家で学業成績も優秀。それ故、作中で知識やそれに基づく分析を披露することも少なくなく、出雲からも頼りにされている。また兄同様身体能力も高く、文武両道を地でいく青年。
兄の梅樹とは険悪な仲だったが、「籠釣瓶花街酔醒」で梅樹・出雲と共演した際、兄の本心を知る。その後も兄に対しては平然と「バカ兄貴」呼ばわりしているが、共演以前よりも行動を共にすることが多くなる。また兄の扱いは上手く、紗英から感心されている。
出雲のバイト先であるメイド喫茶の常連客で、その関係で出雲のことを「メイド」と呼んでいる。ただしメイドが好きなわけではない。

國崎屋

元々は有名な歌舞伎一家であったようだが、出雲が去った8年間で没落しており、故に他の歌舞伎一家から見下される事も少なくないが、出雲の復帰で徐々に立て直しているが、未だに立場は下である。

皇 加賀斗(すめらぎ かがと)
声 - 斎賀みつき
出雲が國崎屋から離れている間に國崎屋に加わった、出雲の兄弟子。誕生日は10月30日。身長165cm。血液型はA型。出雲への呼称は「出雲」。
女形の人気歌舞伎役者。「女形の勉強」として普段から女装しており、稽古着以外の私服は全て女物である。女装時の姿は男とは全く気づかれないほどであり、その華やかさからあらゆる人物を魅了する。
身体が弱く、無理をすると倒れてしまう。そのため、紗英・梅樹と同い年であるにもかかわらず高校には通っていない。カルタが得意。
國崎 八雲(くにさき やくも)
出雲の父で、「國崎屋」16代目。出雲への呼称は「出雲」。
父親であるにもかかわらず、息子の女装姿に興奮してしまう困った人物で、妻子のみならず一門の役者一同からも呆れられている。息子に過剰な愛情を示したり、息子に相談しないで勝手に息子の出演を決めたりするため、息子から鉄拳制裁を受けることもしばしば。
志賀 累(しが るい)
出雲の弟弟子。出雲への呼称は「師匠」。
中学校の演劇鑑賞会で観劇した出雲の歌舞伎に魅せられ、出雲に弟子入りする。女装の技術は高く、出雲・紗英・玄衛・梅樹の4人からは当初女だと思われていた。
春一、秋彦、夏希、冬政(はるいち、あきひこ、なつき、ふゆまさ)
國崎屋に籍を置く役者たちで、通称「兄弟子ズ」。出雲への呼称は主に「出雲」。
春一、秋彦は最近になって役がつくようになった。夏希、冬政は一家の古株で、演目によっては主役も務める。
出雲には余計なことを背負い込まず、歌舞伎を楽しめるようになって欲しいと考えているが、國崎屋の立場の弱さと出雲のムラっ気の板挟みに苦労している。

歌舞伎役者

薊 清良(あざみ きよら)
新鋭の歌舞伎「斬歌舞伎」の役者。出雲への呼称は「出雲くん」。
元は梨園の役者だったが、自らの態度が原因で師匠に破門されてしまい、以降「梨園の御曹司」を逆恨みして出会った歌舞伎役者をいじめて潰していた。しかし出雲との出会いを通じ、師匠と和解する。
佐倉 伊織(さくら いおり)
歌舞伎一家「佐倉屋」の5代目。出雲への呼称は「出雲くん」。
清良に誘われて斬歌舞伎に参加した。性格は天然で、極めてポジティブ。
伊左屋 藤次郎(いざや とうじろう)
上方歌舞伎の役者。出雲への呼称は「出雲」。
東京の公演に呼ばれ、街中で歌舞伎の一人芝居をしていたところで出雲と出会い、出雲に無理矢理観光案内をさせる。東京では國崎屋に滞在。強引な性格で協調性があまりない。梅樹とは仲が悪かったが、「曾根崎心中」で共演する中で今まで演じた役よりも、最高の出来と満足しながら心機一転、新たな心構えで役者としての一歩踏み出し、帰阪した。

四条河原高校

普通科と芸能人が通う芸能科と別れている。

仲村 柚葉(なかむら ゆずは)
声 - 喜多村英梨
芸能科1-A在籍。歌舞伎一家「仲村屋」の娘で、出雲の幼馴染み。出雲への呼称は「いっくん」。誕生日は4月16日。身長156cm。血液型はB型。
幼少時の出雲が父親に女形をさせられていることを何気なく聞いた一言で気づかせ、彼を歌舞伎(女形)嫌いにしてしまった。本人には悪気も自覚もなし。加賀斗のファンである。
蓮、圭(れん、けい)
芸能科1-B在籍。出雲への呼称は「國崎」。
アイドル歌手。出雲とは友人だが、出雲が歌舞伎役者であることは知らない。
理事長
柚葉の父で、四条河原高校の理事長。歌舞伎役者としての心構えがなっていない出雲たちの行動に頭を悩ませている。
粂寺 皐(くめでら さつき)
声 - 小林ゆう
四条河原高校の生徒指導教論。出雲への呼称は「國崎出雲」。
厳格に見えるが、その本性は女形を「美味しそう」などと言いヨダレを垂らすような変態。時々、教育者として問題がありすぎる発言をしながら、出雲を狙っている。子供の頃は歌舞伎(特に女形)のファンだったが、ある役者の横柄な態度が原因で歌舞伎嫌いになってしまう。そういったことから風紀を乱す出雲・紗英・玄衛を停学にしようとするが、彼らの主演舞台「三人吉三」に魅せられ、停学を撤回した。

生徒会室

篠竹 禄(すずたけ ろく)
芸能科2年。出雲への呼称は「ガキ」。
海外での公演を主に行っている歌舞伎役者で、久しぶりに日本に帰って来たところを出雲と出会い、その後、柚葉の友達の件で対立する。 
芸は一流だが中身は三流以下と揶揄される危険人物で、松樹は梅樹より問題児と発言している。事実、些細なことでターゲットとした人物を卑劣な手段で追いつめている。実際には気弱な性格で、兄弟子(歌舞伎からは既に引退)からも「堂々としろ」と言われていたが、かなり間違った方向に進んでいた事を出雲との共演で自覚した。
桐矢 臣(きりや じん)
芸能科3年。
子役時代から世間の注目を浴びている若手の人気映画俳優。

その他

出雲の母
気まぐれな性格で、出雲の将来を心配したため共に夫と別居したが、出雲に断りなく海外旅行に行ってしまい、出雲が再び歌舞伎を始める原因を作ったと同時に、國崎屋の危機的状況を知るきっかけにもなった。
出雲のルックスは母親似である。出雲への呼称は「出雲」。
各務 秀一郎(かがみ しゅういちろう)
國崎家のご贔屓筋の家の息子。出雲への呼称は「出雲」。
母親を早くに亡くし、父親は仕事ばかりで自分に構ってくれなかったことから親の愛情を知らずに育ってきた。
出雲の「四谷怪談」をきっかけに、父子の関係を修復した。
杏李(あんり)
声 - 松嵜麗
出雲のバイト先のメイド喫茶の人気No.2。苗字は今のところ不明。出雲への呼称は「出雲」。ややツンデレ
出雲が来るまで店の人気No.1だったため、その座を奪った出雲をライバル視し、何かとつっかかってくるのだが、出雲に庇われてから彼が気になる存在になっている。ただし、出雲が男であることは全く知らず、上半身裸を見ても気付かない。
メイド喫茶で働く前は、近くの劇場でチームを組んで歌手をしていたが、息が合わずすぐに解散してしまい、落ち込んでいた所を今の店の店長に誘われた。

作中で披露された演目

  • 廓文章…夕霧‐皇加賀斗→國崎出雲(代役)
  • 鳴神…鳴神上人‐栂敷紗英/雲の絶間姫‐國崎出雲/白雲坊‐國崎春一/黒雲坊‐國崎秋彦
  • 鎌倉三代記…三浦之助‐源玄衛/時姫‐國崎出雲
  • 三人吉三…お譲吉三‐國崎出雲/お坊吉三‐源玄衛/和尚吉三‐栂敷紗英
  • 籠釣瓶花街酔醒…次郎左衛門‐菅原松樹/八ッ橋‐國崎出雲/栄之丞‐菅原梅樹
  • 四谷怪談…民谷伊右衛門‐菅原梅樹/お岩‐國崎出雲
  • ヤマトタケル…小碓命‐薊清良/弟橘媛‐國崎出雲/タケヒコ‐佐倉伊織
  • 曾根崎心中…徳兵衛‐伊左屋藤次郎/九平次‐菅原梅樹/お初‐國崎出雲
  • 紅葉狩…平維茂‐篠竹禄/更科姫(実は鬼女)‐國崎出雲

単行本

  1. 2010年4月16日発売 ISBN 9784091222701
  2. 2010年7月16日発売 ISBN 9784091224767
  3. 2010年10月18日発売 ISBN 9784091226273
  4. 2011年1月18日発売 ISBN 9784091227683
  5. 2011年4月18日発売 ISBN 9784091228529
  6. 2011年7月15日発売 ISBN 9784091231796
  7. 2011年10月19日発売 ISBN 9784099417253
  8. 2012年1月18日発売 ISBN 9784091235206

脚注

  1. ^ 島根日日新聞2010年1月14日掲載記事

外部リンク