フロレアル級フリゲート

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フロレアル級フリゲート
Vendemiaire 2.jpg
パペーテ港沖を航海中のヴァンデミエール
艦級概観
艦種 フリゲート
建造期間 1990年 - 1993年
就役期間 1992年 - 就役中
前級 デスティエンヌ・ドルヴ級通報艦
次級 ラファイエット級フリゲート
性能諸元
排水量 基準:2,600t
満載:2,900t
全長 93.5m
全幅 14m
吃水 4.4m
高さ 33.4m
機関 CODAD方式
SEMT ピルスティク6PA6 L280 BTC ディーゼルエンジン
(6,470 kW/8,680 hp)
4基
スクリュープロペラ 2軸
バウスラスター(200kW) 1基
速力 20ノット
航続距離 10,000海里(15ノット巡航時)
行動日数 50日
電力 ボードワン12 P15 2SR ディーゼル発電機 (590kW) 3基
乗員 士官12名+海曹49名+海士22名+航空要員13名
兵装 Mle.68 CADAM 100mm単装砲 1基
F2 20mm単装機銃 2基
SIMBAD近SAM連装発射機 2基
エグゾセMM38 SSM 2基
艦載機 AS.565MA汎用ヘリコプター 1機
C4I シラキューズ衛星通信システム
GFCS ナジール 主砲用 1基
レーダー DRBV-21 対空・対水上捜索用 1基
DRBN-34 航法用 2基
ソナー なし
電子戦 ARBG 1A 電波探知装置
CSEE Dagaie Mk.2デコイ発射機 2基

フロレアル級フリゲートフランス語: Frégate de surveillance type Floréal)は、フランス海軍フリゲート。6隻が建造された他、モロッコにも2隻が輸出された。

来歴[編集]

フランス海軍は従来、海外県・海外領土での洋上警備・救難など領海排他的経済水域保全を主任務として通報艦Aviso)を整備してきた。しかし冷戦終結前後より低強度紛争非対称戦争に対処する必要性がクローズアップされるようになった[1]。このことから、通報艦よりも大型で汎用性に優れた監視フリゲート(Frégate de surveillance)として整備されたのが本級である。

本級の建造は1988年度の海軍予算で初めて盛り込まれ、1988年4月、最初の2隻がアトランティーク造船所に対して発注された[2]

設計[編集]

本級では、コスト低減のため、積極的に商船の技法が導入されており、フランスの船級協会であるビューロー・ベリタスの規則に準拠して設計されている。艦型としては長船尾楼型が採用され、ヘリコプター甲板の高さと船内容積を確保している。艦内にはコマンド部隊25名分の待機スペースがあり、また350m³の物資を搭載できる[2]

従来の通報艦と同様、小型の艦型で航続性能を確保するためディーゼル主機とされているが、船型の大型化に伴いCODAD方式が採用された。主機は直列6気筒の高速ディーゼルエンジンであるSEMT ピルスティク6PA6 L280BTCであり、両舷2基ずつ計4基の主機は、減速機を介して両舷各1軸の推進器(可変ピッチ式プロペラ)に接続される。390トンの燃料を搭載しており、15ノットで巡航して10,000海里 (19,000 km)、連続行動日数50日という航続性能を確保している[1]

装備[編集]

上記のような経緯から、マルチハザード化およびグローバル化に伴う任務の多様化に対応して、従来の通報艦と同様の警備・救難・漁業監視任務とともに、自国民・非戦闘員の救出をはじめとする戦争以外の軍事作戦への対処能力が増強されている。装備の面では、おおむね前任のA69型通報艦のものが踏襲されているが、水測・水雷装備を持たず、また予算面の問題から、艦対艦ミサイルも、より旧式の機種とされた[2]

一方で、汎用性を重視した結果、従来の通報艦にはなかった航空運用機能が追加されている。船尾楼後部はヘリコプター甲板とされており、長さ23×幅14mを確保して、甲板上には着艦拘束装置(ハープーン・グリッド・システム)とSAMAHE機体移送装置が装備された[1]。また上部構造物後端に設けられたハンガーは大型のAS.332 シュペルピューマまで収容可能であるが、平時の艦載機は、より小型のSA.316 アルエットIIIまたはAS.565 パンテル汎用ヘリコプターとされている。荒天時でも航空運用機能を確保するためフィンスタビライザーが装備されており、シーステート5まで航空機の運用が可能とされている[2]

メインセンサーとなる対空・対水上捜索用レーダーは、1990年に発表されたばかりの新型機であるDRBV-21が搭載された。これはDRBV-26をもとに開発された簡易版で、Lバンドを利用する2次元レーダー半導体素子化された送信機とデジタル処理によるパルス圧縮技術を備えており、対空で110km、対水上で80kmの最大探知距離を有する[3]。また航法用のラカル・デッカRM1290レーダー(フランス海軍呼称はDRBN-34)は、ヘリコプターの着艦誘導支援にも用いられる。なお100mm主砲砲射撃指揮装置(GFCS)としては電子光学式のナジールが搭載されている[1]

配備[編集]

艦名は全てフランス革命暦から採られている。太平洋インド洋の海外領土に配置されている事もあり、しばしば日本にも来航している。

同型艦一覧
# 艦名 起工 進水 就役 配備先
F 730 フロレアル
Floréal
1990年4月2日 1990年10月6日 1992年5月27日 レユニオン
F 731 プレリアル
Prairial
1990年9月11日 1991年3月16日 1992年5月20日 パペーテ
F 732 ニヴォーズ
Nivôse
1991年1月16日 1991年8月10日 1992年10月16日 レユニオン
F 733 ヴァントーズ
Ventôse
1991年6月28日 1992年3月14日 1993年5月5日 フォール=ド=フランス
F 734 ヴァンデミエール
Vendémiaire
1992年1月17日 1992年8月23日 1993年10月21日 ヌメア
F 735 ジェルミナル
Germinal
1992年8月17日 1993年3月14日 1994年5月17日 フォール=ド=フランス

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]