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南シナ海

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南シナ海
南シナ海地図
中国語
繁体字 南海
簡体字 南海
漢語拼音Nán Hǎi
発音記号
標準中国語
漢語拼音Nán Hǎi
注音符号ㄋㄢˊ ㄏㄞˇ
呉語
ローマ字noe he
客家語
客家語拼音nam11 hoi31
粤語
粤拼naam4 hoi2
閩南語
閩南語白話字lâm-hái
別名
繁体字 南中國海
簡体字 南中国海
漢語拼音Nán Zhōngguó Hǎi
発音記号
標準中国語
漢語拼音Nán Zhōngguó Hǎi
注音符号ㄋㄢˊ ㄓㄨㄥ ㄍㄨㄛˊ ㄏㄞˇ
呉語
ローマ字noe tson koh he
客家語
客家語拼音nam11 dung24 gued2 hoi31
粤語
粤拼naam4 zung1 gwok3 hoi2
閩南語
閩南語白話字lâm tiong-kok hái
ベトナム語
ベトナム語Biển Đông
チュノム匾東
タイ語
タイ語ทะเลจีนใต้
[tʰáʔlēː tɕīːnáʔ tɑ̂i]
インドネシア語
インドネシア語Laut Cina Selatan /
Laut Tiongkok Selatan
マレー語
マレー語Laut Cina Selatan
ポルトガル語
ポルトガル語Mar da China Meridional
フィリピン語
タガログ語Dagat Timog Tsina
Dagat Luzon
Dagat Kanlurang Pilipinas

南シナ海(みなみシナかい)は、中国台湾フィリピンブルネイマレーシアベトナムインドネシアに囲まれた海域の名称。

表記

日本において

第二次世界大戦までは支那と表記した。2004年現在、日本の外務省の公式文書等では南シナ海と表記され、日本国内では一般化している。

その他の国・地域において

  • 英語ではSouth China Seaと表記し、これが国際名称となっている。
  • 中華人民共和国 - 南中国海あるいは南海と表記する。 ただし、後者は中華人民共和国内でしか使われていない(日本国内では「南海」は南海電鉄、また歴史的には近畿南部と四国一帯を差す呼称の南海道などの意味となる)。
  • 中華民国台湾) - 同上
  • ベトナム - Biển Đông(匾東)と表記する。
  • フィリピン - Dagat Kanlurang Pilipinas(西フィリピン海の意)[1]Dagat Luzonルソン海の意)

概要

南シナ海海底地形

緯度0度から北緯23度付近まで広がっている熱帯・亜熱帯の海域である。南西部のマレーシア東方付近は大陸棚が広く発達しており、水深200m以下となっている。東部は深く、特にルソン島北西沖にはマニラ海溝がある。太平洋とは主に台湾島フィリピン諸島カリマンタン島などで区切られており、バシー海峡など限られた海峡で結ばれているに過ぎない。海域内における大きな島は海南島程度であるが、サンゴ礁も含めて中小の島嶼は多く、南海諸島南沙諸島中沙諸島西沙諸島東沙諸島)、南ナトゥナ諸島アナンバス諸島がある。各国大陸棚では石油天然ガスが採掘されている。

島と海山

200以上の島と礁が知られており、大部分は南沙諸島にある。同諸島は810kmと900kmの広さに及び、最大の島はタイピン島(イトゥアバ)で、長さ1.3km、最高海抜3.8mである。また、フィリピンのパラワン諸島とはパラワン海溝を挟んでリード礁と呼ばれる長さ100kmの海山があり、面積8,866平方kmは環礁として世界最大。いまや水深20mに沈んでいるが7千年前に氷期が終わり海面が上昇するまでは島であった。

領土・権益問題

交錯する領有権。(赤)中国、(黄)ベトナム、(青)フィリッピン、(緑)ブルネイ、(ピンク)マレーシア。水色で囲まれた部分はスプラトリー諸島
スプラトリー諸島の占有状況

スプラトリー諸島(南沙諸島)などをめぐっては7カ国が領有権を主張し合っているが、各国が資源開発を独自に行う姿勢を示したり、共同で資源開発を行うなど様相は複雑化している。先述のとおり、利害が衝突する国の間で南シナ海の呼称が異なっているのには、こうした背景が存在する[2]

ベトナムとフィリピンの間にあるスプラトリー諸島については、中華人民共和国、中華民国(台湾)は全体の領有を主張し、対するベトナム、マレーシア、フィリピン、ブルネイの4カ国は一部分の領有を主張している。

中国・海南島の南方にある西沙諸島(パラセル諸島)については、中華人民共和国、中華民国(台湾)、ベトナムの3ヵ国が領有権を主張している。

中国とベトナムはトンキン湾、マレーシアとベトナムはタイ湾、マレーシアとフィリピンは東ボルネオ沖を巡って排他的経済水域を主張している。

2010年7月23日、ハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)は、南シナ海問題を重要な議題の一つとして議論した。2002年の「南シナ海行動宣言」を効果的に実施し、法的拘束力のある「南シナ海行動規範」へと発展させることへの支持を確認した。

2011年11月4日・5日、ハノイで南シナ海の安全保障と協力をテーマに国際会議が開かれた。閉会式でセベリーノ(ASEAN元事務局長)は南シナ海の紛争を平和的に解決することを期待するとともに、領有権問題の解決は当事国間の交渉でしか解決できないと述べた。

関連項目

脚注

  1. ^ Statement of the DFA on the Chinese vessels in the West Philippine Sea (or South China Sea), June 4, 2011”. フィリピン共和国政府 (2011年6月4日). 2011年6月閲覧。
  2. ^ “南シナ海を「西フィリピン海」…中国に抗議の意”. 読売新聞. (2011年6月14日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110614-OYT1T00853.htm 2011年6月14日閲覧。