デスクビエルタ級コルベット
デスクビエルタ級コルベット | ||
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![]() 「インファンタ・エレナ」 (F-33) | ||
艦級概観 | ||
艦種 | コルベット | |
建造期間 | 1975年 - 1984年 | |
就役期間 | 1978年 - 就役中 | |
前級 | ||
次級 | ||
性能・諸元 | ||
排水量 | 基準排水量: 1,223トン | |
満載排水量: 1,482トン | ||
全長 | 88.9m | |
全幅 | 10.4m | |
吃水 | 3.8m | |
機関 | CODAD方式 2軸推進 | |
バサン=MTU 16V956 TB91ディーゼルエンジン(16,000PS) | 4基 | |
速力 | 最大25kt | |
航続距離 | 4,000nmi(18kt巡航) | |
乗員 | 115人 | |
兵装 | 76mm単装速射砲 | 1基 |
L/70 40mm機関砲 | 2基 | |
シースパロー短SAM8連装発射機 ※F-35と36はアスピーデ短SAM |
1基 | |
ハープーンSSM単装発射機 ※モロッコ向けはエグゾセ |
8基 | |
375mm連装対潜ロケット | 1基 | |
Mk 32 短魚雷発射管 | 2基 | |
C4I | NTDS(リンク 11) | |
ANDU戦術情報処理装置 | ||
タレス WM-25 FCS | ||
レーダー | DM 76 レーダー | |
タレス ZW-06 水上 | ||
ケルビン・ヒューズ 1007 航海 | ||
MD 3721 レーダー | ||
ソナー | DE-1160B ソナー | |
電子戦・ 対抗手段 | ||
Mk 36 SRBOC | ||
AN/SLQ-25 Nixie 対魚雷デコイ |
デスクビエルタ級コルベット(スペイン語: Corbetas de la Clase Descubierta)は、スペインのバサンが1970年代から1980年代にかけて建造したコルベット。バサンの国際展開経営に基づきスペイン海軍以外にエジプト海軍やモロッコ海軍に輸出され、合計9隻が建造されている。スペイン海軍では「極小蟻(hormigas atómicas)」の愛称で呼ばれる。
概要
プロジェクトF-30の原点は1960年代後半に存在した海軍計画第二段階にあった。これによれば沿岸警備用コルベット12隻分の建造を予定していたが、紆余曲折を経て8隻まで予定数が削減され、他にはモロッコにも輸出されることが検討された。しかし、本級の最後の2隻はスペイン海軍への納入が頓挫し、販売先を求めた結果エジプトに輸出される事となった。本級の前期分4隻がカルタヘナ造船所で、後半分4隻がフェロル造船所で建造された。
船体はドイツ・ブローム・ウント・フォスと協力して設計された。原設計は1960年代にポルトガル海軍のホジェリオ・ドオリヴェイラ設計官により設計されたジョアン・コーチニョ級コルベットを基礎にしている。F-30シリーズは沿海域における作戦や船団護衛に最適化された設計であった。その後、拡大改良型である第2バッチの提案がなされるも、スペイン海軍当局はアメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートのライセンス生産を選択した。
これは、最適化していたが故に拡大改良の余地がなくヘリコプターの運用や、データリンクシステムおよびソナーの欠如は、実任務において障害があった為である。本級は全鑑が国際連合主導の湾岸戦争中の紅海ほかでのイラク向け禁輸監視行動に参加した。これら一連の行動において限界が露見した。これ以降も国軍の演習やNATOの演習でも対潜能力は評価されたものの、外洋作戦能力が限定的である点が明らかとなった。
デスクビエルタ級は対潜作戦に注力した設計であったが、対空能力はバレアレス級フリゲートやサンタ・マリア級フリゲートに概ね伍するものの改良の余地はなかった。前述の通り、ヘリコプター運用能力の欠如や可変深度ソナーの問題により、一部任務は既存のフリゲートに任さざるを得なかった。
本級はジブラルタル海峡や地中海、アドリア海および紅海など限定された海域での作戦には有効であったと評価された。
アルバロ・デ・バサン級フリゲートの就役に伴い、2004年に艦種をフリゲート相当のコルベットから哨戒艦に変更され、一部兵装が軽量化され、ゾディアックなど小型ボートを3隻搭載し臨検活動に対応できる様になった。「F 32 ディアナ」は掃海艦に改良され、艦番号を「M-11」に変更した。改装により、DA 05/2対空対水上レーダー、ZW 06航海レーダー、レイセオン 1160Bソナー、オート・メララ 62口径76mm軽量単装砲が1基に換装される。他に、妨害装置にはSRBOC Mk 36、Mk 1000ESM装置、カノープスECM装置や、潜水作業員用の高圧室が備えられている。
輸出型
エジプト海軍での現状は不明である。
モロッコ海軍では現役状態であるものの、状態は最も不適切であるとされる。これを改善するためフランスからフロレアル級フリゲートを2隻購入した。
同型艦
スペイン海軍向け
艦番号 | 艦名 | 建造所 | 就役 | 退役 | その後 |
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F 31 | デスクビエルタ Descubierta |
カルタヘナ造船所 | 1978年11月18日 | 2009年6月30日 | |
F 32 | ディアナ Diana |
カルタヘナ造船所 | 1979年6月30日 | 掃海艦 M-11 | |
F 33 | インファンタ・エレナ Infanta Elena |
カルタヘナ造船所 | 1980年4月12日 | 哨戒艦 P-76 | |
F 34 | インファンタ・クリスティナ Infanta Cristina |
カルタヘナ造船所 | 1980年11月24日 | 哨戒艦 P-77 | |
F 35 | カサドラ Cazadora |
フェロル造船所 | 1981年7月2日 | 哨戒艦 P-78 | |
F 36 | ベンセドラ Vencedora |
フェロル造船所 | 1982年3月27日 | 哨戒艦 P-79 |
エジプト海軍向け
艦番号 | 艦名 | 建造所 | 就役 |
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F 941 | エル・スエズ El Suez |
フェロル造船所 | 1984年8月21日 |
F 946 | エル・アブキール El Aboukir |
フェロル造船所 | 1984年10月27日 |
モロッコ海軍向け
艦番号 | 艦名 | 建造所 | 就役 |
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501 | テニエンテコロネル・エラマニ Teniente Coronel Errahmani |
フェロル造船所 | 1982年2月26日 |
脚注
関連項目
外部リンク
- (スペイン語) Descubierta Class海軍公式ページ